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人ならざるもの達の午前 Water Requiem - (2006/12/16 (土) 00:45:22) の1つ前との変更点
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*人ならざるもの達の午前 Water Requiem ◆5VEHREaaO2
E-5の市街地に少女の死体と人ではない物が二体存在した。
片方は生命活動を終えた少女を抱えた青い蜘蛛型の機体、もう片方はそれを見下ろす黒い人形。
二体は、片方は無表情に、もう片方は嘲笑を浮かべながら対峙していた。
「ねえねえ、なんでキミはこの子を撃ったのさ?君が撃ったんだろ」
「あらぁ、ごあいさつねぇ。折角助けてあげたのにぃ」
「助けた?なんで?」
黒い少女、水銀燈と名乗る存在はそのままの体勢でタチコマを見下ろし続ける。
「当然でしょ、敵は排除しなきゃならないんだからぁ。この状況じゃあ、なおさらだしぃ」
だが、タチコマは反論する。
「敵は排除するという意見には賛成だけど、キミの意見には反対だ。
彼女は怯えていたから僕を攻撃した。だけど、公務執行妨害以外の罪にはならないし、
説得は不可能じゃなかったと思う。殺し合いに参加していたとしてもね。
あの状況で彼女が僕に勝てる可能性は低いし。
第一、君には僕の行動裁量権すら持っていないじゃないか。
僕の自己保全の権限は低ランク。よって、君が助ける必要も彼女を殺す必要もなかった。O.K?」
水銀燈は多少口元をヒクつかせながら再び口を開く。
「……生意気ねぇ、乳酸菌でも採ったらどうかしらぁ?」
「僕にはそんな物は必要ないよ。天然オイルならタンク一杯まで飲みたいけど」
水銀燈はそんなタチコマに対して溜息を吐きながら、態々話しかけた理由を思い出すと
自分の考え実行することにする。
「ねぇ、あなたぁ。私と手を結ばない?」
「なんで?」
「あらぁ、決まっているじゃないのぉ。いくら私でも80の数を片付けるの……」
「絶対にノゥ!」
だが、タチコマには水銀燈の考えを理解できていたため、腕をクロスさせ否定の言葉を紡ぐ。
「…最後まで言わせなさいよ。まさか、みんな仲良く脱出できるなんて思っているのかしらぁ?
だとしたら、とんだ笑い話だわ」
「僕としては、あのギガゾンビってのに約束を守る気があるのか、甚だ疑問に思うんだけどね。
そういえば、君って人間でも義体でもロボットでもないね。熱源がほぼ0で稼動できるなんて、普通ありえないよ」
「ふん。私はローゼンメイデンの第一ドール、水銀燈。お父様が作った完璧な乙女。彼方如きに理解できるはずもないわ」
「ふ~ん、そうなんだ。でも、何で服の裏の腹部ブロックがないの?
少佐に良い擬体でも紹介して貰えるように頼んであげようかい?」
その言葉は完璧な乙女を自負する水銀燈にとって、最大の欠点でありかつ、コンプレックスを指摘する言葉でもあり、
決して言ってはならない台詞であった。
「ジャンクにおなり!!」
水銀燈は怒りに任せて銃の引き金を引く。
だが、その弾丸が当たる前にタチコマはバックし、龍咲海の遺体を抱えたままその場から逃げ出した。
銃弾は何発も外れ、何時しか小さな乾いた音が鳴る。
「チッ!弾切れか!?」
忌々しげにデイパックから新たなマガジンを取り出し、装填する。
「逃がさないわよ、私を侮辱した罪は償わしてあげるわ」
そうして、黒い羽を生やした少女は青い戦車を追った。
「ごめんね、僕が盾になってあげられなくて」
タチコマはそう言い、逃走先の裏路地に遺体を放置することにした。
これから起こる戦闘では、デッドウェイトになる事は明白だからだ。
「でも、これ以上この子の体を傷つけちゃいけない気がするのはなんでだろう?」
などと思考したものの、とりあえずは、すぐそこまで迫っている敵を迎え撃つため表に出る。
そこには、やはり少女がいた。
「あらぁ、態々ジャンクになりにきたのかしらぁ?」
だが、タチコマには水銀燈の挑発めいた言葉など通用しない。
「投降しろ!今ならまだ許してやる!」
「とうこうぅ?アッハハハハハハハハハ!空も飛べないくせに、どうやって私に勝てるって言うのかしら?」
「こうするんだい!」
そのまま、タチコマが何かを発射する。
「ふん、こんなもの」
だが、水銀燈はあっさりとかわす。が、
「何!?」
そのまま、建物の壁に張り付いたワイヤーを巻くことで、水銀燈に向かって高速でタチコマが飛んでくる。
「でも、遅い!」
水銀燈は少々面食らったが、僅かに位置を代え銃弾の雨を降らせる。
威力推定…10で装甲破壊-30Carbineを10として9mmx19は3-装甲破壊不可、回避の必要性無し。
だが、タチコマのニューロチップがそう判断するほど低威力である。
無論、装甲が劣化している現在ならばライフル弾でも貫けるが、ベレッタの9mmの弾丸ではライフル弾の半分以下の威力しか
持ち得ない。もし、一点突破を狙えばあるいは装甲を貫けるかも知れないが、水銀燈の射撃技術はトグサと比べても
児戯に等しいため、それは不可能であった。
そして、二体が距離を置いてすれ違おうとしたとき、突如水銀燈が体を捻る、その服に切れ目が付いていた。
それは、タチコマのマニュピレーターに何時の間にか握られていた剣によるものである。
タチコマは流石に普通にタックルをしても避けられると思考したため、支給された剣をデイパックから直前に出し、
離されるであろう距離を埋めることを思いついた。結果は失敗に終わったが。
「小賢しいまねを!」
水銀燈は、再び銃弾を放とうとするも乾いた音がするだけで、弾は発射されなかった。二度目の弾切れである。
「この役立たず!」
そのまま銃を放り投げる。
「玩具のくせに思ったよりやるわねぇ……お前には勿体無いけど……
これで……ジャンクになりなさい!!!」
そして、黒き両翼から無数の黒い羽が壁に張り付いているタチコマに向かって射出される。
「うっわわわわ!羽飛ばしてくるなんて、ずるいんだぞ!」
流石にタチコマも乱数回避を実行するが、黒い羽の数発がボディを掠める。
威力推定-呼称羽射撃-威力6-連続被弾で装甲破壊の可能性有り-回避の必要性有り。
タチコマはそう判断し、光学迷彩を実行するが、
「うわ!」
「見え見えよ!」
無数の羽が漂う中では効果がなく、再び羽がボディを傷つける。
なんとか、攻撃を回避しながらタチコマはフルスピードで辺りを逃げ回る。
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!そら、そら、もっと速く逃げないと穴だらけになっちゃうわよ」
そのまま、タチコマと水銀燈は街中で黒い羽を撒き散らしながら追いかけっこをし、終に行き止まりに突き当たった。
「あらぁ、もう終わりなの?なら、今度こそ本当にジャンクになりなさい!!」
そして、無数の羽がタチコマに殺到する。
だが、これで終わるタチコマではなかった。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
そのまま、デイパックの中から鎖付きの星型の鉄球、名称フレイル型モーニングスターを抜き出し、
水銀燈に対して平行になるように振り回す。無数の羽は鎖や鉄球によって、そのほとんどが叩き落される。
その武器は、単純そうな見た目に反し扱い事態は難しいが、時間を掛けて使用するためのプログラムを組んだ
タチコマにとっては雑作もないことであった。
「チッ!ちょこざいな!」
そのとき、脱力感が水銀燈を襲う。ミーディアムがおらず、長時間の戦闘機動も可能なタチコマ相手に、
長く戦闘を続けたため力が消耗されてしまったのである。
「えい!」
そんな、彼女に向かってタチコマは剣を投げつける。なんとか体をひねり水銀燈は避けるが、
「ワイヤー発射!」
バランスを崩した水銀燈にタチコマのワイヤーが迫る、なんとか初撃はデイパックを投げつけて防ぐも、
続く第二波が水銀燈の両腕に巻きつき、拘束されてしまった。
「まさか、私の力が途切れるのを狙って…」
「当然!さあ、最終警告だ。投降しろ!」
だが、彼女は決して敗北を認めない。敗北を認めてしまえば完全ではなくなるからだ。
「ふん!まだ、負けたわけじゃないわ!これぐらい…」
「投降しろって言ったよ、僕は。喰らえ!ガンダムハンマァァァァァ!!」
そのまま、タチコマは水銀燈に向かって、遠心力が加わり破壊力の増したフレイル型モーニングスターを投げつける。
「この!」
水銀燈は力を振り絞って羽でワイヤーを断ち切り、回避しようとするが、
その瞬間、フレイル型モーニングスターが水銀燈に直撃した。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
その叫びを残し、彼女はフレイル型モーニングスターと共に何処かへと吹き飛ばされていった。
「これでよし」
戦闘が終わり、辺りに散らばる装備を回収したタチコマはとあることを実行することにした。
それは、この状況下では特に有利になることでもなく。九課の誰にも教えられていないことではあったが、
それは、自身がやらなければいけないと感じたことである。
Umi Ryuuzaki sleeps here :1980~2031
雨の振る中、そう掘られたコンクリートの破片と、荷物が二つ、そしてタチコマの最後の支給品である西瓜が
E-5の空き地に置かれており、エクシードの剣が大地に突き刺さっていた。
それは、タチコマが作った即席の墓であった。あの後、支給品や荷物を調べる過程で
生徒手帳を発見し少女の情報が判明したため、墓に名を刻んだのである。
「じゃあ、君の道具は貰っていくね。こういうのって形見分けっていうんだっけ?そういえば、君の支給品は僕の榴弾と
天候を操作できる道具だったよ。僕の装備が入っていただけでも驚きなのに、すごい道具が入っていて驚きさ。
代わりに僕の支給品を置いて行くから、それじゃあね。バイバイ」
そうしてタチコマは、センサ-やボディから雨水を滴らせながら、その場を後にした。
【E-5市街地 1日目 黎明】
【タチコマ@攻殻機動隊S.A.C】
[状態]:装甲がぼこぼこ、ダメージ蓄積、燃料補給済み
[装備]:ベレッタM92F(残弾16、マガジン15発、マガジン14発)
[道具]:支給品一式、燃料タンクから1/8補給済み、お天気ボックス@ドラえもん、西瓜四十九個@スクライド
タチコマの榴弾@攻殻機動隊S.A.C、双眼鏡、龍咲海の生徒手帳
[思考]:1、九課のメンバーを探しに行く。
*タチコマの光学迷彩はエネルギーを大きく消費するため、余り多用できません。
*タチコマの支給品には、食料の代わりに燃料が入っています。
*タチコマの榴弾は一機では装填不可能
*お天気ボックスは使用したエリアに四時間しか効果がありません、また晴れと雨と曇のカードしか付属していません。
*龍咲海の遺体はE-5の空き地に埋められました。
*龍咲海の剣@魔法騎士レイアース、西瓜一個@スクライド、デイパックは龍咲海の埋葬場所に放置されています。
*E-5に雨が降っています。
【E-5 1日目 黎明】
【水銀燈@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:消耗大、服の一部が破けている、フレイル型モーニングスターに吹き飛ばされている
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考]1、この状況をなんとかしたい
2、真紅達ドールを破壊し、ローザミスティカを奪う。
3、バトルロワイアルの最後の一人になり、願いを叶える。
*水銀燈のデイパックはE-5の龍咲海の埋葬場所に放置されています。
*フレイル型モーニングスターは水銀燈と共に飛翔中。吹き飛ばされ先は次の書き手さんに任せます。
|34:[[STALKER]]|タチコマ||
|34:[[STALKER]]|水銀燈||
*人ならざるもの達の午前 Water Requiem ◆5VEHREaaO2
E-5の市街地に少女の死体と人ではない物が二体存在した。
片方は生命活動を終えた少女を抱えた青い蜘蛛型の機体、もう片方はそれを見下ろす黒い人形。
二体は、片方は無表情に、もう片方は嘲笑を浮かべながら対峙していた。
「ねえねえ、なんでキミはこの子を撃ったのさ?君が撃ったんだろ」
「あらぁ、ごあいさつねぇ。折角助けてあげたのにぃ」
「助けた?なんで?」
黒い少女、水銀燈と名乗る存在はそのままの体勢でタチコマを見下ろし続ける。
「当然でしょ、敵は排除しなきゃならないんだからぁ。この状況じゃあ、なおさらだしぃ」
だが、タチコマは反論する。
「敵は排除するという意見には賛成だけど、キミの意見には反対だ。
彼女は怯えていたから僕を攻撃した。だけど、公務執行妨害以外の罪にはならないし、
説得は不可能じゃなかったと思う。殺し合いに参加していたとしてもね。
あの状況で彼女が僕に勝てる可能性は低いし。
第一、君には僕の行動裁量権すら持っていないじゃないか。
僕の自己保全の権限は低ランク。よって、君が助ける必要も彼女を殺す必要もなかった。O.K?」
水銀燈は多少口元をヒクつかせながら再び口を開く。
「……生意気ねぇ、乳酸菌でも採ったらどうかしらぁ?」
「僕にはそんな物は必要ないよ。天然オイルならタンク一杯まで飲みたいけど」
水銀燈はそんなタチコマに対して溜息を吐きながら、態々話しかけた理由を思い出すと
自分の考え実行することにする。
「ねぇ、あなたぁ。私と手を結ばない?」
「なんで?」
「あらぁ、決まっているじゃないのぉ。いくら私でも80の数を片付けるの……」
「絶対にノゥ!」
だが、タチコマには水銀燈の考えを理解できていたため、腕をクロスさせ否定の言葉を紡ぐ。
「…最後まで言わせなさいよ。まさか、みんな仲良く脱出できるなんて思っているのかしらぁ?
だとしたら、とんだ笑い話だわ」
「僕としては、あのギガゾンビってのに約束を守る気があるのか、甚だ疑問に思うんだけどね。
そういえば、君って人間でも義体でもロボットでもないね。熱源がほぼ0で稼動できるなんて、普通ありえないよ」
「ふん。私はローゼンメイデンの第一ドール、水銀燈。お父様が作った完璧な乙女。彼方如きに理解できるはずもないわ」
「ふ~ん、そうなんだ。でも、何で服の裏の腹部ブロックがないの?
少佐に良い擬体でも紹介して貰えるように頼んであげようかい?」
その言葉は完璧な乙女を自負する水銀燈にとって、最大の欠点でありかつ、コンプレックスを指摘する言葉でもあり、
決して言ってはならない台詞であった。
「ジャンクにおなり!!」
水銀燈は怒りに任せて銃の引き金を引く。
だが、その弾丸が当たる前にタチコマはバックし、龍咲海の遺体を抱えたままその場から逃げ出した。
銃弾は何発も外れ、何時しか小さな乾いた音が鳴る。
「チッ!弾切れか!?」
忌々しげにデイパックから新たなマガジンを取り出し、装填する。
「逃がさないわよ、私を侮辱した罪は償わしてあげるわ」
そうして、黒い羽を生やした少女は青い戦車を追った。
「ごめんね、僕が盾になってあげられなくて」
タチコマはそう言い、逃走先の裏路地に遺体を放置することにした。
これから起こる戦闘では、デッドウェイトになる事は明白だからだ。
「でも、これ以上この子の体を傷つけちゃいけない気がするのはなんでだろう?」
などと思考したものの、とりあえずは、すぐそこまで迫っている敵を迎え撃つため表に出る。
そこには、やはり少女がいた。
「あらぁ、態々ジャンクになりにきたのかしらぁ?」
だが、タチコマには水銀燈の挑発めいた言葉など通用しない。
「投降しろ!今ならまだ許してやる!」
「とうこうぅ?アッハハハハハハハハハ!空も飛べないくせに、どうやって私に勝てるって言うのかしら?」
「こうするんだい!」
そのまま、タチコマが何かを発射する。
「ふん、こんなもの」
だが、水銀燈はあっさりとかわす。が、
「何!?」
そのまま、建物の壁に張り付いたワイヤーを巻くことで、水銀燈に向かって高速でタチコマが飛んでくる。
「でも、遅い!」
水銀燈は少々面食らったが、僅かに位置を代え銃弾の雨を降らせる。
威力推定…10で装甲破壊-30Carbineを10として9mmx19は3-装甲破壊不可、回避の必要性無し。
だが、タチコマのニューロチップがそう判断するほど低威力である。
無論、装甲が劣化している現在ならばライフル弾でも貫けるが、ベレッタの9mmの弾丸ではライフル弾の半分以下の威力しか
持ち得ない。もし、一点突破を狙えばあるいは装甲を貫けるかも知れないが、水銀燈の射撃技術はトグサと比べても
児戯に等しいため、それは不可能であった。
そして、二体が距離を置いてすれ違おうとしたとき、突如水銀燈が体を捻る、その服に切れ目が付いていた。
それは、タチコマのマニュピレーターに何時の間にか握られていた剣によるものである。
タチコマは流石に普通にタックルをしても避けられると思考したため、支給された剣をデイパックから直前に出し、
離されるであろう距離を埋めることを思いついた。結果は失敗に終わったが。
「小賢しいまねを!」
水銀燈は、再び銃弾を放とうとするも乾いた音がするだけで、弾は発射されなかった。二度目の弾切れである。
「この役立たず!」
そのまま銃を放り投げる。
「玩具のくせに思ったよりやるわねぇ……お前には勿体無いけど……
これで……ジャンクになりなさい!!!」
そして、黒き両翼から無数の黒い羽が壁に張り付いているタチコマに向かって射出される。
「うっわわわわ!羽飛ばしてくるなんて、ずるいんだぞ!」
流石にタチコマも乱数回避を実行するが、黒い羽の数発がボディを掠める。
威力推定-呼称羽射撃-威力6-連続被弾で装甲破壊の可能性有り-回避の必要性有り。
タチコマはそう判断し、光学迷彩を実行するが、
「うわ!」
「見え見えよ!」
無数の羽が漂う中では効果がなく、再び羽がボディを傷つける。
なんとか、攻撃を回避しながらタチコマはフルスピードで辺りを逃げ回る。
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!そら、そら、もっと速く逃げないと穴だらけになっちゃうわよ」
そのまま、タチコマと水銀燈は街中で黒い羽を撒き散らしながら追いかけっこをし、終に行き止まりに突き当たった。
「あらぁ、もう終わりなの?なら、今度こそ本当にジャンクになりなさい!!」
そして、無数の羽がタチコマに殺到する。
だが、これで終わるタチコマではなかった。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
そのまま、デイパックの中から鎖付きの星型の鉄球、名称フレイル型モーニングスターを抜き出し、
水銀燈に対して平行になるように振り回す。無数の羽は鎖や鉄球によって、そのほとんどが叩き落される。
その武器は、単純そうな見た目に反し扱い事態は難しいが、時間を掛けて使用するためのプログラムを組んだ
タチコマにとっては雑作もないことであった。
「チッ!ちょこざいな!」
そのとき、脱力感が水銀燈を襲う。ミーディアムがおらず、長時間の戦闘機動も可能なタチコマ相手に、
長く戦闘を続けたため力が消耗されてしまったのである。
「えい!」
そんな、彼女に向かってタチコマは剣を投げつける。なんとか体をひねり水銀燈は避けるが、
「ワイヤー発射!」
バランスを崩した水銀燈にタチコマのワイヤーが迫る、なんとか初撃はデイパックを投げつけて防ぐも、
続く第二波が水銀燈の両腕に巻きつき、拘束されてしまった。
「まさか、私の力が途切れるのを狙って…」
「当然!さあ、最終警告だ。投降しろ!」
だが、彼女は決して敗北を認めない。敗北を認めてしまえば完全ではなくなるからだ。
「ふん!まだ、負けたわけじゃないわ!これぐらい…」
「投降しろって言ったよ、僕は。喰らえ!ガンダムハンマァァァァァ!!」
そのまま、タチコマは水銀燈に向かって、遠心力が加わり破壊力の増したフレイル型モーニングスターを投げつける。
「この!」
水銀燈は力を振り絞って羽でワイヤーを断ち切り、回避しようとするが、
その瞬間、フレイル型モーニングスターが水銀燈に直撃した。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
その叫びを残し、彼女はフレイル型モーニングスターと共に何処かへと吹き飛ばされていった。
「これでよし」
戦闘が終わり、辺りに散らばる装備を回収したタチコマはとあることを実行することにした。
それは、この状況下では特に有利になることでもなく。九課の誰にも教えられていないことではあったが、
それは、自身がやらなければいけないと感じたことである。
Umi Ryuuzaki sleeps here :1980~2031
雨の振る中、そう掘られたコンクリートの破片と、荷物が二つ、そしてタチコマの最後の支給品である西瓜が
E-5の空き地に置かれており、エクシードの剣が大地に突き刺さっていた。
それは、タチコマが作った即席の墓であった。あの後、支給品や荷物を調べる過程で
生徒手帳を発見し少女の情報が判明したため、墓に名を刻んだのである。
「じゃあ、君の道具は貰っていくね。こういうのって形見分けっていうんだっけ?そういえば、君の支給品は僕の榴弾と
天候を操作できる道具だったよ。僕の装備が入っていただけでも驚きなのに、すごい道具が入っていて驚きさ。
代わりに僕の支給品を置いて行くから、それじゃあね。バイバイ」
そうしてタチコマは、センサ-やボディから雨水を滴らせながら、その場を後にした。
【E-5市街地 1日目 黎明】
【タチコマ@攻殻機動隊S.A.C】
[状態]:装甲がぼこぼこ、ダメージ蓄積、燃料補給済み
[装備]:ベレッタM92F(残弾16、マガジン15発、マガジン14発)
[道具]:支給品一式、燃料タンクから1/8補給済み、お天気ボックス@ドラえもん、西瓜四十九個@スクライド
タチコマの榴弾@攻殻機動隊S.A.C、双眼鏡、龍咲海の生徒手帳
[思考]:1、九課のメンバーを探しに行く。
*タチコマの光学迷彩はエネルギーを大きく消費するため、余り多用できません。
*タチコマの支給品には、食料の代わりに燃料が入っています。
*タチコマの榴弾は一機では装填不可能
*お天気ボックスは使用したエリアに四時間しか効果がありません、また晴れと雨と曇のカードしか付属していません。
*龍咲海の遺体はE-5の空き地に埋められました。
*龍咲海の剣@魔法騎士レイアース、西瓜一個@スクライド、デイパックは龍咲海の埋葬場所に放置されています。
*E-5に雨が降っています。
【E-5 1日目 黎明】
【水銀燈@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:消耗大、服の一部が破けている、フレイル型モーニングスターに吹き飛ばされている
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考]1、この状況をなんとかしたい
2、真紅達ドールを破壊し、ローザミスティカを奪う。
3、バトルロワイアルの最後の一人になり、願いを叶える。
*水銀燈のデイパックはE-5の龍咲海の埋葬場所に放置されています。
*フレイル型モーニングスターは水銀燈と共に飛翔中。吹き飛ばされ先は次の書き手さんに任せます。
*時系列順で読む
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