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  • それが我の名だ

それが我の名だ

最終更新:2023年06月21日 23:26

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だれでも歓迎! 編集

それが我の名だ ◆tu4bghlMIw



あたし、結城奈緒は走っていた。そりゃあもう全速前進ってな具合に。
バサバサ自慢の赤色の髪が乱れるし、制服には汗が滲むし。
ニーソックスが少しずり下がってきたような気もするけど気にしない。

突き動かすのはとある本能的な衝動。
とはいえ命の危険を感じ逃げ惑う子羊のソレでも、狩りに没頭する狼のソレでもなかった。


――ふざけんな、糞オヤジ。


ソレがあの厳ついオッサンに『殺し合え』と言われた時、一番最初に思った事だった。
殺し合い? 優秀な個体を集めるための実験場? 
『はぁ? アンタ馬鹿じゃないの?』と、心底文句を言ってやりたい気分だった。
……まぁ、変身ヒーローみたいな格好をした変な男がボコボコにされるのを見て、さすがに声に出すのは止めておいたけど。

大体、そういう"最後の一人になるまでの潰し合い"みたいなシチュエーションは、とっくに間に合っている訳で。
と言うかもうお腹一杯、みたいな。
正直"蝕"の時みたいに積極的に恨みを晴らして回るだとか、喧嘩を売りまくる気分にはまるでなれなかったのだ。


つまりあたしを動かしている燃料は、ずばり長年磨き上げられた倦怠感。これだけだった。
だるい、面倒くさい、帰りたい。
そんなまぁ現代の女子中学生としては極めて普通の感情。
そりゃあ"本当に"一般的な女学生だとしたら、いきなりこんなゲームに放り込まれたら死ぬほど取り乱すだろうけど。
まぁ一応似たようなイベントの経験者でもあるし、慣れてるっちゃ慣れてるから。
それにあたしって厳密にはふつーじゃないし。


 ■


Highly-advanced Materializing Equipment、通称――HiME。

HiMEとは要するに……まぁなんか爪だとか銃とか、様々な武器を具体化できる能力者の事だ。
名簿を確認した限り、あたし以外にもこのゲームには三人のHiMEが参加している。
玖我なつき、鴇羽舞衣、藤乃静留……よりにもよってどうしてこの三人、と嘆かざるを得ない最悪の面子。
明らかに頼りにならないヘタレ、コイツは既に論外。
加えて明るさと胸の大きさだけが取り得のバカ、そして最悪と言うか災厄としか表現できないぶぶ漬け女。
まるで役に立たない。

支給品、とやらにも一通り眼を通してみたものの完全にハズレとしか表現の出来ないものばかりだった。
中には明らかにあたしが"あんな体験"をした事を示唆する物までご丁寧に突っ込まれていた。
どう考えても嫌味、もしくは皮肉。正直ムカつく事この上ない。

「さてと……どうしたものかな」

ある程度走って目の前に飛び込んできたのは大きな工場地帯だった。
モクモクと煙を吐き出す無数の煙突とゴウンゴウン唸るコンベアの音がやけに印象的だった。

糸を使い高速移動する事も可能だがとりあえずソレは控える。
エレメントには特別な制限が掛かっていないようで問題無く運用できるのだが、あまり露骨に使っている所を見られるのはマズイ。
森の中や路地裏などの戦い慣れた場所ならともかく、市街地にはどんな人間がいるのか分からないのだ。
とりあえず休める場所を探して、そこでゴロゴロしながら先のことを考えるか。



――ッ!?


突如、背筋に得体の知れない衝撃が走った。
それは肉体的な何かではなくて、精神的なもの。
大脳、もしくは脊髄が作り出した人工的な電気信号。そして本能的な叫び。

振り向く。つまりターンだ。
ワン、ツー、スリー。
それはまるで、隣でダンスの教師が手拍子でも叩いてるようにゆっくりとしたスピードだった。
勿論わざとではない。
というか自分としては"反射的に振り向いた"つもりだったのだ。
だけど出来なかった。
それだけの行為に丸々三秒の時間を使ったのは生まれて初めての経験だった。


何かが、来る。


圧倒的な存在感。
大気が、空が、木々が震えている。
命を持たないはずのコンクリ詰めの道路やペラペラな石で作られた石垣まで一緒に呼応しているような。


「……ほう。最初に出くわしたのが子供、とはな」


工業地帯の遙か奥、一番近い工場の入り口付近からその男は現れた。
金色。
ソレが第一印象だった。

逆立てた、どこかの国の国家金庫から盗み出してきた金塊から抽出したような見事なまでの黄金色の髪。
全身を覆い尽くすやけに趣味の悪い金ぴかの鎧。だけど何故か不思議なくらい似合っていた。
そして肩に背負った見事な黒色の大剣。あたしはソレに見覚えがあった。

「……それ、命の……?」
「……この剣の事を知っているのか、雑種」
「――ッ!! まあ……ね」

思わず"命"と口に出してしまった。そう、この場には存在しないあの剣の持ち主の名前を。
『ヤバッ』と自らの無用心を呪っても時既に遅し。
もしもあのままダンマリを決め込んでいたなら、この男はあたし目の前から消え去っていたかもしれないのに。
そう、現実は常に過酷なのだ。

男の目つきが変わった。気高く、何者にも侵されない絶対的支配者の瞳。
大空にも似た青い視線が絶対的なオーラと共に皮膚を這い回る。

「ふむ。少し、話を聞かせて貰おう」
「……もしも、あたしが断ると言ったらどうする?」

とりあえず距離を取るため男を睨み付けたまま軽く返答。
退却を前提に少し後ろに後退、したつもりだった。
だがそんな行動も相手にとってはお見通しらしく、あたし達の距離は"全く"変わらない。
そう、おそらくだが……一センチの誤差も無く、だ。

男は笑った。
そして狂おしいほどの残酷な笑みを口元に携え、一喝する。


「雑種、我を失望させてくれるな。――まさか、我との絶対的な"差"が分からぬ程貴様は腑抜けなのか?」
「はッ、まさか!! あたしをそこら辺の餓鬼共と一緒にしないで貰いたいね!!」


場に流れる険悪な空気。
ヤバイ。
とりあえず啖呵は切ってみたものの、全身の器官が総動員でとある指令を伝えてくる。
つまり"逃げろ"だ。
反対しているのはもはや脳だけ。
つまりこの状況で逃げ出したらどうなるか、冷静に判断出来る唯一の体内器官という訳だ。

てか……いきなりこんな化け物と出会っちゃうなんてあたし、大ピンチって奴?


「さぁ応えろ、雑種。選択する権利はくれてやる。もっとも、我としてはどちらでも構わんがな」


男が一歩、前に出た。
固定された距離が破られる。ソレは審判の時。

考えろ、結城奈緒。いくら何でもこの男は危険過ぎる。
何が危険ってまぁ全てだ。何もかもがヤバ過ぎる。というか反則だ。

いくら自分に多少無鉄砲な所があるとはいえ、コイツに向かっていく勇気はさすがに無い。
ジュリアを呼び出しても、まるで勝機が見出せない。
勝つ見込みがあるとすれば、藤乃と鴇羽のチャイルドがそれぞれ全力でぶつかった場合ぐらい。
……もしも男が全力を出せばソレでも足りないかもしれない。

ではとりあえず命のエレメントの情報を与えるべきなのか。
だが正直、それは"最もしてはならない選択"な気がしてならない。
なぜなら――情報を教え終わった後用済みになったあたしがどうなるのかまるで保証が無いから。


沈黙。数秒の空白。
男はつまらなそうな表情でぽつりと呟いた。

「仕方ない。では、直接身体に聞くか」

その言葉と共に男の左腕がすっと持ち上がる。
何が起こる? 何だ、とてつもなくヤバイ予感しかしないのは気のせいだろうか。
駄目だ、チャイルドを呼ぶ事を躊躇っている場合ではない。
即座にエレメントを発動、そして――


「――砲撃、開始」

「ジュリアッ!!!!」








…………。


……。



「……やはり無理か」
「ジュ……リア?」


数秒の間。
ジュリアは現れなかった。
そして男が"呼び寄せたはずのもの"も同じく。
この空間に新たに出現したのはあたしの両手を覆う爪型エレメントだけ。

「中々面白い力を持っているな、雑種。今"何処から"ソレを出した?」
「……さぁね。まずはアンタの軽そうな脳味噌使って考えてみたらどうよ?」
「……くくく、弱い狗程良く吼えるとはこの事か」

やはり、簡単に挑発に引っ掛かる程相手は愚かではなかった。
それどころか命のエレメントに加えて、あたしのエレメントにまで興味を持たれてしまったらしい。
最、悪。


「――なれば、今宵は剣兵の真似事に興じよう」
「なッ!?」

そのスピードは常軌を逸していた。
音……よりはさすがに遅い。
だが、その呟きと共に大地を蹴った男の姿は次の瞬間には数十メートルはあったはずの距離を数メートルまで縮めていた。
視界が金色で一杯になる。男が大剣を振るう。


「やらせないッ!!!」
「――ッ、雑種が……!!」

瞬間、両手の十本の指からワイヤーを発射。
現時点で優先すべきはこの男の迎撃よりも一刻も早い撤退だ。
右手の五本は隣に立っていた電柱の上方部、塀の上へ。そして左手の五本は反対側の電柱へ。
左手の方は巻きつける程度では済まさない。
柔らかな血肉を切断するが如く、石で出来たその柱を軽々と切り裂き、男の目の前へ――落下させる。


トンネルでダイナマイトを爆発させたような鈍い音が辺りに木霊した。
吹き上がる粉塵。だがあたしと男はそんな些細な事象など気にも留めずに睨み合う。
突進を回避された男は驚いた顔をしながら後ろに大きく跳躍した。
それだけで立ち位置は最初の"固定"されていた距離に戻る。

男はおそらく殺しても構わない、その程度の気持ちで剣を振るったのだろう。
エレメントの話を聞きたい、という気持ちに偽りは無いはず。
ソレと同時にこの一撃を受け止められないのならば、生かしておく価値も無いと判断したのかもしれない。
だが、その慢心にこそ付け入る隙があった。
正直男の"全力の"突進であったならば、あたしにソレを制止出来ていた自信は無い。

ここから、どうすればいい?
さぁ、困った。もしここで男が"全力"を出してきたら間違いなく死ねる。
ならばこの機会に逃げ出すのが得策と言うもの。
ワイヤーを使えば、更に移動する事が可能。
男の身体能力がいくら化け物染みているとはいえ、障害物があれば追跡には限界が生じる。それに賭けるしかない。



「…………なるほど」

……ん?
待て、男の様子がおかしい。
明らかに先ほどまでのあたしに向けていた表情とは違う。
何と言うか……言葉にし難い妙な感じだ。

「――気が変わった」
「……はぁ?」
「貴様、その手を覆っている武具について説明しろ」


男があたしの指先、つまりエレメントを指差しながら命令する。
やけにその態度が型にはまっていて、きっとコイツはいつも部下に指図ばかりしていたんだろうな、と思った。
だって自分より高い所にいる人間に話しかけるのが凄く嫌そうだ。

武具ってまぁ、武器っちゃぁ武器だとは思うけど。
でもそこまで大げさに言うほど、大層なものでも無い気はする。


「その突然現れた武器についてだ――殺しはしない。さっさと喋るがいい」


 ■


「つまり金ぴか、アンタはあのオッサンをブッ殺すのに武器が欲しいって訳?
 それも出来るだけ沢山」
「蜘蛛女、王への侮辱は万死に値するぞ。それに恥じらいが足りんな。言葉遣いもまだまだ乳臭さが抜けん。
 加えて礼節も気品も、女としての魅力が何もかも欠けている」
「……下品で悪かったわね」


男が積み上げられたコンテナの上で踏ん反り返りながら、そうあたしに駄目出しをする。
道のど真ん中、というのも何なので少し移動した。大きな音に反応して誰かがやって来る可能性もあったし。



やって来たのは工場前の開けた空き地。
地面がコンクリート張りである以上、昔は何かが建っていたのかもしれない。


それにしても……おかしい。
いつの間にか呼称が"雑種"から"蜘蛛女"に変わっている事はまぁ良しとしよう。
逆によく分かったと賞賛に値するくらいだ。普通はどっちも相当失礼なんだろうけど。
だがなんだ、このまるで『子供を相手にしている』ような話しっぷりは。

「この"巳六"という大剣もその爪も、エレメントという種別の武器なのだな」
「まぁ、ね。その剣はずっと出っ放しな辺り、あたし達のとは大分タイプが違うはずだけど」

男はその漆黒の大剣を片手で軽々と持ち上げながらそう確認した。
この辺りに男の化け物染みた強さを感じる。
確かこの剣、巳六はあの命でさえ両手で持たなければ扱えなかった。正式な持ち主であるはずの命でさえ、だ。
それを片手で扱う圧倒的な膂力。今なら確信出来る。
あの時男がもう少し本気になっていたら、あたしは真っ二つになっていたはずだ。


「面白い……宝具にも匹敵するこの力、是非とも我が手中に収めたいものだ」
「……言っとくけど、無理よ。あたしのだって外そうとしても外れないんだから」
「……所詮は雑種か。例外があるかもしれんだろう。この空間は妙だ、何が起こっても不思議ではない。
 しかし、我の財が薄汚い雑種どもの手に渡っている可能性が高いという事か……耐えられんな」

「まぁね」と軽く相槌。
今の発言に軽くブチ切れなかった辺り、何だかコイツとの付き合い方が分かってきた気がする。

そう、確かに金ぴかの言う事はもっともかもしれない。
例えば、何しろ命が持っていたはずの巳六がこうしてココにある時点で何かがおかしい。
それにジュリアが出せないのにエレメントは使える矛盾。
この時点で他のエレメントが支給品としてこの島に集められている可能性だって無くはないのだ。
HiME不在のエレメントが存在出来るかどうかは別として。


「そうだ、貴様の支給品には宝具に値する武器は無かったのか?」
「…………見た方が早いわ。ハズレもハズレ、大ハズレよ」

そう自嘲気味に呟くとあたしは背負っていたデイパックの中身をコンクリートの上にぶちまける。
ちょっとキレ気味なのは昨今のゆとり教育がどうこうとか、そういうのは関係ない。
ただちょっと思い出しただけなのだ。例のあの糞ムカつく道具の事を。

「……この紙は?」

金ぴかが立ち上がり足元に転がる道具のうち、数枚の紙の束に視線を落とす。
もちろん支給されたメモ帳などではない。
これまた何の役にも立たないハズレ支給品である。

「あれでしょ、悪人の手配書。名前も書いてあったはず……確か"ヴァッシュ・ザ・スタンピード"だったかしら?」

WANTEDと書かれたボロボロの紙切れ。
中央にプリントされたのは金ぴかと同じような鮮やかな金髪を重力に逆らうように逆立てた男の顔だった。
しかし……どうしてこんな目茶目茶笑顔の写真を使っているのだろう。あまりにも内容と不釣合い過ぎる。

「……ふむ、コレはいらんな」
「な……ッ!?」

そう呟くと金ぴかは、仮にもあたしの支給品であるその手配書を無遠慮に後ろにぽいっと放り投げた。
――しかも、間の悪い事は続くもので。

非常にタイミングよく吹いた強風が、
非常にタイミングよくその手配書をふっ飛ばしてしまった。
そして非常にタイミングよく紙束があっという間に見えなくなってしまったのは言うまでも無い。


「ちょ、ちょっと!!! アンタ、何て事すんの!?」
「その男が邪魔ならば捻じ伏せるだけ。我にとって雑種が指定した悪の基準など意味を持たん」
「……呆れた」


訂正する。この男はあたしを子供扱いしていると言うよりもむしろ"自身が子供に近い"のだ。
ただコイツに純真無垢という言葉を当てはめるのはあまりに不適当。
まぁ、あたしもだが。
とにかく横暴で自己中心的、きっと子供の頃はわがままを言って玩具屋の前でブレイクダンスをするような人種だったに違いない。


「蜘蛛女」
「何よ」
「この眼帯のようなものは何だ?」
「う……」

男が最後に指差したのは……黒い、単眼鏡だった。
まるで大きなソファに踏ん反り返りながら猫を抱き、高級なワインを片手に葉巻を吸っている悪の組織のボスが身に着けているような特徴的なアイパッチだった。
つい最近まで似たようなものを眼に付けていたあたしにとってコレは最悪の支給品。
玖我の豆鉄砲によって傷付けられた左目……ソレを隠すためにずっと眼帯をしていたのだから。
見るだけであの辺の嫌な記憶が思い出されるから憂鬱だ。

「これもどこかの物好きの愛用品よ、きっと」
「ふむ、妙な品物ばかりだな。本当に主催者が殺し合いをさせる気があるのか図りかねる」
「そうね。そういえばさ……アンタはゲームに乗ってない訳? 普通に襲い掛かって来たけど」

あたしがそう問い掛けると男はピクリと身体を震わせ、露骨に不愉快な顔をした。

「我が? この馬鹿げた殺人遊戯にか? 蜘蛛女、愚問だな。
 与えられた環境で狩りに身を窶すのは我の性に合わん。
 所詮この地は宝具を集めてあの男の元に乗り込むための踏み台に過ぎん」
「乗り込むって――あのオッサンの所へ!?」
「当然だ……王は一人で十分。つまり英雄王たる我の存在こそが"螺旋王"とやらと相反するのだ」

自信満々に、不敵な笑みを浮かべながら男はそう断言した。
マジだ。このゴールデンバカ、どう見ても本気だ。
王、ねぇ。まぁ確かに威風堂々とした雰囲気はあるけど。
どっかの国の王様、ってことなのかしら。


「さて、そろそろ出るか。蜘蛛女、早くそこに散らばったゴミを仕舞うがいい」
「……は?」
「貴様も我と共に来るのだ――エレメントとやらの力、みすみす見逃す術は無いだろう?」
「ちょ……ッ!?」

当たり前のように言い放つ金ぴか男。
どうもエレメントがその宝具って奴と並び得る強力な力を持った武器だと認識しているらしい。
HiMEの身体から離れたら存在できるかも分からないって言ってるのに。
コイツ、人の話を全く聞いていない。

ただ男の戦闘能力は驚異的だ。
妙な連中、つまりはゲームに乗った過去の藤乃のような人間が現れても、この金ぴかならあっさりと片付けるだろう。
かったるいからあまり戦いたくない身の上としては同行者がいるのは好都合。


「その眼帯は貴様に預けておく。しっかりと身に着けておけ」
「……一応、コレあたしの支給品なんだけど」
「臣下の財、それすなわち王たる我のもの。これは管理や支配における常識であろう」
「……はいはい」

嫌々ながら黒いアイパッチを手に取り身につける。
こうでもしないと納得しなさそうなのだ、この男は。
目上の人間からの恩赦は必ず受け取るべきもの、そういう感じだろうか。
不思議なくらい左目にフィットするソレに違和感を覚えつつ、その時あたしはすっかり忘れていた一つの重大事項をようやく思い出した。


「ねぇ……金ぴか」
「何だ、蜘蛛女」
「あたしは結城奈緒、どうせアンタは呼ばないだろうけど。で……そっちの名前は何て言うの?」
「我か、我は――」

どこかの推理漫画の主人公が推理する時のポーズのように男は顎元に手を当てる。
そして自信満々に、威厳に満ちたその眼で、こちらの瞳を見つめながら言い放った。



「王の中の王――ギルガメッシュ、それが我の名だ」




そう、あたしの受難はまだ始まったばかりだ。




【G-2 工業区 一日目 深夜】
【結城奈緒@舞-HiME】
[状態]:健康、眼帯を外したい
[装備]:エレメント(爪)、衝撃のアルベルトのアイパッチ@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-
[道具]:支給品一式、ランダム不明支給品x1
[思考]
基本思考:面倒なのであまり戦いたくない。ヤバくなったら真面目にやる。
1:とりあえず金ぴかと一緒に行動する
2:攻撃してくる人間を殺すのに躊躇いは無い
3:藤乃にはあまり会いたくない

[備考]
※ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書@トライガン がG-2を中心に二枚吹き飛ばされました。
 海に落ちるのか、それとも誰かに拾われるのかは分かりません。
※奈緒は原作の蝕の祭の結果が全部ナシになった辺りから参戦。

【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、ランダム不明支給品x1
[思考]
基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。【乖離剣エア】【天の鎖】【王の財宝】の入手。
1:宝具、それに準ずる道具を集める
2:目障りな雑種は叩き切る
3:エレメントに興味

[備考]
※参戦時期は未定。

[補足]

【衝撃のアルベルトのアイパッチ@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
アルベルト愛用の黒いアイパッチ。レーダーや通信機能を内蔵した高機能眼帯。
ただ、コレは眼鏡部分だけなので特殊な機能は特にナシ。

【ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書@トライガン】
600億$$(ダブドル)の賞金首「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」ことヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書。
プリントされているのは間抜けな笑顔の写真。

【巳六@舞-HiME】
命が肌身はなさず持っている大剣。オーファンやチャイルドを両断できる力を持っている。
命以外の人間が持つと在り得ない重さになる。
剣を地面に突き刺すと、無数の剣を地中から飛び出させることができ、少し距離の離れた敵を地中から串刺しにする。
この能力を一応あらゆる武具を"扱う"事の出来る我様が使えるかは不明。

【黄金の鎧@Fate/stay night】
魔術的な力もかなりあると思われる大鎧。金ぴか。


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