ミー君怒りの鉄拳 - (2007/11/16 (金) 12:07:35) の最新版との変更点
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**ミー君怒りの鉄拳 ◆kILBiSHoqM
H-6の民家の一つ、そこの薄暗いリビングで小さな影…ミー君が奇妙な行動をしていた。
ミー君は背中から触手のような腕を四本出し、リビングにある家具を使いお手玉のように扱ったり、壁に投げ飛ばしてはぶつかるギリギリでキャッチしてみたりとやりたい放題。
そんな意味不明の行動をしていたミー君はやがて自分のある懸念が事実であると確信し家具を元に戻し溜め息をついていた。
ミー君のやっていたのは今の自分の性能を確認するための試験動作であった。
トンネルの馬鹿から少しでも遠くに離れるため全速力で道を走っていたミー君。
だが、その内自分の体の異変に気づく。どうにも自分の体が重く感じられたからであった。
こりゃいかんと手身近な民家に忍びこみ試験動作をしていたのだった。
「腕力馬力20%低下、脚部出力30%低下。背部クロー精密動作性10%低下、悪魔のチップ作業効率40%低下…うわっ!装甲強度50%もダウンしてるじゃないか」
そして自己診断の結果がこれである。
整備不良とかそんなレベルではない、まるで弱体化の呪いでもかけられたかのような機能低下の嵐、それを認識したミー君は今後どうやって動くか考えていた。
(どーしよっかなー、こんなんでもふつーの人間相手に負けるとは思えないけど、こんな馬鹿げた祭りやっといてふつーの人間ばっかりなわけないしなぁ)
ミー君の懸念はふつーじゃない人間のレベルの上限が見当がつかない、ということにあった。
例えばミー君の世界にもサイボーグをも圧倒する超能力者や宇宙人もいたし、はじめに螺旋王にあっさり殺された男も自分がやりあう羽目になれば負けるのは間違いなく自分だしトンネルの馬鹿もまともにやればそうとう強いと思っていた。
(とりあえずこの状況だとボクのすべきことは武器と情報の入手が最優先、そのために他の参加者と接触ってとこかな?)
となると今度はどのような参加者と接触するか。この問題が出てくる。
強い参加者と組めれば一番いいのだがそんな都合のいい状況はそうないだろう。むしろその手の奴等からは問答無用で襲われるような気がする。
かといってふつーの一般人と組んでも足手まといになる可能性もある。
(かなり強くてお人よしでこちらにも武器を貸してくれるほど武装が豊富…これが理想だけどいるわけねーよ。そんな都合のいいやつ)
実は案外そういう面子もこの場には来ているのだが神ならぬミー君にはわからないことだった。
(ま、方針は大体決まったかな?まず参加者を見つけて話せるようならできるだけ情報を入手、交渉で武器を入手できればなおよし。問答無用の連中は武装が無い時は撤退、武装があって何とかなるようなら返り討ち。パッと見悪党だったりしたら、問答無用で仕掛けて身包み剥いで放置!よし!これだ!)
最後のあたりがかなり物騒ではあるが方針は決まった。
そんな時だった。第一回目の放送が始まったのは。
「禁止エリアはB-1、D-5、G-6っと」
放送が終わり必要事項を地図に書き込むと、今の放送で得た情報を整理してみる。
まさかいきなり九人もやられるとは、なかなかゴイスーなデンジャーが待ち受けているようです。
(クロやマタタビ君の名前はなかったか…まぁ、あたり前っちゃあ当たり前だけど)
自分に確実に協力してくれそうな知り合いの名が九人の中に含まれてなかったことにミー君は少々不謹慎だがほっとしていた。
そしてすぐ隣の禁止エリア、まだ5時間も先とはいえ禁止エリアが近くにあるのは心臓に悪い。
すぐ離れるべきかとも考えたがちょっとまて。
(そうやって参加者の進路を誘導するのが目的ってことか。)
入れば死ぬ。そう言われれば誰だって離れたがる。そして参加者の心理が一致すれば必然的に同じ場所――禁止エリアから遠いところに行こうとし参加者同士の衝突がある。
(主催者の思惑に乗れば他の参加者と接触できる機会が増える。けど奴等の思惑に乗るのはなんとなく気が進まない。)
どーしよっかなー。と悩んでいると外から爆発音が響いた。
「!?何だ?今の音は!」
すぐさま外に出て路地裏を走り音のした川に到着すると川の向こうの街中からもくもくと煙が上がり始めていた。
聞こえた音は先ほどの爆発音だけで、後は特に聞こえてこないが何かあったのは確実だ。
すぐさま行ってみようと思い至るが横目にキラリと光る何かが写った。
(!!狙撃か!?)
即座に物陰に隠れるが…特になにもなかった。
(あれ?おっかしーなーなんか写ったんだけどなー)
と物陰からこっそり覗いてみると単に民家の窓ガラスに太陽の光が反射されただけだった。
なんだ気のせいかと思い直し川の方を向こうとしたとき、先ほどの窓ガラスがガラッと開いた。
(人影!ってゆーかあそこって後々禁止エリアになるとこじゃん!)
そう。その民家は場所で言うとG-6の川のすぐそばにあるところだった。
ミー君は直ぐさま観察を開始した。
観察して異常な兆候がないようなら接触してみるつもりだが果たして吉と出るか凶と出るか。
その男は漆黒のマントをはためかせていた。
(あ、アイツは…)
そのマントの下は柄パン一丁の素っ裸、その裸体はなぜか首の辺りだけが妙に鍛えられているのが印象的だった。
(ま…間違いなく…)
極め付けに真っ黒な仮面を装備した。
( 変 態 だ ーーーーーーー ! ! ! ! )
ミー君はこの展開に軽く混乱していた。
近所で戦闘によると思われる爆発音。それにどう対処するかと迷っていたらさらに別の場所に参加者を確認。見たところ隙丸出しの姿はとても強者とは思えない、だからといってふつーの一般人に見えるかと問われれば断じて違うと言い切れるだろう。
『変態』 このカテゴリーに分類される馬鹿への対処をミー君はまったく考えていなかった。
(マジでどうしよう…無視するのは簡単だけどようやく見つけた参加者だからなー)
その時ミー君の脳裏にびびっと閃きが走った。昔、電気屋のテレビで見かけた某アニメの迷台詞。
(そう!悪人に人権は無い!)
まずマント男を問答無用で死なない程度にフルボッコ。完全に制圧した上で事情聴取し、間違ってたらごめんと誤って即座に退散。ほんとに悪党及び真性の変態ならコキャっととどめを刺す。
これだ!とミー君は確信する。
(よっしゃーあ!やったるでぇー!)
そんなこんなでミー君は物陰に隠れながら猛烈な勢いで変態の見える民家へと接近していった。
結論から言えばこの決断は凶と出た。
この場を無視して爆発現場へと行けばもしかしたら間に合ったかもしれなかった。
そんなこととは知らずミー君は黒兜の元へと駆け出していった。
絶望達黒の騎士団ご一行はG-6の民家で服を乾かしていた。
ルルーシュのここなら時間にさえ気をつければ比較的安全に服を乾かせるんじゃないかという提案に偽ゼロこと絶望が乗ったため川沿いの民家に身を隠していた。
とりあえずようやく落ちつける状態になったことに糸色望は安堵のため息をついていた。
休憩できる、ということもあるが何よりカレンは別の部屋で服を乾かしているため彼女の期待に満ちた視線から離れることができたことは望にとってかなりの開放感を得ていた。
(さて、いいかげん服を乾かさなくてはいけませんね)
ぬれた服というのは着ている者の自由と体温を奪うため想像以上に体力を消耗させるものだ。望の体力もすでに限界が近くなっていた。
マントを取り袴も脱ぎ肌着も脱ごうとした所、肌着が頭の仮面に引っかかった。
(し、しまった!あまりにも仮面がフィットしていたために最初に仮面を外すのを忘れていました!)
右往左往しながらも思い切り引っ張ったり引っかかった所を少しずつ外してようやく肌着を頭から外すことができた。
(いけませんね…仮面の事をすっかり忘れてしまうとは…)
そう思いながら仮面を外そうとした時、ぴたりと動きを止める。望は一つの視線を感じていた。
カレンのように期待に満ちたものではないなにかを。
思わず廊下とこの部屋を繋ぐドアに視線を向けるとかすかだが隙間が見えた。
「それで、そこのあなたはいったいなんの用件でしょうか。」
一拍間を置いた後、キィと小さな音をたててドアが開く。
そこにいたのは薄い笑みを浮かべた少年が立っていた。
「おや、ランペルージ君ではないですか。」
「ルルーシュ、と呼んでもらって結構ですよ。ゼロ」
着替えるために脱衣所へ向かうカレンの姿を確認し、完全に見えなくなるとルルーシュは行動を始めた。
今、偽ゼロはリビングで一人着替えをしている。その姿をドアの隙間からのぞいていた。
ルルーシュはこの場でゼロの衣装を奪うつもりはなかった。
この状況ではカレンが駆けつけるまでに衣装を奪還し装着することは不可能だし、よしんば奪い着ることができたとしてもそこにはゼロの姿はあるがルルーシュの姿が無く、代わりに見たこともない男がいつのまにかいる。
そんな状況しかありえない以上この場ではうかつな真似はしない。
だが偽ゼロの顔だけは今のうちに拝んでなくてはならない。
俺の動向を察知し仮面をどこかに捨て別人として姿を現されると打つ手がなくなり、この場でゼロの仮面が行方知れずになれば俺がこのゲームでゼロとして振舞うことが不可能となってしまう。
だが、奴は人の目がある限り決して仮面を外そうとはしないだろう。
故に今こそ唯一にして無二の機会であったのだが。
(えぇい!一体やつは何をやっている!?)
隙間から見えたのは仮面をかぶったまま服を脱ごうとして頭が引っかかり右往左往している偽ゼロの姿だった。
滑稽としか言えない眼前の光景に思わずため息が出る。
なんとか外し終わった偽ゼロは遂に仮面へと手をかけようとしていた。
その時、ゼロの腕がぴたりと止まり、見透かしたかの様にゆっくりとこちらを向いた。
「それで、そこのあなたはいったいなんの用件でしょうか。」
(…先手を打たれた!まさか偽ゼロがここまでやるとはな…)
あえてうかつともとれる行動を見せ付けることで俺という不安要素を炙り出す。そしてこののタイミングで俺のことなどお見通しだとばかりに問い掛けられれば、俺は『ゼロ』の正体を暴こうとした者としてヤツの疑念が解けるまで一方的に情報を与え続けなければならない。
本来の『ゼロ』とは真逆のやりかただがこれはこれで上手い。
(そちらは腹の探り合いがお望みか…いいだろう。存分に相手になってやる!)
そして俺は意を決して偽ゼロのいる部屋へのドアを開ける。
柄パン一丁の黒兜はやはり俺がこのような行動をとることを最初からお見通しだったようだ。動揺の気配など微塵も感じさせず「おや、ランペルージ君ではないですか。」と覗き見をしていた者の正体を今知ったように振舞う。
あくまでも俺には道化として接するようだ。…まあいい、ならば俺もただの一高校生として接するだけだ。
「ルルーシュ、と呼んでもらって結構ですよ。ゼロ」
「ではルルーシュ君。改めて聞きますが私に何の用件でしょうか?」
偽ゼロの第一手はまあオーソドックスといってもいいだろう。この状況では普通に問われてもおかしくないことだ。
だがこれは次の一手に対する布石でもある。ここで俺が偶然通りかかった、などと下手に言い繕ったとしても反論は容易いだろう。だから俺は、
「ええ、実はその…ゼロの素顔ってやつを見てみたくって」
本当のことをいう。
「私の素顔を?何故そのようなことを…」
(偽ゼロの動揺が見て取れる。やはり偽ゼロにとって今のは予想外だった用だな)
俺は心中でほくそえむ。これで主導権はもらった!
「今のうちにあなたの素顔を見ておかないとその仮面を奪って『ゼロ』の名を騙ろうとするやつが出てきても不思議ではないですから」
「!?」
決まった。この一言で偽ゼロは俺に正体をさらさなくてはならない。
「名簿を見たところ『ゼロ』の名は書かれていません。これは『ゼロ』が本名でこのゲームに参加しているということでもありますがもう一つ意味があります。それは『ゼロ』が密かに何者かに殺害されその者が『ゼロ』に成りすましたとしても放送では知ることができないということです」
こうして偽ゼロに『ゼロ』の名の重さを理解させる。
『ゼロ』を名乗っていればカレンという味方ができて生存する確率が高くなるという、偽ゼロの大前提を打ち壊すことで『ゼロ』の姿への執着を無くし、俺が偽ゼロの正体を知っていれば万が一『ゼロ』の名を奪おうと襲ってきたものへのけん制にもなる。
(さあ、理解しろ。お前には『ゼロ』の名は重過ぎるということをな)
この場を沈黙が支配する。
そして偽ゼロが返答しようとした。その時外からの爆発音がその言葉をかき消した。
「な、何事ですか!?」
偽ゼロは音に反応し窓に駆け寄り空けた。どうやら川の向こう岸で爆発があったようだ。
偽ゼロがルルーシュに指示をだす。
「ルルーシュ君!カレンさんの所へ行ってください!私はここで様子をうかがいます!」
と言いながらマントだけを羽織ながら外をうかがう偽ゼロ
(ちぃ!こんなときに!もう少しで偽ゼロを落とせたものを!)
心中で愚痴るがそれどころではないのは確かだ。俺は急ぎ脱衣所にいるはずのカレンの所へ駆け出した。
脱衣所のドアが見えたところでカレンが脱衣所から出てきたが、その格好はブラジャーとショーツだけだった。カレンの出るとこは出ているメリハリのきいたボディはとてつもない色気をかもしだしていた…って今はそれどころではない。
「ルルーシュ!いったい何があったの!?」
「北の方で爆発音がした!それ以外はわからん!」
とそんな時、ガッシャーンと偽ゼロのいる部屋のほうからガラスの割れる音がした。
――襲撃!?
と思った時にはカレンは銃を片手に部屋へと向かっていた。
俺も後を追うとカレンが銃を部屋に向けて立ちすくんでいた。
何事かと部屋の中を見るとそこには…
ボッコボコにされた偽ゼロと…なんと言えばいいのか。ブリキでできた猫のような物がカレンをみて時を止めていた。
そして、時は動き出す…
「てめぇ!こんなときに女の子に何やってやがったぁー!!!」
「誤解!誤解ですってば!なんでこんなことに、嗚呼、絶望し…グハァ!ゲハァ!アベシ!」
「ゼロォーーーー!」
もう何がなにやら。
思えばこの猫と出会ってからがこのゲームの本当の意味での始まりだったのかもしれない…
ルルーシュ・ランペルージは、まだそのことを知らずにいた。
【G-6/川岸の民家/一日目-朝】
【糸色望@さよなら絶望先生】
[状態]:絶望(デフォルト)、パンツ一丁、フルボッコ
[装備]:ゼロの仮面とマント
[道具]:デイパック、支給品一式、不明支給品(0~2個) 服(まだ濡れています)
[思考]:1、痛い!死んだらどうするんですか!
2、カレンがあまりに不憫なので、ゼロとして支えながら正しい絶望へ導く
【カレン・シュタットフェルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:下着だけ
[装備]:ワルサーP99(残弾16/16)@カウボーイビバップ
[道具]:デイパック、支給品一式、、不明支給品(0~2個)
[思考]:1、ゼロを守る
2、ルルーシュも守る(ただしゼロが最優先)
3、その後、仲間を集め、このゲームの主催者に立ち向かう
[備考]:スザクがランスロットの搭乗者であることを知っている時期(17話以降)からの参戦です。
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:精神的疲労(大)、頭部及び手先・足首に痒み 、軽度の混乱
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式、メロン×11
[思考]1:一体何がどうなってるんだ。
2:人に出会う前に“ゼロ”の衣装を奪い返す
3:このゲームをぶっ壊すための駒と情報を集める
[備考]:参戦時期は第13話以前。スザクがランスロットの搭乗者であること、マオの存在を知りません
偽ゼロ(糸色望)を警戒しています。
【ミー@サイボーグクロちゃん】
[状態]: 精神的疲労(小) 激怒
[装備]:セラミックス製包丁@現実、アニメ店長の帽子@らき☆すた
[道具]:支給品一式、世界の絶品食材詰め合わせ@現実
[思考]:なにしてやがる!このドグサレガァーー!
基本:殺し合いには乗らず、ゴー君の元へと帰る。
1:現状を打破する為クロに会う。襲われた場合は容赦しない。
2:性能の悪さをどうにかしたい。
3:トンネルにはもう行かない。馬鹿がうつる。
4:帰って絶品食材を振舞う
[備考]:
※武器が没収されているのに気がつきました。
※自分の体の制限を正確に認識しました。
※食材詰め合わせの内約はご自由にどうぞ。
*時系列順で読む
Back:[[来るなら来い! 復讐のイシュヴァール人!]] Next:[[そして最後に立っていたのは唯一人]]
*投下順で読む
Back:[[来るなら来い! 復讐のイシュヴァール人!]] Next:[[POROROCCANO! -ポロロッカーノ-]]
|101:[[三つの心が一つにならない]]|糸色望|135:[[黒の騎士団]]|
|101:[[三つの心が一つにならない]]|カレン・シュタットフェルト|135:[[黒の騎士団]]|
|101:[[三つの心が一つにならない]]|ルルーシュ・ランペルージ|135:[[黒の騎士団]]|
|086:[[世界の中心で、叫ぶ]]|ミー|135:[[黒の騎士団]]|
**ミー君怒りの鉄拳 ◆kILBiSHoqM
H-6の民家の一つ、そこの薄暗いリビングで小さな影…ミー君が奇妙な行動をしていた。
ミー君は背中から触手のような腕を四本出し、リビングにある家具を使いお手玉のように扱ったり、壁に投げ飛ばしてはぶつかるギリギリでキャッチしてみたりとやりたい放題。
そんな意味不明の行動をしていたミー君はやがて自分のある懸念が事実であると確信し、家具を元に戻し溜め息をついていた。
ミー君のやっていたのは今の自分の性能を確認するための試験動作であった。
トンネルの馬鹿から少しでも遠くに離れるため全速力で道を走っていたミー君。
だが、その内自分の体の異変に気づく。どうにも自分の体が重く感じられたからであった。
こりゃいかんと手身近な民家に忍びこみ試験動作をしていたのだった。
「腕力馬力20%低下、脚部出力30%低下。背部クロー精密動作性10%低下、悪魔のチップ作業効率40%低下…うわっ!装甲強度50%もダウンしてるじゃないか」
そして自己診断の結果がこれである。
整備不良とかそんなレベルではない、まるで弱体化の呪いでもかけられたかのような機能低下の嵐、それを認識したミー君は今後どうやって動くか考えていた。
(どーしよっかなー、こんなんでもふつーの人間相手に負けるとは思えないけど、こんな馬鹿げた祭りやっといてふつーの人間ばっかりなわけないしなぁ)
ミー君の懸念はふつーじゃない人間のレベルの上限が見当がつかない、ということにあった。
例えばミー君の世界にもサイボーグをも圧倒する超能力者や宇宙人もいたし、
はじめに螺旋王にあっさり殺された男も自分がやりあう羽目になれば負けるのは間違いなく自分だし、
トンネルの馬鹿もまともにやれば相当強いと思っていた。
(とりあえずこの状況だとボクのすべきことは武器と情報の入手が最優先、そのために他の参加者と接触ってとこかな?)
となると今度はどのような参加者と接触するか。この問題が出てくる。
強い参加者と組めれば一番いいのだが、そんな都合のいい状況はそうないだろう。むしろその手の奴等からは問答無用で襲われるような気がする。
かといってふつーの一般人と組んでも足手まといになる可能性もある。
(かなり強くてお人よしでこちらにも武器を貸してくれるほど武装が豊富…これが理想だけどいるわけねーよ。そんな都合のいいやつ)
実は案外そういう面子もこの場には来ているのだが、神ならぬミー君にはわからないことだった。
(ま、方針は大体決まったかな?まず参加者を見つけて話せるようならできるだけ情報を入手、交渉で武器を入手できればなおよし。
問答無用の連中は武装が無い時は撤退、武装があって何とかなるようなら返り討ち。
パッと見悪党だったりしたら、問答無用で仕掛けて身包み剥いで放置!よし!これだ!)
最後のあたりがかなり物騒ではあるが方針は決まった。
そんな時だった。第一回目の放送が始まったのは。
「禁止エリアはB-1、D-5、G-6っと」
放送が終わり、必要事項を地図に書き込むと、今の放送で得た情報を整理してみる。
まさかいきなり九人もやられるとは、なかなかゴイスーなデンジャーが待ち受けているようです。
(クロやマタタビ君の名前はなかったか…まぁ、当たり前っちゃあ当たり前だけど)
自分に確実に協力してくれそうな知り合いの名が九人の中に含まれてなかったことにミー君は少々不謹慎だがほっとしていた。
そしてすぐ隣の禁止エリア、まだ5時間も先とはいえ禁止エリアが近くにあるのは心臓に悪い。
すぐ離れるべきかとも考えたがちょっとまて。
(そうやって参加者の進路を誘導するのが目的ってことか。)
入れば死ぬ。そう言われれば誰だって離れたがる。そして参加者の心理が一致すれば必然的に同じ場所――禁止エリアから遠いところに行こうとし、参加者同士の衝突がある。
(主催者の思惑に乗れば他の参加者と接触できる機会が増える。けど奴等の思惑に乗るのはなんとなく気が進まない。)
どーしよっかなー。と悩んでいると外から爆発音が響いた。
「!?何だ?今の音は!」
すぐさま外に出て路地裏を走り音のした川に到着すると、川の向こうの街中からもくもくと煙が上がり始めていた。
聞こえた音は先ほどの爆発音だけで、後は特に聞こえてこないが何かあったのは確実だ。
すぐさま行ってみようと思い至るが横目にキラリと光る何かが映った。
(!!狙撃か!?)
即座に物陰に隠れるが…特になにもなかった。
(あれ?おっかしーなーなんか映ったんだけどなー)
と物陰からこっそり覗いてみると単に民家の窓ガラスに太陽の光が反射されただけだった。
なんだ気のせいかと思い直し川の方を向こうとしたとき、先ほどの窓ガラスがガラッと開いた。
(人影!ってゆーかあそこって後々禁止エリアになるとこじゃん!)
そう。その民家は場所で言うとG-6の川のすぐそばにあるところだった。
ミー君は直ぐさま観察を開始した。
観察して異常な兆候がないようなら接触してみるつもりだが果たして吉と出るか凶と出るか。
その男は漆黒のマントをはためかせていた。
(あ、アイツは…)
そのマントの下は柄パン一丁の素っ裸、その裸体はなぜか首の辺りだけが妙に鍛えられているのが印象的だった。
(ま…間違いなく…)
極め付けに真っ黒な仮面を装備していた。
( 変 態 だ ーーーーーーー ! ! ! ! )
ミー君はこの展開に軽く混乱していた。
近所で戦闘によると思われる爆発音。それにどう対処するかと迷っていたらさらに別の場所に参加者を確認。
見たところ隙丸出しの姿はとても強者とは思えない、だからといってふつーの一般人に見えるかと問われれば断じて違うと言い切れるだろう。
『変態』 このカテゴリーに分類される馬鹿への対処をミー君はまったく考えていなかった。
(マジでどうしよう…無視するのは簡単だけどようやく見つけた参加者だからなー)
その時ミー君の脳裏にびびっと閃きが走った。昔、電気屋のテレビで見かけた某アニメの迷台詞。
(そう!悪人に人権は無い!)
まずマント男を問答無用で死なない程度にフルボッコ。完全に制圧した上で事情聴取し、間違ってたらごめんと謝って即座に退散。
ほんとに悪党及び真性の変態ならコキャッととどめを刺す。
これだ!とミー君は確信する。
(よっしゃーあ!やったるでぇー!)
そんなこんなでミー君は物陰に隠れながら猛烈な勢いで変態の見える民家へと接近していった。
結論から言えばこの決断は凶と出た。
この場を無視して爆発現場へと行けばもしかしたら間に合ったかもしれなかった。
そんなこととは知らずミー君は黒兜の元へと駆け出していった。
糸色望達黒の騎士団ご一行はG-6の民家で服を乾かしていた。
ルルーシュの、ここなら時間にさえ気をつければ比較的安全に服を乾かせるんじゃないかという提案に、偽ゼロこと糸色望が乗ったため川沿いの民家に身を隠していた。
とりあえずようやく落ちつける状態になったことに糸色望は安堵のため息をついていた。
休憩できる、ということもあるが何よりカレンは別の部屋で服を乾かしているため、彼女の期待に満ちた視線から離れることができたことは望にとってかなりの開放感を得られていた。
(さて、いいかげん服を乾かさなくてはいけませんね)
ぬれた服というのは着ている者の自由と体温を奪うため想像以上に体力を消耗させるものだ。望の体力もすでに限界が近くなっていた。
マントを取り袴も脱ぎ肌着も脱ごうとした所、肌着が頭の仮面に引っかかった。
(し、しまった!あまりにも仮面がフィットしていたために最初に仮面を外すのを忘れていました!)
右往左往しながらも思い切り引っ張ったり引っかかった所を少しずつ外してようやく肌着を頭から外すことができた。
(いけませんね…仮面の事をすっかり忘れてしまうとは…)
そう思いながら仮面を外そうとした時、ぴたりと動きを止める。望は一つの視線を感じていた。
カレンのように期待に満ちたものではないなにかを。
思わず廊下とこの部屋を繋ぐドアに視線を向けるとかすかだが隙間が見えた。
「それで、そこのあなたはいったいなんの用件でしょうか。」
一拍間を置いた後、キィと小さな音をたててドアが開く。
そこには薄い笑みを浮かべた少年が立っていた。
「おや、ランペルージ君ではないですか。」
「ルルーシュ、と呼んでもらって結構ですよ。ゼロ」
着替えるために脱衣所へ向かうカレンの姿を確認し、完全に見えなくなるとルルーシュは行動を始めた。
今、偽ゼロはリビングで一人着替えをしている。その姿をドアの隙間からのぞいていた。
ルルーシュはこの場でゼロの衣装を奪うつもりはなかった。
この状況ではカレンが駆けつけるまでに衣装を奪還し装着することは不可能だし、
よしんば奪い着ることができたとしてもそこにはゼロの姿はあるがルルーシュの姿が無く、代わりに見たこともない男がいつのまにかいる。
そんな状況しかありえない以上この場ではうかつな真似はしない。
だが偽ゼロの顔だけは今のうちに拝んでおかなくてはならない。
自分の動向を察知し仮面をどこかに捨て別人として姿を現されると打つ手がなくなり、
この場でゼロの仮面が行方知れずになればルルーシュがこのゲームでゼロとして振舞うことが不可能となってしまう。
だが、奴は人の目がある限り決して仮面を外そうとはしないだろう。
故に今こそ唯一にして無二の機会であったのだが。
(えぇい!一体やつは何をやっている!?)
隙間から見えたのは仮面をかぶったまま服を脱ごうとして頭が引っかかり右往左往している偽ゼロの姿だった。
滑稽としか言えない眼前の光景に思わずため息が出る。
なんとか外し終わった偽ゼロは遂に仮面へと手をかけようとしていた。
その時、ゼロの腕がぴたりと止まり、見透かしたかの様にゆっくりとこちらを向いた。
「それで、そこのあなたはいったいなんの用件でしょうか。」
(…先手を打たれた!まさか偽ゼロがここまでやるとはな…)
あえてうかつともとれる行動を見せ付けることで俺という不安要素を炙り出す。
そしてこのタイミングで俺のことなどお見通しだとばかりに問い掛けられれば、
俺は『ゼロ』の正体を暴こうとした者としてヤツの疑念が解けるまで一方的に情報を与え続けなければならない。
本来の『ゼロ』とは真逆のやりかただがこれはこれで上手い。
(そちらは腹の探り合いがお望みか…いいだろう。存分に相手になってやる!)
そして俺は意を決して偽ゼロのいる部屋へのドアを開ける。
柄パン一丁の黒兜はやはり俺がこのような行動をとることを最初からお見通しだったようだ。
動揺の気配など微塵も感じさせず「おや、ランペルージ君ではないですか。」と覗き見をしていた者の正体を今知ったかのように振舞う。
あくまでも俺には道化として接するようだ…まあいい、ならば俺もただの一高校生として接するだけだ。
「ルルーシュ、と呼んでもらって結構ですよ。ゼロ」
「ではルルーシュ君。改めて聞きますが私に何の用件でしょうか?」
偽ゼロの第一手はまあオーソドックスといってもいいだろう。この状況では普通に問われてもおかしくないことだ。
だがこれは次の一手に対する布石でもある。ここで俺が偶然通りかかった、などと下手に言い繕ったとしても反論は容易いだろう。だから俺は、
「ええ、実はその…ゼロの素顔ってやつを見てみたくって」
本当のことをいう。
「私の素顔を?何故そのようなことを…」
(偽ゼロの動揺が見て取れる。やはり偽ゼロにとって今のは予想外だった用だな)
俺は心中でほくそえむ。これで主導権はもらった!
「今のうちにあなたの素顔を見ておかないと、その仮面を奪って『ゼロ』の名を騙ろうとするやつが出てきても不思議ではないですから」
「!?」
決まった。この一言で偽ゼロは俺に正体をさらさなくてはならない。
「名簿を見たところ『ゼロ』の名は書かれていません。これは『ゼロ』が本名でこのゲームに参加しているということでもありますがもう一つ意味があります。
それは『ゼロ』が密かに何者かに殺害され、その者が『ゼロ』に成りすましたとしても放送では知ることができないということです」
こうして偽ゼロに『ゼロ』の名の重さを理解させる。
『ゼロ』を名乗っていればカレンという味方ができて生存する確率が高くなるという、偽ゼロの大前提を打ち壊すことで『ゼロ』の姿への執着を無くし、
俺が偽ゼロの正体を知っていれば万が一『ゼロ』の名を奪おうと襲ってきたものへの牽制にもなる。
(さあ、理解しろ。お前には『ゼロ』の名は重過ぎるということをな)
この場を沈黙が支配する。
そして偽ゼロが返答しようとした。その時外からの爆発音がその言葉をかき消した。
「な、何事ですか!?」
偽ゼロは音に反応し窓に駆け寄り開けた。どうやら川の向こう岸で爆発があったようだ。
偽ゼロがルルーシュに指示をだす。
「ルルーシュ君!カレンさんの所へ行ってください!私はここで様子を窺います!」
と言いながらマントだけを羽織り外を窺う偽ゼロ。
(ちぃ!こんなときに!もう少しで偽ゼロを落とせたものを!)
心中で愚痴るがそれどころではないのは確かだ。俺は急ぎ脱衣所にいるはずのカレンの所へ駆け出した。
脱衣所のドアが見えたところでカレンが脱衣所から出てきたが、その格好はブラジャーとショーツだけだった。
カレンの出るとこは出ているメリハリのきいたボディはとてつもない色気をかもしだしていた…って今はそれどころではない。
「ルルーシュ!いったい何があったの!?」
「北の方で爆発音がした!それ以外はわからん!」
とそんな時、ガッシャーンと偽ゼロのいる部屋のほうからガラスの割れる音がした。
――襲撃!?
と思った時にはカレンは銃を片手に部屋へと向かっていた。
俺も後を追うとカレンが銃を部屋に向けて立ちすくんでいた。
何事かと部屋の中を見るとそこには…
ボッコボコにされた偽ゼロと…なんと言えばいいのか。ブリキでできた猫のような物がカレンをみて時を止めていた。
そして、時は動き出す…
「てめぇ!こんなときに女の子に何やってやがったぁー!!!」
「誤解!誤解ですってば!なんでこんなことに、嗚呼、絶望し…グハァ!ゲハァ!アベシ!」
「ゼロォーーーー!」
もう何がなにやら。
思えばこの猫と出会ってからがこのゲームの本当の意味での始まりだったのかもしれない…
ルルーシュ・ランペルージは、まだそのことを知らずにいた。
【G-6/川岸の民家/一日目-朝】
【糸色望@さよなら絶望先生】
[状態]:絶望(デフォルト)、パンツ一丁、フルボッコ
[装備]:ゼロの仮面とマント@コードギアス 反逆のルルーシュ
[道具]:デイパック、支給品一式、不明支給品(0~2個)、 服(まだ濡れています)
[思考]:1、痛い!死んだらどうするんですか!
2、カレンがあまりに不憫なので、ゼロとして支えながら正しい絶望へ導く
【カレン・シュタットフェルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:下着だけ
[装備]:ワルサーP99(残弾16/16)@カウボーイビバップ
[道具]:デイパック、支給品一式、不明支給品(0~2個)
[思考]:1、ゼロを守る
2、ルルーシュも守る(ただしゼロが最優先)
3、その後、仲間を集め、このゲームの主催者に立ち向かう
[備考]:スザクがランスロットの搭乗者であることを知っている時期(17話以降)からの参戦です。
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:精神的疲労(大)、頭部及び手先・足首に痒み 、軽度の混乱
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式、メロン×11
[思考]1:一体何がどうなってるんだ。
2:人に出会う前に“ゼロ”の衣装を奪い返す
3:このゲームをぶっ壊すための駒と情報を集める
[備考]:参戦時期は第13話以前。スザクがランスロットの搭乗者であること、マオの存在を知りません
偽ゼロ(糸色望)を警戒しています。
【ミー@サイボーグクロちゃん】
[状態]:精神的疲労(小)、激怒
[装備]:セラミックス製包丁@現実、アニメ店長の帽子@らき☆すた
[道具]:支給品一式、世界の絶品食材詰め合わせ@現実
[思考]:なにしてやがる!このドグサレガァーー!
基本:殺し合いには乗らず、ゴー君の元へと帰る。
1:現状を打破する為クロに会う。襲われた場合は容赦しない。
2:性能の悪さをどうにかしたい。
3:トンネルにはもう行かない。馬鹿がうつる。
4:帰って絶品食材を振舞う
[備考]:
※武器が没収されているのに気がつきました。
※自分の体の制限を正確に認識しました。
※食材詰め合わせの内約はご自由にどうぞ。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|101:[[三つの心が一つにならない]]|糸色望|135:[[黒の騎士団]]|
|101:[[三つの心が一つにならない]]|カレン・シュタットフェルト|135:[[黒の騎士団]]|
|101:[[三つの心が一つにならない]]|ルルーシュ・ランペルージ|135:[[黒の騎士団]]|
|086:[[世界の中心で、叫ぶ]]|ミー|135:[[黒の騎士団]]|
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