闇と光。そして影の少年と向日葵の少女
――向日葵という花がある。
その花は太陽のような花弁を持ち耀いている。
光を浴びさんさんと。
ずっとずっと聳え立っている。
どんな時も折れずずっと立ち続けている。
光を浴びさんさんと。
ずっとずっと聳え立っている。
どんな時も折れずずっと立ち続けている。
たとえ、踏み潰され押しつぶされても。
その花はいつまでも気高く。
ずっとずっと耀いてる。
まるで、太陽の如く。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「真人ぉぉ……謙吾ぉぉ……嘘だ……嘘だぁぁ」
満天の星空、絶えず聞こえてくる波の音。
涼しい風が草木を揺らし音を鳴らす。
その波打ち際に一人の少年が闇に紛れ泣いていた。
少年は黒い制服を纏っているだけの黒髪の普通の少年で。
涼しい風が草木を揺らし音を鳴らす。
その波打ち際に一人の少年が闇に紛れ泣いていた。
少年は黒い制服を纏っているだけの黒髪の普通の少年で。
その黒に塗れた姿が漆黒の夜に唯混じっていて埋没しいてた。
響くのはすすり泣き。
ずっと続く泣き声。
ずっと続く泣き声。
少年――直枝理樹―――は唯、悲観にくれていた。
大切な人がいなくなってしまった。
大切な、大切な幼馴染。
大切な人がいなくなってしまった。
大切な、大切な幼馴染。
彼にとって彼らは聖域であり依存すべきもの、リトルバスターズ。
絶対に失いたく無かったもの。
彼にとって井ノ原真人と宮沢謙吾は自分を支えてくれる大事な人で。
一人では何もでき無い理樹をずっと支えてくれていた。
一人では何もでき無い理樹をずっと支えてくれていた。
そんな彼らの命が……あっけなく失われてしまった。
余りに唐突に。
彼らの命は永遠に失われてしまった。
信じたくないと少年は願う。
その事実は小さな少年には余りにも重くて。
全てを忘れて殻に閉じこもりたくて。
全てを忘れて殻に閉じこもりたくて。
でもそれができなくて。
唯哀しかった。
泣くしかなかった。
泣くしかなかった。
(殺し合い……)
そんなに少年にある言葉が頭に浮かぶ。
主催者が行うといった殺し合い。
主催者が行うといった殺し合い。
そのせいで大切な人達が死んでしまった。
その殺し合いに少年は乗るとは考えなかった。
その殺し合いに少年は乗るとは考えなかった。
いや、考えられなかった。
余りにも小さな少年には殺すという行為が怖くて。
また、殺すという行為が恐ろしいモノにも感じて。
そして何より殺されるという行為が途轍もなく嫌で。
また、殺すという行為が恐ろしいモノにも感じて。
そして何より殺されるという行為が途轍もなく嫌で。
死にたくなかった。
何も成さないまま。
誰とも会わないまま。
誰とも会わないまま。
唯、命が奪われるというのが堪らなく嫌だったから。
ならば殺し合いに反逆をするという道を取るのか。
それも、少年には取る事ができない。
自分がどれだけ小さいか知っているから。
自分ひとりじゃ何かをする事が怖いから。
怖くて怖くて堪らないから。
自分がどれだけ小さいか知っているから。
自分ひとりじゃ何かをする事が怖いから。
怖くて怖くて堪らないから。
「恭介……何とかしてくるよね?……きっときっと」
想うは棗恭介という、大切な仲間のリーダー。
彼は正しく少年にとってヒーローだった。
頭が良くて、行動力があって何でもできる。
きっと彼なら殺し合いなんて簡単に止めてくれるだろうと。
彼は正しく少年にとってヒーローだった。
頭が良くて、行動力があって何でもできる。
きっと彼なら殺し合いなんて簡単に止めてくれるだろうと。
自分はそんなヒーローに頼るしかない。
頼ってその力の庇護を受ければいいと。
そんな事ばかりを考えて。
頼ってその力の庇護を受ければいいと。
そんな事ばかりを考えて。
それだけじゃない。
棗鈴という棗恭介の妹であり大切な幼馴染。
来ヶ谷唯湖という頼れる姉御肌の仲間。
西園美魚という物静かな仲間。
棗鈴という棗恭介の妹であり大切な幼馴染。
来ヶ谷唯湖という頼れる姉御肌の仲間。
西園美魚という物静かな仲間。
その仲間達が何とかしてくれると。
だから悲しみに浸っていたかった。
謙吾達を失った哀しみに。
謙吾達を失った哀しみに。
殺し合いは恭介が止めてくれる。
そんな甘い考えを抱いて。
「恭介……お願いだよ……うぅ……謙吾……真人」
だがそんな弱い少年を誰が責める事ができようか。
それも人なのだから。
直枝理樹という成長しきっていない子供なのだから。
そんな子供の逃避を責める事など人には誰もできない。
「えっと……大丈夫ですか?」
それでもそんな少年に手を差し伸べる少女がいた。
とても優しい声で。
砂浜で俯く少年の肩に手を置いて。
とても優しい声で。
砂浜で俯く少年の肩に手を置いて。
「え……?」
少年は戸惑い驚く。
哀しみに浸っている間に声をかけられたのだから。
それでも恐怖に染まる事が無かったのは。
怯えて取り乱さなかったのは。
哀しみに浸っている間に声をかけられたのだから。
それでも恐怖に染まる事が無かったのは。
怯えて取り乱さなかったのは。
少女の声がとても優しかったから。
とても柔らかくて明るかったから。
とても柔らかくて明るかったから。
少年は驚きつつも振り返る。
「……大丈夫ですか?……よかった」
そこには満面の笑顔。
何の屈託も無く笑っていて。
曇りなどなく全く無くて。
曇りなどなく全く無くて。
それはまるで表現するならば
太陽の花、向日葵。
その夏に咲く花そのものだった。
向日葵の少女の名は日向夏咲。
水色と白の夏のセーラー服を纏った少女は茶色の長い髪を靡かせながら。
その髪に飾られている黄色い少し色のされ皺がある大きなリボンを手で押さえ。
その髪に飾られている黄色い少し色のされ皺がある大きなリボンを手で押さえ。
笑いながら闇に埋没しかけた少年に手を差し伸べる。
少女が持つ光へ誘う様に。
少女が持つ光へ誘う様に。
そう、闇に落ちるしかなかった少年に。
ただ、向日葵の少女は。
太陽な笑みで手を差し伸べていた。
その手を少年は見つめ。
そして誘われるように握った。
光に誘われるままに。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……」
空には大きな月。
まん丸の大きな月。
それ妖しく光っていて。
月が少女を照らしていて。
まん丸の大きな月。
それ妖しく光っていて。
月が少女を照らしていて。
月光を浴びる少女は唯祈っていて。
少女は想う。
少女は想う。
あの場で死んで言ったたくさんの人達。
無念だったのだろか。
恐怖ばかりだったのだろうか。
無念だったのだろか。
恐怖ばかりだったのだろうか。
それでも皆死にたくないと想っていた筈だと想う。
そして残された少女達。
自分たちが生き残っていたのは偶然か必然か。
自分たちが生き残っていたのは偶然か必然か。
でもたとえどちらだとしても少女が死んでいった者の為にできる事。
それは唯、やすらぎを祈る事。
死後の世界があるとは想わない。
それは唯、やすらぎを祈る事。
死後の世界があるとは想わない。
でも、そうだとしてもどうかやすらかに逝ってほしかった。
例えそれが生きている者の傲慢だとしても。
少女には祈るしかなかった。
例えそれが生きている者の傲慢だとしても。
少女には祈るしかなかった。
唯、目を閉じ、冥福を。
少女に当たる風は涼しく、そして優しく。
少女に聞こえる波音は穏やかで、そして安らか。
少女に聞こえる波音は穏やかで、そして安らか。
どれくらいの時間を祈っていただろうか。
長いような。
短いような。
短いような。
「よし……」
そして、目を開ける。
少女が見えるのは満天の星。
どれも皆綺麗に耀いて。
一つ一つが皆異なった耀き。
一つ一つが皆異なった耀き。
でもそれはとても綺麗で。
そして少女――日向夏咲――の目も耀いていて。
その目に映るは希望と決意。
その目に映るは希望と決意。
向日葵の少女は誓う。
「絶対……駄目だよ……こんなの」
殺し合いに反逆する事を。
認めたくなかった。
理不尽に奪われていく命を見逃す事ができなくて。
主催者の言いなりになって命がむざむざ奪われていく事を。
認めたくなかった。
理不尽に奪われていく命を見逃す事ができなくて。
主催者の言いなりになって命がむざむざ奪われていく事を。
どんな権力に屈しなかった向日葵の少女はこんな理不尽なゲームを絶対に認めるわけにはいかなかった。
思い起こすのはあの夏の日。
皆が力を合わせて闇に屈しなかった日。
皆が力を合わせて闇に屈しなかった日。
あの日のように今回も絶対屈したりはしないと光は誓う。
向日葵の少女は想う。
自分はとても弱いと。
何か特筆する力も無いし頭が特段いいわけでもない。
唯の平凡な少女でしかない。
何か特筆する力も無いし頭が特段いいわけでもない。
唯の平凡な少女でしかない。
でもそれでも。
自分にもできる事があるはずだと。
どんな些細な事でもきっと何かの役に立つと想って。
だから少女は決意する。
殺し合いを止める為に役に立とうと。
殺し合いを止める為に役に立とうと。
「ケンちゃん……」
想うは彼の大切な仲間である森田賢一。
少女にとって彼はヒーローだった。
何でもできて何でも解決する。
頭がすごく良くて。
誰にも負けない勇気を持って。
きっとこの殺し合いを止めてくれるだろうと。
何でもできて何でも解決する。
頭がすごく良くて。
誰にも負けない勇気を持って。
きっとこの殺し合いを止めてくれるだろうと。
彼だけじゃない。
三ツ廣さち。
大音灯花。
樋口璃々子。
卯月セピア。
大音灯花。
樋口璃々子。
卯月セピア。
大事な仲間たちもきっとそうだと。
だからこそ、自分も役に立ちたいと。
ヒーローを支える仲間でありたいと。
そう少女は誓う。
自分にも何かできるはずと想って。
「行こう……」
そして、向日葵の光の少女は歩き始める。
月の光を浴びながら。
胸に気高き決意を。
不屈の信念を持って。
不屈の信念を持って。
人として、誰もが持つ「譲れない強さ」を持って。
少女は歩く。
それもきっと人であるから。
そして少女は影に出会う。
蹲って哀しんでいる少年を。
闇に潜めるかのように身を潜めている少年に。
向日葵の少女は想う。
助けてあげたいと。
闇に染まってはいけない。
影に落ちてはいけないと。
影に落ちてはいけないと。
一度深き闇にいたからこそ。
少年を助けたかった。
光へ導きたかった。
だから光は照らす。
影を無くすかのように。
強い強い決意を持って。
「えっと……大丈夫ですか?」
手を差し伸べる
闇を無くす為に光は耀く。
それが光の役目。
向日葵の役目なのだから。
――そして向日葵の光と闇の影は交差する――――
「えっと直枝君の知り合いは棗恭介、棗鈴、来ヶ谷唯湖、西園美魚でいいんですね?」
「う、うん」
「う、うん」
少女と少年は砂浜に座りながら話をしていた。
まずは現状把握。
そして殺し合いに対してどうするかと。
会話は少女主導で少年はそれに戸惑いつつも応えるだけ。
まるで、光に誘われ消える影の如く。
まずは現状把握。
そして殺し合いに対してどうするかと。
会話は少女主導で少年はそれに戸惑いつつも応えるだけ。
まるで、光に誘われ消える影の如く。
「えっと、日向さんが探してるのは森田賢一、三ツ廣さち、大音灯花、卯月セピア、樋口璃々子、法月将臣でいいのかな?」
「うん。ケンちゃんならきっとこの殺し合いなんかぶっ壊してしまうよ! 舐めんなコラって感じで」
「な、舐めんなコラって……」
「うん。ケンちゃんならきっとこの殺し合いなんかぶっ壊してしまうよ! 舐めんなコラって感じで」
「な、舐めんなコラって……」
少女が語る森田賢一の姿に少年は棗恭介を重ねる。
どんな時でも仲間を助けて。
どんなピンチでも必ず打破して。
どんな事でも絶対に負けない。
そう自信を持って語る森田賢一はヒーローのようで。
どんな時でも仲間を助けて。
どんなピンチでも必ず打破して。
どんな事でも絶対に負けない。
そう自信を持って語る森田賢一はヒーローのようで。
まるで少年が想う棗恭介とそっくりで。
だから、少年は想ってしまう。
余りにも小さく弱いから。
他人に頼るしかないから。
「なら、そのケンちゃんに任せれば全て解決するんじゃ……? 僕達が動くまでも……」
そんなヒーローに全てを任せればいいと。
ヒーローならきっと解決してくれる。
ヒーローならきっと解決してくれる。
そう想うから。
唯、弱い少年は。
でも向日葵の少女は違った。
「そんな事無いよ! 皆が力を合わせて解決しなきゃ! ケンちゃんは何でもできるけど……それでも一人じゃできる事が限られるもん
だから、私ができる事、精一杯でケンちゃんをサポートしなきゃ! 磯野君達も皆そう想うよ! 自分ができる限りで助けようと!」
だから、私ができる事、精一杯でケンちゃんをサポートしなきゃ! 磯野君達も皆そう想うよ! 自分ができる限りで助けようと!」
ヒーローは万能ではないと。
ヒーローは一人だけじゃ限りがあるから。
だから、自分でできる事を果たそうと。
それを少女はあの事件以来想い続けているのだから。
ヒーローをサポートする仲間。
少女とさちと灯花とセピアと璃々子それと恐らく法月。
ヒーローは一人だけじゃ限りがあるから。
だから、自分でできる事を果たそうと。
それを少女はあの事件以来想い続けているのだから。
ヒーローをサポートする仲間。
少女とさちと灯花とセピアと璃々子それと恐らく法月。
皆が自分の出せる力でヒーロー助けるからこそヒーローはヒーローでいられると想うから。
だから向日葵の少女は言う。
「一緒に頑張ろうよ! 自分の出せる力できっとできる事があるから」
「……う、うん」
「……う、うん」
自分の力でできる事があるからと。
屈託の無い笑顔で。
「さあ、行こう! ケンちゃんの役に立つんだ!」
「え……えええ!? ちょ……ちょっとまってよ!?」
「え……えええ!? ちょ……ちょっとまってよ!?」
少女は少年の手を引っ張って歩き出す。
殺し合いの打破。
それを想い続けて。
少年は惑う。
少女は燦々と耀く光。
夏の花、向日葵。
でも。
(眩し過ぎるよ……)
闇に慣れすぎた少年には唯眩しかった。
闇に光は届いても唯眩しいだけで。
少年は光になれない。
向日葵は屈しない。
いつまでも気高く耀き続ける。
だが。
少年は。
闇は。
晴れる事はあるんだろうか?
闇に解けるだけではないのだろうか?
光の少女と闇の少年。
それは決定的なすれ違いを持って歩み始めた。
彼らの行く末は未だ誰も知る由もない。
向日葵の如く耀くか。
影の如く埋没するか。
影の如く埋没するか。
行く末は。
光か。
闇か。
闇か。
まだ。
まだ誰もわからない。
【H-7砂浜/1日目 深夜】
【日向夏咲@車輪の国、向日葵の少女】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:ゲームに反逆する
1:賢一、さち、灯花、璃々子、セピア、法月と合流する
2:理樹と一緒に行動。
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:ゲームに反逆する
1:賢一、さち、灯花、璃々子、セピア、法月と合流する
2:理樹と一緒に行動。
【備考】
※グランドエンド後から参戦(夏咲ENDかは未定)
※グランドエンド後から参戦(夏咲ENDかは未定)
【直枝理樹@リトルバスターズ!】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:消極的。ゲームに反逆する?
1:リトルバスターズメンバーと合流する
2:夏咲と一緒に行動。
3:恭介や賢一のような人間に何とかしてもらいたい。余り動きたくない。
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:消極的。ゲームに反逆する?
1:リトルバスターズメンバーと合流する
2:夏咲と一緒に行動。
3:恭介や賢一のような人間に何とかしてもらいたい。余り動きたくない。
【備考】
※ループ一週目から参戦。
※ループ一週目から参戦。
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