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  • 悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱

悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱

最終更新:2023年07月26日 01:13

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だれでも歓迎! 編集

悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 ◆tu4bghlMIw



「あ……れ……」

わたしが目覚めた時、空は、青く染まっていた。

身体を起こし、左右に頭を振って状況を簡単に確かめる。よく、周りが見えない。
まるで睡眠薬を何錠も無理やり摂取したみたいな感覚だ。
頭がボーっとしてクラっとして瞬いてフラフラする。
指先から足の先、眼球、内臓、その他沢山、身体中ありとあらゆる場所から気だるさが抜けない。

わたしは誰なのか。それは他人に問い掛けるまでも無く分かる――小早川ゆたか、陵桜学園高等部一年D組所属。
普通の、高校生だ。そう普通の。
毎日当たり前のように学校に通い、当たり前のように勉強をして、当たり前のように友達と話をして……
そんな無限回廊にも似たサイクルに身を委ねる日本中何処にでもいる筈のごく普通の高校生だ。

うん、何一つ間違ってない。
プロフィールにもデータにも現状分析にもこれっぽちの淀みは――


「……起きたか」
「え……」


少し離れた場所から男の人の声。わたしは当然、その方向に顔を向ける。
……忘れて、いた……違う、多分逃げていたんだ。
もう"普通"なんて言葉はわたしの中に一片たりとも残っていない。ううん、正確には全て"異常"に乗っ取られたと言った方がいい。
現れたのは男の人、もちろん知らない人なんかじゃなかった。


「Dボゥイさん」
「悪いな、側を離れていて。その……少し"後始末"をしていた」


彼はそう呟きながら両手に付いた土を軽く払った。
若干伏し目がちの視線と赤く染まった衣服。
それはわたしの意識を完全に覚醒させ、正しい現状分析を行わせるには十分過ぎる程の材料となった。

あのおじさんの……ヒィッツカラルドさんの死体を埋めていたんだ。
そして背筋を走る、悪寒にも似た電撃。
衝動で動いていたあの時とは違う。人が一人死んだという、あまりにも単純で複雑で残酷な事実を認識する。

「大丈夫、です」
「……そうか」

わたしは少しだけ気分が悪くなったけど、出来るだけ顔に出さないように答えた。
Dボゥイさんの回答からはわたしの反応で彼が何を感じ取ったのかは分からなかった。

「でもわたしより、Dボゥイさんの傷の方が……」
「いやそれがな……目が覚めたら治っていた」
「え……!!」

クルッと背中を向けたDボゥイさんの後姿は壮絶で、でもとても不自然な光景だった。
確かに左肩から背中の中央に向けて大きな裂傷があるにはある。
服もズバッと裂けていて、ヒィッツカラルドさんの力がまやかしなんかじゃなかった事を否が応にも意識させられる。
だけどその傷跡は、出来てからもう数日が経過したかのように完全に出血が止まっていた。

「痛み……ます?」
「多少は、な。だがほとんど変わらず動かせる……血は足りないが……それと、あの男が持っていた道具もいくつか回収出来た」

彼がそう言ってわたしに見せたのは、大きな長い銃のようなものだった。
50cmくらいの鉄の塊。多分ライフル、という類の銃だろう。
漫画などでよく殺し屋っぽい人が使っていたりする武器だ。

「あの男には不要の代物だったんだろう。そして――これは君に預ける」
「わたし……に?」

Dボゥイさんはその大きな銃をわたしに差し出した。
訳が分からずわたしは言われるがままに、ソレを受け取った。
……重い。デイパックの中に入っていた拳銃と比べても考えられないくらいの重量がある。

わたしは戸惑った。
だって自分にこんなものを扱える訳が無いからだ。
事実、本来支給されていたM500という大きな銃だって今はDボゥイさんが持っている。
しかもコレは見る限りただ弾を撃つだけの銃じゃない。
銃身の下の辺りにも、バズーカ砲のようなものがくっついている。きっと凄い銃だ。


「でも、そのっ、わたしよりDボゥイさんが持っていた方が――っ!」
「いや、たとえ撃つ事が出来なくても十分な威嚇になる。それに……」
「?」
「ゆたかがいなければ、俺はあの男に殺されていた。
 君の強さがあの男を倒した――だから、これはゆたかが持つべきだ」
「あ…………」


それはどういう意味だったんだろう。
気が付くとわたしはいつの間にか、ポケットの削岩機の形をしたアクセサリに触れていた。
少しだけ、暖かい。何だろう、どこか不思議な力を感じるような気もする。

ヒィッツカラルドさんがDボゥイさんを傷つけようとした瞬間、わたしの中に生まれたやり所の無い感情。

『みんなで一緒に帰りたい』

『生きていて欲しい』

多分、言葉にしてしまうとこんな簡単な台詞に変換されると思う。
だけどそんな単純な想いがあの時だけはこれ以上無いくらい心強いものに感じた。


「は、はいっ!!」


わたしは重さに震える手で、腕の中の銃をギュッと強く抱き締めた。
Dボゥイさんの言葉はぶっきらぼうで、少し乱暴だけど、とても暖かくて、胸が一杯になる優しさに満ち溢れていた。
だからわたしも最高の笑顔で彼に応えた。


「それで……だ。話は変わるんだが実は少し困った事になった」
「困った事、ですか?」

Dボゥイさんはそれまでと打って変わって突然深刻そうな表情を顔に刻む。

「――ゆたか、今何時か分かるか?」
「時間……ですか? あっ! もしかして……ッ!!」

急いで"右腕"に着けた腕時計を確認する。
針と文字盤からなるその機械はもうすぐ六時五十分を刻もうとしていた。
そして思い出す。最初に広間に集められた時に説明された独自のシステムについて。


「……放送」
「ああ――聞き逃した」


わたし達は、思わず天を見上げた。
空は青。雲一つ無い晴天。
黒色の幕は完全に引かれ、太陽が顔を出す時間だ。
最初の放送が行われたはずの午前六時は、とっくに過ぎ去っていた。



 ■


「ど、どどどどどどどうしましょうっ!!」
「……ゆたか、とりあえず落ち着け」
「で、でも、そんなっ、無理ですよ! だって、一つ目の禁止エリアが決まるのは――」
「朝の七時……十分後だな」


Dボゥイさんは何故か平然とした様子で左腕に嵌めた時計を見ながら答える。
何でこんなに平然としていられるのだろう。
だってもしもここが禁止エリアに設定されていたら大変な事になるはずなのに。

「俺の見立てでは、少なくとも七時の時点でここが禁止エリアになる事は無い筈だ」
「そ、それって……どういう意味ですか?」
「"貴様らの中から、最も優秀な一人を選び出せ" つまり、参加者同士の戦いが奴の望み。
 それに奴の佇まい、言動。自身もかなりの使い手である事は容易に想像が可能だ」

淡々とDボゥイさんは続ける。わたしはそれを聞く。
戦って生き残るのが命題なら、わたしにとっては分が悪すぎる賭けだなぁなんて思いながら。

「そう考えれば、奴にとっても禁止エリアの役割は『散らばった人間を追い込む』事。
 ならば『エリアに踏み込んだ人間を殺害する』結果は極力避けたいと思うのが道理」
「……ッ!!」

わたしはDボゥイさんの考察に驚きの声を漏らした。
凄い。だってそれはあの空間に連れて来られても平静を保っていた、という証明なのだから。
わたしなんて、脅える事しか出来なかったのに。


「ただ、な。問題はこれは仮説であって、決して断定は出来ない、という事だ」
「それって……」
「このD-7エリアが禁止エリアに設定されている可能性は零ではない。
 俺も手を尽くして他の参加者を探したんだがな……結局誰とも会えずじまい……あと一分か」


その言葉に連られてわたしも時計に目をやった。
短針と長針が刻むは六時五十九分。つまり注目すべきは――秒針だ。
わたし達の間を沈黙が支配した。
視線は無情にも回り続ける細長い針へと注がれる。
単純に考えてみても六十四分の一の確立。それにDボゥイさんの推理を加えれば、心配する必要なんてこれっぽちも無いはずなのに。


「……十秒」




息を呑む。
9、8、7、6、5、4、3、2……

喉がカラカラになる。
そういえば殺し合いが始まってから何も口にしていなかったっけ。
お腹減ったな。デイパックに食べ物が入ってるって言ってたけど、何があるんだろう。

――イチ。

わたしは、そんな、どうでも良い事を考えて自分を誤魔化すことしか出来なかった。


――ゼ……



「――爆発はしないわ、盛り上がっている所悪いのだけど」
「「ッ!?」」


わたし達が死角から投げ掛けられた声に背筋を震わせた瞬間、秒針は"12"の文字盤を通過していた。
七時、だ。今までの恐怖が一瞬で霧散してしまうような感じを覚えた。
過ぎてしまえば何もかもがなんてことの無い、ただの心配のし過ぎだったように思えてくる。喉元過ぎればなんとやらだ。


「……誰だ、お前は」
「……不躾ね」
「お互い様だ」


現れたのは青色の軍服を身に纏った女の人だった。
金色の髪と白い肌とのコントラストが眩しい。スラッとした抜群のスタイルはわたしなんかと違う、大人の雰囲気に満ち溢れていた。
突然わたし達の前に姿を見せた――いや、"ギリギリまで見せなかった"彼女にDボゥイさんは訝しげな視線を送る。
そして、わたしの身長ぐらいはありそうな巨大な斧を取り出し正眼に構えた。
ピリピリした空気が流れる。一触即発の様相。どちらも相手の腹の内を探っている。


「ちょ、おばさ――! イテッ!!」
「……パズー君?」
「お、おねえさん! 駄目だよ、そんな喧嘩腰で……」
「隠れているように、そう言った筈よ」
「だからって……ほら、あの男の人、なんか凄そうな武器持っているし……」


わたしとDボゥイさんは突然現れた男の子と女の人のやり取りをぽかーんとしながら見つめていた。
何かとても失礼な呼び方が"パズー"と呼ばれた少年の口から飛び出そうとした瞬間、抜群のタイミングで炸裂した女の人のゲンコツが緊張した空気をぶち壊したと言ってもいいかもしれない。
二人のやり取りを見る限り、どうやら同行者……のようだった。



 ■



「で、どういうつもりだ、ホークアイ中尉?」
「あなた達がゲームに乗っていない事を確かめる必要があったので。
 小さな女の子と親しげに話す若い男……中々危険な構図だと思いませんか?」


"小さな"というのは一体どれくらいの年齢を意識しているのかな、絶対下に見られているだろうなぁ、そんな事をわたしは考えていた。
あの後、なんとかどちらも警戒を解いて軽く情報交換を行う事になった。
簡易的な自己紹介は済ませてある。金髪の女の人はリザさん。隣の男の子はパズー君だ。
ちらり、と視線を送るとパズー君は何を思ったのか破顔一笑。
もしかして……同じくらいの年齢だと思われているのかな?

「――妙な事を言う。俺達が、か? 馬鹿馬鹿しい。そうだろ、ゆたか?」
「え、ええ、はい。そ、そうですね……」

言われてみると……わたし、Dボゥイさんに倒れ込むみたいに眠っちゃったんだよね……
そんな少し前の事を思い出した途端、恥ずかしさでわたしの頬が少しだけ熱くなったような気がした。
Dボゥイさんは天然なのか、わたしなんて眼中に無いのかまるで気にしている様子は無いけれど。


「まぁ、いいでしょう。それにとりあえず、これで交換が成立しそうですし」
「……交換?」
「簡単な論理です。あなた達は放送の情報が欲しい、そして私は銃が欲しい。
 ほら、上手く釣り合いが取れていると思いませんか?」
「銃って……」

その場にいたパズー君とDボゥイさんの視線がわたしに――正確には今はわたしのデイパックの中に入っている大きな銃に注がれた。

「どういう事だ?」
「そもそも、私達は今から北へ行って銃器を調達する予定でした。本職が、そちらですので」
「なるほど……な。だが情報と引き換えでは、こちらの方が相当に分が悪いと思うが?」
「ええ、それは十分に理解しています。
 それに、私もあんな心温まる場面を見せられてその銃を寄越せ、と言うほど冷徹な訳ではありません。
 報酬はDボゥイさんが持っていらっしゃる方の銃で結構です」
「――何故、分かる?」

Dボゥイさんは分かり易いくらい露骨に眉を顰めた。わたしも今の発言には少し違和感を覚えた。
だってDボゥイさんが銃を持っている事をリザさんは知らない筈なのだから。


「言ったはずです。本職がそちら、だと。
 わたしが現れた時のあなたの視線の微妙な変化、独特の筋肉の強張り、意識の分散……懐に拳銃を持っている事は容易く推測できました」

リザさんは事も無げにそう答えた。
銃を扱う事に関するスペシャリスト……そうだよね、軍人さんなんだから。
ただ持っているだけでも普通の人とプロの人だと大きな違いがある、って事なのかな。


「それに――放送の情報は絶対に必要なもの。ですが……」
「知らない事を逆手に取って、嘘の情報を流す者もいる、と言いたい訳か」
「ええ。ですが、幸い私達には同行者がいる――どちらも殺し合いに乗っているとは考え難いような」

Dボゥイさんの視線がパズー君に、リザさんの視線がわたしへと向けられる。
積極的に人を殺そうとする、つまりヒィッツカラルドさんのようなタイプの人がわたし達みたいな小さな子供を連れている訳が無い、という論理だろうか。
確かにある程度筋が通っていて、分かり易い材料だ。

「加えて物品を介した関係は言葉だけのものよりも、中々強固だと思われませんか?」
「……了解した。持って行け、ホークアイ中尉。残弾は三発しかないがな」
「ありがとうございます」

Dボゥイさんは銃をリザさんに手渡した。
二人は同じようなタイミングで小さく溜息を吐いた。


 ■


「まずは禁止エリアについて……ですが。順番どおりで行くと七時からB-1、九時からD-5、十一時からG-6。
 それに首輪自体もエリアに踏み込んだ瞬間ではなく、一分後に爆発するようですね。
 また、禁止エリアで爆死する事をあまり好ましくない、とも螺旋王は言っていました」
「な、なんだぁ……じゃあ全然大丈夫だったんだね、Dボゥイさん」
「……そうだな」


わたし達は自分達の地図にリザさんが言った禁止エリアをメモしていく。
でもDボゥイさんは地図ではなく、チラチラと"パズー君の反応"を窺っていた。

なるほど、リザさんが嘘を付けば、ちゃんと放送を聞いているはずのパズー君が何らかのリアクションを示すはず、という事か。
だけど特に変化は無し。逆に彼は何故自分を見るのかと、怪訝な表情を浮かべていたくらいだ。
やっぱり、リザさんは嘘をついていない、って意味なのかな――そもそも全然信用出来そうなようにも思えるけれど。

七時からはB-1。わたし達がいるD-7とは全くの別方向。
D-5は感覚的には少しだけ近いような気もするが、川を挟んだ対岸に位置する場所だ。やっぱり遠い。
Dボゥイさんの仮説はやっぱり当たっていたようだ。


「あとは、そうですね。殺し合い自体はあまり捗っていない、と螺旋王は言っていました。それに……」
「少さな女の子が、螺旋の力に目覚めたのを、この目で見られた――とか言ってなかったっけ?」
「ああ、そんな事も確かに。螺旋の力、と言われてもいまいちピンと来ませんが」

わたしのポケットの中で一度、コアドリルがドクンと脈打ったような錯覚を覚えた。そしてどこか暖かい。

「……相羽シンヤという男は名前を呼ばれたか?」
「お知り合いですか? いえ、今回の放送では呼ばれていませんね」
「そいつは重畳。もっとも、奴がそう簡単にくたばる訳が無いか……」


"相羽シンヤ"その名前を口にした時のDボゥイさんの表情は今まで見た事が無いくらい、怖くて恐ろしいものだった。

「それでは……他の死者も教えて貰えるか?」
「そう、ですね。死亡者は名簿の順番で呼ばれました。
 順に、アニタ・キング……エドワード、エルリック、キャロ・ル・ルシエ……」


『エドワード・エルリック』という名前を声に出した時、リザさんの顔色が一瞬曇ったように感じた。
でも、今はもう元通りの涼しげな表情に戻っている。気のせい……だったのかな?


「――素晴らしきヒィッツカラルド」


でも、ヒィッツカラルドさんの名前が呼ばれた瞬間、わたしの意識は急に現実に戻された。
わたし達を襲って来た魔法のような力を持っていたおじさんの名前だ。

ここまでで合計八人。それって多いのかな、少ないのかな。
生まれて初めて目の当たりにした明確な"死"
名簿の名前に斜線を引いていく行為に酷い背徳感を覚えた。


「そして、最後に――柊つかさ……先の放送で名前を呼ばれたのは以上、九名です」


……え?


「柊……つかさ、だと」
「……知り合い、かしら。でも、ごめんなさいね、私達もグズグズしていられなくて。
 せっかく銃を貰えたと言っても、こんな怪物みたいな銃よりも軽い銃の方が好みですし。このまま北上する事にします」
「…………相当なものだぞ、それは。女の細腕で扱えるか?」
「慣れていますから」


二人が何か話をしている。多分、銃の話だ。

"でもそんなの関係ない"

あの脳味噌をグラグラ揺らすような大きな音が頭の中に呼び起こされる。
揺れる。揺れる。
外から思いっきり殴られてもこうはならないんじゃないかって思えるくらい、小刻みに意識へと攻撃を仕掛ける。

意識は朦朧として、螺旋を描く。ジリジリと焦がれるような太陽が肌を焼く感覚。
胸がギュッて締め付けられるような、心臓がリボンでグルグル巻きにされているような不思議な気分だ。
息を、吸い込む。いつもは風船のように簡単に膨らむ肺に全然空気が入って来ない。
苦しい。
酸素が足りなくて二酸化炭素が頭を一杯にして、それで――


わたしの頭の中につかさおねえちゃんの笑顔がユラリと浮かんだ。
そして、一瞬の間を置いてソレは粉々に砕け散る。
爆散。ホールで見たあの男の人の死体がつかさおねえちゃんと何故か重なった。
赤と何かが爆ぜる音。
飛び散る液体と思わず顔を顰めてしまうような臭い。


死んだ。つかさおねえちゃん……が?
嘘。嘘でしょ?
人の死、自体はほんの少し前に経験した。命の無くなった肉体を見たりもした。
だけど、違う。
見知らぬ人、名前と外見しか知らない人間の死と身近な人間がいなくなってしまう感覚が、こんなに別だなんて思わなかった。
ついこの間まで、笑っていた人が死んだ。消えた。殺された。
それはまるで心の中にぽっかりと空いた穴のようだ。
そうだ、空洞。ヒィッツカラルドさんの眉間に刻まれた赤くて黒い穴のような……

直立を保てなくなった両足がガクガク震える。
まるで酔っ払いのように惑う脚。
……ダメだ……今日は、大分、調子が良いと思っていたんだけど。


「……おい、どうした? おい、ゆたか? おい!!」
「パズー君?」
「おばさん!! 大変だ、ゆたかが……!!」
「また、あなたはそんな――」
「今はそんな事どうでもいいだろ、おばさん!! お兄さん、大変なんだ――!!」
「おい、ゆたか、しっかりしろ、ゆたか!!」


世界が、落ちていく。
力を失ったわたしの筋肉がその働きを放棄する。
まるで腰が抜けたみたいに崩れ落ちる、その寸前をDボゥイさんに受け止められた。


パズー君やリザさん、Dボゥイさんがわたしの名前を呼んでいるのが分かる。
Dボゥイさんの腕は暖かかった。
まるで揺り篭、原始の海、羊水、どれでもいい。
凄く、心が落ち着いた。

だけど、その逆。
私のポケットに入っているアクセサリはいつの間にか冷たくなっていた。
まるで、氷の塊のような感覚だ。
私の中の暖かな感情が全部無くなってしまった後の抜け殻――みたいだ。


「ゆたか!! しっかりしろ!!」


そんな事を考えながら、私の意識は深い深い闇へと落ちて行った。


 ■


「本当にいいのかい? 僕達もいた方がいいんじゃ――」
「いや、問題ない」
「本当に……大丈夫ですか? Dボゥイさん」
「ああ」

二人はまだゆたかの状態が気になる様子だった。
だが、俺の対応を見て決心を固めたらしい。
こちらを何度も振り返りながらも元々の目的地であった警察署の方角へと消えた。


閉じた瞳を透明な液体で濡らしたゆたかを見つめながら俺は考える。

柊つかさ。
それはゆたかが知り合いとして名前を挙げた人物の一人だ。
他にも泉こなた、柊かがみという知り合いがいるとは聞いていたが、こんなに早く死亡者が出るとは。
これではゆたかを知り合いに預ける、という方針は中々難しい事かもしれない。


「う……」

俺はふらつく頭を押さえながら、自らの失態を呪った。
血が、足りない。
傷自体は目覚めた時には、ほぼ完治していた。背中から完全に致命傷、そう思っていたはずなのだが。
ただし、失った血液に関しては別問題だ。
血……輸血をするのならば病院に向かうべきだろうか。だが、この状態のゆたかを置いていく事など出来る訳も無い。
ひとまずは、彼女が目覚めるまで耐えるしかないのか。

「そういえば……」

俺はあの男の死体の周りに落ちていた瓶に入った石の事を思い出した。
奴のデイパックに入っていた説明書の内容から察するに、おそらく"月の石のかけら"という名の道具で間違いない筈だ。
効果は一言で言えば癒し。体力や外傷、そしておそらく精神的なダメージも含めて、僅かながら快復へと向かわせる力があるとの事だ。
その効用がどの程度のものなのかは分からない。
ただ、おそらく今、目の前で意識を失っているゆたかにとって、プラスにこそなれマイナスにはならない。

このままゆたかの状態が普通に戻れば良し。使用期限もあるようだし、無理ならば雀の涙の程の確率に賭けてみるのも悪くない。
……まぁ、さすがに俺自身の血が足りないという物理的な問題は解決出来ないとは思うが。




【D-7/住宅団地/1日目/朝】

【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:左肩から背中の中心まで大きな裂傷(出血は治癒、裂傷に伴う痛みは若干残っている)、吹き飛ばされたときに全身に打撲、中度の貧血
[装備]:テッカマンアックスのテックランサー(斧) @宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:支給品一式、月の石のかけら(2個)@金色のガッシュベル!!   
[思考]
1:ゆたかの意識が戻るのを待つ
2:テッカマンエビル、相羽シンヤを殺す
3:2を果たすためなら、下記の思考を度外視する可能性あり
4:病院に向かい血液を補給する
5:ゆたかを知り合いか信頼できる人物にゆだねる、つもりだったが迷い中。
6:ゲームに乗っている人間を殺す

[備考]
 :殺し合いに乗っているものはラダムと同じだと結論しました
 :テッカマンアックス撃破後、身体が蝕まれる前ぐらいを意識しました
 :ヒィッツカラルドの簡単に埋葬された死体の上にフィーロの帽子@BACCANO バッカーノ! が置かれています。
 :六課メンバー、クロ達、リザの仲間達の情報を入手。
 :紙の詰まったトランクケースはD-7に放置されたまま。


【小早川ゆたか@らき☆すた】
[状態]:肉体的疲労小、精神的疲労極大、絶望 、失神
[装備]:COLT M16A1/M203@現実(20/20)(0/1)、コアドリル@天元突破グレンラガン
[道具]:支給品一式、鴇羽舞衣のマフラー@舞-HiME、糸色望の旅立ちセット@さよなら絶望先生[遺書用の封筒が欠損]
    M16 アサルトライフル用予備弾x20(5.56mm NATO弾)、M203 グレネードランチャー用予備弾(榴弾x6、WP発煙弾x2、照明弾x2、催涙弾x2)
[思考]
1:???

[備考]
 :コアドリルがただのアクセサリーではないということに気がつきました。

【COLT M16A1/M203@現実】
ベトナムのジャングル戦において使用されてきたM16A1 アサルトライフルにM203 グレネードランチャーを装着した画期的装備。
連射性の低さを補い、火力アップを図るために装着されたM203は40mmの各種グレネード弾を発射できる。
現在もアメリカ軍によって現役で使用されている高い能力を持った武装である。




【C-7/道路/1日目 朝】
【リザ・ホークアイ@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:M500ハンター(3/5)@現実、ダーツ@現実(残り23本)
[道具]:デイバッグ、支給品一式、泉そうじろうのデジタルカメラ・説明書付@らき☆すた(※マタタビの勇姿(後ろ姿)を撮ったデータが一枚入っています)
[思考] 基本:ここから脱出する。殺し合いをするつもりはない
1:北上し、警察署で更なる銃器を調達する
2:ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟(アル)を探し合流する
3:パズーが仲間と合流するまでの間、彼を保護する
4:2日目の0時頃に温泉へと戻り、マタタビに協力を要請する
5:トンネルで見た化物を警戒する
6:ゆたかを心配

 ※リザ・ホークアイの参加時期はアニメ15話辺り。彼女の時間軸では、マース・ヒューズはまだ存命しています
 ※トンネルで出会った人物より、『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』の名前を聞きましたが、
   それが名簿に記載されていないことにまだ気づいていません
 ※ディバッグに穴が開いてしまったので、持ち運びが不便。歩行速度に影響が出ています
 ※マタタビと情報交換をしてません。また、マタタビを合成獣の一種だと考えています
 ※マタタビの温泉再建については、まだパズーに話していません
 ※Dボゥイとゆたかの知り合いについての情報を得ました。


【パズー@天空の城ラピュタ】
[状態]:健康だが右頬と頭頂部に鈍い痛み
[装備]:ルールブレイカー@Fate/stay night
[道具]:デイバック、支給品一式、タロットカード@金田一少年の事件簿、USBフラッシュメモリ@現実
[思考] 基本:螺旋王を倒し、みんなを救う
1:シータを探し出し合流する
2:リザ・ホークアイと同行する
3:六課メンバー、クロ達、リザの仲間を見つけたら声をかける。
4:ゆたかを心配

※言峰により揺さぶりをかけられましたが、反発しています
※六課メンバー、クロ達、リザの仲間達の名前、容姿をある程度覚えました
※Dボゥイとゆたかの知り合いについての情報を得ました。


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Back:蛇姫は泣き虫の懇願に黙って首を縦に振る Next:剣持警部は忠実に職務を遂行する

投下順で読む

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096:蒼い狗 リザ・ホークアイ 150:崩落 の ステージ(前編)
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