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足立透の憂鬱 ◆BEQBTq4Ltk


「さて、これからの事について話そう」

コンサートホールの淵に座り脚を組みながら語り掛けるエスデス
座ることにより強調される身体のラインと胸部、長い脚と整った顔立ちは正に美女。
氷のように美しい彼女だがその性格に難があるのが非情に残念である。

コンサートホールの客席最前列に座る人物が数人。
アヴドゥルの隣に承太郎が座り、一つ席を開けてまどかが座っている。
彼女から二つ席を開けた所に足立が座っておりその隣にヒースクリフが座っている構図だ。

(頼むから可笑しな事を言うんじゃあないぞ)

アヴドゥルはエスデスの言葉に嫌な予感を感じながら次なる言葉を待つ。
出会いは最悪だった。まさか交戦状態に陥るなど誰が予想出来るのか。
強烈な性格を持つエスデスだがそれで見た目はパーフェクト、神は遊んでいるのだろうか。

「まずはまどか。大分落ち着いたか?
 先ほどは随分と大変だったが……生きていて何よりだ」

「あれは皆さんのおかげです……ご迷惑をお掛けしました」

エスデスが最初に話し掛けたのは鹿目まどか
エルフ耳の男に襲撃された鹿目まどかは他の助けもあり生き延びていた。
元凶は逃がしてしまったが再度襲われる危険もあるため、こうしてエスデスは皆をコンサートホールへ集め直していた。

「……殺し合いに乗った馬鹿がいたからな。気にすんじゃねえ」

「承太郎の言うとおりだ。君が気負う必要はないぞ」

「ありがとうございます。承太郎さん、アヴドゥルさん」

謝罪をするまどかに精神的負担を掛けないように承太郎が返答する。
それに続きアヴドゥルも発言しまどかのフォローに回る。
さり気なく、自然に言葉を紡ぐことよって負担を減らすのは大人の勤めだ。
大人と言ってもそれ程まどかと年が離れている訳ではないのだが。

(そうだお前らはまどかのフォローに回ると思っていたよ)

声には出さないがエスデスの顔は終始笑っている。
精神が一番不安定であるまどかに話し掛け彼女の口から言葉を引き摺り出す。
現環境で話を振らなければまどかは沈黙を貫くだろう。
最初に話し掛けたのはエスデスなりの優しさである。
しかしその優しさは仲間に掛ける優しさではなく、手駒に掛ける優しさ。
承太郎達がフォローするのを含めて全て彼女の思い通りに進んでいた。

「話というのも情報交換……と言いたいがまぁ、粗方済んでいるだろう。
 私が提案するのは変わらずDIOの館に攻めこむことだが……意見を聞きたい。特に承太郎とアヴドゥル」

全員が全員顔を合わせての情報交換は済んでいない。
しかし足立とヒースクリフが、まどかと承太郎が、エスデスとアヴドゥル。
それぞれが交換を終えており、エスデスが居ない間にもアヴドゥルとヒースクリフ達は交換している。
アヴドゥルと元から知り合いである承太郎にとっては無意味に近い。
つまり、ある程度の情報は持っており特別な時間を設ける必要がない。
情報交換を行いたければ道中にでも勝手に話せばいいだけのこと。

エスデスが進めるのはDIOの館に攻めこむ事。
アヴドゥルから聞かされた危険な男であるDIO。
エスデスの興味は全力で彼に注がれており、今でもDIOを勝手に狙っている。

「意見ってのはなんだ。
 まさかとは思うが俺が何か言ったら攻め込むことを中止するタマには思えないが」

「言うな承太郎……私はDIOに対する知識が無くてな」

「エスデス……テメェまさかDIOのことを知らねえ癖に攻め込もうとしてるのか?」

「ああ。私がDIOについて知っていることはアヴドゥルが教えてもらった悪ということだけだ」

信じられないぜ。口には出さないが承太郎は帽子を深く被り思った。
椅子に腰を掛けるのも大分大雑把になってしまう。
エスデスがDIOのことを知らないで倒すと言っているのが理解出来ないといった態度だ。
当然である。会ったこともない人間を見ず知らずの他人から聞いた情報だけで殺す。
普通の人間には出来ない発想である。
DIOが倒すべき相手に変りないため何とかなるが、仮にDIOが悪ではなかったとしたら。
誰が責任を取るのだろうか。

「私を睨んだところで何も変わらないんだ承太郎……私だって苦労している、何故か此処でも苦労している」

まどかを挟み横目で睨んでくる承太郎に対しアヴドゥルは小声で釈明を行う。
承太郎の視線は「なに面倒なこと吹き込んでやがる」と言った威圧的な視線であった。
しかしアヴドゥルがエスデスに言ったことはDIOが危険人物であることだけ。

全てはエスデスが勝手に盛り上がっているだけであり、アヴドゥルに非はない。
小声を聞いた後でも承太郎はアヴドゥルを睨んだまま。
その瞳はお前が喋ろと命令しているような冷たい視線であり、アヴドゥルは仕方なく口を開いた。

「足立さんやヒースクリフさんにもまだ説明していなしエスデスにもちゃんとしたことは言っていない。
 まどかも承太郎から聞いているかどうか怪しいから私の口からある程度だけ話させてもらおうか。DIOは……吸血鬼だ」

「は?」

「どうした足立、間抜けな声で」

アヴドゥルの口から語れるDIOの詳細。
彼が知っていることを「ある程度」だけ話し始めた。
まずはDIOの正体――人外なる吸血鬼であること。
足立は驚きの声を上げ、エスデスがそれを問い詰める。

「どうしたって……吸血鬼が存在すると思います?」

「可笑しくないと思うぞ」

「……あっはい」

有りの儘リアクションを取った足立は会話が自然に成立してしまい唖然とする。

「何か言いたいことがあるのか」

「言いたいことって言うかまぁ、俺はスタンドだとか魔法少女だとか馴染みが全くなくてですね。
 そう簡単に吸血鬼とか信じられないんすよ。この殺し合いも含めて、ね」

「実際に起きているんだから受け入れるしかあるまい。
 それに足立よ、お前だって「今」力が無いだけじゃないか?」

「何を言っているか解りませんね……アヴドゥルさん、続きー」

エスデスに何を言っても通じない。
自分の中にある固定概念が絶対であると認識している女に何を言っても無駄だ。
足立は自分の主張が通らないと諦め、アヴドゥルに話しの続きをするように溜息を吐きながら振った。

その言葉にアヴドゥルは頷き、席から立ち上がる。
主張する側の人間が傍聴側と同じ目線で話すよりも効果が上がる。
舞台の淵に座るエスデスと客席に座る足立達を視界に捉えるように立ち位置を調整した。

「言ったとおりDIOは吸血鬼だ。
 過去にジョースターさんの……空条承太郎のお爺さんに当たるジョセフ・ジョースター
 更に時を遡りジョースターさんのお爺さんであるジョナサン・ジョースターの友がDIOだ」

「吸血鬼だから何世代に渡っても生きてるんすねー……はぁ」

「ジョナサン・ジョースターはその生命と犠牲にDIOと共に海底に沈んだ……はずだった。
 長い年月を経て首だけだったDIOはジョナサン・ジョースターの身体を乗っ取り現世に復活した」

(首だけって……最初に言っとけって話しなんだよなぁ)

「随分と奇妙な存在なんですね、DIOは」

「そうだヒースクリフ。信じられないと思うが事実だ、なぁ承太郎」

「……ああ」

流れるように進むDIOの正体。
本来ならば吸血鬼など誰も信じないが、聞いている人間は皆異能を持っている。
一部例外が居るが、どいつもこいつも日常に相応しくない経歴を所有しているのだ。
今更吸血鬼の一人や二人では驚かない……可笑しな話ではあるが彼らはそれなりに修羅場を通り抜けてきた。

「お前らの知り合いなんだ、アヴドゥル。
 DIOもスタンド能力を持っているのだろう? そのスタンドとやらを教えてくれ」

「その通りだが能力は不明でな……ん?
 エスデス、今お前は「まるでスタンドを知らない」ような言い方だったと思うんだが私の耳が詰まっていたかもしれない。
 済まないがもう一度言ってくれないか?」

「お前は何を言っているアヴドゥル。私はスタンドを知らないから聞いているんだ」

「あー、そうか……そうなのかエスデス」

アヴドゥルの頬を伝う汗が静かに床へ落ちた。
彼がエスデスと出会った時、彼女は氷のスタンドを発現していた。
魔術師の赤の炎を相殺するほどの能力で、本人曰く三割程度の力だと言うのだ。
DIOの刺客と同格かそれ以上のスタンド使いだと思っていたがどうやら違うらしい。


「幽波紋とは……私の魔術師の赤や承太郎のスタープラチナのようなもの、と言えばいいか?」

「それは知っている……が、まぁいい。
 私に説明するのも面倒なんだろ。DIOが吸血鬼ということも解った。
 ならば太陽が昇っている今が好機だな……これから私が編成を発表させてもらう」

「――は?」

エスデスの発現には毎回驚かされる。
アヴドゥルは驚愕の声を挙げ、また始まったと半ば諦めている。
黙って聞いていたまどかは何の脈絡なく提案されそうになる編成に頭の処理が追い付いていない。
ヒースクリフは黙って聞いている。
承太郎はエスデスへ鋭い視線を送った後、早く喋れと促した。
足立はもうどうにもでなれと言わんばかりの態度で手を振っていた。

「私とアヴドゥルとヒースクリフが外に出て更に仲間を集める。
 索敵と悪を殺すことも含めたちょっとした遠征に向かおうと思う。他は留守番だ。
 なにか意見があれば気にすること無く発言してくれ――ますはアヴドゥル、この中で少しだけではあるが一番付き合いがあるからな」

「そうか、ならば言おう。意味が解らん」

「DIOは危険な奴なんだろ? そして此処は殺し合いの会場だ。
 わざわざ奴の名前が記載されている施設があるんだ、攻め込むのは普通だろう。
 編成についてだが……あまり聞くな。お前とヒースクリフは私と共に外へ出る、なぁヒースクリフ」

結局私の言い分は無視されているではないか。
と思い、拳を握るアヴドゥルだがどうせこの女には伝わらない。
若干音を響かせるように客席に腰を降ろした。

エスデスに振られたヒースクリフは眉を動かす。
席を立ち上がることはしないが、自分の意思を示すため口を動かした。

「人選について気になることもありますが……構いません」

「……まじ?」

「少しの間だけ行ってきます」

ヒースクリフの肯定に、隣に座っていた足立は何度目になるか解らない驚きの声を上げた。
付き合いは短いがこの中では一番ヒースクリフと長いのが足立。
エスデスとの合流も素直に受け入れていたことから、ヒースクリフは思ったよりも好戦的らしい。

「……承太郎」

「骨は拾ってやる……が、死ぬんじゃあねえぞ」

「当然だが……損な役回りは私以外に適任が居ると……はぁ」

承太郎に助け舟を要求したアヴドゥルだが悲しい瞳であしらわれる。
どうにでもなれと思いながら重い腰を上げて彼らは仲間と敵を求めてホールを出た


「私達を指定した理由……あるのかエスデス」

ホールの外に出たアヴドゥルはエスデスに編成の理由を問う。
この女のことだ、何も考えずに選んだ訳ではないだろう。
言葉を聞いたエスデスはアヴドゥルの方へ振り返ると、黒い笑みを浮かべて答えた。

「鹿目まどかは精神的に疲労しているからな。あいつには残ってもらい安静にしてもらわなくてはならん。
 大人しい見た目をしているが襲撃者を殺す覚悟を持っている……面白い手駒だからな」

手駒。
この言葉に怒りを覚えるアヴドゥルだが、今は黙ってエスデスの話を聞く。
ヒースクリフは興味を示しながらエスデスの声に耳を傾けていた。

「精神が歳相応に脆いなら誰かが傍で支えてやらんとな。
 この面子の中であいつと一番付き合いがあるのは承太郎だ。セットで置いておけば鹿目まどかの疲労も和らぐだろう」

(こ、この女……頭が良く回るそれもジョースターさんと同じくらい……ッ!
 やはり敵に回すと厄介な女だぞこいつはぁ……エスデス、何を考えているんだ)

戦闘を求めるイカレタ美女エスデス。
性格と人間性に難有りだが他人への配慮と一瞬で他者の状況を見抜き、良采配をする手腕。
相当なやり手である。しかも上位の戦闘能力を所有していると来たもんだ。

敵に回すと自分が劣勢になるのは間違いない。
エスデスの言葉が本当ならクロスファイアー・ハリケーンは彼女の力三割で相殺されてしまう。
何処まで規格外の女なのか。流れる汗は止まらない。

「もう一人の足立だが……感性が一番一般人に近いからな。
 言い換えればあいつは一番の弱者、まどかの気持ちが一番理解出来るかもしれない」

「足立さんは刑事と言っていました。きっと彼女を支えてくれるでしょう」

ヒースクリフの言葉を聞いてエスデスの口角が更に上がる。
最も彼女は足立が何か隠しているのが気になっているため、敢えて安全な状況に置いた。
身の安全がある程度保証されていれば、賊は動きやすいだろう。

「私なりの配慮だよアヴドゥル……だからそこまで警戒する必要もない。
 神経を張り巡らせても精神を疲労するだけだ……どうもスタンドとやらは使用の都度疲れるらしいからな」

「むぅ……疑っていたのは事実だが、そう言われると申し訳ないな。すまなかった」
(この女ぁ~私が常に臨戦態勢を取っていたことに気付いてるッ!)

エスデスには常に警戒しなくてはならない。
隙を見せれば殺される。最も今はその気にはないようだが。

「それでこれから何処へ向かうのでしょうか」

「そうだなヒースクリフ、これから向かうのは――」

バッグから地図を取り出したエスデスは男二人に見えるように広げるととある地点に指を置いた。
その場所はコンサートホールから然程離れていなく、探索といっても数時間も掛からないと思われる。

――能力研究所。

【D-2/コンサートホール前/一日目/朝】
【エスデスと愉快な(巻き込まれた)仲間たち】


ヒースクリフ(茅場晶彦)@ソードアートオンライン】
[状態]:健康、異能に対する高揚感と興味
[装備]:神聖剣十字盾@ソードアートオンライン、ヒースクリフの鎧@ソードアートオンライン
[道具]:基本支給品一式、グリーフシード(有効期限あり)×3@魔法少女まどか☆マギカ、ランダム支給品(確認済み)(2)
[思考]
基本:主催への接触(優勝も視野に入れる)
0:もっと異能を知りたい。見てみたい。
1:要所要所で拠点を入れ替えつつ、アインクラッドを目指す
2:同行者を信用しきらず一定の注意を置き、ひとまず行動を共にする
3:神聖剣の長剣の確保
4:DIOに興味。安全な範囲内でなら会って話してみたい。
5:キリト(桐ヶ谷和人)に会う
6:花京院典明には要警戒。
[備考]
※参戦時期はTVアニメ1期におけるアインクラッド編終盤のキリトと相討った直後。
※ステータスは死亡直前の物が使用出来るが、不死スキルは失われている。
※キリト同様に生身の肉体は主催の管理下に置かれており、HPが0になると本体も死亡する。
※電脳化(自身の脳への高出力マイクロ波スキャニング)を行う以前に本体が確保されていた為、電脳化はしていない(茅場本人はこの事実に気付いていない)。
※ダメージの回復速度は回復アイテムを使用しない場合は実際の人間と大差変わりない。
※この世界を現実だと認識しました。
※DIOがスタンド使い及び吸血鬼だと知りました。


モハメド・アヴドゥル@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康、精神的疲労(小)
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、ウェイブのお土産の海産品@アカメが斬る!
[思考]
基本:殺し合いを止めDIOを倒し広川ら主催陣を倒し帰還する。
0:仇は必ずとるぞ、ポルナレフ、イギー
1:能力研究所に向かって……逃げたい。
2:エスデスは相当ヤバイ奴。まどかも危険な匂いがする。
3:ジョースターさん達との合流。
4:DIOを倒す。
5:もしこの会場がスタンド使いによるものなら、案外簡単に殺し合いを止めれるんじゃないか?
※参戦時期はDIOの館突入前からです。
※イェーガーズのメンバーの名前を把握しました。
アカメを危険人物として認識しました。タツミもまた、危険人物ではないかと疑っています。
※エスデスを危険人物として認識しており、『デモンズエキスのスタンド使い』と思い込んでいます。
※ポルナレフが殺されたと思い込んでいます。
※この会場の島と奈落はスタンド使いによる能力・幻覚によるものではないかと疑っています。
※スタンドがスタンド使い以外にも見える事に気付きました。
※エスデスがスタンド使いでないことを知りました。


【エスデス@アカメが斬る!】
[状態]:健康 
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いを愉しんだ後に広川を殺す。
0:能力研究所に向かい人を探す。そのあとコンサートホールへ戻る。
1:DIOの館へ攻め込む。
2:クロメの仇は討ってやる
3:殺し合いを愉しむために積極的に交戦を行う。殺してしまったら仕方無い。
4:タツミに逢いたい。
[備考]
※参戦時期はセリュー死亡以前のどこかから。
※奥の手『摩訶鉢特摩』は本人曰く「一日に一度が限界」です。
※アブドゥルの知り合い(ジョースター一行)の名前を把握しました。
※DIOに興味を抱いています。
暁美ほむらに興味を抱いています。
※暁美ほむらが時を止めれる事を知りました。
※自分にかけられている制限に気付きました。
※DIOがスタンド使い及び吸血鬼であることを知りました。
※足立が何か隠していると睨んでいます。

コンサートホールに残された三人は黙っていた。
会話の切り口が掴めずに、エスデス達が去ったあとは終始無言。
流石に疲れたのか、やっとの思いで足立が口を開いた。

「改めてだけど俺、足立透。一応刑事なんだけど武器も何もなくて頼りにならないけどよろしくね。
 そんじゃ、俺トイレ行ってくるから」

右手を頭部に当て出来るだけ笑顔で彼は発言した。
一番の年長者である自分が場を保てなくてはどうするのか。
そんなことを思う人物ではないのだが、足立は仕方なく喋っていた。

「よ、よろしくお願いします。それと足立さん、武器がないなら――」

トイレに行こうとする足立を呼び止めたまどかはバッグから何かを取り出した。
その球体は足立もよく知っている非日常の象徴である兵器。

「一つだけお渡ししますのでどうぞ……簡単には使えないとは思うんですけどね」

「主榴弾か……うん、ありがとまどかちゃん」

まどかに軽い礼を言いながら足立は彼女の手に握られていた主榴弾を取りポケットに入れる。
単発の高火力兵器のため、周りの状況も考えながらではないと使えない。
最もスタンドやら吸血鬼やら魔法少女やらが存在する会場で気にする必要もないが。

「承太郎……くんもよろしく」

「…………あぁ、よろしく」

年齢に似合わない外見の承太郎が放つ威圧感は凄まじい。
何故学ランを着ているか訪ねたくなるが学生だからだろう。
足立は手を振りながらトイレに向かった。


【D-2/コンサートホール/一日目/朝】


【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:疲労(小)、精神的疲労(小)
[装備]:DIOのナイフ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
[道具]:デイパック、基本支給品、手榴弾×2、穢れがほとんど溜まったグリーフシード×3、『このラクガキを見て うしろをふり向いた時 おまえは 死ぬ』と書かれたハンカチ
[思考・行動]
基本方針:主催者とDIOを倒す。
0:まどか、足立と一緒にエスデス達の帰りを待つ。
1:偽者の花京院が居れば探し倒す。DIOの館に関しては今は保留。
2:情報収集をする。
3:後藤とエルフ耳の男、魔法少女やそれに近い存在を警戒。 まどかにも一応警戒しておく。
【備考】
※参戦時期はDIOの館突入前。
※後藤を怪物だと認識しています。
※会場が浮かんでいることを知りました。
※魔法少女の魔女化以外の性質と、魔女について知りました。
※まどかの仲間である魔法少女4人の名前と特徴を把握しました。
※まどかを襲撃した花京院は対決前の『彼』だとほぼ確信していましたが、今は偽者の存在を考えています。
※DIOのナイフ@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダースが一本近くに落ちています。
※エスデスに対し嫌悪感と警戒心を抱いています。


【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:ソウルジェム(穢れ:中)、花京院に対する恐怖(小) 精神的疲労(中) 全身打撲(中)
[装備]:魔法少女の服
[道具]:手榴弾
[思考・行動]
基本方針:ゲームに乗らない。みんなで脱出する。
0:危険人物を...?
1:魔法少女達に協力を求める。悪事を働いているなら説得するなどして止めさせる。
2:早く仲間と合流したい。ほむらと会えたら色々と話を聞いてみたい。
3:これ以上大切な人を失いたくない。
【備考】
※参戦時期は過去編における平行世界からです。3周目でさやかが魔女化する前。
※魔力の素質は因果により会場にいる魔法少女の中では一番です。素質が一番≠最強です。
※魔女化の危険は在りますが、適宜穢れを浄化すれば問題ありません。
※花京院の法王の緑の特徴を把握しました。スタンド能力の基本的な知識を取得しました。
※承太郎の仲間(ジョースター一行)とDIOの名前とおおまかな特徴を把握しました。
※偽者の花京院が居ると認識しました。


「あぁ……どうなってんだか」

鏡に映る顔は窶れている。
なんで俺がこんな目に会わなくちゃいけないんだ。世の中クソだな……。

ま、手榴弾が手に入ったのは有り難いが使い所がねえぞコレ。
スタンド使いとかいうペルソナの上位互換に通じるとは思えない。
魔法少女だってよく解かんないし吸血鬼ってなんだよ馬鹿か、こいつら馬鹿なのか?

本当に何ていう一日だよ……全く。

「エスデス……アイツが一番頭おかしいでしょ」

美女の癖に頭がイカれてやがる。
名前しか知らないDIOを攻め込むとか常人の発想じゃねえ。
しかもアイツ……俺に対して『今、力が使えない』とか言いやがった。
ペルソナを知っているのか……いや、アイツは俺とは何も関係性が無いはずだ。
じゃあハッタリか……あぁクソ! 何なんだあの女は!!
もう外行ったまま帰ってくんな! 顔や身体が良くてもそれ以外がクソ過ぎる。

「そういやまどかちゃんはこの手榴弾、一つ渡すって言ったな」

ってことは他にもなにか持ってんだろ。


――何とか殺せないもんかねぇ。


特に空条承太郎、アイツも絶対やばいでしょ。
ペルソナ使えない俺じゃ無理無理って話。

黙って薬飲んで死んでもらいたいが――上手くいくか微妙だな。


【足立透@PERSONA4】
[状態]:健康、鳴上悠ら自称特別捜査隊への屈辱・殺意 広川への不満感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、水鉄砲@現実、鉄の棒@寄生獣、ビタミン剤or青酸カリのカプセル×8@現実、手榴弾
[思考]
基本:優勝する(自分の存在価値を認めない全人類をシャドウにする)
0:何とかまどかと承太郎を青酸カリで殺せるように立ち回る。
1:ゲームに参加している鳴上悠・里中千枝の殺害
2:自分に扱える武器をほぼ所持していない為、当面はヒースクリフと行動を共にする
3:隙あらば、同行者を殺害して所持品を奪う
4:いざという時はアヴドゥルに守ってもらう。
5:DIOには会いたくない。
[備考]
※参戦時期はTVアニメ1期25話終盤の鳴上悠に敗れて拳銃自殺を図った直後
※ペルソナのマガツイザナギは自身が極限状態に追いやられる、もしくは激しい憎悪(鳴上らへの直接接触等)を抱かない限りは召喚できません
※支給品の鉄の棒は寄生獣23話で新一が後藤を刺した物です
※DIOがスタンド使い及び吸血鬼であると知りました。


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081:曇天 ヒースクリフ 110:ぼくのわたしのバトルロワイアル
モハメド・アブドゥル
エスデス
空条承太郎 099:再会の物語
鹿目まどか
足立透 106:お前がまどかを殺したんだな
最終更新:2015年11月18日 15:43