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  • 奪え、全て、その手で

奪え、全て、その手で

最終更新:2022年09月16日 21:11

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だれでも歓迎! 編集

奪え、全て、その手で ◆1sC7CjNPu2



アルベルトは不死の少女を小脇に抱えながら、ある場所を目指して走っていた。

 ――放送まであと数十分といったところか。

 アルベルトは、軽い苛立ちを積もらせていた。
 伝言が思うように伝わらないことから、アルベルトは別の手立てを考える必要があった。
 しかし、これといったものが考え付かなかったのだ。
 十傑集の一人としてどうかと思ったが、そもそも初めの段階で最良と考えたのが伝言なのだ。
 その伝言と比べると、どれもこれも最良とは言いがたいものばかりになってしまう。
 どうも手詰まりな感触に、アルベルトがさらに苛立つと――目的の建物が見えた。

 「ふん、あれか」
 「え?」
 「黙っていろ、舌を噛み千切るぞ」

 アルベルトは声に反応した少女に、素っ気なく注意しておく。
 そして――アルベルトは、その場に急停止した。

 「ぐがはっ!」

 アルベルトの抱えた少女が、いささか下品な悲鳴を上げる。
 少女はアルベルトの注意を聞かなかったのか――というより、理解できなかったのだろう。
 慣性の法則というものがある。移動しているものはずっと移動しており、静止しているものはずっと静止しているという法則だ。
 少女もバスが急停車する時になど、その法則を実感することがある。
 少女は慣性の法則通りに進行方向に引っ張られ――胴体はアルベルトの腕でがっちり固定されているため、体が引き千切られそうな痛みに襲われたのだ。
 車以上の速度で駆け、人を握りつぶすぐらい朝飯前の腕力である。
 アルベルトとて、相手が不死身でもなければまずやらない。……苛立ち混じりだったのはいささか大人気ないと言うしかないが。

 「……もう……ちょっと、女の子は……労わり、なさいよ」

 息も絶え絶えのかがみの文句を黙殺し、アルベルトは眼前の建物に目をやる。
 まるで城のような建物だ。中央に四角形の城塞じみた建物に、左右に中央の四角形よりゆうに二倍の大きさはある塔が繋がっている。
 塔の二倍の大きさというのは縦もそうだが、横にも二倍の大きさなのだ。二かける二で、四倍と言った所か。
 その大きさのせいで、中央の建物がとても小さく見える。
 窓は、どういうわけか一切見当たらない。唯一内部を覗けるのは中央の建物に設けられた自動ドアだけだ。
 さらに自動ドアの上には達筆で書かれた看板が掲げられており、それが唯一その建物の役割を表している。

 私立図書館『超螺旋図書城』

 「断じて図書館には見えん」
 「城ってなんだ、城って」
 二人は思わず突っ込んだ。

 アルベルトがこの図書館を目指した理由は、割とシンプルなものだ。
 四方八方に散った参加者たちは、おそらく地図上の施設を目的地として行動するはず。
 戴宗もまた、人が集まりそうな場所を目的地として行動しているだろう。
 アルベルトは地図上にある施設をすべてか、あるいは幾つかを回ればいずれ戴宗に出会うだろうと考えたのだ。
 空振りであっても書置きなどの手段があるし、人がいた場合は伝言という手がある。
 ……ただやはりアルベルトは、どうも十傑集としていささか考えが安直すぎる気がしてならないのだった。

 ■


 ガラス張りの自動ドアが開き、アルベルトたちを館内に迎え入れる。
 外観通りかなり大規模な――そして、奇妙な造りだった。
 正面玄関からすぐに貸し出しのためのカウンターがあり、そこから左右に塔へ続く通路がある。
 通路の先には、螺旋状の書架がところ狭しと並べられていた。
 螺旋状の書架はそれ自体が柱として機能しているのか、床から天井まで繋がっている。
 書架の前には螺旋階段が作られており、それを上がって本を取れということだろう。
 螺旋状の書架の隙間には、読書のためと思われる机と椅子が幾つかあった。

 ――変わっているどころか、文字通り捻くれた図書館だな。

 上にある資料を取るためには、馬鹿みたいに高い所まで螺旋階段を上らなくてはならない。
 利用者にとって、わざとらしいほどに不親切な作りとなっている。
 ……もっとも現在この舞台において利用者とは参加者に他ならず、不親切な作りになっているのも頷ける話であるが。

 「本を読んでる暇があったら、他の所に行けということか」
 「は?……痛っ!」
 「そこらで適当に待っておれ。逃げても無駄だとは分かっているだろう」

 少女を床に放り出し、アルベルトは単身で貸し出しカウンターの奥に進む。
 カウンターの奥には、おそらく従業員用の通路が続いていた。

 ■

 アルベルトは、館内に入った時から人の気配を探っていた。
 しかしこれといった反応はなく、後は人が潜んでいそうなのはこの通路しかなかった。
 何者かが――特に戴宗が身を潜めていることを期待していたアルベルトだが、残念なことに期待は外れることとなった。
 通路の奥には会議室や職員用の更衣室など様々な部屋があったが、人が潜んでいるということはなかった。
 階段があり、上がってみたがどこも同じようなものだった。

 ――戦闘が起きた時お荷物にならぬように不死の娘を置いてきたというのに、無駄足か。

 アルベルトの苛立ちはさらに積もる。
 念のため他の参加者たちの書置きなどがないか調べ、アルベルトは最後に『書庫』とプレートに書かれた扉を開いた。
 書庫は、一般利用者の立ち入りが禁止される資料や文書を保管する倉庫だ。
 本の劣化や損傷を防ぐため、基本的に窓はなく温湿度はほぼ一定に保たれている。
 基本的に希少だったり貴重な資料や文書を保管しているものだが、所詮は螺旋王によって作られた舞台装置。
 そうたいした物はない――そう、アルベルトは思っていた。

 「……これは、ロボットの設計書か」

 『ガンメンの設計図まとめ』。アルベルトが何気なしに手に取った本のタイトルだ。
 特に期待もせず本を開いてみると、そこにあったのはBF団の所有するロボットと並ぶほどのロボットの設計図だったのだ。
 数枚ページをめくり、それから今度は書架にある本のタイトルを凝視していく。
 『獣人の製造法』、『トビダマの原理』、『カテドラル・テラの運用について』、『アンチ・スパイラルに対しての考察』。
 どれもこれも、アルベルトの知らない単語ばかりだ。

 ――惜しい。

 そう、アルベルトは思う。
 これだけの未知の資料だ。持ち帰れば、BF団に取ってどれだけの利益になりえるだろうか?!
 しかし、今はこれだけの資料や文書を持ち運ぶことはできない。この殺し合いの場で、余分な荷物を抱え込む余裕などないからだ。
 そして一刻も早く戴宗との再戦を望むアルベルトに、これだけの資料に目を通す時間はない。
 しかたなくアルベルトは手に持った本だけをデイパックに詰め、書庫を後にすることにした。
 何も焦る必要はない。後々にBF団の力を持って奪取すれがいいだけのことだ。

 ――しかし、これだけの資料を会場に放置しておくだと?
 ――螺旋王とやらはいったい何を考えている?

 ■

 不死者の少女――柊かがみは、ひたすら落ち込んでいた。
 思えば、この殺し合いに参加させられてからいきなり襲われたのは初めてのことだ。
 木津千里との時とは違う。完全に、人を殺すのを躊躇しない襲撃者。
 あっという間に千里とかがみは殺され――かがみだけが、こうして生き残った。

 「いいのよ、別にあんなやつ……」

 不思議と襲撃者の恐怖より、千里が死んだことの方がかがみには重苦しかった。
 かがみはできるだけ、千里の悪いところを思い出すことにした。
 あいつは最低の人間だ。死んでもよかった、数時間だけ一緒にいただけの人間だ。
 そう思わなければ、やっていられなかった。

 『あなたはこう言いたいのでしょう?自分の友達が心配だって』
 『つかささんだけいればなんて言っても、他のお友達のことが気になるのでしょう? 私にはそうとしか聞こえなかったけれど?』
 「――っ!!」

 激しく頭を振って耳に残る、暖かな千里の言葉を忘れようとする。
 思い出してはいけない。意識してはいけない。でないと、柊かがみは勝ち残ることができない。
 そう思い込まなければ、やっていられなかった。


 つかさが死んだ時のことを思えば、千里が死んだことなんてどうということはない。
 無理矢理に考えを締めくくり、かがみは今後のことについて考えを巡らせた。
 第一に考えたのは、自分を助け出したズタボロのスーツの男についてだ。

 ――あの男は、不死の能力者は貴重だと言ってたわよね。
 ――そして、貴様のためにやった訳ではないと言った。

 ツンデレ、ということではないだろう。かがみは、不死者である自分を利用するために助けたのだと予想する。
 だけど、いったい何に利用するというのだろう?
 あれこれ考えたものの見当が付かず、かがみは頭を抱えた。
 ――まあ、いいわ。とにかく私を利用するつもりなのは間違いないだろうし……
 だとしたら、自分はどうすべきか。
 立ち向かった所で、不死者である以外は普通の女子高生であるかがみに勝ち目はない。
 逃げたところで、あの脚力だ。間違いなく追いつかれるだろう。

 ――逆に、あいつを利用する?

 そう悪くない考えだと、かがみは思った。
 あの男が何を考えているかは分からない。けど、あの男は間違いなく強い。
 支給品かアニメのような特殊能力なのかは分からないが、赤と黒の衝撃波をかがみは確かに見ていた。
 あの男を上手く他の参加者たちにぶつければ、自分は楽に勝ち残ることができる。

 ――こなたや、ゆたかちゃんだって……あの男をぶつければ。

 そこまで考えて、かがみは自分に嫌悪を覚えた。

 ――最悪だ、私。

 とにかくその事だけを思考から追い出し、考えを再開させる。
 とりあえず、従順なふりをして男の気を惹いてみよう。話し合えば、あの男を操作する手段が思いつくかもしれない。
 そこまで考えて、かがみは自分があの男を篭絡しようとしているのだと気づいた。
 苦い顔をして、思う。

 ――こなたに知られたら、趣味が良いって言われそうね。

 あの親友なら趣味が悪いとは絶対に言わないと、かがみには確信できた。

 ■

 とりあえず、待っている間にあの男に好印象を与える策を考えておくべきだ。
 そう思い、かがみはカウンターの辺りを調べることにした。
 何か役に立ちそうなものを見つけてあの男に渡せば、少しぐらい印象は良くなるだろうという考えだ。
 『アイテム渡して好感度UPってやつだね』
 ……なぜかこなたの声が聞こえた気がしたが、幻聴だ。かがみは、無視して調べを進める。

 「……流石にそう簡単に見つかるわけないか」

 特にそれらしい物はなかったため、かがみは男が入っていった通路を覗く。
 どうやら真っ直ぐ行くと裏口と繋がっているようで、それまでの道に幾つか十字路がある。
 ドアは幾つか見受けられ、男が点けていったのか照明の明かりがドアの隙間から漏れている。
 入ってきた時の大きさからして二階か三階ぐらいあるはずだが、ここからでは死角になっているのか階段もエレベーターも見当たらない。
 とりあえず、かがみはすぐ近くにある部屋に入ってみることにした。

 「……休憩所、てところかしら」

 ロッカーに、パイプ椅子と簡素な長机。長机の上には電気ポットと紙コップ、お茶葉にインスタントコーヒー、ティーバックが置かれている。
 それが図書館では一般的なものなのか、図書館について詳しいわけではないかがみには分からない。
 かがみとしては、そこにあるものを使わせてもらうだけだった。

 ■

 「べ、別にあんたのために作った訳じゃないからね!」

 貸し出しカウンターに戻ってきた男を、かがみはそう言って出迎えた。
 かがみは近くの読書スペースに座っており、机の上には自分用に淹れた紅茶と男用に淹れたコーヒーが置いてある。
 好感度稼ぎの一つとして淹れたものだが、待っている間になんと声をかけようかと迷い、
 なんか恋する乙女っぽくないかと自身に邪推を抱き、自分に突っ込みを入れながら結果として出た言葉がそれであった。
 こなたが見たなら、ナイスツンデレと絶賛したことだろう。
 年頃の男たちから見てもおそらく十人中の十人は『可愛い』と称するだろうものだが――残念なことに相手が悪かった。

 「そうか」

 それだけ言い、かがみの対面に座りコーヒーを一口飲む。
 まずい、そう呟くのがかがみに聞こえた。
 て め ぇ。

 「自己紹介がまだだったな。ワシの名はアルベルトだ」
 「……私の名前は、柊つかさ。……嘘よ、柊かがみ」

 つかさと名乗ったときに、男――アルベルトはかがみを強く睨みつけた。
 かがみは元々すぐに名乗るつもりだったので、あっさりと本名を告げる。
 アルベルトが不死者とは思えなかったが、念のためというやつだ。

 「まあいい、お前は戴宗という男を知っているか?」
 「……いいえ、知らないわ」

 小さく、アルベルトは舌打ちをした。
 かがみは少しビクっとしたが、出来るだけ平静を装う。
 ――戴宗、その人を探してるのかしら?
 幾つか疑問が浮かんだが、今は覚えるだけに留まる。

 「助けてもらった事もあるし、私から知ってることを話すわね」

 一口紅茶を含んで、かがみはこの会場に来てから判明したことを話す。
 会場の端と端が繋がっていることと――不死者についてだ。
 不死者について話すのにはもちろん、打算がある。
 何に利用されるにしろ、デメリットは把握してもらわなければならないからだ。
 偽名が使えないことは、その最もなことだろう。
 またこの会場に他に不死者がいるとすれば、対抗する手段としてかがみ自身が非常に有効なはず。
 そう考え、そのことをアピールするようにかがみは話す。
 そう話は長くなく、かがみは全て話し終える。そして、全てを聞いたアルベルトが少し時間を置いて口を開く。

 「この舞台には『不死の酒』なるものが支給されており、飲んだものは不老不死――不死者となる。
  不死者となったものは同じく不死者となったものに『食われる』他に死ぬ手段はなく、
  そして食った方の不死者は食われた方の不死者の知識と経験を我が物にできる。……そういうことだな?」

 確認するようなアルベルトの言葉に、かがみは頷く。
 ふと、かがみは疑問に思う。確認するにしては、アルベルトが言ったことは不死者のルールの一部だ。
 なぜ、その部分だけを確認するのか?
 かがみの疑問をよそに、アルベルトはゆっくりと口元を吊り上げて言う。

 「その不死の酒、まだ貴様は持っているか?」
 「……いいえ、持ってないわ」

 どこか、薄ら寒いものを感じながらかがみは答える。
 ひょっとしたら瓶に数滴分ぐらい残っているかもしれないが、あえて言うつもりはない。
 不死の酒を求めるということは、不老不死になりたいというのだろうか?
 ならば、そのことを餌に他の参加者たちを襲わせることは出来そうだが……

 なにか違うと、かがみは思った。
 アルベルトは、かがみを見ている。まるで物色しているような目だ。
 雄が雌を見るような厭らしさは感じない。ただ、使えるか使えないかを品定めされているような感じだ。
 知らず、かがみは冷や汗を流していた。

 「小娘、貴様はワシを利用しようとしているだろう?」
 「っ!……ええ、そうよ」

 ――見透かされてた!
 けど、まだ取り返しは利く。そう思い、かがみは不敵な笑みを浮かべる。
 ちゃんと考えた通りの表情になっているかは、自信がなかった。

 「なに、お前も気づいていただろう?ワシがお前を利用しようと考えていることに」
 「……ええ、とても分かりやすいセリフだったからね」

 やけに饒舌になったと、かがみは思った。
 喜んでいるのか、焦っているのか、何か考えがあってなのか。まったく分からない。
 とにかく、クールになることをかがみは心がける。

 「最初は、その不死の能力を目当てにお前を助けた。貴重な能力であり、死なぬことからメッセンジャーに仕立て上げようとした。
  しかし、お前の話を聞いてその利用方は随分と変わった」
 「……何?」
 「なに、お膳立てをしてやる。お前にも協力してもらうことになるがな」

 アルベルトは、さも愉快に笑う。
 かがみは、アルベルトから不気味なプレッシャーを感じていた。
 何か、恐ろしいことを要求される。なぜか、そう思った。
 そして、アルベルトは告げる。



 「お前に、螺旋王を食ってもらいたい」



 ■



 「……螺旋王を食うって……そんな、どうやって!」
 「それはまだ検討がついとらん」
 「何よそれ!」

 かがみの悲鳴じみた言葉に、アルベルトは飄々と答える。

 「なに、まだ情報が足りないだけのことよ」
 「……情報?」
 「そうだ。螺旋王の目的に始まり、この忌々しい首輪に、この舞台のこと。
  それらの情報を集めれば、活路は見出せるかもしれん」
 「……可能性の話でしょう」
 「確かにそうだ。しかし、それを言うならば螺旋王が願いを叶えるというのも可能性の話ではないか?」
 「そ、そうだけど……そもそも、螺旋王が酒を飲んでる保証なんて」
 「飲んでいないなら、飲ませればいい。
  この舞台のどこかにまだ残っているかもしれんし、不老不死となる妙薬を、サンプル一つ残さず参加者に分けるとは考えられん。
  おそらく、螺旋王の根城にまだ残っているはずだ」
 「……」

 かがみの疑問は、アルベルトによってことごとく叩き伏せられる。
 アルベルトの言葉は、あくまで可能性の話だ。
 かがみはそれを理解している。
 しかし――かがみはその可能性に、希望を見出していた。

 かがみの目的は、つかさを生き返らせることだ。
 そのために殺し合いに乗り、螺旋王に願いを叶えてもらうつもりだった。
 しかしアルベルトの言う通り、螺旋王が願いを叶えるかは可能性の話だ。
 なら、どうやって願いを『必ず』叶えるか?

 ――私が、螺旋王を食えば。
 ――願いは、思いのままだ。
 ――つかさを、生き返らせることが出来る。
 ――木津千里だって、生き返らせることが出来るかもしれない。
 ――こなたや、ゆたかちゃんを殺す理由なんかなくなる。

 それに、優勝するためには目の前のアルベルトや千里を殺した襲撃者たちを相手にしなければいけない。
 そう考えると、かがみには螺旋王を食うという手段の方が願いを叶えやすそうな気がした。
 ならば、かがみには拒む理由なんてどこにもない。
 ハッキリとした声で、告げる。


 「利用されてあげるわ。螺旋王は、私が食う」


 ■


 ――乗り気になったようだな。

 かがみの宣言を聞き、アルベルトは満足げに頷いた。
 どうやらかがみは自分に対するメリットのことで頭が一杯のようで、アルベルトに対するメリットにまで頭が回らないようだ。
 アルベルトに対するメリット――それは、かがみが螺旋王を食うこと。
 正確には、かがみが螺旋王の知識と経験を得ることだ。

 アルベルトは書庫にあった本や、かがみの語った舞台がループしているという話を聞いて確信したことがある。
 螺旋王の持つ技術はBF団と同等か――認めたくないことだが、BF団以上のものである。
 その技術を、BF団が手に入れるにはどうすればいいか?
 螺旋王を直接BF団に連行するという手もあるが、それは難しいと言わざるをえない。
 しかし螺旋王の知識を持った、ただの小娘ならば?
 不死の能力に加え、かがみは最上の土産になるはずだ。

 ――本人が望むのなら、BF団のエージェントにしてやってもいいかもしれんな。

 不死の能力と、螺旋王の知識があるならそれも可能かもしれん。アルベルトは冗談交じりにそう考えた。

 ■

 「さて、取らぬ狸の皮算用はここまでするか」
 「……そうね」

 アルベルトの言葉に、かがみは静かに同意する。
 かがみは若干興奮した心を落ち着けるために、紅茶を一口飲む。
 図書館内の掛けられた時計を見ると、もうじき放送が始まる時刻だった。

 「放送を聞いた後にこれからの方針を話し合う。いいな」
 「あ、それなんだけど。提案があるの」

 なんだ。とアルベルトが眉根を寄せる。
 かがみはそれに構わず、一度深呼吸をする。
 今まで、あえて忘れていたことを思い出したからだ。
 必要なことだから、かがみは思い出した。
 それが自分の心の傷を抉る行為だとは分かっていたが、今はその先に希望があるから。

 「私、同じエリアにいる人間の名前と位置が分かるレーダーと、首輪が落ちている場所を知ってるわ」

 つかさの、首のない死体が横たわっている場所。
 そこに、かがみの希望があった。
 アルベルトが何か口を開こうとした時――ちょうど、放送が始まった。



【B-4/図書館/一日目/昼(放送直前)】

【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労中、全身にダメージ、右足に刺し傷(それぞれ消毒液や軟膏・包帯で応急措置済み)、スーツがズダボロ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、シガレットケースと葉巻(葉巻4本使用)、ボイスレコーダー、シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム、 赤絵の具@王ドロボウJING
    自殺用ロープ@さよなら絶望先生、ガンメンの設計図まとめ、不明支給品0~2(本人確認済み)
[思考]:
基本方針:納得の行く形で戴宗との決着をつける。
1:戴宗を再び失うことに対する恐れ。そうならないために戴宗を探し、情報を集める
2:複数の施設を回って人がいたら伝言を、いなかったら書置きを残す。メッセージの内容は決まっていません。
3:放送後、かがみの言ったことを確認する
4:かがみに螺旋王を食わせ、BF団に持ち帰る
5:脱出の情報を集める
6:いずれマスターアジアと決着をつける
7:他の参加者と馴れ合うつもりはない
8:脱出不可能の場合はゲームに乗る
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※ボイスレコーダーにはなつきによるドモン(と名乗ったチェス)への伝言が記録されていますが、 アルベルトはドモンについて名前しか聞いていません。
※会場のワープを認識


【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:不死者、私服に切り傷
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本方針:つかさのために、もう少し頑張ってみる
1:螺旋王を、食う
2:1の目的のため、レーダーと首輪と不死の酒の入っていた酒瓶を回収する(B-2の観覧車前へ)
3:アルベルトに利用され、利用する
[備考]:
※第一放送を聴きましたが、つかさの名前が呼ばれたということ以外は覚えていません(禁止エリアはB-1のみ認識)
※会場端のワープを認識


【『ガンメンの設計図まとめ』『獣人の製造法』『トビダマの原理』『カテドラル・テラの運用について』『アンチ・スパイラルに対しての考察』】
 タイトルそのままの書籍の数々。
 その他多くの書籍あり。


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Back:ランチタイムの時間だよ Next:第二回放送

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Back:ランチタイムの時間だよ Next:第二回放送

154:死ぬほど辛い 衝撃のアルベルト 192:例え絶望に打ちのめされても
154:死ぬほど辛い 柊かがみ 192:例え絶望に打ちのめされても

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