アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki内検索 / 「東天の緋」で検索した結果
-
東天の緋
東天の緋 ◆79697giSSk 川岸を歩けば、対岸から姿が見えてしまう。 はやてに見つけてもらえる可能性はなくはないが、飛び道具を持っているかもしれない人間に見つかる危険を避けたほうがいい。 「……さむ」 抜き身で斧槍など担いでいたら、真っ先に警戒されるだろうと思ったが、それ以上考えなかった。 武器を持っているのは当然のこと。それを理由に信用を置けないという人間の方こそ、警戒するべき相手に違いない。 そもそも、ハルバードは既に杖となっていた。 気を失った状態で、夜の川に流されたのは最高にまずかったらしい。 加えて、満足に拭えず、いまだに湿り気を帯びた身体。 まだまだ冷たい夜明けの空気が、体を通り抜けてヴィータの骨を穴だらけにし、開いた穴から体力と体温を勝手に奪っていく。 寒くて歩いていられない。 動かすたびに関節が、錆びついているかのように神経... -
◆79697giSSk 氏
◆79697giSSk 氏 氏が手がけた作品 104 東天の緋 作品に寄せられた感想 名前 コメント -
第一回放送
...eed! Next 東天の緋 投下順で読む Back 峰不二子の憂鬱Ⅱ/君島邦彦の溜息 Next 東天の緋 -
I wish
...で読む Back 東天の緋 Next Ground Zero 投下順で読む Back 東天の緋 Next Ground Zero 98 罪悪感とノイズの交錯 石田ヤマト 121 仕事 98 罪悪感とノイズの交錯 ぶりぶりざえもん 121 仕事 98 罪悪感とノイズの交錯 長門有希 121 仕事 -
101~150
...ンビ 104 東天の緋 ◆79697giSSk ヴィータ 105 I wish ◆KpW6w58KSs 石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門有希 106 Ground Zero ◆TIZOS1Jprc 朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア、ロベルタ、バトー 107 武人の本懐 ◆lbhhgwAtQE キョン、トウカ 108 Unlucky girl ◆/1XIgPEeCM 園崎魅音 109 リスキィ・ガール ◆pKH1mSw/N6 劉鳳、朝倉涼子 110 -目的- -選択- -未来- ◆wlyXYPQOyA フェイト・T・ハラオウン、タチコマ 111 最悪をも下回る ◆q/26xrKjWg シグナム 112 くじけそうになったら涙を ◆C1.qFoQXNw ゲイン・ビジョウ、獅堂光 113 触らぬタチコマに祟り無し Flying tank ◆5VEHREaaO2 フェイト・T・ハラ... -
【魔法少女リリカルなのは】
...PQOyA 104 東天の緋 ◆79697giSSk 134 歩みの果てには ◆q/26xrKjWg 143 一人は何だか寂しいね、だから ◆lbhhgwAtQE 148 Standin by your side! ◆KpW6w58KSs 154 峰不二子の動揺 ◆pKH1mSw/N6 170 ――は貴方の/あたしの中にいる ◆q/26xrKjWg 182 白地図に赤を入れ ◆wuueI8w6Lw 191 避けてゆけぬBattlefieldこれがあたし達の全力全開 ◆2kGkudiwr6 (295) 夜の始まり、旅の始まり -Fate-きらめく涙は星に -Raising Heart-消えずに残るモノ、蘇ったモノ -Eternal Blaze- ◆2kGkudiwr6 -
第二回放送までの本編SS
【朝】 NO. タイトル 作者 登場人物 104 東天の緋 ◆79697giSSk 氏 ヴィータ 105 I wish ◆KpW6w58KSs 氏 石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門有希 106 Ground Zero ◆TIZOS1Jprc 氏 朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア、ロベルタ、バトー 107 武人の本懐 ◆lbhhgwAtQE 氏 キョン、トウカ 108 Unlucky girl ◆/1XIgPEeCM 氏 園崎魅音 109 リスキィ・ガール ◆pKH1mSw/N6 氏 劉鳳、朝倉涼子 110 -目的- -選択- -未来- ◆wlyXYPQOyA 氏 フェイト・T・ハラオウン、タチコマ 111 最悪をも下回る ◆q/26xrKjWg 氏 シグナム 112 くじけそうになったら涙を ◆C1.qFoQXNw 氏 ゲイン・ビジョウ、獅堂光 114 「永遠に(ネバー・ダイ)」 ◆... -
【ローゼンメイデン、クレヨンしんちゃん、ルパン三世、魔法少女リリカルなのは】
...哮66 悲劇104 東天の緋134 歩みの果てには143 一人は何だか寂しいね、だから148 Standin by your side!154 峰不二子の動揺170 ――は貴方の/あたしの中にいる182 白地図に赤を入れ191 避けてゆけぬBattlefield191 これがあたし達の全力全開 11 -
悲劇
... ヴィータ 104 東天の緋 23 ドラえモンアドベンチャー 漂流? 殺戮の島! ドラえもん 84 現実の定義 Virtual game 23 ドラえモンアドベンチャー 漂流? 殺戮の島! 八神太一 84 現実の定義 Virtual game -
歩みの果てには
...ね、だから 104 東天の緋 ヴィータ 143 一人は何だか寂しいね、だから -
静謐な病院
静謐な病院 ◆CFbj666Xrw 夜の闇の中、病院の一室。 少女は明かりも付けずに佇んでいた。 見つからないように、たとえ夜目の効く者が見上げても見つからない窓の陰。 青みがかる暗い闇の中、耳が痛くなる静かな夜の下。 少女は夜の闇の底に居た。 それは別段怖い事でもなんでもない。 夜天の主である少女にとって、夜は特に嫌いでも怖れるものでもなかった。 目下の問題はそんな事ではない。 (あかん、プロテクトが外れへん) 彼女の腕にあるのは夜天の書と呼ばれるマジックアイテムだ。 彼女が以前から持っていた物でもある。 それが本来の持ち主である八神はやての腕にしかと有るのは、 人の魔力中枢、リンカーコアにまで食い込み蝕むそれが体の一部と判断された為か、 それとも偶然にもランダム支給品で引き当てた為なのだろうか。 如何なる理由にせよそれは正当な... -
八神はやて
八神はやて CVは植田佳奈。参加者内では遠坂凛が同じ声優。関西弁。小学三年生。 闇の書(夜天の書)の呪縛によって身体(主に下半身)が麻痺し、本編中では車椅子での生活を余儀なくされていた。 闇の書の意志によって現れた守護騎士「ヴォルケンリッター」の面々を家族として迎え入れ、互いに深い信頼で結ばれている。 家事全般に精通し、高町なのは以上に年に相応しない達観した描写が見られた。 本編中盤にて呪縛の痛みをヴォルケンリッターの面々にも隠し通すなど、なのは以上に悩みを一人で抱え込むタイプ。 【能力】 闇の書事件の終盤にて、魔法少女として覚醒。 闇の書を「リインフォース」と名付け、デバイスとした。 本編ではそれ以後から参戦していたようである。 【本編での動向】 夜天の書を使って首輪を解析するが、未来の科学技術がないため解除は不可能。 4日後まで待てば何とか…... -
闇の書の詳細
闇の書とは 「魔法少女リリカルなのはA s」で、物語の中核をなすロストロギア(指定遺失物)として登場した融合型デバイス。 本来の名は「夜天の魔導書」で、主と共に旅をして各地の偉大な魔導師の技術を収集し 研究するために作られた収集蓄積型の巨大ストレージ。 しかし、歴代の持ち主の何人かがプログラムを改変したために破壊の力を使う「闇の書」へと変化したと思われる。 その改変により、旅をする機能が転生機能に、復元機能が無限再生機能へと変化してしまった。 これらの機能があるため闇の書の完全破壊は不可能とされる。 また、真の持ち主以外によるシステムへのアクセスを認めない。 それでも無理に外部から操作をしようとすると、持ち主を呑み込んで転生してしまうという念の入りようである。 ゆえにプログラムの停止や改変ができないので完成前の封印も不可能。転生直後は、全頁が空白にな... -
黒き王女
黒き王女 ◆2kGkudiwr6 荒廃しきった廃墟の中を、一人の女性が縫うように動く。 夜の闇は人を包み隠すには十分すぎるが……それでもこの月明かりは明るすぎる。 少なくとも、不二子はそう感じていた。 (ま、誰かいればすぐに分かる、という点では有利ね) もっとも、所詮は月明かり。隠密行動ならルパン達にさえ負けてやる気は彼女にはない。 姿を完全に隠したまま、誰にも接触せずに不二子は動く……予定だった。 何者かの気配を感じ、不二子は立ち止まる。 住宅街の中、橋の一歩手前。月夜に照らされながら妙な組み合わせの二人がいるのを見た。 (……仮装?) 不二子の第一印象は、そんなもの。彼女らしくないと言えばそうだろう。 時代錯誤な魔法少女の格好をした少女と、それに付き添う空を飛ぶ黒翼の人形。 違った意味でファンタジックだ。 そん... -
ひめられたもの(2)
ひめられたもの(2) ◆WwHdPG9VGI ■ 「だから、間違いねーってのに」 吸血鬼の超感覚、第三の目で三人を視認したセラスは凛と水銀燈にいった。 セラスが、『見よう』とすれば何百メートル先だろうと見える。 それは夜だろうと変わらない。 「待って! 今、魔法で辺り全部を索敵するから」 しかし、あくまでも凛は慎重だ。 「だからぁ、間違いなく、ホテルで一緒に戦った仲間だってば……」 セラスはため息をついた。 「でもぉ……。じゃあ、どうして木を倒したりしたのかしらぁ?」 「しらねーわよ、そんなの」 そっぽを向きつつセラスは吐き捨てた。どうにもこの水銀燈という人形はカンに障る。 「とにかく私、行くから!」 「ちょっ……」 凛が静止する間もなくセラスは駆け出していく。 気を揉んでいた仲間が無事辿り着... -
各種議論メモ
各種設定について感想スレの議論ででたことを書き留めたページです。 確定した内容はそれぞれルールのページや支給品、参加者のページなど ふさわしいページに移されていることがあります。 制限絡みでもめる事が多いので、後から同種の間違いが起こらないように 確認に使えるよう作ってみました。 目次(クリックで各項目へジャンプ) 各種設定について感想スレの議論ででたことを書き留めたページです。 目次(クリックで各項目へジャンプ) 参加者 能力 支給品、アイテム フィールドの広さについて。 マップ放置アイテム 参加者の参加時期 参加者 八神はやてとヴィータ、シグナム、一部支給品とのリンクについて →神父 アレクサンド・アンデルセンと同時系列の作品である悲劇にてヴィータの生存を確認、 よって本ロワではヴォルケンリッターの面々は八神はやてからの魔力供給がなくても 何らかの... -
第六回放送
第六回放送 ◆lbhhgwAtQE 太陽が蒼天の頂に昇る頃。 ギガゾンビは、そんな陽の明るい光の届かぬ薄暗い大広間の中央にある玉座に一人座っていた。 護衛のために傍においていたツチダマすらも今はいない。 今、彼の目の前にいるのは画面の向こうに映る運転士ダマのみ。 グリフィスの情報伝達の遅れをギガゾンビに最初に報告した、目下のところ彼が一番信用できるツチダマ。 それが、運転士ダマだった。 「――ふむ。では、今のところ奴にはおかしな兆候は見られないのだな?」 『はいギガ……。何も異常はありませんギガ……』 「ふん、ならいい。今後も奴の動きから目を離さないようにしておけよ」 『了解ギガ……』 運転士ダマは、淡々と首肯すると即座に通信を切る。 主であるギガゾンビが通信をきるよりも先に。 「……チッ。何だ、あいつは……。私より先に通信を遮断するとは... -
過去の罪は長く尾を引く
過去の罪は長く尾を引く ◆2kGkudiwr6 暗い。 そう、劉鳳は思った。 何も無い暗い空間。そこに漂っているような幻覚。 武の姿が浮かび上がる。声と共に。 ――すまねえ (何故だ。なぜ謝るんだ。 謝るのは俺のほうであるべきだ。 お前を救えなかった俺の方こそが……) 「……くん」 声は届かない。届かないまま、劉鳳は自問し続ける。 次に浮かんだのは、一匹の豚の姿だった。 ――救いのヒーロー、ぶりぶりざえもんだ ただの自己紹介。 そんな言葉でさえ、今の劉鳳には自責の念を思い起こさせる。 (俺には人を救うことなどできない。 それどころか俺には……敵を討つことさえ……) 「劉鳳君!」 「……う」 突如聞こえた声に、劉鳳の意識は現実へと引き戻された。 真っ白い... -
POLLUTION(後編)
POLLUTION(後編) ◆B0yhIEaBOI ☆ 「……おしっこ」 むくりと起き上がって、そうつぶやいた。 まわりには、みんな……ハルヒおねえちゃんと、のびお兄ちゃんと、ドラえもんと、凛おばちゃんが眠ってる。 みんなスヤスヤ眠ってるから、起こさないようにそっと部屋を出て、お手洗いまで歩く。 暗くて長い廊下が、なんだかとっても怖かった。 真っ暗で、誰かが急に出てくるかもしれない、って怖くなる。 でも……出てくるのが、おとーさんだったらいいな。 そう思うと、なんだか暗いのが怖くなくなった。 それどころか、もっともっと、ずーっと暗いところを見ていたくなった。 ぶるるっ やっぱり早くお手洗いに行かないと。 「ふぃーっ」 おしっこがすんだら、おてて... -
正義の味方Ⅲ
正義の味方Ⅲ ◆2kGkudiwr6 銃声と同時にセラスはベッドを押し倒し、急場のバリケードにしていた。 そのままベッドの陰に劉鳳とトグサごと倒れこんだものの、今の有様を思うと泣きたくなる。 状況は最悪。どうやら、のび太は劉鳳とセラスが裏切り者だと誤認したらしい。 「やめなよのび太くん、こんなことしたって……!」 「うるさい! あの二人はどう見ても僕達を裏切ってたんじゃないか!」 せめてもの救いは、まだドラえもんが冷静だったことくらいだろうか。 あいにく、顔を出してその話に割り込む気は三人は無い……というよりできない。 それをするのに問題なのは、予想以上にのび太が早撃ちと射撃を得意としていたこと。 おまけに完全な不意打ちとくれば、避けるのは相当に難しい。 そう……最初の一撃も、避けきれたわけではなかった。 「劉鳳、大丈夫か!?」... -
人形裁判 ~ 人の形弄びし少女
人形裁判 ~ 人の形弄びし少女 ◆2kGkudiwr6 ネコという動物の主な特徴についてご存知だろうか。 俊敏性に優れ体は柔軟、夜目が利き鼻も利くが、何よりも優れているのは聴覚である。 それはネコ型ロボットであるドラえもんも例外ではなかった……あくまで、なかっ「た」だ。 とある事件から彼の聴覚は普通の人間並みまで落ち、 常人の20倍の嗅覚を持つ「強力鼻」、周囲の物体を感知する3対の「レーダーひげ」も故障中。 つまり、彼の五感は普通の人間と変わりはしない。 それでも、今までドラえもんはそれで困ったことはあまりなかったのだ。 そう――今までは。 ■ 私は思わず歯を噛み締めていた。私が人間なら、確実に音を周囲に漏らしているだろうと思うほどに。 だが現実には音は出ていない。なぜなら、私は魔道書だから。 「なにしてるの! ぐずぐ... -
【魔法少女リリカルなのはシリーズ】からの出典
【魔法少女リリカルなのはシリーズ】からの出典 レイジングハート・エクセリオン [名前]レイジングハート・エクセリオン [出展]魔法少女リリカルなのはA s [声優]ドナ・バーク(Donna Burke) [性別]人じゃない・声は女性 [一人称] [二人称] [三人称] 英語なので日本語だとどうかははっきりしない。 ただ、敬語なのは確か。 [能力]四つの形態を持つ。強力な魔法を放つ際はカートリッジを消費する必要がある。最大弾数六発。 ヴォルケンリッターとの初回戦闘時の惨敗を受け、 レイジングハート自らが望んでベルカ式カートリッジシステムCVK792-Aを組み込んだ後の形態。 6連装オートマチック型カートリッジシステムを装備。(CVK792-Aの末尾のAは、Automaticの略かと思われる) 「スタンバイモード」 戦闘時以外の時はこれ。念話行使をサポー... -
神父 アレクサンド・アンデルセン
神父 アレクサンド・アンデルセン◆S8pgx99zVs 野比のび太と平賀=キートン・太一が闇夜を往こうと――心を震わせ虞を祓い、眼前に 希望を見出そうと闇の彼方を見たその時――それは其処に在った。 月光に照らされた青白い通りの真中、地面に落ちた影がそのまま伸び上がったかのような 黒い存在――人の容をした何か。 月光を跳ね返し銀に輝く眼鏡の奥の双眸に浮かぶは――怒り。 吹き荒び何人たりとて逃しはしない破壊の衝動。 彼の名は”アレクサンド・アンデルセン” 敵を死滅、敵を壊滅、敵を絶滅、敵を破滅、敵を消滅させることだけが至上の断罪者。 そのアレクサンド・アンデルセンが彼らの往く道の上に在った。 膨れ上がり、尖鋭さを増し、のた打ち回り、満たし、アンデルセンを突き動かすのは――怒り。 ”これから殺し合いをしてもらう”――確かにそう言... -
LIVE THROUGH(後編)
LIVE THROUGH(後編) ◆TIZOS1Jprc 男が剣を振り上げたその時。 なつかしい、声が聞こえた。 (――――すぐそばにあるんよ! つこうて!――――) 脇を見遣ると、夜天の書が目の前に落ちていた。 その向こうに、誰かの墓らしき盛り土が見える。 一度は死んだ眼に、涙がこみあがる。 生気と共に。 敵の剣が振り下ろされるまで、もはや幾許も無い。 フェイトは夜天の書を引っ掴むと、転がりながら叫んだ。 命を繋ぐ、言葉を。 「ユニゾン――――イン!」 電光を伴った閃光が走る。 虚を突かれて、少女を頭から両断するはずだった斬撃が空を切った。 リンカーコアが先程よりもずっと強靭に接続されていくのがわかる。 光に包まれながら、フェイトは跳び上がり右拳を突き出した。 「シュヴァルツェ・ヴィルクング!」... -
「救いのヒーロー」(後編)
「救いのヒーロー」(後編) ◆LXe12sNRSs 「早く乗れ、ヤマト!」 急停止したトラックを眼前に捉え、ぶりぶりざえもんを抱えたヤマトは最後の猛ダッシュを見せた。 一気に跳躍し、荷台に飛び移る。ヤマトが乗車したことを確認した運転手トグサはペダルを踏み、トラックを加速させた。 「……なぜだ」 荷台の上で息を切らしつつ、ぶりぶりざえもんはヤマトに問いかける。 「なぜって……お前の荷物を勝手にぶち撒けたことか? 怒るなよ、あの時は無我夢中だったんだからさ。 それに、お前のデイパックじゃなきゃあの盾は出てこなかったしな。結果オーライじゃないか」 「違う。わたしが言いたいのはそういうことではない。……なぜ、あの場でわたしを助けたのかと聞きたいんだ」 その質問に、ヤマトは戸惑いの表情を浮かべた。 ぶりぶりざえもんの顔... -
プリズムライト(後編)
プリズムライト(後編) ◆B0yhIEaBOI うっすらと目を開けると、外の光がカーテンの隙間から見えた。もう朝みたいだ。 昨晩はほとんど眠れなかった。いつもなら何処でもすぐに眠れていたのに、どうしても眠ることができなかった。 そして、眠れなかったのは僕だけではなかったようだ。 今、この病室には、僕――野比のび太の他に、3人の人がいる。 水銀燈と、劉鳳さんと、セラスさん。 劉鳳さんとセラスさんが病室に戻って来てから、僕らはほとんど何も喋らない。 なんだか、空気が張り詰めて緊張しているのが僕にも分かる。 お互いがお互いを見張っていると言うか…… これなら、ドラえもんと一緒に見張りに行けば良かったかもしれない。 どうして、みんな仲良くできないんだろう。 「もう朝みたいねぇ。で、貴方は何時まで私のこ... -
最悪の/最高の脚本
最悪の/最高の脚本 ◆lbhhgwAtQE 「真紅……」 「ヴィータ……」 見知った参加者の名前を呼ばれ、カズマ達一行の足は自然と止まる。 そして太一とドラえもんは真紅の死に際の言葉を、カズマはヴィータとともに戦った記憶を思い出す。 『こんなことになってしまったのは、きっと今まで散々逃げ回ってきたことに対する報いなのでしょうね』 『人形に死ぬということはないわ。ただ、遠くに行ってしまうだけ』 その人形は喋らなくなる最期まで、気高く美しかった。 『あたし、これ撃ったら消えっから。だから、その二人頼む』 『これが、あたし達の全力全開!!!』 あの少女は、その幼い見た目とは裏腹に覚悟を決めた者の目をしていた。 「真紅もヴィータも……死んじゃったんだな……」 「太一君……」 太一は泣きはらした顔を再びゆがめ、悲痛な表... -
用語集(た行)
用語集(た行) ダイイングメッセージ タチコマイナー チーム「主人公」 ツチダマ ツチダマ掲示板 ツンデレ 鉄槌のシェルブリット デバイス 図書館 トミー トラック組 ダイイングメッセージ 死者が死に際に遺すメッセージの事。 決してダイニングメッセージではない。 血文字であることが大半。ミステリにおいては妙に難解なメッセージが残されることは、最早定番。 アニロワにおいては、先生と朝比奈みくるの二名が遺している。 先生の場合 「生徒達を……」 →五ェ門に発見されるも、その当人もその直後に死亡。 朝比奈みくるの場合 「SOS」 →セラスに発見されるも、その意味を勘違いされる。 ……メッセージカワイソス(´・ω・) タチコマイナー タチコマにゲイナー・サンガが搭乗した状態。決してタチコマがマイナーキャラのわけではない。 元々は感想雑談スレに書... -
アーカードの動向・別ページ
開始早々、母親に『どんな病気にも効く薬』を持ち帰るためにゲームに乗ったタバサと戦闘になる。 「帰って、この『どんな病気にも効く薬』を母さまに届けなければならない。そして母さまと幸せに暮らす」 首を刎ねられ、全身を氷柱で串刺しにされるも、その不死っぷりをいかんなく発揮してジャッカルで反撃。 「首をもがれたのは、久しぶりだ。なかなかやるじゃぁないかヒューマン」 手足を打ち抜かれ、敵わじとみて逃走を図ったタバサを容赦なく撃ち落し、喰らった。 タバサと自分との戦闘を見ていたロックを次の標的と定め襲い掛かる。 だが、ただの人間と見て油断したか、ロックの話術に嵌って名前を引き出され、『転ばし屋』に 転倒させられ、怒りのままに発砲して、ロックの狙い通りに粉塵爆発を引き起こしてしまい、吹き飛ばされてしまう。 歯ごたえのる人間が多そうだと知り、アーカードは歓喜の表情... -
D-3ブリッヂの死闘
D-3ブリッヂの死闘 ◆lbhhgwAtQE 放送は死亡者の名前を淡々と伝えた。 それが、聞いた人の知り合いであれ、友であれ、かけがいのない仲間であれ、家族であれ、お構い無しに。 それは図書館へと向かっていたルパン一行の耳にも当然入ったわけで……。 「鶴屋さん……」 ハルヒは名前を呼ばれた知人の事を思い出していた。 自身の立ち上げたSOS団の名誉顧問であった彼女とは、少なからず活動を共にした仲であり、その死はあまりに身近すぎた。 「五ェ門……。銭形のとっつあん……」 ルパンは名前を呼ばれた仲間、そして敵ながらも信頼していた刑事の名前を呟いた。 二人とも自身とは大分意見の合わない人間だったが、不思議と強い信頼関係で結ばれ、幾度と無く死線を掻い潜るような仲になっていた。 そんな二人の死は多くの死を目の当たりにしている彼にとっても大きかった。 そして... -
薔薇の風
薔薇の風 ◆Bj..N9O6jQ シグナムは一人、路傍に座っていた。背後にあるのはこの状況下でも稼動しているらしい遊園地。 それだけ見ると、ここが殺し合いの場とはとても思えない。 夜天の書の防衛プログラム・ヴォルケンリッターの将である彼女は様々な世界を旅し、 蒐集を行ってきた。だが、今回ほど特異なことは初めてだ。 「どうなっている……空間転移はできず念話も不可能。 管理局は何をしている……!」 苛立ちが口からこぼれる。普段の彼女なら他人任せにせず自分で突破しようとしているだろう。 だが何より致命的だったのはまともな武器がないこと、そして主であるはやても参加していることだった。 自分のレヴァンティンさえ没収されているのだ、リインフォースをはやてが装備している可能性はほぼ有り得ないと言っていい。 更に何か妨害がされているのか、念話も... -
嘘と誤解と間違いと
嘘と誤解と間違いと ◆CSROPR1gog 2人の少年は闇の中を歩いていた。 夜空は白々と明け始めている。 だが闇は依然濃い。 夜の帳が降ろされた暗い道は少年達の勇気を削ぎ落とす。 それが頼れる大人達との死別の後ともなれば、尚更の事だった。 「みんな、死んじゃった」 少年のび太は呟く。 「しずかちゃんは殺されて。キートンさんも殺されて。 あの車椅子の女の子も。……銭形警部だって殺されてしまったんだ」 嘆く。 諦める。 絶望する。 弱音を吐く。 ……屈服する。 「結局、ギガゾンビの奴の言う通りなんだ。 ぼく達、何もできずに苦しんで死ぬんだ」 一度はギガゾンビに対して怒りを胸に刃向かおうとした。 だけど結果はこの有様だ。 のび太はバトルロワイアルにまるで歯が立たなかった。 キートンは殺されて、名も知らぬ車椅子の女の子も殺されて、銭形警部ま... -
Standin'by your side!
Standin by your side! ◆KpW6w58KSs 意外にも、瓦礫の山の捜索には大した時間がかからなかった。 本気を出せば129.3馬力というあまりにも意外な力を持つドラえもんが手伝い、 安静にしておいた方がいい、と言われつつもさり気なくヴィータも手伝ったこともあるだろうが、さて── (……運が良かった……とは言えないね。むしろ……) 現状を見据え、ドラえもんは力無くため息をついた。 捜索の影響で崩れた瓦礫のせいか、それとも何らかの衝撃で崩れたかどうかは分からないが、 太一が命を賭して守ろうとし、結果として逆に太一を助け圧死した彼女の遺体は──原型をとどめていなかった。 さっきまで、優しい表情を垣間見せていた太一の顔は固く、ヴィータは表情が見えにくいものの顔が俯いているのが分かる。 素子の遺体を最初に発... -
区域別SS表
区域別SS表 編集途中、103 第一回放送まで 以下の表の区域名をクリックするとそれぞれの場所にとびます。SSの順番は時系列順です。 ■区域別SS表 A-1 A-2 A-3 A-4 A-5 A-6 A-7 A-8 B-1 B-2 B-3 B-4 B-5 B-6 B-7 B-8 C-1 C-2 C-3 C-4 C-5 C-6 C-7 C-8 D-1 D-2 D-3 D-4 D-5 D-6 D-7 D-8 E-1 E-2 E-3 E-4 E-5 E-6 E-7 E-8 F-1 F-2 F-3 F-4 F-5 F-6 F-7 F-8 G-1 G-2 G-3 G-4 G-5 G-6 G-7 G-8 H-1 H-2 H-3 H-4 H-5 H-6 H-7 H-8 不明・その他 地図 A-1(森林地帯、高校) NO. タイトル 作者 登場人物 場所 08... -
岡島緑郎の詰合
岡島緑郎の詰合 ◆lbhhgwAtQE 「A-5って……ここらへんじゃないのか!?」 放送が告げた禁止エリア、それはまさしくロック一行が一夜を明かそうと思っていたその場所であった。 「クソッ、なんでよりにもよって……」 禁止エリアを決めているであろうギガゾンビは主催という立場上、そして今までの放送の節々から考えるに参加者達の現在地を把握しているのだろう。 首輪あたりに発信機か何かが仕込んでおけば、そのようなことは容易に出来るはずだ。 ならば、彼は自らが指定した禁止エリアに女子供が留まっていることも把握しているはずなのだ。 そして、それを把握した上でそこを禁止エリア化するというのだからあのギガゾンビという男、余程性根が曲がっているのだろう。 ロックは改めて主催者へ怒りを覚えながらも、ひとまずはここを離脱するのが先決と考え、眠るエルルゥの肩を揺さぶり起こし始めた... -
なまえをよんで Make a Little Wish(前編)
なまえをよんで Make a Little Wish(前編) ◆2kGkudiwr6 「ぁぁぁあああああああああああああ!!!」 『Blitz Action』 「くっ!」 フェイトの十八番である高速移動魔法で加速するなのはに、魔力を推進剤と化したルイズが追いすがる。 ラケーテンハンマーによる加速はまだ続いていた。 元々高機動戦を不得手とするなのはだ、このままでは追いつかれてしまう。 「これ以上は離せない……なら戦って、撃ち落とす!」 『Haken Slash』 機械音と共に、光の鎌に魔力が満ちていく。 同時に急停止したなのはは、そのままルイズへ向けバルディッシュを振り上げた。 もっとも、ルイズに止まる様子はないし止まれないし止まる気も無い。少しも怯まずにグラーフアイゼンを振りかざす。 攻撃態勢に入ったのは、お互い同じ。だが、... -
SUPER GENERATION(後編)
SUPER GENERATION(後編) ◆LXe12sNRSs ――慣れない武器に命を預けるものじゃない……強力な武器であるならなおさらのことだ。 老兵、ウォルターの忠告には、二通りの意味があった。 一つはジュエルシードという未知の力。そしてもう一つは……ツチダマというよく知りもしない人形の兵。 人心掌握はグリフィスの得意分野だった。自認もしていた。だからこそ、ツチダマを人間と同等に扱うなどという愚かなミスを働いてしまった。 いや、実際、性格を得たツチダマは人間と大差ない思考ルーチンを持っていた。 だからこそ、グリフィスの涙は多くのツチダマを惹き寄せ、一時とはいえ鷹の団にも匹敵する統率力を得たのだ。 ならば、何故。 (どうして……オレはギガゾンビに負けたのだ) ――浸かっちまったのさ……グリフィス。 泡沫の... -
所持品リスト
所持品リスト 【登場済み原作アイテム一覧】(投下スレ6スレ目137まで) アイテム 所持者もしくは位置、状態 SOS団腕章『団長』@涼宮ハルヒの憂鬱 劉鳳の遺体の側 北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱 ヴィータとともに消滅 バニーガールスーツ@涼宮ハルヒの憂鬱 F-1に放置 ドラムセット(シンバル部分を解体)@涼宮ハルヒの憂鬱 【ゲイン・ビジョウ】 クラッシュシンバルスタンドを解体したもの@涼宮ハルヒの憂鬱 【ゲイン・ビジョウ】 朝倉涼子のコンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱 【ゲイナー・サンガ】 "THE DAY OF SAGITTARIUS Ⅲ"ゲームCD@涼宮ハルヒの憂鬱 【ドラえもん】 カマンベールチーズ入りドラ焼き(残数0/10)@ドラえもん 全滅 タケコプター(故障中 残り使用時間6 25)@ドラえもん D-6のタチコマの残骸に付着 空気砲(残数2/... -
夜の始まり、旅の始まり -Fate-
夜の始まり、旅の始まり -Fate- ◆2kGkudiwr6 私は――その時にはもう、覚悟は決めていたのです。 ■ 「フェイト、あのでかいのは?」 「多分、もうそろそろ私達に追いつくころだと思います」 「相手の暴走開始が予想より遅かったのは幸運……なのかしらね。 レイジングハート、魔力を流して強引に直したばっかりだけど……やれる?」 『No problem』 夜空には、月と星の瞬き。 川には、その写し身を遮る暗黒のドーム。 そしてそれに相対するのは、二人の魔術師と、一人の女神。 「――始まる」 背中を金色の星光に、顔を破壊の光に照らしながら、凛は相手を空から見下ろした。 光を生み出すのは、漆黒の火柱。破滅の予兆が、ドームに包まれた暗黒を開放していく。 「夜天の魔道書を、闇の書と呼ばせた呪われた魔術機構―... -
避けてゆけぬBattlefield
避けてゆけぬBattlefield ◆2kGkudiwr6 目の前に広がるは廃墟。傷痕は戦いの物。まるで亡国を思い出させる無残な姿。 それから目を逸らして、魔力で兜を編み上げ自らの頭に被せる。 重装備になる分機動力は殺がれるが、この場では生き残ることこそが本義。 防御力を重視すべきだし……何より。 顔を隠せるということが、自分の下らない感傷をも隠せるような気になる。 指揮官という者に必要なことは、多少の死に動揺を見せぬ鉄面皮。 私情に流されて成すことも成せない者など上に立つべきではない。 ましてや王となれば―― 『王は人の気持ちが分からない』 ああ、その方がいいのだ。 人の気持ちが分からなければ、迷うことなく王たる債務を成すことができるのだから。 ■ 「……うわ」 周囲を見渡した太一は、思わず驚... -
請負人Ⅱ ~願う女、誓う男~
請負人Ⅱ ~願う女、誓う男~ ◆lbhhgwAtQE 殺戮の舞台に燦然とそびえ立つホテル。 それは半日に渡り参加者達の目を惹き、彼ら彼女らを集め、そして様々なドラマを生み出していった。 ……だが、そんな天の楼閣も今となっては、見るも無残に破壊しつくされ、崩壊するのも時間の問題。 そう、完全に倒壊するまであと残り時間は僅か…………。 ◆ 所々ぽっかりと穴が空く天井が軋み、壁には断続的に亀裂が走ってゆく。 そして、硝子が割れた窓や砕けて外が見える壁の穴からは、発砲や爆発のような音が時々聞こえてくる。 ――そんな状況の中、未だにホテルの一室に残っていたみさえは、思わず不安な声を出した。 「ね、ねぇ? そろそろヤバくない? このホテル、絶対にもうじき潰れると思うんだけど……」 「――心配かい? ……ま、気持ちは物凄く分かるがな」 みさえ... -
夜天舞う星と雷
夜天舞う星と雷 ◆A.IptJ40P. ◆ 最初に響いたのは、音だ。 その数は無数。全く同時ではなく、僅かなずれを孕んで響き渡る。 最初のそれはごくごく軽い、大地を足裏が叩く音。 病院を背にした黒衣の男が剣を右手に振りかぶり、滑空じみた跳躍をもって接近。 速度はさながら鷹。風と等速で迫る白刃。 「バルディッシュ!」 続くは即応したフェイトの一声。そして、その手に構えられた杖から響く三つの金属音。 コッキングカバーがスライドし一つ、リボルバーに装填されたカートリッジに撃針が叩き込まれ二つ。 斧頭が雷光を撒き散らしつつ魔力刃の基部として展開し三つ。そして、 『Haken Form』 鎌の一閃。精製された刃の先端が、聖剣の打突を辛うじて受け止めた。 (速い……!) フェイトやシグナムのような、高速戦... -
陽が昇る(後編)
陽が昇る(後編) ◆S8pgx99zVs ゲインが加わることで議論は脱出方法の方へとシフトした。 各人が無言でメモに知っている情報や推論をまとめ、それを全員で流し読みしている。 今まではそれぞれがバラバラに行動していたが、ここに来て脱出を目指す人間のほとんどが揃ったことで脱出への道は一気に加速した。 ゲインがコツコツと首輪を突き、続いてカウンターの上に並べられた技術手袋と解体された首輪を指す。 自分達が提案した、解体された首輪を元に電波妨害装置を作り首輪の機能を停止させるという案はどうかというジェスチャーだ。 対するトグサの顔はやや渋い。できると思うが……というところまでを口に出して、続けてドラえもんが書いたメモの一文を指差した。 そこには、”アルター化による首輪の分解は成功しなかった”と書かれている。 それを見て、ゲインは成る程と頷いた。そし... -
LIVE THROUGH(前編)
LIVE THROUGH(前編) ◆TIZOS1Jprc 真っ赤に染まった路地を走っている。 夕闇に沈み行く街。店仕舞いを始める露店。仕事を終え家路に向かう大人達。ねぐらに帰る鳥の群れ。 みんな、もう先に帰ってしまった。 でも、関係ない。 今からお城を見に行くんだ。 暮に染められた白亜の壁はとてもきれいで。 黄昏に浮かぶ尖塔の影はこの世のものとは思えないほどで。 いつまで眺めても、見飽きることが無い。 そして、いつも思うのだ。 いつか、あれを手に入れて見せるのだと。 自分だけのものにしたいと。 今はまだ、遠くから眺めることしか出来ない。 せめて、その渇望を忘れないために、眼に焼き付けるために、今日も高台へと向かう。 あそこからだと、お城が一番良く見えるのだ。 自分だけが知っている、秘密の場所。 大通りを抜けて、靴屋のとこ... -
遠坂凛は魔法少女に憧れない
遠坂凛は魔法少女に憧れない ◆2kGkudiwr6 ホテルの一室。遠坂家当主であり、五大元素使いの魔術師遠坂凛は。 「……つまりあんたはインテリジェントデバイスとかいう種類の杖で、意思を持つ魔術礼装。 名前はレイジングハート・エクセリオン。マスターは高町なのは。 とりあえずその子を見つけるまで私に協力する。 ……で、あんたを使って戦う時は魔法少女みたいに服を着替える必要がある」 『はい。理解していただけましたでしょうか、仮のマスター』 「理解できるわけないでしょうが!?」 手に持った杖に対してキレていた。 赤いノースリーブのドレスに赤いニーソックスに赤い長手袋、 それになぜかネコミミしっぽを生やした魔法少女の格好で。 格好的にも態度的にも学園の優等生の姿は欠片も無い。 ついでに、遠坂の魔術師としての体面もあんまりない。 「なによこれ... -
「散りゆく者への子守唄」
「散りゆく者への子守唄」 ◆LXe12sNRSs 夜の森ほど恐ろしい場所はない。 月光すら届かぬ薄暗さもそうだが、密林や秘境においては大蛇、虎などといった危険生物との遭遇も考えられる。 人の手が行き届いていない未開拓地などは特に野生生物が出没しやすく、危険度もグンと上がるのだ。 対策としては火を焚くのがベターかと思われるが、この『外敵生物が獣だけではない』環境において言えば、焚き火などという行為は、嘘をつき続ける狼少年ほど愚かな行いである。 暗闇は恐ろしいが、人の殺意というものはもっと恐ろしい。 警戒するべき最優先事項が『殺意ある参加者』である以上、夜は大人しく安眠できる場所を探すべきだろう。 夜行性動物の大半が獰猛なことを考えればお分かりとは思うが、闇夜とはハンターにとって絶好の狩場なのである。 弱い者は夜間ひたすらに身を隠し、行動しやすい... -
It is not the end. To be continued to 『Heaven's feel』 and 『Strikers』.
It is not the end. To be continued to 『Heaven s feel』 and 『Strikers』. ◆2kGkudiwr6 [Now -Will the scar on the mind remain forever?-] 「……帰ってきたんだ」 自分の家の扉の前。 最初に私が言った言葉が、それだった。 でも、言葉に感慨なんてない。気持ちはそれこそ曇天のように沈んでいた。 「どう説明すればいいのかしらね……」 歯を噛み締める。 あの子はきっと泣くだろう。 下手すれば藤村先生やイリヤまで泣くかも……いや、確実に泣く。 その覚悟ができていないから……私は、逃げている。 最初は衛宮邸に行くつもりだったのに、いつの間にか足は自分の家に向いていた。 ほんと、私は弱い。イヤになる。 いっそ無理を言ってでも連れ... -
銃撃女ラジカルレヴィさん(後編)
銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) ◆2kGkudiwr6 少しばかり、時間は遡る。 病院の周りをただ何をすることもなくカズマがうろついていた。 「……ふぅ」 太陽を見つめながら、のんびりと溜め息を吐く。そこに警戒する様子は無い。 少なくともなのはは信頼できた。それなら、その友人であるフェイトは信頼できる。 そしてそのフェイトがそこまで言うなら、凛も信頼してやる。それがカズマの結論。 実際のところ、リインフォースの説明はカズマにとって意味が無かった。 寧ろ意味があったのは、ひたすらフェイトが凛を庇ったこと。 それに、仲間の力……それは、カズマがここに来て何度も体験したもの。だから馴れ合ってやってもいい。 そう決めると途端、張り詰めていた緊張が解け、次に襲ってくるのは疲れや痛み。 もっともそれなら大人しく怪我を治してもらえばいいのだが、君... -
恋のミクル伝説(後編)
恋のミクル伝説(後編) ◆LXe12sNRSs ◇ ◇ ◇ ホテルの中腹――ここは三階か。 命からがら逃げ出したゲインは、血に塗れた腹部を押さえつつ、文字通り必死になって足を動かしていた。 単純に考えて、致命傷。死に到達するのも、そう遠くはないだろう。 だが、その前にやるべきことが残っている。 それはただ一つ。この一連の騒動に、自らの手で決着をつけること。 ここからエクソダス――いや、素直に逃走と言った方がいいか――する手段はいくらか考えている。 が、そのどれもが成功したとしても……ゲインが後々まで生き残る方法は無に等しい。 ただでさえ、外ではゲインの帰還を待ち望んでいる少女がいるのだ。 危険な殺人剣士を引き連れ、死に掛けの男を連れて逃げることになれば、彼女の足枷になることは確実。 それだけはしたくない。これは、キ... -
暁の終焉(後編)
暁の終焉(後編) ◆WwHdPG9VGI ■ トウカは沈痛な面持ちで口を開いた。 「しんのすけ殿……」 トウカの視線の先には、湯のみを投擲したままのポーズのまま息を荒くするしんのすけの姿があった。 (しんのすけ殿が、目覚める前にコトを終えられぬとは……。不覚) トウカは顔を歪めた。 (しんのすけ殿には、知らせたくなかった……) 幼い少年にはあまりにも酷な事実だ。 きっと心の傷になる。 「おねーさん……。どうして、さとちゃんを……殺そうとするの?」 少年の瞳には深い悲しみの色があった。 「しんじゃったら、あそぶことも、おしゃべりすることも、できなくなっちゃうのに……。どうして殺そうとするの!?」 目の前で喋らなくなっていったヘンゼルの姿が、しんのすけの脳裏に浮かぶ。 ――止めなくてはならない ... - @wiki全体から「東天の緋」で調べる