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アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki

Berserk

最終更新:2022年06月11日 23:34

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

Berserk ◆LXe12sNRSs



  とある辺境の世界に佇む小さな国に、首輪を着けた一人の王様がいました。
  若くして最高峰の地位に立った王は、決して首輪を外そうとはしません。否、外せないのです。
  国民は誰しもが疑問に思いました。
  ねぇ、お母さん、この国の王様は、どうして首輪をしているの?
  しっ! そんなこと二度と口にしてはいけないよ。
  王様の趣味である、魔女に呪いをかけられた、実は首を保護するための防具である。
  想像は噂を生み出し、他国へも伝わります。
  ミッドランドという国に、首輪で繋がれた王がいるらしいぞ。
  興味を持った他国の王は、その国に軍隊を送り込みます。
  首輪をした王を討ち取れば、その国が手に入る。
  首輪とは本来、拘束具の役割を持っています。そして王はそれを嵌めている。
  そんな王が治める国が、強いはずもない。他国に住む多くの王はそう考えたのです。
  しかし、首輪をした王は慌てたりはしません。
  侵略にやってきた軍勢を自らが選んだ精鋭で打ち倒し、国の平和を守ります。
  侵略行為は、何度も何度も繰り返されました。
  けれども、首輪をした王が敗北することは、一度もありませんでした。
  強い。あの王は強すぎる。首輪で繋がれた王が、なぜあれほどまでに強いのか。
  ひょっとしたら、首輪をしているからこそ強いのでは?
  なるほど。その発想はなかった。
  いつしか王の首輪は強者の証であると認定され、誰もがその強さに取り入ろうとしました。
  友好的な国はこころよく受け入れ、悪だくみをする国には制裁を与えます。
  王の統制は完璧でした。この王の下でなら、平和に日々を過ごせる。誰もがそう思いました。
  しかし、新たな敵は唐突にやってきたのです。
  その敵は国を脅かす敵のみにあらず、人類すべての敵と言えました。
  当然、皆は一致団結し、首輪で繋がれた王の下に集います。
  王は伝説の聖剣を旗印に、各国の精鋭たちを率います。
  戦は続きます。どちらかが滅び、朽ち果てるまで。
  その渦中、王は首元の輪を摩りながら、こう呟くのです。
  オレは、オレの――


 ◇ ◇ ◇


 王の名はギガゾンビ。彼は今、命を握られている!

「グ、グリフィス! な、なぜここに……」
「なぜ、だと? それは監視者である貴様が一番よく分かっていることだろう。
 原理などはオレが知るところではないが……ここにいるのは間違いなく、貴様が刺客として送り込んだ男だ。
 多くの犠牲を生んでの死、捨て駒になるよう仕向けた男が……舞い戻ってきたのさ」

 ギガゾンビが根城とする北端の城にて、前代未聞のイレギュラーが発生していた。
 一度は死に、主催側となって蘇り、そして再び前線へ送り込まれ、そして今度こそ死ぬはずだった男。
 その男が死線を乗り越え、再び反旗を翻しに来た。
 今度は謀略などというまどろっこしいやり方ではない。首筋に剣を突き立てるという、明確な攻撃行為を持っての反逆である。
 闇の書の転移、暴走の前兆、そして、鷹の来襲。
 連続した異常事態に遅れをとったギガゾンビは、今、完全に後ろを取られたのだった。
 周囲のツチダマたちも監視の仕事どころではなく、上座で行われている寸劇に息を呑んだ。

(ここで……死ぬ!? この、ギガゾンビ様が――?)

 そう、寸劇になるはずだった。
 ギガゾンビも己のピンチを自覚し、戦慄した。出しつくしたと思われた尿はまた勢いよく漏れ出し、身はツンドラのように凍りついた。
 このまま首を刈り飛ばされる。あのアンデルセンや野比のび太のように、ザンッ、ドサッ、コロコロ……と。
 誰しもがそう思った。当人であるギガゾンビも、配下のツチダマたちも。
 ――しかし、一秒、二秒と時が経過しても、剣はまだ振るわれない。

(……?)

 その場にいた全員が、息を呑んだまま疑問符を浮かべる。
 静寂が舞う空間の中で、疲労に苛まれたグリフィスの呼気のみが音を立てていた。

(なぜだ……なぜ、グリフィスは私を殺さない? この期に及んで、まだ何かを企んでいるというのか……ハッ、もしや!)

 限界の綱渡りを強いられているこの現状で、ギガゾンビはグリフィスが自分を手にかけない理由に気づいた。

(こやつの首には、まだ首輪が嵌められている。奴は、あの首輪が爆破されることを懸念しているのだ。
 ジュエルシードもどきの暴走のさなか、爆破装置が破壊されたことを知らぬのか、それともスペアがあるかもと警戒しているのかは知らんが……これはチャンスだ。
 奴がまだ首輪の爆破を恐れているというのであれば、挽回の余地はある。余地はあるぞぉ……)

 幸いなことに、冷や汗塗れの素顔は仮面に覆われていて、グリフィスには覗かれていない。
 あとは呼吸を落ち着け、毅然とした言動を心がければ、ポーカーフェイスを貫ける。冷静沈着なギガゾンビ様を演じることが可能だ。
 ここは心理戦が展開する場面。精神と精神の綱引き勝負になる。
 ギガゾンビは死の恐怖を強引に捻じ伏せ、やや上ずった声でグリフィスに反論し始める。

「ふ、ふっ……ふは、フハハハハハハハハ~! グリフィスよ、貴様、恐れているな!?
 表面上では刃を突き立てつつも、内心では血迷ったことをしたと後悔しているのだろう!?
 なにしろ貴様の首輪はまだ有効。下手に私を傷つけ、首が刎ね飛ぶのはおまえのほう――」

 発言する途中で、視界が揺れた。
 ギガゾンビが大見得切って大笑する中で、グリフィスの剣が動いたのだ。
 縦に真っ直ぐな軌跡を描いた仮面が、分断されて地に落ちる。
 奥から覗いたのは、絶句するギガゾンビの素顔。血の気が引き、真っ青になった、みすぼらしい表情だった。

(く、クールだ、KOOLになれギガゾンビ! これは脅しにすぎない! これしきのことで動じるな、飲まれるな、怖気づくな!!)

 心に念じ、ギガゾンビはすぐに強張った表情を作りなおした。
 僅かでも恐れを表情に出しては駄目だ。鉄仮面だ。ポーカーフェイスを心がけろ……何度も何度も言い聞かせ、次の言葉を探す。

「な、なるほどなるほど! ずいぶん強気に打って出るじゃないかグリフィス君。
 分かっているぞ。今のは警告、私が首輪を爆破させるより先に、その剣で首を刎ね飛ばせると言いたいのだろう?
 だが残念だったな。君に私を殺すことはできんよ。
 なぜならば、その首輪は私の心音が途絶えると同じに爆発する仕掛けになっているからさ!
 もし私を殺せば、君も含め全参加者の首輪が一斉に爆ぜることとなるだろう!
 おっと、それだけじゃないぞ!? 爆ぜるのは首輪だけじゃない――おまえらツチダマどもの身体もだ!」
「ぎ、ギガ!?」

 事態を見守っていたツチダマ群から、驚きと不安によるどよめきが湧く。
 もちろん、これらの仕掛けはすべてハッタリだ。ギガゾンビの死と首輪の爆破に、同調システムなどない。
 ツチダマの爆破に関しては、咄嗟に思いついた予防線である。
 薄情な奴らのこと、逆転した形勢を見てまたグリフィス側に寝返るとも限らない。
 だがギガゾンビの死が自分たちの死に繋がっていると知れば、安易に態度を変えたりはしないだろう。
 これらの後付設定は、命の保守と裏切りの防止、二つの意味を兼ね備えている。
 利口なグリフィスと現金なツチダマたちなら、間違いなく鵜呑みにするはずだ。
 咄嗟にこれだけのハッタリをかませるとは、さすがギガゾンビ様!――などど、心中で自分を褒め称えながら、顔面にもぎこちない笑顔を作りだしていた。

 この場に転移してから今に至るまで、グリフィスがまったく表情を変化させていないことにも気づかずに。

「さぁ、跪けグリフィス! さすれば寛大なギガゾンビ様だ、もう一度チャンスを与えてやらないことも――」
「なに勘違いしているんだ」

 機械音声のような無機質な声とともに、聖剣の煌きが三日月を描いた。
 柳が風で靡くかのような、しなやかな動作で振るわれた剣。その一瞬の薙ぎに、傍観者たちは何が起きたか理解できなかった。

(――え?)

 ギガゾンビが顔を俯けて、視線を足元に向ける。
 時の流れに取り残された瞳は、失くしものを求めるようにそれを見つめた。
 足元に、鼻が落ちている。

「ぎぃぃぃっやあああああああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!? は、はな……鼻! わ、わたしの鼻ガァァ~!」

 不意の一閃により、ギガゾンビの鼻は顔面から断裂されていた。
 やや遅れてやってきた痛みに声が荒げ、醜い悲鳴が木霊する。
 体裁を気にしている余裕などない。もはや気丈に振舞える状況ではなくなったのだ。
 目尻と唇の間から噴出する血に、卒倒しそうだった。手で押さえても、血は泉のように湧き出てくる。
 ギガゾンビは顎の先までを真紅に染め、舌全体で鉄の味を味わった。

「オレがおまえを殺せないと、本気でそう思っているのか? おまえを見逃してまでオレが死を恐れるなどと――本気でそう思っているのか?」

 グリフィスの抑揚のない声からは、まったくの覇気が感じられない。しつこい宗教勧誘をあしらうような、冷たい声調だった。
 それゆえに、奥底に潜む怒りが計り知れない。感情を出さぬ瞳の色が、やたらと濃く見える。
 この攻撃に、野心や復讐心などといった感情はないのだろう。
 グリフィスはもう、ギガゾンビを殺すことしか考えていない――そう思わせるほどに。

「お、おまえは王になりたいのだろう!? 自分の国を手に入れたいのだろう!? ならば――ヒィッ!?」

 腰を抜かし床にへたり込んだギガゾンビの手元に目がけて、エクスカリバーの剣先が振り落とされる。
 切っ先がギガゾンビの親指を捉え、弾け飛ぶ。八神太一の右手首や佐々木小次郎の左腕のように、勢いよく。
 また、耳障りな悲鳴が反響した。最高峰に位置する血塗れの玉座、周囲のツチダマによる視線、それはまるで、公開処刑のようだった。
 グリフィスは表情を変えない。ギガゾンビのもがく様を楽しむでも不快に感じるでもなく、ただ冷徹な瞳のままで、静かに観察していた。

「オレは、オレの国を手に入れる。唯一無二の、オレの国だ。偽りの王に与えられた地位などに、価値はない」

 死にたくない、死にたくない、死にたくない死にたくない死にたくない――と、ギガゾンビはかつての朝倉涼子や峰不二子のように、口には出せぬ懇願を念じ続けていた。
 観衆のツチダマたちは助けてくれない。ギガゾンビと同じように、恐怖に食われ、身を震わせていた。
 グリフィスの背後に感じる、得体の知れぬ何かに怯え、助けに入れずにいたのだ。

 そうして誰も救いに入れぬまま、またエクスカリバーが振るわれる。
 鋭利なナイフでチーズを切り分けるかのごとく、いとも簡単にギガゾンビの頭部から片耳がカットされた。
 鼻と、指と、耳と、噴血する三つの口を塞ごうとするも、二本の腕では追いつかない。
 なにをしたいのかよくわからない動きを見せ、老体が小躍りする。
 その滑稽な姿を眺めつつ、グリフィスは手首を僅かに振った。
 それだけで、握られたエクスカリバーは弧を描く。切っ先がギガゾンビの瞼に突き刺さり、くるんと回った。
 たこ焼がひっくり返るみたいに、眼球が裏返る。そして、零れ落ちる。後を追って血も零れる。
 噴血口は鼻、指、耳、眼の四つになった。痛覚は四方から脳細胞を攻め立て、また絶叫を呼び起こす。
 小鳥がやめてと囀ったところで、鷹は捕食をやめはしない。この光景は、大空の理と一緒だった。

 さて、この老人、次はどうなるだろうか?

 平賀才人のように解体されるか――
 ガッツのように額を割られるか――
 トウカのように心臓を貫かれるか――
 次元大介のように串刺しにされるか――
 君島邦彦のように喉元を射抜かれるか――
 シグナムのように足を斬り離されるか――
 キャスカのように真っ二つにされるか―― 
 アルルゥのように全身各所を刺されるか――
 八神はやてのように首の骨を折られるか――
 蒼星石のようにバラバラに破砕されるか――
 ハクオロのように首を刎ね飛ばされるか――
 ソロモンのように各部位を斬り裂かれるか――
 桜田ジュンのように腹に風穴を開けられるか――
 獅堂光のように頭部をグチャグチャにされるか――
 野原みさえやタバサのように全部グチャグチャにされるか――

 執行者であるグリフィスの瞳からは、なにも感じ取れない。
 ギガゾンビがよく口にしていた専門用語、『マーダー』というのは、こういう者のことを言うのだろう、と誰もが思った。

 公開処刑は続く。誰にも止める権限はない。度胸すらありはしない。
 逆らえば殺される恐怖空間に、怨嗟の念と悲痛な叫びが木霊し、血の臭いが蔓延する。
 酷いものだった。地獄と一言で片付けてしまうのは簡単だが、惨劇が起こるのはあの世ではない。他でもない現世のみだ。
 よく、楽しい時間はすぐに終わってしまうという。
 ならば逆に位置する苦しい時間は、どう感じるだろうか。
 これもまた逆だ。苦しければ苦しいほど、時の流れは遅く、永遠のように感じる。
 安楽など訪れはしない。現世に留まり続けるかぎり、苦痛から逃れることは不可能なのだ。
 それは、創作上の殺戮劇に感銘し、この舞台を仕立て上げたギガゾンビ自身が一番よく理解している。
 泣き喚いたところで、どうとなるわけではない。死ぬまで苦しむ。それだけだ。
 なら、いっそ死んだほうが楽になれるかもしれない。それもまた、一つの解決策といえよう。
 しかし、それにも苦痛は伴う。なにより、苦しみから逃れる代償として、生を含めたすべてを失うことになる。
 ギガゾンビに、自ら命を絶つような勇気はなかった。

「戦場に、観覧席は存在しない」

 グリフィスは頭上高く剣を振り上げ、ギガゾンビを見下ろした。

「退席しろ、ギガゾンビ」

 そして、そのまま振り下ろした。
 今度は、命を刈り取るために。


 ◇ ◇ ◇


 身体に電流が走った。
 その光景を、目の当たりにした瞬間に。
 身は竦んでいた。
 助けたい、という思いとは裏腹に。
 それでも助けたい、と思った。
 死なせるわけにはいかなかったから。
 救出を望んだ、彼だけが気づけた。
 惨劇の裏で、執行者が疲弊していることに。
 救い出せるかもしれない。
 執行者から、剣を奪うことはできなくとも。
 執行者を、殺すことはできなくとも。
 執行者を、排除することは可能かもしれない。
 だがそれは、主人への反逆になるやもしれない。
 勇気が必要だった。
 命を投げ出す勇気と、主人に逆らう勇気。
 彼は、その勇気を欲した。
 勇気は、彼の呼びかけに応えた。
 彼は、勇気を手に入れた。
 執行者の、一瞬の隙をついて。
 彼は、走り出した。
 躊躇することなく、彼だけが動けた。
 彼だけが、唯一その異質な空気に抗えた。


「退席しろ、ギガゾンビ――」
「するのはキサマだ、グリフィスッ!!!」


 ――その瞬間、惨劇の場のもっとも近くにいたツチダマ、フェムトが駆け出した。
 勢いのままに、全身を弾丸にしてグリフィスに飛びかかる。
 渾身の体当たり、そしてまさかの奇襲により、虚をつかれるグリフィス。
 真っ直ぐに振り下ろそうとしたエクスカリバーの軌道を変えるが、時すでに遅し。
 フェムトの身体はグリフィスの懐に入り込み、そのままぶつかった。
 思わぬ反撃――が、衝撃は軽い。
 グリフィスの身体は横に傾き、少し倒れるくらいに思われた。
 倒れたところで、瞬時に立て直せば問題ない。これくらいでは、反撃にもなりはしない。
 だが、フェムトにとってはその些細な衝撃だけで十分だった。
 フェムトの目的は、グリフィスを殺すことではない。ギガゾンビを救い出すことだ。
 そのためには、グリフィスの身体を少し横倒しにするだけで事足りる。
 重力の赴くままに身体が傾けば、あとはその先にある『旅の扉』がやってくれる。

「――ッ!?」

 グリフィスの凍てついていた瞳が、ギョッと見開かれる。
 身が倒れるその先に、扉の形をした異空間の入り口が開いていたからだ。
 いつの間に――答えを導き出す暇もなく、グリフィスは扉の向こうに放り込まれた。
 パタンッ、と戸が閉まり、扉はそのまま消失した。

 ――執行者だった男が姿を消し、静寂が場を包む。
 残されたのは傍観者であった数体のツチダマたちと、呻きながらこの事態に混乱するギガゾンビ、そして執行者を追い出し主を救うことに成功した、フェムトだけだった。


 ◇ ◇ ◇


「医療班! 今すぐギガゾンビ様を医務室へ搬送しろ!」
「あ、アイアイサーギガー!」
「もしギガゾンビ様の身になにかがあれば、我々の身が木っ端微塵になることを忘れるな!」
「ヒィ~! ギガガガガガ~」

 フェムトの号令により、それまで神妙にしていたツチダマたちが、慌しく活動を再開する。
 ある者は監視の任に戻り、ある者はフェムトの命令に従って、ギガゾンビの応急処置に取りかかった。

「おお……ふぇ、むと……フェム、トぉ……」
「ご安心くださいギガゾンビ様。あなたの御身を傷つける輩は、このフェムトが排除しました。もう安心です。
 怪我のほうも、23世紀が誇る最新鋭の医療器具で治療すれば、きっとよくなります。ですからご心配なさらずに……」
「グリフィスは……あの、男は……どこにいったのだぁ……?」

 すっかり恐怖に食われてしまったのか、それとも未だグリフィスの残像を映しているのか、ギガゾンビの声は震えていた。
 フェムトはそんな主の無様な姿に嘆き、憤慨し、心の底から哀れんだ。
 鼻と親指一本、右耳と左眼球の損失。人体を持たぬフェムトにも分かる。それらのパーツを失うことが、どれだけ深刻なことか。
 この損失は、この先のギガゾンビの人生においても多大なダメージと成り得る。
 支えてあげなければ、とフェムトは思った。
 ギガゾンビの命を守ることは、誰よりも親を慕う彼ができる、唯一の生き方でもあった。
 他のツチダマたちが観衆と化した中で、フェムトだけが動けたのだ。その意味はとても大きい。

「……大丈夫です。グリフィスの奴は、『絶対に戻ってこれない場所』へ放り込んでやりました。
 もうギガゾンビ様の前に姿を現すこともありません。永遠にです。
 貴重なマーダーを独断で消してしまったことは遺憾ですが、元よりあのような死にかけ、ギガゾンビ様の御命と天秤にかければ――」
「…………よい」

 フェムトの親身な思いに答えたのか、単に命を拾えた幸運に安堵しただけなのかは分からない。
 ギガゾンビは穏やかな声でそう呟き、我が子を思う親のような優しい手つきで、フェムトの頭を撫でてやった。
 フェムトにとっては、それが至上の喜びであり、なにものにも変えがたい褒美となった。

 ギガゾンビの搬送作業が終わり、治療が始まる。
 本当なら自ら治療に当たりたいフェムトだったが、彼には一つ、重要な仕事が残されていた。
 時計を見ると、時刻はもう間もなく午後六時を迎えようとしていた――第七回目の放送準備に取りかからなければならない。

「――我が声を聞く全ツチダマに告げるギガ! 緊急事態につき、次の放送はこのフェムトが執り行う!
 監視班は死亡者のリストアップと、現生存者の数をもう一度洗いなおせ! 闇の書からも目を放すな!」

 ギガゾンビがこの世界に滞在していられるのも、あと六時間ほど。もしかしたら、これが最後の放送になるやもしれない。
 バトルロワイアルの完結は、もう目前まで迫っているのだ。
 精霊王が没頭したこの一大イベント、今さら破綻させるわけにはいかない。
 フェムトはピンチヒッターとして王者の席につき、ギガゾンビが戻ってくるまで、この戦を取り仕切ることを決意した。


 グリフィスを飲み込んだ旅の扉――どこでもドアは、ただの扉ではない。
 ギガゾンビが各参加者を拉致する際に用いた、特別などこでもドアである。
 ゆえに、あの扉は参加者達の故郷――拉致した世界、そして時間と繋がっている。
 ならば、グリフィスはどこに消えたのか。


 ◇ ◇ ◇




 ……どうして終わったりなくしたりしてから、いつもそうだと気がつくんだろう。

 ……でももしやり直しができるとしたら、彼はきっと――




(ここ、は……)

 遠くで、仲間の声が聞こえる。

 自分の名を必死に叫ぶ、屈強な戦友たちの姿が見える。

 疲労で垂れ下がった腕は、まだ繋がっていた。剣もまだ握っている。

 ――グリフィス? あれは、グリフィスなのか?

 ――間違いない! だがあの姿は……?

 ――帰ってきた。あれは、俺たちのグリフィスだ!

(懐かしい……なにも、かもが。オレは……帰って、きたのか……?)

 手元には、宝剣の姿しかない。ベヘリットは、既にこの世界には存在していなかった。

 馬が迫る。蹄が草原を叩く音が聞こえる。

 馬と併走して、己の足で疾走してくる男の姿もあった。

 肩を並べ、剣の向きを揃え、憎まれた、これから憎まれるはずだった友が、駆け寄ってくる。

 ――グリフィス!!

(今、おまえに触れられたら。今、おまえに肩を掴まれたら。オレは二度と、オレは二度と……!)

 変わってしまった因果律は、もうどうにもならない。

 鷹は鷹のまま、宝剣と首輪と未知の文明、そして元の身体だけを手土産に、ここに帰ってきた。

(二度と、おまえを……………………)

 ここが、グリフィスの居場所だった。

 グリフィスの居場所は、ここにしかなかった。


 ◇ ◇ ◇


「……フィス……グリフィス…………グリフィス!」
「――ッ!」

 懐かしい呼び声を耳にして、グリフィスはハッと我に返った。
 反応して隣を向くと、そこには呆れた顔で息をつく友の姿があった。

「ったく、大将がなに呆けてやがんだ。これから戦が始まるってのによ」
「あ、ああ。すまない、ガッツ。少し……昔のことを思い出していたんだ……」

 空は快晴だった。雲ひとつない蒼穹が、やけに眩しく映った。
 天気が良好でも、これから起こることは変わらない。
 今日は戦の日。それも、全人類の存亡を懸けた、大事な決戦の日だった。
 爽風の走る草原で、鷹の軍勢が列を引いている。
 剣や斧、突撃槍やマイクロUZIで武装した、人間側の精鋭。
 いずれも勇敢な戦士たち。ともに戦場を駆け抜けてきた、勇猛なる同胞諸君だ。
 そして、背中を預けるこの男も。

「しかしなガッツ。オレは仮にも王の位につく男だぞ? それを無理やり前線に引っ張り出したのは、おまえじゃないか」
「なに言ってやがる。傭兵時代から、テメェが前線に出張ってくるのは性分みてぇなもんだったろうが」
「ああ、そうかもな……玉座に座って欠伸をするだけの人生は退屈すぎる。それに、おまえはいつだって切り込み隊長だった」
「老けたかグリフィス? まだ昔を語る歳じゃねぇだろ……それに、だ。今日の敵は、俺たちにとっても因縁の相手だからな……」

 地平線の先から、『魔』が押し寄せてくる。
 広がっていた青空が闇に侵食されていき、淀んだ空気を形成していく。
 違う未来、違う運命では、グリフィスはあちら側の住人になるはずだった。
 だが今は、今立っているこの場所は――グリフィスにとって、掛け替えのない場所だった。
 狂った因果律は人類に鷹という希望を齎し、魔の眷族を震え上がらせた。
 絶望はもうない。鷹が舞い上がるたびに、空は明るく照らされる。
 この決戦を終えた後も、きっとそうなることだろう。

「お目見えだぜ」

 魔の軍勢の先陣として降り立ったのは、身の丈5メートルはあろうかという巨大な怪物だった。
 異形の象徴ともいえる翼と角を生やし、皮膚を覆う体毛の隙間から、殺気があふれ出している。
 ただの兵士ならば、腰を抜かすような魔人の姿。
 その姿を前にしても、グリフィスとガッツの二人は怖気づくことはなかった。

「よう、久しぶりだな――不死の(ノスフェラトゥ)ゾッド」
「噂は聞いているぞ……『首輪の王』よ! 因果律を捻じ曲げ、我らの祝福から逃れた愚かな男め……」
「分かっているだろうゾット。もはやこの世界に覇王の卵は存在しない。あれはあそこに置いてきた。
 ここにいるのは、闇の翼ではない。白き鷹だ」

 数年前から自身の首に嵌ったままの輪を摩りつつ、グリフィスは笑った。
 あの二日間に渡る戦は、グリフィスに多大なる変化を齎した。
 その成果は運命すらも変え、彼に王の座を与えたのである。
 老兵や反逆者、狂愛の魔女と電光の魔女、仮初の仲間たち、切り捨てた二人の友。すべて無駄ではなかった。
 言うなれば、これはグリフィスにとって、『やり直した人生』なのである。
 グリフィスにとって、あの惨劇はただの殺し合いなどではなかった。
 運命を改変するための、儀式だったのだ。

「さぁ、戦を始めようか」

 歯車が食い違おうとも、機械はすぐに順応し、物語は展開していく。
 鷹が握る黄金の剣は、必勝の名を冠さす惨劇帰りの手土産だ。
 あの場から持ち帰った力、再び手にした対等な存在、新たな人生。
 グリフィスは、これまでにないくらい満ち足りていた。

    エクス 
「――約束された」

 首輪の王。
 世界最強の騎士王にして、異界からの生還者。
 魔に堕ちなかった鷹は再び飛翔し、そして。

 カリバー
「勝利の剣――!!」



 ――――オレは、オレの国を手に入れた。



【ギガゾンビの居城/2日目/夕方(放送直前)】
【ギガゾンビ@ドラえもん のび太の日本誕生】
[状態]:鼻、右親指、右耳、左眼球欠損
[思考・状況]
1:集中治療中。
2:最後までこのバトルロワイアルを見届ける決心。
3:逃走の準備を進めつつ、午前零時にはこの世界を脱出する。
[備考]
※23世紀の技術による治療を受けている最中です。この怪我により死亡することはありません。


【ホテルダマ(フェムト)】
[思考・状況]
1:ギガゾンビの代わりに放送を行う。
2:ギガゾンビが復帰するまで、代わりにバトルロワイアルの運営を取り仕切る。
3:ギガゾンビに絶対の忠誠。出来る限りギガゾンビの意志を尊重。
4:残りの裏切り者(ユービック)も断罪したい。



【グリフィス@ベルセルク 送還】
[残り12人]


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