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  • Deus ex machina

Deus ex machina

最終更新:2023年07月26日 00:58

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Deus ex machina ◆oRFbZD5WiQ



 蛇を相手にしているようだ。
 弁髪の老人と交戦し数分、Dボゥイはそのような感想を抱いた。

「く――おおおお!」

 体が軋み、思考はどこか霞んだように不明瞭となっている。
 それでも、退くワケにはいかぬ。その思考が意識を繋ぎ止め、両の腕が剣を振るう力を生み出す。

「ぬるいわぁ!」

 されど、相手は蛇。ぬるりと枝を這うように剣の軌道から外れ、拳を振るう。
 そして――衝撃。
 がは、と肺の空気を吐き出し、ゴム鞠のように後方に吹き跳ぶ。その勢いで廃墟と化した家屋に突き刺さる。
 常人なら既に十は死んでいるであろう暴虐。されど、皮肉な事に、彼が憎むラダムの力が命をつなぎとめていた。

「ぎ――ぐ、」

 されど、それにも限界は存在する。
 コンクリートとて、長い年月の間、水滴を受け続ければ抉れる。それがドリルであれば尚更だ。
 そして、あの老人の力はドリルほど生易しいモノではない。
 東方不敗――マスターアジア。
 その名で呼ばれる老人の拳は、下手なモビルファイター相手ならば十分渡り合える代物だ。それを幾重も受けて、無事で済むはずがない。
 その上、Dボゥイは万全ではなかった。貧血、打撲、裂傷――それらが、元々薄かった勝ち目を致命的なまでに遠ざけていた。

「ふん、宇宙人と言うからにはもう少し歯ごたえがあると思ったが――これでは、あの馬鹿弟子の方がまだ見込みがある」

 黙れ。
 そう呟く気力もない。
 聖剣を杖にし、ゆらりと立ち上がる。それは幽鬼のような動き、もはや戦闘に堪えうるのは不可能であるのは、誰の目にも明らかだ。
 けれども、意志は肉体を凌駕する。まだ立てる、その思考が体に喝を入れる。
 精神論と嘲る事なかれ。強い精神は肉体を超越するという事実は、プラシーボという形で医学にも用いられている。

「――ふむ、その根性だけは認めてやろう。だが、実力が伴っておらぬようだな。
 宇宙人よ、Dボゥイよ。貴様には『体』はあっても『技』がない。
 身体能力があろうとも、それを生かす技術が存在しない」

 確かに、と思う。
 自分はテッカマンになれる。テックランサーやボルテッカ、そして、圧倒的な推進力で突貫するクラッシュイントルードなどといった力を振るう事が出来る。
 しかし、確かに訓練はしたものの、それは、テッカマンのポテンシャルに頼り切ったモノ。 
 元来の肉体には、アキのような体術もなければ、ノアルのような銃技もない。

「その肉体だけで勝てると思っておったか、愚か者めが」

 迎え撃とうとするが――致命的なまでに遅い。腹部に膝が食い込み、きりもみしながら吹き飛ぶ。窓を窓枠ごと突き破り、ガラスまみれの状態でアスファルトに転がった。

「人には牙がない。爪がない。それ故に、武器を作った、体を鍛え上げた――技を磨いた。
 知るがよい、遥か遠方から訪れた来訪者。これが人が生み出した牙、格闘技だ。
 流派東方不敗、その身に刻み、そして逝け!」

 更にもう一度、一撃を加えられた、ような、気がする。
 だが、どこか感覚が曖昧だった。
 意識が徐々に遠のいていく感覚。それは甘美な誘惑。苦しみから解き放ってやろうという――死神の誘い。
 ――ふざけるな。
 そちらに傾きかけた心に喝を入れ、立ち上がる。
 瞬間、顔面に拳が突き刺さった。

「ァ――――が!」

 それはまるで、なけなしの気力を砕くように。
 砕けたアスファルトの上を滑るように吹き飛ぶ。がりがり、という音。石が服を食い破り、皮を切り刻み、肉を食む音。
 立ち止まった頃には、リムジンから伸びているような赤いカーペットが敷かれていた。
 その上を、あの老人が悠々と歩いている。
 全く以って似合わないな、と。酷く場違いな思考が過ぎる。
 ――まずいな。
 笑みが漏れてきた。今の自分の状態も、目の前の老人も、可笑しくてたまらない。
 脳内麻薬でも分泌されだしたのか、痛みも薄く、むしろ快感な気さえする。
 その快楽に身を委ねれば、きっと楽に死ねる。この胸の奥底を炙る復讐の炎から解放される。
 だが、それを受け入れるワケにはいかなかった。
 それは復讐のためであり、そして――あのか弱い少女のためである。
 だから、Dボゥイは立つ。背中を真紅に染めながらも。
 その姿を、酷くつまらなそうに見やる老人を睨みながら、無意識でも手放さなかった剣を握る。

「――ねえ」

 そんな中、いつの間にか隣にいた少女が口を開いた。

     ◆     ◆     ◆

 その情景は、悲惨を通り越して滑稽なものだった。
 絞りカスで戦っているようなDボゥイと、ほぼ万全な状態の東方不敗。
 天秤がどちらに傾くかなど、火を見るより明らか。いや、火を見て明らかというべきか。
 数回の攻撃で力を使いきったのか、Dボゥイは反撃どころか防御すらマトモに出来ていない。ただただ、ゆらりと立ち上がるだけ。
 その姿は、ゾンビ映画を連想させる。
 然り。その姿は死体のようで、いつ崩れてもおかしくない泡沫のようで――

「ァ――――が!」

 顔面に拳が突き刺さる。受身を取る事すら許されず、背中を砕けたコンクリート片が散らばる地面に擦りつけながら、こちらに飛んでくる。
 地面が赤い。流血と皮、肉、服の破片。それらが散らばる絨毯を、老人は悠々と歩く。
 もはや追い詰める必要はない、そう言うように。
 然り。ここまでの暴虐を受けて、なぜ抗うというのか。
 これ以上、どう抗おうとも侵略めいた拳によって蹂躙されるだけではないか。

(……なんで?)

 それでも、彼は立ち上がった。
 十中八九殺されるこの状況で。座して死を待った方が楽であろう、この状況下で。
 分からない。なぜ、彼が立つのか。
 そうだ、分からないといえば、自分を殺さなかった事も分からない。分からない事だらけだ。

「――ねえ」

 だからだろうか。無意識の内に口が開いていた。

「どうして、そんな風に立っていられるの?」

 ああ、と思う。
 それはたぶん、似ているからだ。
 彼は言っていた。許せないと。不幸を理由にして殺し合いに乗っていることが、俺には許せないのだと。
 あの言葉を聞いた時に、なにか、感じ取るモノがあった。
 それは――どこか同類めいた何か。
 その男が立つ理由、それが、どうしても気になったのだ。

「――これ以上」

 噛み締めるように、Dボゥイが口を開く。
 それは、舞衣の問いに答えたと言うよりは、自分自身に言い聞かせているようだった。そう、まるで折れかかった心を支えるように。

「これ以上、こぼさない、ためだ」

 剣を構える。だが、力が入っていないのか、その重さで前に倒れかけ――

「失ったモノは取り戻せない。だから、俺は復讐の道に足を踏み入れた。だが――」

 ――その寸前で踏ん張る。
 その姿は、壊れかけたロボットがダンスを踊っているよう。不安定で、醜く、滑稽で――

「――それでも、これ以上、大切なモノをこぼしたくないからだ」

 ――けれど、心のどこかに訴えるモノがあった。

     ◆     ◆     ◆

 そうだ、これ以上、何かを失いたくはない。
 自分が死ねば、シンヤは用済みとなったゆたかを殺すだろう。
 そう、彼女には随分と助けられた。
 もっとも、本人は否定するだろう。助けられたのはわたしですよ、と。
 ああ、確かに。確かに、肉体的な面で自分は彼女を何度か救った。
 けれど、それ以上に、彼女はDボゥイの精神面を救ってくれた。
 だから――Dボゥイは老人を睨みつける。
 それは、徹底的に抗うという決意。
 それは、この命を貴様に渡すワケにはいかぬ、という宣言。

「オ――」

 吼える。喉を震わせ、全細胞に告げる。
 なにを腑抜けている、血が足りない? 傷が開いた? 疲労が酷い?
 その程度で眠っているのか貴様らは!
 どうせ、ここで抗わねば死ぬのだ。なら――全ての力を引き出してみせろ。
 そう、徹底的にAngriff! Angriff! Angriff! 剣を以って活路を開くのだ!

「――オォォォオオォォオッ!」

 駆ける――否、その速度は普段の歩みよりもなお遅い。
 杖をついた老人よりは速いだろうか? その程度の速度でしかない。

「ふん、諦めの悪い。いいだろう、この一撃で――む?」

 それは、純粋な疑問だった。
 Dボゥイと目を合わせた東方不敗は、ありえない何かを見るような目で瞳を見開いた。
 ――なんだ?
 まるで、『Dボゥイの目が、別の何かに取って代わった』とでも言いたげな瞳。

「貴様、それは一体――」

 知った事か。
 心中で吐き棄て、剣を振るった。
 風を切る音はしない。ゆっくりと振り下ろされていくそれは、スローモーションでも見ているのではないかと思わせる。
 しかし、 

(なんだ――?)

 なぜだろう。
 今なら、たとえこの速度だとしても威力を発揮できる。そんな気がしたのだ。
 誰が言ったわけでもない。強いて言えば、剣の鼓動から感じ取ったというべきか。
 つい先程まで感じなかった力の唸りが、他ならぬ自分から注ぎ込まれている――そんな気がしたのだ。

「勝利すべき(カリ)――」

 知らず、呟く。
 流れ込んでくる名を。檻に囚われた獣を、解放するように。
 先程まではなかった感覚に困惑しつつも剣を力強く握るDボゥイ。
 その瞳は――確かに螺旋を描いていた。

「――黄金の剣(バーン)!」

 そして、光が溢れた。

     ◆     ◆     ◆

 突如視界を覆った光は、現れた時と同じように唐突に消えた。
 そっと、瞳を開く。

「なに、これ」

 舞衣の瞳に飛び込んできたのは、大地に穿たれた巨大なクレーターだった。
 見渡すと、辺りはもうもうとした土煙で覆われていた。近くは見えるのだが、遠くは全く見えない。
 事実、舞衣が向いている方角――即ち、北で遠く見えていた学校も、今は輪郭すら掴めない。
 大きさは、大体一般家屋一つ分。恐らくは、先程まであの二人がいた場所。
 なら、あの二人は?

「あ――」

 視線を彷徨わせると、すぐ近くで倒れているのが見て取れた。
 恐らくは、この衝撃で吹き飛ばされたのだろう。
 恐る恐る、彼に近づく。
 幸いな事に、生きてはいるようだ。打撲こそ多いものの、裂傷が少ないのが幸いした。止血さえすれば、命を取り留める事はできるだろう。
 そこまで考えて、ハッとした。

「なんで助ける事を前提に考えてるのかな……」

 それは――たぶん、憧れめいたモノを抱いたから。
 あの背中は、自分と同じでありながら、けれども決定的に違うモノがあった。
 それを、知りたい。
 同類めいた自分たちが、けれども別の道を進んだワケ。その答えが欲しい。
 それさえあれば、この揺らぐ心も収まるのではないか、そう思ったのだ。
 そっと抱きかかえようと屈み込み、

「中々の威力。少々肝を冷やしたわ」

 しわがれた声に体を硬直させた。
 ありえない、だって、あんな威力の破壊を受けて、生きているはずがない。
 だというのに、

「なん、で」

 あろう事か、その老人は傷一つ負ってはいなかった。

「馬鹿者が。どれほど威力があろうとも、直撃さえ受けなければ傷付かん。
 ましてや、振り下ろすだけで精一杯といった風体の者が放つ衝撃波など、見ずとも避けられるわ」

 Dボゥイの『変化』に気づき、それがなんであるのか悩んでいる最中、彼が剣を振り下ろそうとした。
 しかし、その剣が先程とは違う『気』めいた何かを纏っている事に気づき、剣の直線状から退避。すると、濁流の如く全てを押し流す衝撃波が、脇をすり抜けていった。
 つまりは、ただそれだけの事。
 本人すら気づかなかった螺旋力の覚醒。しかし、それも見当違いの方面に発揮されただけに終わったのだ。
 必殺の一撃が外れた今、その効果はゼロどころかマイナスだ。
 螺旋の力で増大した体力と力。だが、その力は魔力の代用品として聖剣に注ぎ込まれ枯渇、そして訪れたのは気絶という眠りだ。
 これならば、まだ覚醒しない方が望みがあっただろう。

「失望したぞ、娘。よもや、ここに至って男を救おうとするとはな。
 悲しみのままに罪無き子供を殺し、しかし数刻で心変わりするとはな。
 外道を行い、けれど人を救う。その矛盾、真に人間らしい」

 だが、と吐き棄てるように呟き。

「だからこそ、醜い」

 え? と声を出す暇もない。
 瞬時に間合いを詰めた東方不敗は、撫でるような滑らかな動きで拳を放つ。腹部にめり込む、破壊の鉄槌。

「ぐ――げ、ぇ」

 カエルが潰れたような声と共に、血の混ざった胃液を吐き出す。
 吹き飛ばなかったのは、きっと手加減されたからだろう。でも、なぜ?

「気が変わった。先に貴様から殺してくれよう」

 髪の毛を乱暴に捕まれ、持ち上げられる。
 ああ、そうか。手加減されたのは、ダメージを与えて動きを止め、かつ、遠くに吹き飛ばさないため。
 動きが止まった自分を、確実に殺すため。
 ああ、殺される。
 恐らく、生身の自分では、ものの一撃で消し飛ぶだろう。

(でも、それもいいのかも)

 死後の世界。
 もし、そんなモノがあれば、きっとそこはこんな世界よりも幸せな場所に違いない。
 だって、ここには辛い事しかない。
 けれど、死後の世界に行けば、弟がいる、シモンがいる、なつきがいる。
 自分が亡くしたモノ、その全てが、在る。
 ならば、それでもいいじゃないか。
 そう思って、舞衣は瞳を閉じた。
 訪れる死を受け入れるために。

     ◆     ◆     ◆

 機械仕掛けの神、デウス・エクス・マキナ。
 物語が解決困難な局面に陥った時、脈絡もなく絶大な力を持った『神』が現れ、それを解決する演劇の手法である。
 だが、それは好まれぬ手法でもある。
 伏線もなしに登場するそれは、超展開と揶揄される事も少なくない。
 ――しかし、である。
 物語の登場人物にとって、そのようなモノは関係ない。
 たとえ、神にも似た解決策に伏線があろうとも、登場人物がそれを自覚していなければ、彼にとってそれはデウス・エクス・マキナとなるのではないか?
 そして、鴇羽舞衣は、東方不敗マスターアジアは知らない。
 ロイ・マスタングという男がDG細胞に侵されている事も、
 彼がスバル・ナカジマの仲間を殺戮した事実も、
 デパートで彼と彼女の戦いが起こっている現実も、

 ――――スバル・ナカジマという少女が、己の力と宝具の力を最大限に用い、爆発的な閃光と共に付近を薙ぎ払った現実も。

 全ては二人には知りえない事であり、脈絡のない神の光臨であった。

     ◆     ◆     ◆

 瞬間、黒い視界が白に塗りたくられた。
 閉じた目蓋の中ですら、「眩しい」と知覚できる暴力じみた閃光。
 だが、彼女は幸いに瞳を閉じ、その上、デパートの方面――即ち、光源から背を向けていた。
 しかし、東方不敗は違った。
 光源の方角に体を向け、目を開いている状態。あの爆発的な光を、直視してしまったのだ。

「ぬぐォおおおおおおおおおおォ! ぐ、目が、目がァァあああ!?」

 もし、彼に制限が加えられてなければ、いち早くそれに気づき、瞳を閉じる事もできたかもしれない。
 だが、現実は非情であり、死を運ぶはずであった老人は、瞳を押さえ、苦しみ悶えている。

(……なによこれ。まるで)

 まるで、死後の世界の誰かが、自分に対して『生きろ』と背中を押しているようではないか。
 そう、これ以上ない、という程の隙。これを逃せば、自分は殺されるだけだ。
 だが、決心がつかない。心の中ある死の誘惑が足を縛る。
 しかし、ふと思い出す。
 足元で倒れる彼、Dボゥイ。
 彼の話を聞きたい、そう思ったのではないか?
 そこまで考えて、舞衣は彼を背負い、ゆるやかに移動を始めた。
 けれど、その速度は致命的なまでに鈍い。
 振り向けば、背後で悶え苦しむ老人の姿は、未だ近距離と言っても差し支えのない距離だ。

「はや――くっ」

 叱咤するように呟き、足を進める。
 だが、いかにHiMEの彼女とて、生身の能力は一般女子高生と大差はない。
 そんな彼女が、筋肉質な男を背負い、かつあの老人が回復する前に逃げ去る事は出来るか?
 ――不可能だ。
 そもそも、彼女の疲労は既に限界であり、自分だけ走って逃げるという選択肢も危うい状態だ。
 せめて――せめてエレメントが使えれば。
 あれがあれば飛べる。走るよりずっと速く移動が出来る。
 けれど……あの力は、今は使えない。
 歯を食いしばる。結局、自分はなにもできない。奪われるのを待つしかできない――!

 ――轟、と。

 聞きなれた音が、確かな温かみが、両の腕に宿った。

「え……?」

 両腕の腕輪。彼女の力、エレメントの姿がそこにあった。
 失ったのではないのか、使えなくなったのではないのか。
 だが、考えている暇はない。腕に巻かれたそれに力を込める。すると、彼女に答えるように腕輪は炎を纏いながら高速回転し――彼女を動かした。
 本来は飛べるのだが、今はなぜだか能力も低下しており、その上、男一人分の重量を背負っている。この速度で移動できるだけマシと考えるべきか。
 風を切って移動しながら、舞衣は炎を用いてDボゥイの背中を、傷口を軽く炙る。
 医者に見せたら怒られそうな処置ではあるが、治療道具も治療する暇もない今、それも致し方がない事だ。
 もっとも、いずれは薬品などで消毒などをしなくてはならないだろうが。
 だが、病院は駄目だ。あちらは、あの閃光が吹き出した方向。下手にそちらに向かって戦闘に巻き込まれれば、今度こそ助からない。
 なら――学校だ。
 あそこには保健室がある。もちろん、設備は病院などとは比べるまでもないが――贅沢は言えない。

「でも」

 自分と彼との違い、それを聞いて、一体どうなるのか。
 ……分からない。少なくとも、今は。
 そうこうしている内に、学校はすぐそばまで近づいてきていた。

     ◆     ◆     ◆

 ――――HiMEの能力は、
 大切なモノ(者、物)を媒介にし、自らの意志でエレメントやチャイルドを具体化することが出来る力だ。
 故に、彼女が心を閉ざした為に、大切なモノという機動キーが鍵穴に差し込まれなかった。
 鍵穴をちょうど悲しみのガラスで覆ってしまった、そのような形で。
 だが――Dの青年との会話によって、僅かながらに心を開いたのだ。
 ……そう、開かれた。
 明けぬ夜はないように、閉ざされたままの心もまた、存在しないのだ。
 けれども、それはあくまで僅かにだ。
 彼女が心を完全に開くか、再びガラスで覆ってしまうかは――彼女の背で眠る、Dの青年の行方次第だ。
 彼のDが彼女にとって、Dreamなのか、Deadなのか、Dangerousなのかは――まだ、誰も知らない。
 そう、それは機械仕掛けの神とて同じ。
 物語は進んだ、解決不能な命題はとある少女の最期の光で取り払われた。
 これ以降は、彼の神が介入する余地はない。
 二人の影は、未だ筋書きの定まらぬ物語を、ただひたすらに突き進んでいた。

【B-6/学校校門前/一日目/夕方】

【鴇羽舞衣@舞-HiME】
[状態]:疲労(大)、全身各所に擦り傷と切り傷、腹部にダメージ、罪悪感
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考]:
1:Dボゥイの治療
2:1の後、彼の話を聞きたい
3:その後、自分の在り方を定める
[備考]
※カグツチが呼び出せないことに気づきましたが、それが螺旋王による制限だとまでは気づいていません。
※静留にHiMEの疑いを持っています。
※チェスを殺したものと思っています。
※一時的にエレメントが使えるようになりました。今後、恒常的に使えるようになるかは分かりません。

【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:左肩から背中の中心までに裂傷(開いた後、火で炙って止血)、右肩に刺し傷(応急処置済み)
    全身打撲(大)、貧血(大)、腹部にダメージ、 背中一面に深い擦り傷(火で軽く炙り失血は停止)、気絶
[装備]:なし
[道具]:デイバック、支給品一式、月の石のかけら(2個)@金色のガッシュベル!!   
[思考]
基本:テッカマンエビル(相羽シンヤ)を殺し、小早川ゆたかを保護する
1:…………
2:ゆたかと合流する
3:テッククリスタルをなんとしても手に入れる
4:極力戦闘は避けたいが、襲い掛かってくる人間に対しては容赦しない
5:再びシンヤとテッカマンの状態で闘い、殺害する
[備考]
※殺し合いに乗っている連中はラダム同然だと考えています
※情報交換によって、機動六課、クロ達、リザの仲間達の情報を得ました
※青い男(ランサー)と東洋人(戴宗)を、子供の遺体を集めている極悪な殺人鬼と認識しています
※シンヤが本当にゆたかを殺すと思っているため、生への執着が高まりました。
※恐らくテッククリスタルはどちらを使ってもテックセットが可能です。またその事を認識しています
※ペガスが支給品として支給されているのではと思っています。
※螺旋力に目覚めた事実に気づいていません。


【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
 ――螺旋力覚醒。


     ◆     ◆     ◆

「ぬかったわ。まさか、あのような事が起こるとは」

 瞳の焼ける痛みも治まり、辺りを見渡すが、当然の如く辺りに人影はなかった。
 光が飛び込んできた方角に視線を向けると、先程までは見えていたデパートが消滅している。

「……モビルファイターでも支給されたか、はたまた宇宙人の能力の類か」

 どちらにしろ、対人には過ぎた威力だ。
 それが如何なる状況で行われたモノか、興味があるが――それ以上に、

「Dボゥイ、奴の瞳は確かに……」

 ――ドリルの先端のような模様を持った瞳。別の表現をするならば、螺旋の瞳。
 それが、気になった。
 螺旋王ロージェノムが最初に言った、螺旋遺伝子の選定という言葉。
 まさかとは思うが、あれが奴の言う螺旋遺伝子とやらなのだろうか。
 しかし、分からない。
 たとえ、推測が正しかったにしろ、なぜあのような状況下で力を使いだしたか。
 奴に力を出し惜しみする余裕など、カケラもなかったはずだ。

「……なんらかの要因が引き金となり、その力が表に出てくる――それが妥当か」

 もっとも、その『なんらかの要因』については皆目見当も付かないのだが。
 ふむ、と小さく息を吐き、地面に落ちた剣を握る。
 やはり、剣は光らない。
 それが当然だ、というように鈍い光沢を放つそれをデイバックに仕舞いながら、最強の老人は呟いた。
 螺旋遺伝子に目覚めた――と思われる――Dボゥイが使ったとき、この剣は莫大な力を発揮した。自分が握っても無反応だというのに、だ。
 即ち、これは螺旋遺伝子とやらの力を伝達する、言わば砲身のようなモノだろうと当たりをつけた。
 もし、その仮説が正しければ、螺旋遺伝子を発現させた者はこれを扱えるという事になる。
 これを扱える者に出会えば、螺旋遺伝子の解明も進み、螺旋王とやらの思惑も理解できるかもしれない。
 そのために、Dボゥイで実験をしたいところだったが――追撃をかけようにも完全に見失っている。
 ふむ、と小さく息を吐き、遥か遠方に視線を向ける。
 そう、自分の目を焼いた光の元へ。

「デパートに行くとしよう」

 あの状態だ、病院に行っているとも考えられなくもないが、そのような分かりやすい場所には逃げ込まないだろう。
 ならば、少なくとも場所は確定している光の元を目指すのが利口だ。
 そうと決まればここに留まる道理はない。地面を蹴り、跳躍。原型を保っていた家屋に足をのせ、リズミカルに跳んで行った。

【C-6中央部/市街地跡/一日目/夕方】

【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:全身、特に腹にダメージ、螺旋力増大?
[装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム
[道具]:支給品一式、カリバーン@Fate/stay night
[思考]:
基本方針:ゲームに乗り、優勝する。
1:E-6に向かい、光の原因を探る。
2:情報と考察を聞き出したうえで殺す。
3:ロージェノムと接触し、その力を見極める。
4:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける。
5:できればドモンを殺したくない。

※137話「くずれゆく……」以後の行動は、騒動に集まった参加者たちの観察でした。
※137話「くずれゆく……」中のキャラの行動と会話をどこまで把握しているかは不明です
※173話「REASON(前・後編)」の会話は把握しています。
※螺旋王は宇宙人で、このフィールドに集められているのは異なる星々の人間という仮説を立てました。
 本人も半信半疑です。
※Dボゥイのパワーアップを螺旋遺伝子によるものだと結論付けました。
※螺旋遺伝子とは、『なんらかの要因』で覚醒する力だと思っています。
※ですが、『なんらかの要因』については未だ知りません。
※視力については問題ないようです。



時系列順で読む

Back:刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(後編) Next:螺旋の力に目覚めた少女

投下順で読む

Back:シャドウ・ラン Next:螺旋の力に目覚めた少女


184:こころの迷宮 Dボゥイ 218:夢‐‐。涙……
184:こころの迷宮 鴇羽舞衣 218:夢‐‐。涙……
184:こころの迷宮 東方不敗 205:爆心地のすぐ傍で

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