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  • 例え絶望に打ちのめされても

例え絶望に打ちのめされても

最終更新:2022年10月02日 15:47

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だれでも歓迎! 編集

例え絶望に打ちのめされても ◆AZWNjKqIBQ



図書館。図書室。読書室。

……本を読む場所はできるだけ静かであるべきだろう。なにせそこは本を読むところなのだから。
許されるのはそう、頁を捲る時に紙同士が擦れる音。せいぜいがそんな程度である。

なので、今この超螺旋図書城内の静謐を破る彼女の声は、決して許されるものではないだろう。
別段大きな声を出しているという訳ではない。だが、非常に耳に引っかかる声だ。それは泣き声だったから。

もしここに平時の通りに人がいて、そしてそれぞれが本を取っていれば、きっと彼女の声に顔を顰めたはずである。
だが幸いなことにか、彼女に顰蹙の視線を浴びせかける読書家達は今のここにはいない。
代わりにいるのは黒衣を纏う一人の男だけ。
だが少女を見つめる彼の視線も、読書家達程ではないにしろ決して優しいものではなかった。


 ◆ ◆ ◆


本の貸し借りを行うためのカウンターに突っ伏し嗚咽を漏らす少女――柊かがみ。
その目の前の彼女の姿に、同行者である衝撃のアルベルトは小さく溜息をついた。

なぜ彼女が突然として泣き始めたのか? その理由を推測するのは至極簡単なことだ。
つい数分前にこの図書城の中に流れた螺旋王よりの定時放送。
その中で彼女のよく知る名が死者として告げられたからであろう。
彼女の嗚咽の中に交じる「……こなたぁ……」という言葉を聞き取れれば、それが『泉こなた』であることも特定できる。

5分過ぎても、10分過ぎても泣き止まぬ少女に、アルベルトは再び何度目かの溜息をついた。
だが、彼は決して少女を叱り飛ばしたりはしない。
もしこれが作戦任務中で目の前にいるのが同じエージェントであれば、泣き言一つ漏らすだけでも粛清の対象になるが、
今彼の目の前で悲嘆に暮れているのは、娘と歳もそう変わらないただの少女である。

――もし自分が死んだら娘もこんな風に泣くのか?
そんな事がちらりと頭に過ぎったばかりに、男は少女を恫喝することも懐柔することもできずに手を拱いていた。
さりとて時間は惜しい。いつまでも泣かせていては話も進まないままだ。

最後にもう一つ溜息をつくと、
衝撃のアルベルトは意を決し、普段はあまり使うことのない種類の勇気を使って少女に話しかけた。


 ◆ ◆ ◆


『泉こなた』が死んだ。その衝撃を自分はどう受け止めればよいのだろう?
妹の死体を発見した時とはまた違う感情が柊かがみの心より溢れ、彼女はそれを抑えることができないでいた。


妹のクラスにいた変なやつ――それが、泉こなたに対する第一印象だ。
波長というのが合うのであろうか、おっとりとした妹とヘンテコなこなたは何時の間にかに友人になっていて、
その後、自分が友人の姉として彼女と親しくなるのにもそう時間はかからなかった。
そして何時の間にかに、彼女を部屋の中に入れたり、彼女と二人きりだけで遊びに行くことも多くなっていた。

親友――と言うにはちょっと違う。かと言ってただの友達と言うと少し寂しい。
腐れ縁と言うほどの長い付き合いがある訳でもないし、家族と言うほどお互いに踏み込みあってはいない。
仲間と言うほど団結力があった訳ではないし、相方……というほど、息も合ってはいなかった。
――じゃあ、恋人? イヤイヤ、それはまさかだ。
『柊かがみ』と『泉こなた』――とりあえずはそう言うしかない。そんなヘンテコな関係だったのだ。

妹が死んだ時に感じたのは、身体を無理矢理半分に切り裂かれた様な激しい痛み。
こなたが死んだと知って感じるのは、えも言われぬヘンテコな喪失感。
心の中に、こなたの形をした穴が空いた様。
それは決してもう埋められることのない穴。それは、なぜならば――

――私の好きなあのヘンテコな少女は、正真正銘宇宙に一人っきりのヘンテコだったのだから。

だから、もうどこを探してもこの穴を埋めるピースは見つからない。
妹がいなくなったことでついた傷の痛みが消えないように、こなたを失ってできた喪失感も決して消えないのだ。

涙。涙が止まらない。こなたの形をした穴から涙が零れて止まらない。
何時の間にかにこなたが自分の心のそんな場所にいて、そしてもういなくなってしまったことに涙が止まらない。


「――零れた涙は元には返らんのだな」


……? なんだって? 覆水盆に返らず……?
ああ、確かに。泣いて妹とこなたが返って来るのなら、私は盆の上と言わず盆が暮れるまで泣いているだろう。


 ◆ ◆ ◆


唐突にかけられた声に、伏されていた少女の顔が男の方へとゆらりと向いた。
目元を真っ赤に腫らし、頬に走るいく筋もの涙の跡をもそのままに、呆けたような顔で男の方を見やる。

「……零れた涙は元には返らんのだな」

2度目の台詞……そして、再びの短い沈黙。
やっと言葉が通じたのか、少女の目に焦点が戻ってくる。
そして、ようやく言葉の意味を解釈できたのか、恥ずかしそうに顔とカウンターの上に溜まった涙を袖で拭った。

「……ごめんなさい。ずっと、泣いてて」
「うむ。それはかまわん。
 それよりも、だ。ワシの今の言葉。もう少し吟味してみよ」

突然の問答に、少女の頭の上に疑問符が浮かぶ。
零れた涙は元には返らない――取り立てて問題のある言葉とは思えないが……?

「ふぅむ、気付かぬのもやむなしか。ならばヒントをやろう。
 貴様が傷を負いそこから血を垂らせば、その血はどうなる?」

男の言葉に少女の口が「あ」の形に開く。
答えに気付いた少女は涙を拭った袖を持ち上げるが、やはり涙はそこに染み込んだままだった。
だが頭の上の疑問符はまだ消えない。質問の意図が解らないからだ。

「貴様は茶を飲み涙を流すが、血は流しても必ずそれは身体に返る。面妖な事よのう?」

少女はこくりと素直に首肯する。自分の身体の事だが、確かにそれが気持ちの悪いことは否定できない。

「ワシとて貴様が呆けている間、何も考えておらんかった訳ではない。
 不死身というのにも多少知識があるのでな、お前の身体に起こった事について考えておった」

それを少し話してやろう。そう言うと、男は少女に向けてゆっくりと語り始めた――


 ◆ ◆ ◆


不死身と一言に言っても様々な種類があるが、まずはオーソドックスなものから教授してやろう。

それは一つの生命体として、頑丈でありしぶといという性質のものだ。
不死とまではいかない者や、大方の回復能力者などもこの範疇に入る。
生来のものか、鍛錬の賜物か、はたまた人為的な改造によるものか、こやつ等は非常に死ににくい身体を得ておる。

死ににくい……と言う前に、死ぬとはどういうことか考えてみるか。
生きている人間と死んでいる人間。単純に考えれば、その間にあるのはエネルギーの循環があるかどうかに尽きる。
息をして、心臓が動いていればその人間は生きているというわけだ。
そして、その生命の維持に必要な機関――心臓等を破壊されればその人間は死ぬ。簡単であろう?

ではこの場合。不死身の人間とはどういった者か?
普通の人間の場合でも、手や足を傷つけられたぐらいでは死なん。急所を外しておれば、それはいつか癒され元通りになる。
不死身の人間の場合だと、例え急所を傷つけられても死なん。何故かと言うとそれは急所ではないからだ。
心臓が一つではないのかも知れない。または傷つけられた心臓を復元するプロセスが体内に備わっているのかも知れん。
不死身を二つ名に冠する者の中には、細胞単位で補修能力が備わっており、まるでトカゲの尻尾の様に身体を再生させる者までおる。

つまり、これらは身体の作りが他の人間とは少し違うというだけであって、まぁ……頑丈な生命体であるというだけだ。
常識の範疇内であるし、能力の軽重を無視すればこの手の能力者は掃いて捨てるほどおる。

……どうした不死身の柊かがみよ? 普通ではない? フ、それは何の冗談だ。
貴様の持つ身体の希少性は、こんなありふれた不死身紛いのものとは全く比べ物にならんぞ。


では、いくつかの特殊な不死身についても教授してやろうか。
これらは非常に希少な能力でな。このワシとてこれらを備えた人間は片手の指で数えられるほどにしか知らん。

まずは、超能力や念動力といった思念の力によって自身の身体を完全な状態に維持しておる者だ。
そしてもう一つ。これも超能力の一種で、その超能力で自他の生死の因果を制御し、決して死に至らぬ者。

ウム。こやつ等こそ正しく普通では無い者達よ。だが、かがみよ。貴様の力はまたこれらとも違うな。
貴様の身体は生命体というには非常に不自然で、かと言って貴様に超能力を操れるだけの胆力はない。
そう。螺旋王によって振舞われた不死の酒とやらの力だ。

そして、ワシはこんな事を考えた――


 ◆ ◆ ◆


言葉を一旦区切り、冷めた紅茶で喉を潤す男の前で不死身の柊かがみは驚き、また呆れてもいた。
不死身なんか別に珍しくもないと言い切る掌から竜巻を飛ばす男――漫画かアニメとは正にこれのことだ。
だが、彼女は次の男の発言によりさらに驚くこととなる。

「柊かがみよ。貴様はすでに柊かがみであって、そうではない者へと摩り替わっておる。
 はっきりと言おう。今の貴様は――不死の酒そのものだ」

自分が自分ではないとは悪い冗談だ。
だが、呆気に取られている少女の前で再び男の不死身談義は始まった。


 ◆ ◆ ◆


ワシが第一に注目したのは『同じ不死者を喰らえば知識が移る』という点よ。
それこそが不死の酒の肝であり、不死身の身体などと言うものはその副産物にしかすぎんと思っておる。

よいか、もう一度言うぞ。『同じ不死者――を喰らえば――知識が移る』だ。

まず常識的に考えてありえんのが、喰らえば知識が移るというところだ。
そうであろう? ワシが貴様の脳ミソを喰らっても貴様の記憶は読めんし、逆の場合でもそうに違いあるまい。
記憶という物は脳内で形成される情報伝達経路の形であって、それは食するという工程では決して伝達しえんのだ。

しかし、ならばどういった者同士ならばそれが成立し得るのか? そう。同じ不死者同士という条件よ。
だが、それでも脳を喰らい合うことで情報が伝達しえんのは変わらん。
つまり、不死者には互いに情報を伝達しえる『何か』が存在すること。そして、必ずしもそれを脳に蓄積していないということが推測できる。

そろそろワシが言いたいことが解ってきたか?
そう。貴様の体内にある不死の酒こそが情報媒介物質よ。だが、それではまだ答えは半分だ。
それだけでは貴様の不死性と、相手を喰らい死に至らしめるという点が説明しきれん。

貴様が流した血はたちどころに元の場所へと戻る。有り得るか、そんなことが?
しかし実際には有り得ておる。ならばどこかに勘違いしている部分があると考えるのが筋だ。つまり――

――血が戻っているのではなく、酒が戻っている。もっと言えば『不死の酒』という生物が戻っているとは考えられまいか?

そもそも『不死の酒』とは名ばかりで、それは人に取り付き情報を奪い取る生命体の群れではないかとワシは考える。

それは人の体内に侵入すると、その者の情報を読み取りその身体を消化してその者へと擬態する。
一人の人間という情報を蓄えた、一種の生命体の群れによる一つのコロニーと化す訳だ。
ならばそれら同士、つまりは不死者同士ならば喰らい合うことで情報が移ることが説明できよう。
情報を持ったコロニー同士が合流すると、ただそれだけのことに過ぎんからな。
端から見れば人が人を喰っているように見えるが、実際は群体が合流しその数を増しているというだけの話だ。

再び結論を言うぞ。柊かがみよ――今の貴様は不死の酒そのものなのだ。


 ◆ ◆ ◆


衝撃のアルベルトが口を閉じると、超螺旋図書城にしばらくぶりの静寂が訪れた。

一方的に衝撃的な話を聞かされた少女の口は、先ほどより「あ」の形のままである。
その後、しばらくして喉が渇くことに気付いてその口は閉じられたが、その表情はまるで異物を飲み込んだ蛙の様だ。
恐る恐る上げた両手を見つめ少女は自問する――私はすでに私ではない?

「――とは言ったものの、全く確証はないがな。
 十中八九この推理は外れておるだろう。推理などと言っても所詮は言葉遊びの域を出ておらん戯言よ。
 ただ、言葉の上ではこう説明できますよというだけにすぎん」

――は? と、閉じられていた少女の口が今度は「は」の形に固定される。

「しかし頭を使った分、気は紛れたであろうかがみよ?」

少女の「は」の形の口が、「はぁぁ……」と大きく広がって同時に顔が見る見る間に赤くなってゆく。
つまりはそう。目の前に立つ男の、彼なりの気遣いであったという訳だ。

「さて、随分と時間を労したな。ではそろそろ此処を出るぞ」

そう言いながら認めてあったメッセージをカウンターの上に置くと、男は踵を返して出口へと向かって行く。

「ち、ち、ちょっと待ちなさいってば! 待ってって言ってるでしょっ!」

そして、その後を荷物を掻き集めながらどたばたと少女が駆け抜けると――


――やっとのことで、本を読むに相応しい静寂がそこに戻ってきたのであった。


 ◆ ◆ ◆


超螺旋図書城と名づけられた趣味の悪い図書館より二人が発ってよりしばらく後、柊かがみは天に浮かぶ円を見上げていた。

(……こんなに大きかったんだ)

天の頂上に位置する太陽からの光を遮り、広い空の中に巨大な真円のシルエットを浮かべているのは観覧車だ。
その高さはゆうに100メートルを越え、そこから見渡せる景色の内のどの建物よりも大きな建築物であった。

(あの時は空を見上げる余裕なんて全然なかったけど……)

この巨大な観覧車の足元へと彼女が来るのはこれで3度目となる。
1度目も2度目も、そして3度目もここに来る理由は変わらない。3回とも妹である柊つかさに会うためだ。
柊かがみはその視線を観覧車の頂上より真下へと下ろ――さない。直前で踵を返し、それまでは後ろにあった噴水へと向き直る。
とてもではないが、これ以上妹の憐れな成れの果てを直視することはできなかった。

(……ごめんねつかさ)

心の中で自分の不甲斐なさを今は亡き妹に詫びながら、柊かがみはゆらりゆらりと揺れる水面を見る。
それを見て思い出すのは妹と一緒に波間を漂っていた時の事だ。果たして、『あの時の妹』は一体どこへと消えたのか。

(ずっと離れないって決めたのに……ずっと、ずっとに……って、なのに)

膨らむ罪悪感が重く心に圧し掛かる。たった半日と少しで人生ががらりと変わってしまった。そして、新しく決めた道程は果てしなく遠い。
それに対し果敢に挑むには足は重く、かといって足を止めるほどの絶望も今は無い。
溜息をつき自分の心を騙しながらでも、少しずつ進むしかないのだ。自分と妹の、そして亡くなった友人のためにも……

「……頑張るから。
 見守っていて……なんてのはもう言えないけど。でも……待ってて。絶対ゴールまでは辿り着いてみせるから」

真円の噴水の中に、同じく真円の観覧車が映りこむ。波紋に揺れて形を歪ませる観覧車のシルエットが描くのは螺旋模様。
水鏡の中に浮かぶそれを目に映しながら、柊かがみはもうこの世にはいない二人に誓いを立てた。


螺旋は回る――グルリグルリと。彼女の道行きを表すかのように。彼女の心の内を表すかのように。


 ◆ ◆ ◆


そしてまた少し時は流れ、柊かがみはまた彼女にとって因縁のある場所へと足を運んでいた。

「……ここで間違いないのだな?」

男の質問に頷く柊かがみの肩には、失われていた彼女のデイバッグが再びかけらている。
それは妹の亡骸の元へ残して行っていた物だ。あの時はもう不必要と判断したのだが、今はそうではない。
センチメンタリズムに従って死を選ぶことはもう許されない。現実はそんな生易しくないことをもう彼女は知っている。

「では少し調べるとしよう。貴様の言っていた男が本当に不死者であったのかをな」

言いながら橋の上へと行く男を見送りながら、柊かがみは思い出す。昨晩、この場所で起きたあの惨劇を。

――アイザック・ディアンという男。
――劈くような破裂音。暗闇に浮かんだマズルフラッシュ。
――倒れる男。そして逃げ出した自分。

ここで自分はアイザック・ディアンという男を殺したのだ。だが――殺したはずの男は生きていた!
それにより彼女は自分以外の不死者の存在に気付き恐慌状態に陥った。
あれから今に至り、そして死なないはずの男が死んだことを彼女は螺旋王の放送によって知らされる。

不死者が死ぬ――それは誰とも知れない不死者がアイザック・ディアンを『喰った』からだ……そう柊かがみは考えたのだが、
同行者である衝撃にアルベルトはまた別の可能性も示唆した。

一つに、アイザック・ディアンがそもそも不死者ではなかったという事。
それは確かに有り得るかもと、彼女も思った。何せ銃は出鱈目に撃ったのだ。普通に死んでいなかったというのも有り得る。
または、彼が幻覚を操る能力者で『死んだフリ』をしたとも考えられると衝撃のアルベルトは言った。

そしてもう一つは、不死者でない者が不死者を殺せる方法でアイザック・ディアンが殺害されたという可能性。
いくら不死者同士で喰い合いが出来ると言っても、それだけでは結局最後に誰にも殺せない不死者が一人残ってしまう。
だから、不死者を殺す方法が他にもあるだろうと男は言った。そして当たりをつけたのが『首輪』である。
螺旋王がこの実験のルールの象徴として参加者達に科した首輪。それは不死のルールをも上回る可能性が高いと男は推測した。
つまりは、アイザック・ディアンは首輪を外そうとしたか禁止エリア内に留まり爆死した――という訳である。

……と、彼女が思考を反芻している所へと男が帰ってきた。

「どうやらアイザック・ディアンという男が不死者であったことは間違いないようだ」

言いながら男は掌に乗せた金属片を柊かがみに見せた。

「……これは?」
「貴様がアイザック・ディアンにへと撃ち込んだ弾丸よ」

「い」と顔を歪める少女に男は丁寧な説明をした。
橋の上に転がっていた、人に撃ち込まれたと思しき変形をしている弾丸。それには一切の血や肉がついていなかった。
撃ち込まれているのにも関わらず綺麗な弾丸――その矛盾を説明できるのは不死者の存在のみである。

「そっか……じゃあ?」
「喰われたか。はたまたは首輪の禁を破ろうとしたか……であろうな」

柊かがみの手が自身の首輪へと伸びる。日が昇ってきたせいで、首との間に汗が浮かんでいるのが気持ち悪い。
この首輪がある限り、自分達は螺旋王のモルモットという立場から逃れることはできないと、それを改めて実感する。
そして首輪が持つその意味こそが、首輪を意識する度に感じる息苦しさの正体であった。


 ◆ ◆ ◆


さらに時は流れ、二人は今は南を目指して道の上を進んでいた。


「レーダーは探さなくていいの?」

柊かがみの質問に衝撃のアルベルトは首を振る。

「惜しくはあるが、こちらから探すことにあまり意味はない」
「それって、どういう意味かしら?」
「……レーダーを持っていった者が他者に積極的に接触しようとする人物ならば、こちらが探す必要はない。
 逆に、レーダーを逃げることに使う者だったらならば、それを探し出すのは骨よ」

なるほど、と柊かがみは頷いた。

先刻、彼女たちが観覧車の前にいたのは、今会話に出たレーダーが第一の目的だったのだ。
人の居場所が判別できるレーダーは、戴宗を探している衝撃のアルベルトにとっては是非とも入手したいものであったし、
仮にその目的がなかったとしても、あらゆる意味で貴重な物であるのは変わらなかった。
今、アルベルトが口にした様に人と接触するのにも、人との接触を回避するのにも使えるのである。

しかし残念ながらレーダーはそこになかった。恐らくは、そこに立ち寄った何者かが持っていってしまったのであろう。
彼女たちが回収できたのは、全員に共通して支給されているバッグや水など、その何者かが不必要と判断した物。
そして、柊かがみの妹の首に残っていた首輪のみである。

いや、もう一つだけあった。

(…………つかさ)

柊かがみの右腕に巻かれているのは、妹のセーラー服についていたスカーフだ。
滅茶苦茶にされてしまった妹の中で数少ない原型を留めている物の一つ。それを衝撃のアルベルトが回収してくれたのである。
血に塗れていたそれを、彼女はあの螺旋が浮かんでいた噴水で洗い清め、今は自分がそれを身につけている。

と、単調な道行に思考を今は亡き妹へと向けていた柊かがみを、同行する男が押し留めた。
「何か?」と問う間もなく、目の前に――閃光。そして十数秒の後に音と風が彼女らが立っている場所を通り抜けた。

「――爆弾!?」
「どうやらそうらしいな」

彼らが歩を刻んでいた高速道路の遥か先で起きた大爆発。

「少し先を急ぐぞ」
「わ、わかった……」

それに向かい、二人は積極的に近づくという答えを選んだ。
いや、選んでなどはいない。そもそも引くなどという選択は最早二人には無かった。ただ邁進するのみである。
なぜならば――


――求める物は決して後ろには無い。その事を二人はすでに思い知らされているのだから。


 【C-3/高速道路上/一日目/午後】

 【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
 [状態]:全身にダメージ(小)、右足に刺し傷(処置済み)、スーツがズダボロ
 [装備]:なし
 [道具]:デイバッグ、支給品一式、シガレットケースと葉巻(葉巻-4本)、ボイスレコーダー
      シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム、赤絵の具@王ドロボウJING
      自殺用ロープ@さよなら絶望先生、ガンメンの設計図まとめ、不明支給品0~2(本人確認済み)
 [思考]:
  基本-1:納得の行く形で、戴宗との決着をつける
  基本-2:不死者(柊かがみ)に螺旋王を『喰わせ』、その力や知識をBF団へと持ち帰る
  基本-3:上記の1と2が達成できないと判断すれば、優勝を目指す
  0:爆発のあった場所へと向かう (※爆発とはボルヴォーラの爆発です)
  1:戴宗を探す
  2:不死者(柊かがみ)の身を守る
  3:各施設を回り、戴宗への書置きを残す。メッセージは『豪華客船にて待つ 衝撃のアルベルト』
  4:脱出や首輪解除に必要な情報を集める
  5:他の参加者達と必要以上に馴れ合うつもりはない
  6:マスターアジアと再会すれば決着をつける

 [備考]:
  ※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
  ※ボイスレコーダーには、なつきによるドモン(チェス)への伝言が記録されています
  ※ですが、アルベルトはドモンについて名前しか聞いていません
  ※会場のワープを認識
  ※図書館(超螺旋図書城)のカウンターに戴宗へのメッセージを残しました


 【柊かがみ@らき☆すた】
 [状態]:不死者、私服に切り傷
 [装備]:つかさのスカーフ、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
 [道具]:デイバッグ×2(支給品一式×2、[水入りペットボトル×1消費])、柊つかさの首輪、柊かがみの靴
 [思考]
  基本:螺旋王を『喰い』、自分の願いを叶える
  0:爆発のあった場所へと向かう (※爆発とはボルヴォーラの爆発です)
  1:衝撃のアルベルトに協力する

 [備考]:
  ※会場端のワープを認識


 ※観覧車の前に残されていた支給品と、柊つかさの首輪は回収されました


時系列順で読む

Back:黒き鳥は空を舞う Next:シャドウ・ラン

投下順で読む

Back:新たなる輝き! 怒れアレンビー Next:覚醒 の 黒き 皇子

162:奪え、全て、その手で 衝撃のアルベルト 199:二人がここにいる不思議(前編)
162:奪え、全て、その手で 柊かがみ 199:二人がここにいる不思議(前編)

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