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  • 新しい朝が来た

新しい朝が来た

最終更新:2022年07月24日 20:50

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だれでも歓迎! 編集

新しい朝が来た ◆AZWNjKqIBQ



風景が薄い青色で染まっている静かな街中で、柊かがみは先刻より数えて何度目かになる小さな悲鳴を上げた。

「アイタタタ……」

裸の男との不幸な邂逅の後、その男の持ち物であったローラーブーツを拝借して、
当初の目標であった風浦可符香を追い始めた彼女であったが、
それまで走り続けていたことによって脚に溜まっていた疲労と、
南――海の方へと向かうにつれて下り坂になる地形。さらに、履きなれない車輪のついた靴。
それらに、運動音痴というほどではなくても、決してそこまで運動が得意という訳ではない彼女は悪戦苦闘し、
勢いよく転んでは度々身体を傷つけていた。
もっとも、柊かがみの身体はすでに不死者のソレになっているため、小さな掠り傷などはたちまちに消えてしまう。

アスファルトの上に尻餅をつきながら、彼女はそれを直視して不死者としての実感を高めると共に、
繰り返しこけたせいで膝の部分に真ん丸な穴を開けてしまったハイニーソックスに溜息をついた。
傷つかない身体に任せていささか無理をしてしまったと、解れや汚れの見える衣装に自省する。

ともかくとして、先程よりかは僅かに慎重になった柊かがみは、その後一度も転ばずに進む事に成功し、
B-3エリアを東西に結び辿ってきた北よりの道と合流する丁字路へと到達した。
そこで、彼女は改めて目標の位置を確認すべく、支給品であるレーダーをポケットから取り出した。

「――ゲッ!」

少女としてはいささか下品な呻き声を洩らしてしまったのは、レーダーに驚くべき変化があったからだ。
柊かがみは朝日が見える方角――東へと視線を移し、逆光でシルエットとなっている高速道路を見る。
勿論、普通の人間である彼女の目には何も捉えられる者はない。
しかし、彼女はついさっきそこを高速で移動していく者を手の中のレーダーで見たのだ。
ドモン・カッシュ。そう名前のついた反応がスッと高速道路に沿って東隣りのエリアへと消えてしまった。

「……く、車……かな?」

そう柊かがみは静寂な路上で一人ごちる。
視界の開けた丁字路の真ん中から見渡せば、路上に駐車された乗用車などがいくつも確認できる。
実際の所は解らないが、映画やTVドラマの中では止まっている車やバイクなどを「直結」させて
それを自分の足とするのはよく見かけるシーンだ。高速道路を走って行った事からもその可能性は高い。
ドモン・カッシュという人物はそういう知識に長けており、そういう風にこのエリアを去ったのだろう。
……と、柊かがみは常識的な結論を出した。まさか、「走っていった」などとは思いもつかない。

そして、そうなると困ったな。とも、彼女は考える。
自分には車の直結は元より、そもそも運転免許も、車を運転するための知識もない。
レーダーの範囲からは消えてしまったが、おそらくは更に東のエリアへとどんどん行ってしまうだろう。
せっかく見つけた人間の一人ではあったが、追いかける手段は彼女にはない。
一つ溜息をつくと、改めて最初の目標であった風浦可符香の現在位置へと目を向ける。

「こっちもマズいわね……急がないと」

柊かがみが真っ直ぐに南下しているのと同じように、風浦可符香もこの地点を越えて真っ直ぐに南下していた。
その歩みは順調で、もうすぐ南の端へと辿り着こうとしている。
エリアの境界を越えてしまってはせっかくのレーダーでも捉える事はできず、下手をすれば見失いかけない。
すぐに追う必要がある……と、足を進めようとした時。彼女はソレに気付いた。

「…………う、嘘でしょ?」

暖かな陽の光を浴び、ゆっくりと思考を重ねながら休憩したことによって冷静さを取り戻し始めていた彼女の心が
にわかに粟立ち始める。
それは、彼女が妹の亡骸を道端に見つけ出した時と同じ種類のモノ――恐怖だった。

アイザック・ディアンと名前のついた反応が、動いている。しかもこちらへと向かって。
そのスピードは決して遅くはない。ここで留まっていれば時機に再会を果たす事になるだろう。

(――殺したはずなのに!)

手の中で暴れる銃の感触。耳をつんざくけたたましい銃声。ガクガクと揺れる男と暗闇に散った血液。
どれも、実感として身体に残っている。半時間も経っていない、つい先程のことだ。
なんでだろう? と柊かがみは考える。
誰かが死体を移動させている? ――そんな訳がない。男の周りに他者の反応はない。
ならば、思いつくのは――

(――不死者!?)

とりあえずは、それしかない。実例は自分自身だ。不死者が存在するということは知っている。
そして、柊かがみは今まで失念していたある可能性に行き当たった。
それは――この場に自分以外の不死者が存在するという可能性。

思い返せば、不死者の酒に添えられていた説明書には不死者の特性に加え、「不死者が不死者を倒す方法」も書かれていた。
不死者が不死者を倒す方法――そんなものは、その酒を飲む者が唯一の不死者ならば必要ないものだ。
不死身の身体というものに対して、柊かがみは希少性が高そうだという印象だけでそう思い込んでいたが、
自分の他に不死者が何人いてもおかしくはない。むしろ、その説明からはそれが必然だと思えた。

「……ど、ど、ど」

どうしよう? という言葉が口からでない。恐怖のあまりに漏れ出すのは意味を成さない吃音のみだ。
不死者は絶対的に有利だという前提で物事を進めてきたが、それは今覆ってしまった。
今思えば、あの男が何も手にせず裸で近寄ってきたというのも怪しく思える。
あの男が本当に不死者なのかということは、今からでも偽名のルールによって確認することもできるが、
もし本当にあの男が不死者で、自分を狙っていたのだとしたら……。喰われるのは、間違いなく体格的に劣る自分だろう。

(――逃げないと!)

とりあえずはそれしかない。この場所に幾人かの不死者が存在するのだとしたら、不死というのはアドバンテージにはならない。
むしろ銃弾もすべて消費してしまった今、自分自身はそこらの女子高生とたいして変わりないのだ。
それに、あの男が銃弾に撃ち貫かれる様を自分に置き換えた場合。とてもじゃないが、自分はそれに耐え切る自信がない。
例え相手が不死者じゃないとしても、自分が不死者だと相手にばれればどんな殺され方をするか……。

「うわあああぁぁぁぁぁぁぁーーッ!」

思い浮かぶのはありとあらゆる残虐な方法で殺害される自分自身のイメージ。
柊かがみは朝日に背を向けると、悲鳴を上げながら広い道路を西へと懸命に走った。

不死者になんてならなければよかった。妹と一緒に死ねていたらよかったのに……と。

しかしそれももう叶わない。一度不死者となればもう安らかな死は望めないのだ。
彼女に残された道は誰も彼もを殺す非道の道しかない。
自身以外の全ての者を殺害し、螺旋王に全てを元通りに戻してくれと願う他にはないのだ。



【C-2/北東の端・路上/一日目/黎明】

【柊かがみ@らき☆すた】
 [状態]:疲労、恐慌、不死者
 [装備]:軍用ナイフ、防弾チョッキ、UZI(9mm.パラベラム弾:0/50)、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
 [道具]:デイバッグ、支給品一式(水入りペットボトル×1消費)、レーダー、かがみの靴
 [思考]
  基本:優勝してつかさを生き返らせる
  1.アイザック・ディアンから逃げる
  2.つかさの仇をとるため人間を探して殺す
    ※風浦可符香を最優先
    ※今までよりかはやや慎重に相手を吟味する
    ※初めて出会う人間に対しては、偽名を名乗ってみて相手が不死者かどうかを確認する
    ※相手が不死者であったら、隙を見て喰う。敵いそうもなければ逃げる
  3.つかさを埋葬するために戻る

 ※つかさを殺したのは武器を必要としないくらいの強者だと思っています。
 ※かがみの不死はBACCANOのアイザック、ミリア等と同じものです。
 ※かがみに支給されたレーダーは同エリア内のキャラ名と位置が表示されます

 ◆ ◆ ◆


自分の存在が一人の少女に絶望的な恐怖を与えている。
そんなことは露ほどにも知らない男――アイザック・ディアン。

柊かがみが走り去って後しばらく経ち、朝日もその姿が完全に見えかかってきたという頃に彼はそこに現れた。
相変わらずの裸姿で足取りも軽く、そのまま道路を真っ直ぐ突っ切って南の路地の中へと通り過ぎてゆく。
迷いを微塵も見せずに去っていってしまったが、別に彼は考えなしで行動しているという訳ではない。
彼には彼なりの理由があって南を――正確には港を、更に限定すれば灯台を目指している。

自分自身が海の真ん中からスタートしたこと。
そこから陸地に上がればすぐに二人の男と出会えたこと。
さらに、その次に出会った少女が水兵(セーラー)服を着ていたこと。

それらを踏まえてアイザックは他の人間も海辺にいるのでは? と大雑把ながらに推論を立てた。
そして、海を観察するに最適な場所と言えば――

「――灯台だっ!」

ということで、彼は一路灯台を目指して南へと向かっていたのだった。
彼方に見える、朝日を跳ね返して輝く海に向かいアイザックは軽快に狭い路地を駆け抜けてゆく。


 ◆ ◆ ◆


さらに時は進み、朝を迎える寸前。チュンチュンと雀の鳴き声がはっきりと聞こえるようになってきた頃。
柊かがみの探し人であった風浦可符香は、街中にポツンとある小さな公園の中で朝食を摂っていた。

錆の浮いた腰ぐらいまでの低い柵。風に揺られてギィと軋んだ音を鳴らす小さなブランコ。
象の姿を模したファンシーな滑り台。作りかけの山が放置されたままの小さな砂場。
そして、そこにさんさんと降り注ぐ朝日と、ほどよく流れる海からの涼風。

「絶好の朝食日和ですね。気持ちのよい朝に食べる朝食はまた格別です」

小さな公園の隅、塗装の半分剥げたベンチに座り風浦可符香は膝の上にお弁当を広げていた。
「全国駅弁食べ歩きセット」――それこそが、彼女に支給されていた食料である。
彼女は、その中でもとりあえずはオーソドックスな幕の内弁当を一番最初の食事として選択し、
だし巻き卵などを頬張っては一人悦に浸っている。

その所作から行楽ムードを振りまいている風浦可符香だが、
その身に纏っている制服もまた先程まで着ていた血塗れだったものとは変わっていた。

「さすがドモンさん。持って行けなんて言うから何かと思えば紳士さんですね。」

風浦可符香は、ドモン・カッシュから受け取った荷物の中から一着の制服を見つけた時、そんなことを一人ごちた。
それは、セーラー服であることは同じだったが、襟にレースが入っていたり4つボタンだったりと、
それまでに着ていたオーソドックスなものと比べれば、かなり上品で可愛らしい感じがするものだった。

「あんな適当な誤魔化しがいつまでも通じる訳がありませんし、
 それを見越してこんなものを用意してくれたドモンさんは本当に優しい人です」

誤魔化しとは彼女がドモンの前で語った血糊についての言い訳だ。
幸いなことに単純な彼には通じたが、そういった相手ばかりではないという事は冷静に考えれば解る。
夜が明けて、ますます血糊が目立つ様になってきた今、新しい制服を得られたのは彼女にとって僥倖であった。
制服と同じく血糊がびっしりとこびり付いていた聖剣も、公園内の水道で洗われて今はピカピカと陽光を反射している。
少なくとも誰かがルミノール液なんかをかけたりしないかぎりは大丈夫だろう。

「――ごちそうさまでした」

最後にうずらのゆで卵を飲み込むと、風浦可符香は丁寧にごちそうさまをして残った物をゴミ箱へと放り込んだ。
その後、朝日の方へと向かって信仰する神へのお祈りを手短にすませると、雑多に物が並べられた地面へと目を向ける。
そこには彼女自身が支給された物と、ドモン・カッシュより譲り受けた支給品がずらりと並んでいる。
聖剣と、今着ている制服に関してはその使い方になんら疑問を抱くことはなかったが、残りの物はやや不可解だった。

一つは抱えるほどの大きさがあるエメラルドグリーンのガラス管。
これは聖剣と一緒に入っていた風浦可符香自身の支給品で、陽の光の下で見てみれば綺麗な物ではあるが、
改めてじっくりと観察してみてもその用途は知れない。付属のメモにも、ただ「アンチ・シズマ管」とだけしか書かれていなかった。
ガラス管の両端についている蛍光灯と似た感じの金属の端子から、それは少なくとも電化製品のように見えるが……
「うーん……どこかに挿す……のかな?」
それをどこでどうすればよいのかは、やはり皆目検討もつかなかった。

もう一つは、新しい制服と合わせて入っていたドモン・カッシュの支給品だ。
綺麗なクロムメタルの2メートル足らずの鎖があり、その片端に50センチ程の太い杭。もう片端に大きなわっかが付いている。
メモによると名前は「ライダーダガー」と言うらしいが、どこがライダーでどこがダガーなのか風浦可符香には解らない。
とりあえずの印象は、大型犬やテントの端などをつなぎ止めておくための杭と鎖といった程度でしかない。
「うーん……千里ちゃんだと喜びそうではあるんだけど……」
ぶっとい金属の杭は刺すための武器として使えなくもなさそうだったが、自分の細腕では刺すのは無理。
そう判断すると、風浦可符香はそれを他に広げていた地図やコンパス共々、鞄の中へとまとめて仕舞いこんだ。

「さてと……」
と、風浦可符香が鞄を担ぎ、改めて出発しようと公園の出口へと身体を向けると、そこには彼女を凝視する裸の男が立っていた。


 ◆ ◆ ◆


たまたま通りかかった公園の中に一人の少女を発見した時、アイザックは「しまった」と思った。
食事を済ませ、物珍しい雑多な道具を地面に広げて弄り回しているその様は、どう見ても――
(……あれは、手品のタネを仕込んでいる最中だよなぁ)
手品師がそのタネを仕込む現場を見てしまう――それは、最大のタブーだ。
その禁忌を犯したことに対し、アイザックの胸中に罪悪感が満ちてくる。
とりあえずは見なかったことにするしかない。と、そぉっとその場を去ろうとしたのだが、それは一歩遅く、
道具を鞄に仕舞いこんだ手品師の少女と目が合ってしまった。

 ◆ ◆ ◆


風浦可符香の目の前に裸の男がいた。裸といっても下着ははいているので全裸という訳ではないのだが、
この暖かなぽっかりとした日差しと合わせて考えると、目の前の男はどう考えてもストリー……
(――いや、そんなはずがありません。R18指定を受けたわけでもないのに突然そんな人が現れる訳がありません)
唐突で不可思議な出会いに風浦可符香の頭は回転を始める。
目の前の男は「何者」なのか――?

「ゴメンッ! わざとじゃないんだッ!」
機先を制したのはアイザックの方だった。
風浦可符香が一言も発する間もな素早くに土下座をすると、すまないすまないと繰り返し謝った。
その勢いはすさまじく、これはある意味相手を退けさせるアグレッシブな攻撃的謝罪。と言える程でもあった。
「………………」
先手を奪われた風浦可符香は、彼女にしては珍しく僅かながらに動揺していた。
また変な人が現れたぞ。などと、自分を棚に上げてそんなことを考えている。

(……困ったなぁ)

困惑する女子高生の前で、裸同然の格好で土下座する男。
ともすれば、いや普通に考えても誤解を招きかねない光景であった。そして、それはしばらく続く……


 ◆ ◆ ◆


「……手品、ですか?」

突然の出会いの後、とりとめもなく一方的に語られる男の話を要約すると、
自分とミリア以外の人間は全員手品師で、彼はその全員から手品で殺されなければいけないのだと言う。
しかも、すでに2回も「殺されている」らしいのだが……。

(新しいタイプの人ですね……)

ともかくとして、そうと解れば話は早い。風浦可符香にとって取るべき手段は一つだけだった。

「じゃあ、私も手品を披露するんでアイザックさんはそこに立ってください」

と、アイザックを小さな砂場の真ん中へと誘導する。
アイザックは「種を見たけど見てないことになってるから」とか「痛くしないでくれよ」などと言いながらも素直にそこに立つ。
風浦可符香はそんな言葉を適当に聞き流しつつ、ベンチに立てかけてあった聖剣を持ち上げると――

「うわぁ、綺麗な剣だな。俺、そんな綺麗な――ぁ!」

ズッ――と、聖剣をアイザックの胴体の真ん中へと刺しこんだ。まるで手品師の様に。
しかし、勿論彼女は手品師でも奇術師でもないので……
刺された方のアイザックは、突然の痛みに加え、体内に異物が進入する違和感と、内臓が持ち上げられる不快感の三つの感覚に襲われると、
一言も発する事もなく白目を剥き、お腹に剣を刺したまま砂場の上へと倒れこんだ。
そんなアイザックをどうということもないといった感じで見ていた風浦可符香は、今度は返り血を浴びない様
慎重に剣を胴体から抜き取ると、再びそれを洗浄すべく公園の端に設置された水道へと持っていく。だが――
「あれ?」
蛇口を捻って水を出し、剣をそこへと持ち上げると――そこには何故か一滴の血もついてはいなかった。

「あぁ、びっくりした。今度こそ本当に死んだかと思ったよ」

背後から聞こえる男の声に風浦可符香の身体がビクリと揺れる。
慎重に振り返ると、そこには殺したはずのアイザックが何事もなかったかの様に立っていた。
まるで、先程のことが本当に手品だったかのように。

風浦可符香は知らない。本当に不死者なる者がここに存在するということなど。
そして、不死者が「同じダメージに関しては慣れる」などということも。
それ故に、今回はそれこそ奇跡のような早さでアイザックが復活したということも。

知らないが故に、風浦可符香の目の前に現れたソレはまさしく彼女の夢見る奇跡――ポロロッカそのものだった。


 ◆ ◆ ◆


「あなたはポロロッカ星人だったんですね!」

可愛い水兵服を着た手品師の、突然の変貌にアイザックは目を丸くした。
目をキラキラとさせて迫ってくるが、彼女の言うポロロッカ星人とは一体……? いや、まてよ。

「ポ、ポ、ポロロッカ……どこかで聞き覚えがあるような……? 確か、ハゲのおじさんが……」

この時、アイザックの頭の片隅に引っかかっていたのは、最初の場所で聞いた「ボルテッカ」である。
割と近い気もするが決してポロロッカではない。だが、風浦可符香も、そして彼自身もその間違いには気付かない。

「思い出せないんですか? ……まさか、記憶喪失! まるでピアノマンみたいですね!
 でも、大丈夫です。私が一緒に行って、ポロロッカ星へと帰してあげますから!」

目の前の少女が言っていることがまったく解らないアイザックであったが、ノリに乗せらやすい性格のためか、
どうやらそれは記憶喪失のせいらしいと彼女の言葉を鵜呑みにしてしまった。
言われてみれば、あの電車から降りた後の記憶が欠落しており、記憶喪失だというのなら合点はいく。

そして、ここからとってもおかしな二人の勘違いスパイラル(螺旋)は加速してゆく――

「俺って、実は地球人じゃあなかったんだなぁ。いや、薄々そうじゃないかと思ってたんだけどな」
「間違いありませんよ。あなたみたいな人がポロロッカ星人でなければ、他にポロロッカ星人なんていませんよ」
「じゃ、じゃあミリアは? ミリアもポロロッカ星人だったっていうのか?」
「ミリアさんって誰ですか?」「実はかくかくしかじか……」

アイザックは更に洗いざらいにと自身の事を語る。自身の事に限らず、語ると言うことが好きな男なのだ。
そして、風浦可符香は彼の発言を一つ受け取るごとにうんうんと頷き、脳内にある大きな妄想を組み立てていた。
そして――

「 わ か り ま し た ! 」

風浦可符香は一体何が解ってしまったと言うのだろうか? それは――

「アイザックさんとミリアさんは、ロミオとジュリエットなんですよ!
 そして、アイザックさんのお父さんはあの螺旋王さんです。
 そして、地球人との恋を許さない厳しいお父さんは、あなたの記憶を奪い二人を別れ離れにしました!」

その衝撃の新事実に、まるで足元が崩れ落ちたかのような衝撃をアイザックは受け、地に膝をつく。

「しかし! 安心してくださいアイザックさん。あなたのお父さんはそこまで冷酷ではありません。
 これは二人の愛が本物だと認められるために必要な試練なのです!」

そうだったのかと。試練という言葉を耳にしたアイザックの身体に、今度は沸々と力が沸き上がり、再び彼を立ち上がらせた。

「あなたがこの試練を乗り越え、再びお父さんの元へと辿り着いた時。
 その時こそ、二人の愛は認められ。そして、ポロロッカ星には14年に一度の春が訪れるのです!」

おぉ……と、天を仰ぐアイザックの口から感嘆の溜息が漏れた。

麗らかな日差しの下、幼児向けの小さな公園の真ん中で、顔を紅潮させて大いに盛り上がる裸の男と、聖剣を掲げる女の子。
第三者が見れば、「あぁ、本当に春だなぁ……」と、そんな風に思わせる面白い光景であった……


 ◆ ◆ ◆


もう明るくなった路地の上を、二人の男女が楽しそうに駆けている。
それこそ今にもスキップしそうなぐらい、口から歌が流れ出てきそうなぐらい楽しそうに。

「それで、アイザックさんは今どこに向っているんですか?」

その片方の少女である風浦可符香が尋ねると、もう片方の男であるアイザックは鞄から地図を取り出し、
目をキラリと輝かせてそれに答えた。
「ここさ!」と言って自信満々に指差したのは――「ゴミ処分場」だ。
それに対して、どうして? という顔を少女が浮かべるとと、男は自信満々に自説を披露する。

「俺の親父は螺旋の王って名乗ったろう? つまりは、キーワードはその螺旋だ!
 螺旋と言えば渦巻き。渦巻きと言えばトイレに流れる水と一緒で真ん中に集まる!
 そして! この地図の真ん中にある集める場所と言ったらそう! この――ゴミ処分場だ!
 そこに向かって、まず親父と話をしてみる。話し合えば解決できないことはないからな!」

牽強付会にも程があると言った感じではあったが、元々そんな風である二人にとってそこは気にならない。

「すっごいです! さすがはポロロッカの王子様。名探偵ですね!
 でも、本当にそんな場所に王様が住んでいられるんですか?」

そんな当たり前の疑問に、アイザックはチッチッチッと口の前で指を振る。

「まだまだ甘いなワトソン君。そんな所だからこそ隠れる場所としては最適なのさ!
 それに知っているかい? 残り物には福がある。捨てる神あれば拾う神あり――つまりは!
 誰にも見向きされない、このゴミ捨て場こそが――」

「「――真の自由人(ポロロッカ)の桃源郷(パラダイス)!」」

最後のセリフをはもると、遂におかしくなったのか二人はアハハ、アハハと笑い始めた。
アハハ、アハハと楽しげな、とても陽気で場違いな――そんな、笑い声を新しい朝に木霊させながら、
本当に本当に、見ている方が心配になるぐらいに楽しそうに朝日の下を駆けていった。



 【C-3/市街地/1日目-早朝】

 【アイザック・ディアン@BACCANO バッカーノ!】
 [状態]:健康
 [装備]:ボロボロになったパンツ一丁
 [道具]:デイバック、支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師
     ずぶ濡れのカウボーイ風の服とハット(※本来アイザックが着ていたもの)
 [思考]
  基本:螺旋王の試練を乗り越え、ミリアと結婚してポロロッカの王様になる
  1.まずは螺旋王(親父)に会って、話し合いで解決できないか挑戦してみる
  2.そのためにゴミ処分場に向かい、そこに隠された王城への入り口を探す
  3.赤い宝石は、ミリアへ結婚指輪として贈ろう
 ※アイザックの参戦時期は1931年のフライング・プッシーフット号事件直後です
 ※殺し合いの意味を完全に勘違いし、終了条件は全員に(手品で)殺される事だと思っている
 ※自分はポロロッカ星の王子で、螺旋王は父親。それを記憶喪失で忘れていたと思い込んでいます
 ※この殺し合いの儀は、自分に課せられた試練だと思い込んでいます

 【風浦可符香/@さよなら絶望先生】
 [状態]:健康
 [装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、私立真白学園制服(冬服)@らき☆すた
 [道具]:デイバック×2、支給品一式(食料-[全国駅弁食べ歩きセット][お茶])、支給品一式
      ライダーダガー@Fate/stay night、アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION
      血塗れの制服(※元から着ていた物)
 [思考]
  基本:優勝してポロロッカ星に入国する
  1.アイザックを利用して、自分がポロロッカ星に入国するための方法を探る
  2.アイザックとミリア以外の人間は障害なので排除する


 【私立真白学園制服@らき☆すた】
 ラッキー☆チャンネルに出演している小神あきらが通っている学園の制服。
 上のセーラー服は白を基調に黒いラインで、前は4つボタン。襟にレースがあしらわれている。
 下のプリーツスカートは黒を基調に白いライン。

 【ライダーダガー@Fate/stay night】
 ライダーが通常時に使用していた武器。
 50センチ程の杭-2メートル足らずの鎖-わっかという構成で、主に杭を投げて攻撃手段とする。
 杭にはまったく返しや出っ張りがないのだが、一度ささると抜けにくいという特性がある。
 魔力を持ってはいるが、宝具というわけではないので、通常の手段でも破壊可能。

 【アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION】
 シズマ博士が完成させたシズマドライブに対して、フォーグラー博士が作った特殊なシズマ管。
 全部で3本存在し、3本合わせて使用しないと本来の効果は発揮されない。


時系列順で読む

Back:美少女と甲冑、他 Next:立つ鳥後を濁さず

投下順で読む

Back:極大射程 Next:セカンドチャンス

063:いろいろな人たち 柊かがみ 089:再会と血と薔薇
063:いろいろな人たち アイザック・ディアン 109:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる(前編)
054:転換 風浦可符香 109:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる(前編)

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