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線路の影をなぞる者(レイルトレーサー) - (2007/09/24 (月) 18:43:42) の1つ前との変更点
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**線路の影をなぞる者(レイルトレーサー) ◆hsja2sb1KY
トンネル入り口付近。
リザ・ホークアイ中尉は、この異常な状況下において、冷静に活動を始めようとしていた。
名簿と地図は確認を済ませている。当初の目的は、ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟 と合流することだ。
自分ひとりでは、螺旋王と名乗る存在に対抗するのは不可能だが、錬金術師なら、なにかつけいる隙がみつかるかも知れないという一縷の望みにかけた。
しかし、今この現状では、彼らの所在を掴むことは出来ない。いまのところは偶然出会う確率にまかせるしかない。
だから、自分にとって必要な物資が調達できそうな警察署に行くことにした。
射撃を得意とする彼女にとって、銃器の調達はなにより急務である。調達できそうな場所は警察署ぐらいのものだ。距離はだいぶ離れていて、しかも調達できるかどうかかなり望み薄だが、行ってみる価値はあると彼女は判断した。
今、彼女の手元に銃器はない。支給された武器は、真っ黒な細身の刀剣が数本。
あまり剣は好みではないし、頼りないが、とりあえずコレを使用するしかない。
説明書きには黒鍵(こっけん)という名称のみが示されている。黒鍵を1本ずつ両手に持ち、振り回してみる。
思ったより、手にしっくりとなじんだが、やはりだいぶクセのある武器のようだった。
(やっぱり銃がないと不安だわ……)
ため息をついた。
……ちょうど、一通り所持品の確認が済んで出発しようと思ったときだった。
カツーン、カツーン。
トンネルの奥から、誰かの足音が聞こえてきた。
(わたしの他にもこの場所に人がいたのか)
用心のため、ホークアイはデイパックと黒鍵を持って、トンネル入り口近くの物陰に隠れる。
カツーン、カツーン、カツーン。
足音がだんだん近づいてくる。
しかし、足音がトンネルの出口にさしかかったところで、急に止まった。
(わたしの存在に気づいた?)
一瞬迷ったのち、ホークアイは、姿をあらわすことにした。たとえどんな相手にせよ、遅れをとるつもりはない。
黒鍵を持ってトンネルの入り口の前に立つ。
相手の姿はトンネルの暗闇に紛れてよく見えないが、彼女に気づいている気配はあった。
「申し訳ありませんが、答えてください。あなたは、この殺し合いに乗っていますか?」
話しかけた。
だが、影は応えない。
(唐突すぎたかしら……)
もう一度話しかけようとすると、相手は急に前に歩き出した。ホークアイは身構えるが、相手はかまわず近づき、そのまま彼女の脇をすり抜けていく。
そして、
相手がトンネルの外に出たとき、はっきりと相手の姿が見え、初めてソイツの異常さに気づいた。
(――なに――これ)
常に沈着冷静なはずの彼女の顔が、ゆがむ。
トンネルの奥からやって来たのは、ヒトの姿をした、全身が真っ赤なナニカだった。
全身からつよい血の臭いを放ち、彼女に吐き気を催させる。
少し歩いて急に立ち止まったソレは、ゆっくりとホークアイのほうに顔を傾ける。その動きは、彼女に逆に恐怖を感じさせた。
そして彼女は覗き込んでしまった。その真っ赤なベトベトで覆われた顔の中の、憎悪と憐れみと蔑みが内面に満ち満ちた真っ黒な目を。
身震いと嫌悪感を抑えることができず、
「怪物……」
ホークアイは、我知らずつぶやき、無意識に攻撃姿勢に移っていた。
その言葉と行動に応えるように、「怪物」は、ニヤッと笑う。
そして、意外なほど俊敏な動きで、ホークアイに近づいた。
「怪物」は両方の手で、ホークアイの両腕を無造作に掴む。激痛が走り、あっさりと、ホークアイは黒鍵を取り落とした。
さらに「怪物」は、ホークアイの右腕と左腕を掴みあげたまま、信じられないくらいの怪力で軽々と投げ飛ばした。
「がはッッッ!!!」
あまりの不意打ちに、ホークアイの身体は無防備に地面に激突する。
そして「怪物」は起き上がろうとしたホークアイに、黒鍵を2本とも拾って投げつけた。
ブンッッッ!!!ブンッッッ!!!
黒鍵は両頬をかすめ、均等にかすり傷をつくって、ホークアイのすぐ後ろの地面に突き立つ。
(強い)
ホークアイは考える。
この「怪物」はいつでも自分を殺せる。
まだ状況が把握しきれていないこの状況では、勝ち目の薄い相手との戦闘は避けたほうがいい。
それにこの「怪物」はまだ、自分の力を誇示しているだけのように見える。本気をだしていない今しか逃げられない。
彼女はあっさりと撤退することを選んだ。
幸い、投げ飛ばされた場所は、彼女がデイパックを置いた場所。
身構えながら、地面に突き立った黒鍵2本とデイパックを冷静に回収する。それを目にしつつも、相手は動かない。
そのまま彼女は後ろを振り向いて逃走した。
――「怪物」が追ってくることはなかった。
(そうだ、逃げろ)
「怪物」は笑う。
こんなところに呼び出されて、俺のスケジュールは滅茶苦茶だ。だいぶ気分が悪かったんだが――なかなかの美人だったな?少し楽しくなってきた。
ガンドール兄弟との待ち合わせに遅れたら……まあ、主催者に帳尻を合わせてもらおう。ヤツには高過ぎる代償を支払ってもらうことになる。
ゆっくりと歩き出す。目的地はとくに定めていない。あの女を追いかけるのもいいし……まあいい。
すでに「怪物」は、目覚めてしまったのだ。
その「怪物」の名は、
『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』
【H-7/トンネル入り口付近/1日目-黎明】
【リザ・ホークアイ@鋼の錬金術師】
[状態]: 両頬に細い傷跡。両腕に痺れ。
[装備]:黒鍵×数本@)@Fate/stay night
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムがあと0~2つあります・本人は確認済み)。
[思考]
基本:ここから脱出する。殺し合いをするつもりはない。
1:ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟 と合流する。
2:怪物から完全に逃げ切る。
3:警察署で銃器を調達する。
※リザ・ホークアイの参戦時期はアニメ本編15話辺り。 そのため彼女の時間軸では、マース・ヒューズはまだ生存中です。
※道路沿いに北上中。
【黒鍵(こっけん)@Fate/stay night】
外見は剣状でありレイピアに近いが、斬るのではなく投げつけて使用する。刃渡りは80~90cm、重量は1kg程度で重心が投擲に向くような位置にある。十字架を模していて、扱いが難しいうえ威力もなく、霊的干渉力に重きが置かれている。
【クレア・スタンフィールド@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:??????
[装備]: なし
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムが1~3つ入っています)
[思考]
基本:??????
1:1:積極的に動くつもりはないが、自分に攻撃してくる者に対しては容赦なく反撃する。
2:リザ・ホ-クアイに興味(名前は知りません)。
※クレアの参戦時期は『フライング・プッシーフット』の『車掌二人』を殺害後です。
*時系列順で読む
Back:[[破壊者二人と仮装泥棒]] Next:[[]]
*投下順で読む
Back:[[破壊者二人と仮装泥棒]] Next:[[]]
|リザ・ホークアイ||
|クレア・スタンフィールド||
**線路の影をなぞる者(レイルトレーサー) ◆hsja2sb1KY
トンネル入り口付近。
リザ・ホークアイ中尉は、この異常な状況下において、冷静に活動を始めようとしていた。
名簿と地図は確認を済ませている。当初の目的は、ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟 と合流することだ。
自分ひとりでは、螺旋王と名乗る存在に対抗するのは不可能だが、錬金術師なら、なにかつけいる隙がみつかるかも知れないという一縷の望みにかけた。
しかし、今この現状では、彼らの所在を掴むことは出来ない。いまのところは偶然出会う確率にまかせるしかない。
だから、自分にとって必要な物資が調達できそうな警察署に行くことにした。
射撃を得意とする彼女にとって、銃器の調達はなにより急務である。調達できそうな場所は警察署ぐらいのものだ。距離はだいぶ離れていて、しかも調達できるかどうかかなり望み薄だが、行ってみる価値はあると彼女は判断した。
今、彼女の手元に銃器はない。支給された武器は、真っ黒な細身の刀剣が数本。
あまり剣は好みではないし、頼りないが、とりあえずコレを使用するしかない。
説明書きには黒鍵(こっけん)という名称のみが示されている。黒鍵を1本ずつ両手に持ち、振り回してみる。
思ったより、手にしっくりとなじんだが、やはりだいぶクセのある武器のようだった。
(やっぱり銃がないと不安だわ……)
ため息をついた。
……ちょうど、一通り所持品の確認が済んで出発しようと思ったときだった。
カツーン、カツーン。
トンネルの奥から、誰かの足音が聞こえてきた。
(わたしの他にもこの場所に人がいたのか)
用心のため、ホークアイはデイパックと黒鍵を持って、トンネル入り口近くの物陰に隠れる。
カツーン、カツーン、カツーン。
足音がだんだん近づいてくる。
しかし、足音がトンネルの出口にさしかかったところで、急に止まった。
(わたしの存在に気づいた?)
一瞬迷ったのち、ホークアイは、姿をあらわすことにした。たとえどんな相手にせよ、遅れをとるつもりはない。
黒鍵を持ってトンネルの入り口の前に立つ。
相手の姿はトンネルの暗闇に紛れてよく見えないが、彼女に気づいている気配はあった。
「申し訳ありませんが、答えてください。あなたは、この殺し合いに乗っていますか?」
話しかけた。
だが、影は応えない。
(唐突すぎたかしら……)
もう一度話しかけようとすると、相手は急に前に歩き出した。ホークアイは身構えるが、相手はかまわず近づき、そのまま彼女の脇をすり抜けていく。
そして、
相手がトンネルの外に出たとき、はっきりと相手の姿が見え、初めてソイツの異常さに気づいた。
(――なに――これ)
常に沈着冷静なはずの彼女の顔が、ゆがむ。
トンネルの奥からやって来たのは、ヒトの姿をした、全身が真っ赤なナニカだった。
全身からつよい血の臭いを放ち、彼女に吐き気を催させる。
少し歩いて急に立ち止まったソレは、ゆっくりとホークアイのほうに顔を傾ける。その動きは、彼女に逆に恐怖を感じさせた。
そして彼女は覗き込んでしまった。その真っ赤なベトベトで覆われた顔の中の、憎悪と憐れみと蔑みが内面に満ち満ちた真っ黒な目を。
身震いと嫌悪感を抑えることができず、
「怪物……」
ホークアイは、我知らずつぶやき、無意識に攻撃姿勢に移っていた。
その言葉と行動に応えるように、「怪物」は、ニヤッと笑う。
そして、意外なほど俊敏な動きで、ホークアイに近づいた。
「怪物」は両方の手で、ホークアイの両腕を無造作に掴む。激痛が走り、あっさりと、ホークアイは黒鍵を取り落とした。
さらに「怪物」は、ホークアイの右腕と左腕を掴みあげたまま、信じられないくらいの怪力で軽々と投げ飛ばした。
「がはッッッ!!!」
あまりの不意打ちに、ホークアイの身体は無防備に地面に激突する。
そして「怪物」は起き上がろうとしたホークアイに、黒鍵を2本とも拾って投げつけた。
ブンッッッ!!!ブンッッッ!!!
黒鍵は両頬をかすめ、均等にかすり傷をつくって、ホークアイのすぐ後ろの地面に突き立つ。
(強い)
ホークアイは考える。
この「怪物」はいつでも自分を殺せる。
まだ状況が把握しきれていないこの状況では、勝ち目の薄い相手との戦闘は避けたほうがいい。
それにこの「怪物」はまだ、自分の力を誇示しているだけのように見える。本気をだしていない今しか逃げられない。
彼女はあっさりと撤退することを選んだ。
幸い、投げ飛ばされた場所は、彼女がデイパックを置いた場所。
身構えながら、地面に突き立った黒鍵2本とデイパックを冷静に回収する。それを目にしつつも、相手は動かない。
そのまま彼女は後ろを振り向いて逃走した。
――「怪物」が追ってくることはなかった。
(そうだ、逃げろ)
「怪物」は笑う。
こんなところに呼び出されて、俺のスケジュールは滅茶苦茶だ。だいぶ気分が悪かったんだが――なかなかの美人だったな?少し楽しくなってきた。
ガンドール兄弟との待ち合わせに遅れたら……まあ、主催者に帳尻を合わせてもらおう。ヤツには高過ぎる代償を支払ってもらうことになる。
ゆっくりと歩き出す。目的地はとくに定めていない。あの女を追いかけるのもいいし……まあいい。
すでに「怪物」は、目覚めてしまったのだ。
その「怪物」の名は、
『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』
【H-7/トンネル入り口付近/1日目-黎明】
【リザ・ホークアイ@鋼の錬金術師】
[状態]: 両頬に細い傷跡。両腕に痺れ。
[装備]:黒鍵×数本@)@Fate/stay night
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムがあと0~2つあります・本人は確認済み)。
[思考]
基本:ここから脱出する。殺し合いをするつもりはない。
1:ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟 と合流する。
2:怪物から完全に逃げ切る。
3:警察署で銃器を調達する。
※リザ・ホークアイの参戦時期はアニメ本編15話辺り。 そのため彼女の時間軸では、マース・ヒューズはまだ生存中です。
※道路沿いに北上中。
【黒鍵(こっけん)@Fate/stay night】
外見は剣状でありレイピアに近いが、斬るのではなく投げつけて使用する。刃渡りは80~90cm、重量は1kg程度で重心が投擲に向くような位置にある。十字架を模していて、扱いが難しいうえ威力もなく、霊的干渉力に重きが置かれている。
【クレア・スタンフィールド@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:??????
[装備]: なし
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムが1~3つ入っています)
[思考]
基本:??????
1:1:積極的に動くつもりはないが、自分に攻撃してくる者に対しては容赦なく反撃する。
2:リザ・ホ-クアイに興味(名前は知りません)。
※クレアの参戦時期は『フライング・プッシーフット』の『車掌二人』を殺害後です。
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