トライアングル・ウエーブ
歌が、響いている。
調子の外れたリズムが、アスファルトを叩くように跳ねていた。
「♪いっしゅーの『い』は、イヤンバカ~ンの『い』~」
ゴム鞠のように弾む歌声は、小気味よく。
歌い手たる少女の楽しさを、体現するかのごとく。
「♪いっしゅーの『ちっちゃいつー』は、うう~ん……パス1~」
歌声に紛れて、コチ、コチ、コチ、という音も小刻みに。
まるで、少女と爆弾、二人で歌っているようだった。
「♪いっしゅーの『し』は、柴犬の『し』~」
膝を抱えて座り、そのときを待ち続ける。
ダメダメ妹の窮地を救うため、兄が駆けつけに来てくれるときを。
「♪いっしゅーの『ちっちゃいゆー』は、えと……パス2~」
少女の兄は、妹のダメダメなところをいつもフォローしてくれた。
ダメダメな妹は、そんな兄が大好きだったのだ。
「♪いっしゅーの『のばすぼー』は……」
ここでも、変わらない。
きっと、お兄ちゃんが助けに来てくれる。
「♪いっしゅーの名前は難しいね~」
きっと、きっと、きっと、きっと、きっと。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチというリズムと共に、唱え続ける。
「♪ラララ、やっぱりイヂワルだよ~」
膝を抱えた少女が、道路の真ん中で楽しげに歌っていた。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、
そんな旋律と共に。
◇ ◇ ◇
――オレの名前は、鷺沢一蹴。
今年度の浜咲学園卒業生。春を迎えた今の肩書きは、浪人生だ。
なんの因果か、眠っている間に拉致され……殺し合え、と枷を嵌められた。
首もとを覆う銀のリングを軽く小突いて、顔を顰める。少し息苦しかった。
なんの因果か、眠っている間に拉致され……殺し合え、と枷を嵌められた。
首もとを覆う銀のリングを軽く小突いて、顔を顰める。少し息苦しかった。
「……どうしよう」
惨劇の余韻から抜け出せず、長い時を呆けて、ようやく声が出た。
開幕の舞台から景色は一変し、オレの身はどことも知らぬ室内の中にあった。
三畳半一間、オレの家よりも狭い、ボロアパートの一室であるようだ。
窓の外の景色は暗い。時計に目をやれば、深夜零時を少し回ったくらいだった。
開幕の舞台から景色は一変し、オレの身はどことも知らぬ室内の中にあった。
三畳半一間、オレの家よりも狭い、ボロアパートの一室であるようだ。
窓の外の景色は暗い。時計に目をやれば、深夜零時を少し回ったくらいだった。
「……澄空の制服着てたな、あの子」
まるで見せしめにするかのように殺された、七人の男女たち。
その内の一人は、澄空学園女子の制服を着ていた。
オレの通っていた浜咲学園と並んで進学校とされている、極めて近所にある学校だ。
この事件は、澄空や浜咲、神奈川県を基点として起こっているのだろうか。
しかし配られた名簿を見ると、外国人と思しき名前も多々あった。
地図には、見知らぬ地形の島が記されていた。
その内の一人は、澄空学園女子の制服を着ていた。
オレの通っていた浜咲学園と並んで進学校とされている、極めて近所にある学校だ。
この事件は、澄空や浜咲、神奈川県を基点として起こっているのだろうか。
しかし配られた名簿を見ると、外国人と思しき名前も多々あった。
地図には、見知らぬ地形の島が記されていた。
「……なんなんだ、いったい!」
虚ろな意識は徐々に覚醒に向かい、オレは知らず知らずの内に激昂していた。
ここはどこなのか、選ばれた理由はなんなのか、なんでこんなことをしなきゃならないのか。
まったくわからない。謎が憤怒に変わるたび、首輪の爆ぜる光景がフラッシュバックし、無力さを思い知らされる。
ここはどこなのか、選ばれた理由はなんなのか、なんでこんなことをしなきゃならないのか。
まったくわからない。謎が憤怒に変わるたび、首輪の爆ぜる光景がフラッシュバックし、無力さを思い知らされる。
「こんなのもの、どうしろってんだよ……」
デイパックの中には、名簿や地図と一緒に武器も入っていた。
レプリカノリムネ。見た目には立派な日本刀……だが、その実態は単なる模造刀だ。
暴徒の鎮圧くらいには使えるだろうが、相手が銃や本物の刀剣で武装していたら、手も足も出ないだろう。
早くも先行きが不安になる。こんな刀一本で、どうやって彼女を守ればいいっていうんだ……。
レプリカノリムネ。見た目には立派な日本刀……だが、その実態は単なる模造刀だ。
暴徒の鎮圧くらいには使えるだろうが、相手が銃や本物の刀剣で武装していたら、手も足も出ないだろう。
早くも先行きが不安になる。こんな刀一本で、どうやって彼女を守ればいいっていうんだ……。
「いのり……」
陵いのり。オレと同じく、参加者としてここに連れて来られた……オレの好きな人だ。
高校に入ってからだから、かれこれ三年ほどのつきあいになる。
ただ、出会いはもっと幼い頃から……真の意味で恋人同士になれたのは、つい最近のことだったりもする。
高校に入ってからだから、かれこれ三年ほどのつきあいになる。
ただ、出会いはもっと幼い頃から……真の意味で恋人同士になれたのは、つい最近のことだったりもする。
――『最初から好きじゃなかったの』
二月十四日の土曜日。いのりに別れを告げられて、以来オレの心には雨が振り続けていた。
だけど、
だけど、
――『ずっと……ずっと……! 好きだった!』
四月六日の火曜日。オレといのりは再び想いを繋ぎ合わせ……雨は、やんだ。
そう、やんだんだ。
別れを告げられた場所で、オレたちは再び通じ合った。
「教会……教会に行こう」
オレといのりにとっての、思い出の地。この島の北にも、教会はある。
あるいは、いのりもオレと同じ場所を目指すかもしれない。
どうすればいいか……なんて、自問しても答えは出てこない。
けど、ここでは人が死ぬ。大切な人も、死んでしまうかもしれない。
だから守ろう。いのりを。オレの好きな人を。
行動を起こす動機は、それだけで十分だった――
「それでもオレは、君を思い出すから」
◇ ◇ ◇
「くふふ~。お兄ちゃん、早く来ないかにゃ~」
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
「早く来ないとー、ゆかりは木っ端微塵のミジンコちゃんだよ~?」
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
「今すぐ飛んできてくれたらー、もれなくさよりんの苗字を教えてしんぜよ~」
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
「そういえば……さよりんの苗字、名簿でバレちゃうかも。けど、さよりん載ってない……あ」
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
「いのりさんも……いるんだ」
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
「お兄ちゃん……いのりさんのほうに行ったのかにゃ~……?」
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ……
◇ ◇ ◇
――わたしの名前は、陵いのり。
今年度の浜咲学園卒業生。春を迎えた今の肩書きは、特にない。
アメリカ行きを棒に振るったわたしは、ただ彼の傍らにいることだけを望んで……拉致された。
首もとを覆う銀のリングを軽く小突いて、顔を顰める。殺し合え、という言葉を反芻しながら。
アメリカ行きを棒に振るったわたしは、ただ彼の傍らにいることだけを望んで……拉致された。
首もとを覆う銀のリングを軽く小突いて、顔を顰める。殺し合え、という言葉を反芻しながら。
「……どうしよう」
惨劇の余韻から抜け出せず、長い時を呆けて、ようやく声が出た。
開幕の舞台から景色は一変し、わたしの身はどことも知らぬ室内の中にあった。
三畳半一間、彼の家よりも狭い、古びたアパートの一室であるようだ。
窓の外の景色は暗い。時計に目をやれば、深夜零時を少し回ったくらいだった。
開幕の舞台から景色は一変し、わたしの身はどことも知らぬ室内の中にあった。
三畳半一間、彼の家よりも狭い、古びたアパートの一室であるようだ。
窓の外の景色は暗い。時計に目をやれば、深夜零時を少し回ったくらいだった。
「……澄空の制服着てたな、あの子」
まるで見せしめにするかのように殺された、七人の男女たち。
その内の一人は、澄空学園女子の制服を着ていた。
わたしの通っていた浜咲学園と並んで進学校とされている、極めて近所にある学校だ。
この事件は、澄空や浜咲、神奈川県を基点として起こっているのだろうか。
しかし配られた名簿を見ると、外国人と思しき名前も多々あった。
地図には、見知らぬ地形の島が記されていた。
その内の一人は、澄空学園女子の制服を着ていた。
わたしの通っていた浜咲学園と並んで進学校とされている、極めて近所にある学校だ。
この事件は、澄空や浜咲、神奈川県を基点として起こっているのだろうか。
しかし配られた名簿を見ると、外国人と思しき名前も多々あった。
地図には、見知らぬ地形の島が記されていた。
「……なにがなんだか、わからないよぉ」
虚ろな意識は徐々に覚醒に向かい、わたしは悲しみに溺れるがままに涙を流した。
ここはどこなのか、選ばれた理由はなんなのか、なんでこんなことをしなきゃならないのか。
まったくわからない。謎が悲嘆に変わるたび、首輪の爆ぜる光景がフラッシュバックし、無力さを思い知らされる。
ここはどこなのか、選ばれた理由はなんなのか、なんでこんなことをしなきゃならないのか。
まったくわからない。謎が悲嘆に変わるたび、首輪の爆ぜる光景がフラッシュバックし、無力さを思い知らされる。
「こんなのもの、使えないよ……」
デイパックの中には、名簿や地図と一緒に武器も入っていた。
SIG P210。正真正銘、本物の拳銃であり、ご丁寧に弾まで込められていた。
人殺しの道具なんだから当たり前か、と自嘲気味に笑い、また顔を俯かせる。
早くも先行きが不安になる。こんな銃を持っていたからって、彼に会える保障にはならない……。
SIG P210。正真正銘、本物の拳銃であり、ご丁寧に弾まで込められていた。
人殺しの道具なんだから当たり前か、と自嘲気味に笑い、また顔を俯かせる。
早くも先行きが不安になる。こんな銃を持っていたからって、彼に会える保障にはならない……。
「一蹴……」
鷺沢一蹴。わたしと同じく、参加者としてここに連れて来られた……わたしの好きな人だ。
高校に入ってからだから、かれこれ三年ほどのつきあいになる。
ただ、出会いはもっと幼い頃から……真の意味で恋人同士になれたのは、つい最近のことだったりもする。
高校に入ってからだから、かれこれ三年ほどのつきあいになる。
ただ、出会いはもっと幼い頃から……真の意味で恋人同士になれたのは、つい最近のことだったりもする。
――『最初から好きじゃなかったの』
二月十四日の土曜日。一蹴に別れを告げて、以来わたしの心には雨が振り続けていた。
だけど、
だけど、
――『ずっと……ずっと……! 好きだった!』
四月六日の火曜日。わたしと一蹴は再び想いを繋ぎ合わせ……雨は、やんだ。
そう、やんだんだ。
別れを告げた場所で、わたしたちは再び通じ合った。
「教会……教会に行こう」
わたしと一蹴にとっての、思い出の地。この島の北にも、教会はある。
あるいは、一蹴もわたしと同じ場所を目指すかもしれない。
どうすればいいか……なんて、自問しても答えは出てこない。
けど、ここでは人が死ぬ。大切な人も、死んでしまうかもしれない。
だから守ろう。一蹴を。わたしの好きな人を。
行動を起こす動機は、それだけで十分だった――
「それでもわたしは、あなたを思い出すから」
◇ ◇ ◇
――わたしの名前は、鷺沢ゆかり。
浜咲学園2年生。春を迎えた今では、3年生。最高学年のお姉さん。
自分で言うのもなんだけど成績優秀、ちょっと子供っぽいところはあるけれど、最近は可愛い後輩もできました。
そんなゆかりが、どうしてショーゴみたいに首輪はめられてるのかにゃ~?
うん、殺し合いをさせるためだよね、とゆかりは自己完結するのでした。
自分で言うのもなんだけど成績優秀、ちょっと子供っぽいところはあるけれど、最近は可愛い後輩もできました。
そんなゆかりが、どうしてショーゴみたいに首輪はめられてるのかにゃ~?
うん、殺し合いをさせるためだよね、とゆかりは自己完結するのでした。
「……はううぅぅぅぅぅぅ!」
抱えていた膝を解き、ゆかりは涙目になりながら声を上げ、立ち上がる。
道路の真ん中で、ジッとタイマーを見つめて待っていたけれど……お兄ちゃんはゆかりを助けに来てくれない。
道路の真ん中で、ジッとタイマーを見つめて待っていたけれど……お兄ちゃんはゆかりを助けに来てくれない。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
ゆかりがピンチになれば、お兄ちゃんは必ず来てくれる。そう信じていたから、ここで待っていようとした、のに。
名簿の中には、いのり先輩の……お兄ちゃんの好きな人の名前があった。
名簿の中には、いのり先輩の……お兄ちゃんの好きな人の名前があった。
「うう……いつまでもお兄ちゃんに頼ってばかりの妹なんてダメダメだよ。せっかく最高学年になったっていうのに、これじゃあ先輩の面目丸つぶれだよね」
ゆかりはさらに涙目になって、しょぼぼんと萎んでしまうのでした。
鷺沢一蹴と陵いのり――ゆかりの一個上の先輩で、ゆかりのお兄ちゃんと、その彼女さん。
二人はバレンタインの日に一度別れたんだけれど、最近になってよりを戻した。
鷺沢一蹴と陵いのり――ゆかりの一個上の先輩で、ゆかりのお兄ちゃんと、その彼女さん。
二人はバレンタインの日に一度別れたんだけれど、最近になってよりを戻した。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
今では前以上にラブラブで、見守る側としても思わず嫉妬してしまうくらいラブラブで、ゆかりなんておじゃまむし認定されてしまうくらいラブラブ。
恋愛に精通したゆかりはとっくに気づいているけど、そろそろ正式にお父さんやお母さんにも紹介してくれないかにゃ~、と思う今日この頃なのです。
その二人が、ゆかりと同じくこの殺し合いに参加させられている。名簿に記載された文字列を見て、ゆかりはさらにしょぼくれてしまう。
恋愛に精通したゆかりはとっくに気づいているけど、そろそろ正式にお父さんやお母さんにも紹介してくれないかにゃ~、と思う今日この頃なのです。
その二人が、ゆかりと同じくこの殺し合いに参加させられている。名簿に記載された文字列を見て、ゆかりはさらにしょぼくれてしまう。
「はううぅぅ~。ほんとダメだよね。ダメダメだよね。こんなダメダメ妹のゆかりは、今すぐお兄ちゃんの前から消えるべきだよ」
自虐の限りをつくして、自分の考えがどれだけ浅はかなものだったかと悔いる。
きっとお兄ちゃんが助けに来てくれる。そんな考えは、ゆかりがダメダメすぎるがゆえの淡い願望でしかない。
お兄ちゃんにとっても、これは一大事なんだ。ダメダメ妹のゆかりはもとより、彼女のいのりさんまでもが殺し合いをさせられていると知れば……
きっとお兄ちゃんが助けに来てくれる。そんな考えは、ゆかりがダメダメすぎるがゆえの淡い願望でしかない。
お兄ちゃんにとっても、これは一大事なんだ。ダメダメ妹のゆかりはもとより、彼女のいのりさんまでもが殺し合いをさせられていると知れば……
「ということで、ゆかりは、大海原の波にさらわれて、ひとりさびしく漂流生活をしてこようかと思います。題して、ひとり少女漂流記」
……きっと、ゆかり以上にダメダメなことになっていると思う。
いくらお兄ちゃんでも、殺したり殺されたりなんかに慣れているはずがないから。
いくらお兄ちゃんでも、殺したり殺されたりなんかに慣れているはずがないから。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
今頃は子猫みたいに震え上がって、にゃーにゃー鳴いているかもしれない。
いのりさんもきっと同じ。お兄ちゃんに会えなくて、く~んく~んって鳴いているかもしれない。
いのりさんもきっと同じ。お兄ちゃんに会えなくて、く~んく~んって鳴いているかもしれない。
「というわけで、海の藻屑となるために、ちょっとタイタニック号に乗ってくるよ。何十年かして映画化されたら、ゆかりの姿も探してみてね……」
……ううぅぅぅぅぅ。
いつもならこのあたりでお兄ちゃんが立ち直らせてくれるんだけど、やっぱり来てくれない……。
いつもならこのあたりでお兄ちゃんが立ち直らせてくれるんだけど、やっぱり来てくれない……。
そうだよね。こんなところにゆかりが泣いてるなんて、わかるはずないよね。現実的に考えて。
それでもお兄ちゃんは、きっといのりさんを探していると思う。いのりさんも、お兄ちゃんを探すと思う。
二人の絆は、それだけ強いから。ゆかりは、そんなラブラブな二人を見ているのが好きだったから。
それでもお兄ちゃんは、きっといのりさんを探していると思う。いのりさんも、お兄ちゃんを探すと思う。
二人の絆は、それだけ強いから。ゆかりは、そんなラブラブな二人を見ているのが好きだったから。
「……そうだよ。ゆかりは、妹としてお兄ちゃんといのりさんの恋を応援しなきゃ」
助かるのは一人だけ――そんなことを言われた気もするけど、ここで諦めたくない。
ダメダメ妹のゆかりは、せめてお兄ちゃんといのりさんの二人だけには幸せになってもらうよう、努力してみよう。
ダメダメ妹のゆかりは、せめてお兄ちゃんといのりさんの二人だけには幸せになってもらうよう、努力してみよう。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
お兄ちゃんはいのりさんを選んだけれど、ゆかりはそれでも、お兄ちゃんの妹だから。
二人をこんなところで死なせたくない――うん、そんなの絶対にイヤだもん。
二人をこんなところで死なせたくない――うん、そんなの絶対にイヤだもん。
「お兄ちゃんといのりさんを探そう。ゆかりの手で、二人を巡り合わせなきゃ」
鷺沢ゆかりはダメダメ妹を卒業するため、鷺沢一蹴と陵いのりのためにがんばることを誓います。
だってゆかりは、お兄ちゃんも、いのりさんも、ううん――『お兄ちゃんといのりさん』が好きだから。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
行動を起こす動機は、それだけで十分だった――
「でも、お兄ちゃん。たまにでいいから、ゆかりのことも思い出してくれるとうれしいです……」
◇ ◇ ◇
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
そうして、音だけが取り残される。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
道路の真ん中に、自傷行為の証だけが放置された。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
それのタイマーは、少女が去った後もなお、自壊のときを刻み続ける。
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
――『代理によるミュンヒハウゼン症候群』と呼ばれる精神疾患がある。
自分に注目して欲しいがために大切なものを傷つけてしまうという精神的な病で、その対象は自分自身にまで及ぶ。
現実にも、夫の注目を得るために、母親が自分の子供を傷つけてしまうケースなどが報告されている。
病状の回復には周囲の理解と愛情が必要であり、このような惨劇の舞台では、それを望むのも難しいと思われる――
自分に注目して欲しいがために大切なものを傷つけてしまうという精神的な病で、その対象は自分自身にまで及ぶ。
現実にも、夫の注目を得るために、母親が自分の子供を傷つけてしまうケースなどが報告されている。
病状の回復には周囲の理解と愛情が必要であり、このような惨劇の舞台では、それを望むのも難しいと思われる――
コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ、コチ
鷺沢ゆかりの残した時限爆弾は、兄を召喚する祭具にはならず、リミットを刻み続ける……。
【G-1市街/1日目 深夜】
【鷺沢一蹴@Memories Off ~それから~】
【装備:レプリカノリムネ@リトルバスターズ!】
【所持品:支給品一式×1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:いのりを守る。
1:いのりを探すため、教会を目指す。
【装備:レプリカノリムネ@リトルバスターズ!】
【所持品:支給品一式×1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:いのりを守る。
1:いのりを探すため、教会を目指す。
【備考】
※『True Story~それから~』後からの参加。
※『True Story~それから~』後からの参加。
【F-8市街/1日目 深夜】
【陵いのり@Memories Off ~それから~】
【装備:SIG P210(残弾9/9)】
【所持品:支給品一式×1、SIG P210用予備マガジン×1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:一蹴を守る。
1:一蹴を探すため、教会を目指す。
【装備:SIG P210(残弾9/9)】
【所持品:支給品一式×1、SIG P210用予備マガジン×1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:一蹴を守る。
1:一蹴を探すため、教会を目指す。
【備考】
※『True Story~それから~』後からの参加。
※『True Story~それから~』後からの参加。
【B-4路上/1日目 深夜】
【鷺沢縁@Memories Off ~それから~】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~2)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:お兄ちゃんといのりさんを巡り合わせる。
1:お兄ちゃんといのりさんを探す。
【装備:なし】
【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~2)】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:お兄ちゃんといのりさんを巡り合わせる。
1:お兄ちゃんといのりさんを探す。
【備考】
※『True Story~それから~』後からの参加。
※『True Story~それから~』後からの参加。
※B-4路上に箱型の時限爆弾(縁の支給品の一つ)が放置されています。
時計仕掛けによる時限信管を用いた爆弾で、爆発力のほどは不明。
現在作動中、あと数時間後には爆発します(詳細な残り時間は不明)。
時計仕掛けによる時限信管を用いた爆弾で、爆発力のほどは不明。
現在作動中、あと数時間後には爆発します(詳細な残り時間は不明)。