Lostthingis...-Bygonedays-
月。
真ん丸い月。
真ん丸い月。
それが唯耀いて。
俺を照らす。
何故。
俺はこんな所に居るのだろう。
何故こんな草原で俺は寝そべっているのだろう。
夢だと想う。
そう想いたい。
信じる訳には行かなかった。
目を閉じればきっと戻ってくる。
さあ目を閉じよう。
そうすれば戻ってくる。
あのいつもの日々が。
こんな悪夢などさっさと覚めたほうがいいのだ。
こんな、あってはいけない夢。
悪い冗談のような夢。
醒めてほしい。
そうだ。
あいつが死ぬわけない。
昔は物静かだったのに今は口煩くなった彼女。
おせっかいの癖にそうじゃないと強がってる彼女。
本当は弱い心の持ち主なのに強がってる彼女。
おせっかいの癖にそうじゃないと強がってる彼女。
本当は弱い心の持ち主なのに強がってる彼女。
そして。
そして、その実とてもとても優しい彼女。
あいつが。
こんな所で死ぬはずがないのだから。
なあ。
りりす。
俺の。
塚本志雄の。
お節介な幼馴染の遠峯りりす。
目を閉じれば戻ってくるんだよな?
何時ものの様に罵倒してさ。
だから醒めよう。
そして戻ろう。
あの日常に。
そう想って。
月の光を浴びながら俺は目を閉じた。
日常に帰還する為に。
目を。
強く。
強く。
強く。
閉じた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ジリリリと目覚ましの音が響く。
「ふわぁ……朝……か」
俺は寝ぼけ眼を擦り夢から帰還する。
さて、早くりりすを起こすに行かなきゃな。
俺――塚本志雄――の日常は口が悪い幼馴染、遠峯りりすを起こす事から始まる。
りりすを起こす為にいつも俺は早く起きることにしてるのだ。
あいつは目覚めが悪いのは知っているから。
りりすを起こす為にいつも俺は早く起きることにしてるのだ。
あいつは目覚めが悪いのは知っているから。
正直もう少し寝ていたいのだが一人暮らし故仕方がない。
母親は死に、父親は俺の知らない所で生きているのだから。
別にそのことを苦しいとは思っていない。
それは先ほど夢に出てきた少女が居るから。
母親は死に、父親は俺の知らない所で生きているのだから。
別にそのことを苦しいとは思っていない。
それは先ほど夢に出てきた少女が居るから。
「……りりすが死ぬなんて……変な夢だ」
変な夢を見た。
りりすが死ぬという変な夢。
りりすが死ぬという変な夢。
悪い冗談のようだ。
唐突に身近な人を亡くすなんてもう懲り懲りだったから。
唐突に身近な人を亡くすなんてもう懲り懲りだったから。
俺は手早く登校の準備を済ませりりすを向かいに行った。
夢を忘却しながら。
「おーい? りりすー」
りりすの部屋につき扉をコンコンとノックするも返事がない。
……何時もの通り寝てるらしい。
……何時もの通り寝てるらしい。
あいつは俺が起さないといつまでも寝ている。
はぁ。
「はいるぞ……」
扉を開けると腹を出して寝ているりりす。
はぁ……。
はぁ……。
「おきろ……りりす!」
「……んぁ?」
「……んぁ?」
りりすの身体を揺らす。
りりすの布団をとって覚醒を待つ。
りりすの布団をとって覚醒を待つ。
「……ん……志雄?」
やっと目が覚めたらしい。
ふうと溜め息をつこうとしようとした時。
ふうと溜め息をつこうとしようとした時。
「……し~~~お~~~アンタ……何で部屋に居るの?」
「……いや……お前がおきないから」
「……いや……お前がおきないから」
りりすの顔が怒りに染まる。
ああ。
やばい。
いつもある事なのに何故か嫌だ。
「この……不法侵入! 覗き魔!」
「ぐぇ!?」
「ぐぇ!?」
ボディー一閃。
はぐ……。
ああ……何時もと変わらない日常……だ。
俺は蹲るように倒れた。
「……いってぇー……殴る事ないだろ……」
「……うっさい! この馬鹿志雄! アンタが悪いんだからね!」
「……何が!」
「ノックをしなさいといったでしょ! 全く!」
「したのに反応がなかったのはりりすだろ! 第一あのまま寝てたら遅刻してただろうが!」
「うっさい! それでも嫌なものはいやなのよ!……まったく」
「がっ!?……いってぇーけるなって……」
「……うっさい! この馬鹿志雄! アンタが悪いんだからね!」
「……何が!」
「ノックをしなさいといったでしょ! 全く!」
「したのに反応がなかったのはりりすだろ! 第一あのまま寝てたら遅刻してただろうが!」
「うっさい! それでも嫌なものはいやなのよ!……まったく」
「がっ!?……いってぇーけるなって……」
あの後痛む腹を押さえながら俺たちは学校に向かっている。
寝ぼけてるのが恥ずかしいのかどうにか知らないけど殴ってきやがった。
そして今学校に向かう為の通学路を歩いてる最中もそうだ。
寝ぼけてるのが恥ずかしいのかどうにか知らないけど殴ってきやがった。
そして今学校に向かう為の通学路を歩いてる最中もそうだ。
くぅーいてえ。
りりすは昔はもっとお淑やかだった筈なんだけどなぁ。
一度、りりすが引っ越してまた戻ってきたらこんな勝気で暴力的な女の子に。
りりすは昔はもっとお淑やかだった筈なんだけどなぁ。
一度、りりすが引っ越してまた戻ってきたらこんな勝気で暴力的な女の子に。
俺としては静かなりりすの方がいいんだけどな。
もしそうだったら……俺は……
もしそうだったら……俺は……
「ちょっと、志雄聞いてる!?」
「……ん?」
「だから、今度から気をつけるかって」
「……ああ、しょうがねえーなぁ……気をつけるよ」
「……ん?」
「だから、今度から気をつけるかって」
「……ああ、しょうがねえーなぁ……気をつけるよ」
口癖になっている『しょうがねえーなぁ』を口にする。
りリストの付き合いはこんなもんだ、いつも。
それは変わらない。
りリストの付き合いはこんなもんだ、いつも。
それは変わらない。
ずっと。
ずっと。
ずっと。
これからも
これからもだ。
これからもだ。
きっと
きっと。
きっと。
「ねぇ……志雄……聞きなさい」
「……はっ?」
「……はっ?」
前をのしのし歩いていたりりすが突然立ち止まる。
何か決意をしたように。
立ち止まって振りむかず。
何か決意をしたように。
立ち止まって振りむかず。
「質問禁止! 断るのも禁止! 問答無用!」
……?
「志雄!……絶対に頑張りなさい!……死ぬんじゃないわよ!……もしこっちに着たら……ぶっ飛ばす!」
おい……りりす?
何言ってるんだ?
何言ってるんだ?
何が……おい。
まさか。
まさか
りりすが振り返る。
儚い笑みを浮かべて。
「だから……しっかりしなさいよ……志雄」
そして。
ぼんと言う音。
あ……あ?
りり……す?
視界が真っ赤になる。
……え?
ゆ……め?
これが。
これが。
夢?
あ……?
かえる日常は
ない……?
ああ。
ああ。
嘘だ。
嘘。
ああ
りりすがいない。
どこにもいない。
失ったものは戻せない。
永久に。
永久に。
永久に。
そう。
りりすは
いないんだ。
……うあ。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「うわぁああああ!?」
目が……醒める。
そこには空。
星はいまだに耀いて。
月は相変わらず俺を照らす。
星はいまだに耀いて。
月は相変わらず俺を照らす。
でも少しだけ空が明るくなってきてる。
そう、夜が明けるんだ。
あれからどれくらいたったのだろうか。
俺はどれくらい寝ていたのだろうか。
身体の節々が痛かった。
でも。
ここが現実だった。
夢じゃなかった。
夢じゃなかった。
って事は。
りりすは
……違う。
違う違う違う!
死んでなんかない……
でも俺は感じている。
りりすがもう居ない事を。
赤に染まった視界を。
違う違う!
認めるわけにはいかない。
認めたくなかった。
俺が認めてしまったらりりすはもう居なくなってしまう。
嫌だった。
失いたくなかった。
俺にとってりりすは日常そのものだったから。
何時ものように起しに行って。
何時ものようになぜか蹴られて。
何時ものように笑って。
何時ものように一緒に飯を食べて。
何時ものようになぜか蹴られて。
何時ものように笑って。
何時ものように一緒に飯を食べて。
何時ものように
何時ものように
何時ものように
何時ものように
何時ものように
いつもの……ように……
ああ……
どんなに想っても。
どんなに想い続けても。
どんなに願い続けても。
りりすはいない。
ああ。
俺にとってこんなにも。
こんなにも。
りりすは大きかった。
俺にとってりりすは……
ああ
ああ―――――そうだったのか。
いまのりりすが昔とちがったとしても。
りりすはりりすだった。
そしてそんなりりすを俺は……
「――――ぁー」
涙がヒトシズク零れた。
このこぼした雫の意味を俺は知っている。
もうごまかせられない。
この想いは。
もうごまかせられない。
この想いは。
遅すぎた。
何もかも。
この想いに気付いても。
かけがえのない想いがすぐそばにあったというのに。
当たり前のように傍に居てどんな景色でもいたりりすが。
今はとても遠い。
もう、届かないんだ。
掴みたかったこの思いは。
かけがえのない想いは……
遅すぎた。
この戸惑いに気付くのも。
ああ、りりす。
俺はお前の事が
「大好きだよ……大好きだよ……傍に居たい……そば……に……いたい」
ああ、でも、もう届かない。
失った後にこの想いに気付いても仕方ないのに。
こんなにも、こんなにも苦しい……
伝えたいのにこの思いを
ああ認めたくない。
でも。
もうかけがえのない想いは……とどかない。
空が明るくなっていく。
「―――ぁー……うぁ……ぁあぁあぁあぁああああ」
涙が溢れて。
そして3つの事実を。
俺は認めた。
塚本志雄はりりす事が大好きだった事。
そして、りりすにこのかげがえのない想いは永久に届かない事。
そう、今、この瞬間。
俺は
―――遠峯りりすを失った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
陽が。
陽が昇る。
空はもう明るくなってきて。
夜が終わり朝が来る。
暗い暗い夜が終わって。
でも、朝焼けは涙に染まっていた。
りりすを失った。
その事実を。
夜が明けるまで認められなかった。
でも……認めてしまった。
俺は……
ああ。
弱い。
りりすを失った俺はどうすればいい?
この想いはどうしたらいい?
解らない。
解らない。
解らない。
唯、横になってるだけ。
殺し合いの最中であるのに。
そんな事関係無しに。
殺し合いの最中であるのに。
そんな事関係無しに。
りりすにあいたい。
俺は
俺は
……りりすを蘇らせる為に殺し合いに乗る?
…………馬鹿な。
そんな事。
りりすが望むわけがない。
りりすが知ったら罵倒する。
そのはずなんだ。
第一俺みたいな変哲もない学生が殺し合いに勝てるわけがない。
第一りりすは俺に言った。
死ぬときに。
本当は泣きたいぐらいに怖いのに。
泣いて泣いて。
死にたくないといいたいはずなのに。
馬鹿みたいに
馬鹿……みたいに……強がって。
強がって……りり……すは。
俺に言葉を託した。
死への恐怖をにりりすは一生懸命耐えて。
俺に……言葉を託したんだ。
頑張りなさいと。
生きて帰れと。
生きて帰れと。
俺を心配して。
りりすの想いはきっとそう。
殺し合いにのってほしくないって。
殺し合いにのってほしくないって。
だから、俺は乗ってはいけない。
乗らないで抗うべきなんだ。
それを。
それを
りりすは望むから。
そう想って俺はバックを手繰り寄せて支給品を確認する。
生き残る術を手に入れるために。
生き残る術を手に入れるために。
だけど俺は絶句した。
「……なんだ、これは」
戦いに素人の俺でもわかる。
俺に支給された武器。
それは。
ステアーTMPという短機関銃が2丁。
アームスコー MGLというグレネードランチャー。
銃弾を防ぐ防弾チョッキ。
アームスコー MGLというグレネードランチャー。
銃弾を防ぐ防弾チョッキ。
一言で言えば有り得ない。
いくらなんでも強力すぎる。
いくらなんでも強力すぎる。
バランスが悪すぎる。
一つでもあればかなり優利に殺し合いを進めることは出来るだろうに。
何故俺に集中してる。
一つでもあればかなり優利に殺し合いを進めることは出来るだろうに。
何故俺に集中してる。
何故……?
―――ああ、そうなのか。
あいつらは。
俺に殺し合いに乗ってほしいんだ。
もし、りりすが死ぬことが決まっていたとしたら……。
そう、俺は殺し合いに乗るかもしれないと踏んで。
あえて装備を強力にした。
円滑に進める為に。
ああ。
あは……
「あははははははははははははっ!!!」
可笑しい。
可笑しくて笑ってしまう。
可笑しくて笑ってしまう。
俺に。
どうしても殺し合いに乗ってほしいのか。
りりすを殺してまで。
あいつらだけじゃない。
神様が居るというなら。
そいつも俺に殺し合いに乗れと。
そう、言いたいのか?
何だよ……それ。
そんなん
そんなの為に。
……りりすは
りり……すは。
死んだのか……?
ああ。
「あああああ!!!!」
吼えた。
怒りと。
哀しみが混じって。
哀しみが混じって。
俺は……それでも。
乗る訳にはいかない
いかな――――
『志雄?……あのさー私、あんたのことがす――――』
りりすの言葉がリフレインした。
最後の。
本当に最後の言葉。
本当に最後の言葉。
りり……す?
あいつはなんていいたかったのだろうか。
俺になんていいたかったのだろうか?
……ああ。
抱いてはいけない甘い事を考えてしまう。
もし。
もし。
もし。
もしりりすが。
俺の事を想っていてくれているなら。
それは……
ああ。
ああ……考えちゃいけない。
俺は殺し合いに乗るべきではない。
りりすの最初の言葉の通りに抗うべきなのに。
でも。
でも。
でも。
最初の言葉さえ俺に違ったエールを送ったように聞こえる。
頑張れって言葉は。
殺し合いに抗えという意味ではなくて
ああ
ああ―――俺は。
強い装備を与えられこれが運命なら。
軽蔑されても。
侮辱されても。
りりすに怒られるとしても
りりすが望んでないとしても
りりすが望んでないとしても
それでも
それでも
それでも
このあふれ出す想いが希望や夢と引き換えでも。
りりすの事を想う。
そのかけがえない想いは直ぐ傍にあるから。
俺は。
俺は。
俺は。
どうしても
どうしても
りりすの最後の言葉の続きが。
「――――聞きたい」
そして、陽が昇り。
今ここに。
かげがえのないを想いを背負った
一人の修羅が
――――生れ落ちた。
【F-1南部/1日目 早朝】
【塚本志雄@Memories Off6 ~T-wave~】
【装備:ステアーTMP(32/32)、ステアーTMP(32/32)、防弾チョッキ】
【所持品:支給品一式×1、ステアーTMP予備マガジン×12、アームスコーMGL(6/6) グレネード弾×30 】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:りりすを蘇らせる為に殺し合いに乗る
0:りりすの言葉の続きが聞きたい
1:りりすを蘇らせる為に殺し合いに乗る
【装備:ステアーTMP(32/32)、ステアーTMP(32/32)、防弾チョッキ】
【所持品:支給品一式×1、ステアーTMP予備マガジン×12、アームスコーMGL(6/6) グレネード弾×30 】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:りりすを蘇らせる為に殺し合いに乗る
0:りりすの言葉の続きが聞きたい
1:りりすを蘇らせる為に殺し合いに乗る
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