43話:夢中で-早く-駆け抜けてきた
唐橋圭輔とバイロンは、久木山凌河からおおよその事情を聞いた。
第一回放送で、武器屋で会った時にいた二人の名前が呼ばれたため、何があったのか凌河に訊くと、
「殺された」と凌河は力無く答えた。
誰に殺されたのかと言う問いには、バイロンが射殺した青い猫獣人の少女だと答えた。
父親には会えたのかと言う問いには、まだ会えていないと答えた。
次に、凌河が圭輔に捜し人には会えたのかと訊いたが、返ってきた返答は否定。
その後、態勢を整えた三人は島役場へと向かう。
島役場への道中、三人は目を覆いたくなるような光景に出くわす。
「……! うっ、うえっ」
「何だこりゃあ……何があったんだ」
「人間業じゃないな……どんな殺し方をしたんだ」
アスファルトが大きくひび割れ、叩き付けられたのか脳漿と血を飛び散らせて息絶えた獅子獣人の男の死体と、
塀、電柱、停車車両、家の壁、アスファルト、など、至る所に血と肉片が散乱し、挽肉より酷い状態の、
元々の性別が判別不可能なまで破壊された誰かの死体。
どちらも普通の人間や獣人が為せる業では無い。
「大丈夫か凌河」
「うぇえっ……うぇ……ハァ、ハァ、ハァ」
先刻食べた食糧が消化された物を思い切り戻してしまう凌河。
圭輔もバイロンも余りの凄惨な光景と濃密な血の臭いに気分が悪くなっていく。
辺りにはこの死者の物と思われる持物も散乱していたがとてもゆっくり拾う気にはなれなかった。
「早く行こう……」
「ああ」
「うん……ハァ、ハァ」
三人は血と肉片が飛び散った通りを避け、先へ進む事にした。
◆
深谷春那と久木山忠則は島役場を訪れ、そして無惨な死体を発見する。
銃殺されたと思しき少女の死体だった。
既に蝿が集り始めており、腐臭も僅かに漂い始めている。
「……お気の毒に」
「何か上に掛けてやろう……」
このまま野ざらしにしておくのも気が引けるため、何か遺体の上に掛ける布のような物を探す二人。
そして倉庫にあった古びたカーテンで、遺体を覆う事にした。
「誰もいないんでしょうか」
「見てみるか」
島役場の中に他に誰もいないか、二人は警戒しつつ見て回る。
二階の一室に誰かがいたような形跡はあったが、それ以外は何も無かった。
あらかた探索を終え一階へ戻ると、来訪者がいた。
「! ……圭ちゃん? 圭ちゃん!」
「春那……生きてたか」
「お父さん!?」
「おお、凌河! 会いたかった!」
春那の捜し人、唐橋圭輔、忠則の捜し人、久木山凌河と、もう一人黒い人狼。
春那と圭輔、久木山父子は再会を喜び合う。
圭輔以外は皆、感涙の涙を流していた。
もっとも圭輔は涙を流さないだけで内心はとても喜んでいたが。
そしてその感動の再会の空気の中、入り辛そうにしながらも更に二人の来訪者が訪れる。
「何か、入り辛い……」
「だな」
鈴木優衣と、レスター・コリンソン。
首輪の解除を目指す少女とその同行者であった。
◆
島役場には
殺し合いに抗う参加者七人が集った。
鈴木優衣は首輪の解析に全力を注ぎ、他は見張りをしたり情報交換をしたり自由にしていた。
凌河、忠則父子は二階の一室にて、再会の喜びの余り早速行為に及んでいた。
「ああ、うう……ん、おとう、さぁん……」
「はぁ、はぁ、凌河っ……」
四つん這いになった犬少年の突き出された尻に、大人の犬獣人のいきり立つ肉の槍が何度も出入りし、
犬少年は可愛らしい声で嬌声をあげ、興奮する。
凌河は涎を垂らし、恍惚な表情で、父親の肉槍が自分の腸壁を抉る際の狂おしい快感を味わう。
「気持ち良いよぉお父さん……もう、もうどこにも行かないでぇ……」
「凌河、もう離さない、ぞ、もう……ああ、ああ! 出すぞっ」
「おとうさん、おとうさん……! ぼくもっ、いっちゃう! いっちゃうぅうっ! でちゃうの!
あついしろいのがでちゃうぅっ!」
「ウッ、グ……!」
忠則が呻き、自分の息子の体内の奥に熱い種液をたっぷりと注ぎ込む。
それと同時に凌河も絶頂に達し身体を痙攣させ、自分のそれから熱い液を迸らせた。
「ああぁ、あ、あー……ハァハァハァ、お父さん、好きぃ……」
「愛してる、愛してるぞ凌河……」
繋がったまま、二人は熱い口付けをかわし、互いの温もりを感じ合った。
【昼/D-5島役場】
【唐橋圭輔】
【深谷春那】
【久木山忠則】
【久木山凌河】
【バイロン】
【鈴木優衣】
【以上5人生存確認】
最終更新:2012年05月28日 18:07