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Individuality is rich

52話「Individuality is rich」

「もう、夜明けか…」

すっかり明るくなった空を見上げ、トレンチコートを羽織り狩猟用狙撃銃を持った男、聖徳太子は呟く。
殺し合いが始まってから随分経ったと言う事だが、今現在何人の犠牲者が出ているのだろうか。
未だに捜索している妹子を見付けられておらず、太子の心配はますます大きくなっていく。

「だが、思って見ればこの広い会場を宛ても無く探してもなあ…。
市街地をうろついていれば見付かるかもしれないという考えは流石に甘かったか……。
まあ、あの毒妹子ならそう簡単に死ぬ事は無いだろうが…。」

はあ、と溜息を漏らす太子。
実際の所、簡単には死なないというのも、彼の希望的観測に過ぎない。
太子も妹子も普通の人間に過ぎない。死ぬ時は死んでしまうのだが。
それは太子本人も重々理解はしていたが、生きている、という希望を持たなければ何もかも嫌になってしまう気がしていた。
ともかく散々市街地を歩きいい加減疲労も溜まってきた太子はどこかで身を潜めて休息する事にした。
周囲は見た事も聞いた事も無い語句が書かれた色とりどりの看板が掲げられた店舗が密集している。
その看板の一つに書かれた文の一部を太子は読んでみる。

≪ロリっ子から熟女まで! 多種多様の獣娘が並びます! 一時間8000円~≫

「……どういう意味だろうか?」

太子には書かれている文の意味が今一つ理解出来なかったようだ。
その方が良いかもしれない。

「さてと、どの建物にしようか…」

太子は風俗店や性感マッサージと言った危険な店ばかりが建ち並ぶ裏繁華街で身を潜められそうな場所を探し始めた。



所変わって、聖徳太子がいる場所からそう遠く離れていない中規模のラブホテル。
その一室で、ベッドに座ってヘコんでいる狐獣人の少女、フラウの姿があった。
自前の学生服に身を包んではいるが、大雑把に着たのかしわくちゃである。

「……死にたい」

俯きながらフラウが発した余りにもネガティブな言葉。

「……死にたい……死にたい……誰か私を殺して……うっ、うううう……」

遂には嗚咽を漏らし始める始末。だが、無理も無い。
つい数十分程前まで、フラウはこの殺し合いの参加者の一人、同じ狐獣人の同年代の少女、伊賀榛名に弄ばれていたのだ。
ほぼゲーム開始直後からずっと。勿論、性的な意味で、である。
今フラウを苦しめているのは、同性に、しかも初めてを奪われ、散々弄ばれたという事実。
そしてとある思い人への罪悪感。そして、弄ばれていた事に対し、自分が、あられも無い声を出して快感に酔い、我を失っていた事への羞恥心。
普段、どちらかと言えば気丈な部類に入る彼女にすれば、確かに死にたくなるような出来事である。

「死にたいなんて言わないでよ~折角気持ち良い事してあげたのに」

そんなフラウに軽い口調で話し掛けるのはフラウを追い詰めた本人、伊賀榛名。
彼女もまた自分の服――通学している学校の制服を着ていた。
ニヤニヤと笑みを浮かべながらフラウの横に座る。

「それにさーフラウちゃんもよがってたじゃん。泣き叫んで涎ダラダラ垂らしてさ」
「嫌あああお願いだから言わないでえええええええ」

泣きながら榛名に縋り付くフラウ。

「うっ、ううっ、確かに、良かったよ、良かったけどさあ…やっぱり始めては大好きな人としたいじゃない。
それにさ、今でも信じられないよ。私が、まさかあんないやらしい声を上げるなんて…」
「結構そういうもんだよ~。フラウちゃんだけじゃ無いから大丈夫大丈夫」
「……」

自分の頭を「良い子良い子」とでも言うように撫でる榛名をフラウは涙目で睨むが、
どうも心の底から恨む気にはなれなかった。



「はあ、はあ、やっと街に着いたな……」

息を切らし、雑草に埋もれかかった林道から固いアスファルトへと足を踏み入れたのは須田恭也少年。
廃村にて襲撃者を撃退した後、明るくなるのを待って市街地へ歩き始めたのだ。
自動車や自転車が道の端に停められた、近代的な風景に恭也は思わず安堵する。
と同時に、遠路を歩き続けた疲労が一気に須田を襲った。

「疲れたな…どこかで休もう」

流石にこれ以上続けて行動するのは辛いと判断し、恭也はどこか身を潜められ、休めそうな建物を探す。

「…あそこにしよう」

そして適当な二階建ての民家を選び、近付いていった。
周囲を警戒しつつ、玄関の門をくぐり、そして玄関扉のノブに手を掛ける。
幸い、鍵は掛かっていなかった。
ゆっくり、扉を開けて民家の中を覗き込むが、どうやら人の気配は無いようだ。
家主には失礼だが、万が一襲撃された時すぐに逃げられるように土足で上がり込む。
家の中には様々なテレビやテーブル、タンスと言ったあらゆる家財道具や調度品が残されていた。
台所にある冷蔵庫を開けてみると、中には食糧がそのまま残っていた。

(この家の人、いや、この街の人、どこに行ったんだろ……まあいいか)

家の中を探し回り、救急箱を発見した恭也は右腕上腕の切り傷を不慣れな手つきで応急処置を施す。
消毒液を振り掛けた時、傷口に染みる痛みに恭也が顔を歪める。

「いっ、てぇ…」

痛みに耐えながら、ガーゼを傷口に押し当て包帯を巻き付け、処置を終える。
廃村で襲い掛かって来た狼少年による身体中の痛みもあったがこれはどうしようも無いので放っておくしか無かった。
人心地着いた恭也は和室に移動し、デイパックと装備しているチップカットソーを卓袱台の上に置き、
座布団を枕にして横になった。

「何かもう……本当に疲れた……」



【一日目/早朝/E-2市街地裏繁華街】

【聖徳太子@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】
[状態]:肉体的疲労(小)、烏帽子無し
[装備]:狩猟用狙撃銃@SIREN(4/5)、トレンチコート
[所持品]:基本支給品一式、7.62㎜×51㎜弾(30)
[思考・行動]:
0:このゲームを滅茶苦茶にしてやる!
1:どこかで休むとするか…。
2:妹子はどこにいるんだ?
3:レオーネに注意。
[備考]:
※単行本第九巻第168幕「聖徳太子の持っている木の棒」より後からの参戦です。
※レオーネを危険人物と判断しました。


【一日目/早朝/E-2市街地裏繁華街ラブホテル】

【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:肉体的、精神的疲労(大)
[装備]:無し
[所持品]:無し
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。
1:これからどうしよう…とりあえず伊賀さんと行動…かな?
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※服を着ました。
※フラウの所持品は伊賀榛名が預かっています。

【伊賀榛名@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[所持品]:無し
[思考・行動]:
0:殺し合いはするつもりは無い。但し襲われたら対処。
1:これからどうしようかな。まあともかくフラウちゃんは手離さないけど。
2:千穂ちゃんやアヤちーは何してるな。
[備考]:
※所持品は部屋の中に放置されています。
※服を着ました。


【一日目/早朝/F-1市街地民家一階和室】

【須田恭也@SIREN】
[状態]:肉体的疲労(中)、身体中にダメージ(大)、右上腕に切り傷(応急処置済)
[装備]:チップカットソー@自作キャラでバトルロワイアル(バッテリー残量:89%)
[所持品]:基本支給品一式(ランタン破損、放棄)、流血@浦安鉄筋家族(200粒入り)
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。脱出手段を探す。そのためにも仲間が欲しい。
1:疲れた…とにかく今は休もう…。
[備考]:
※初日0:00にサイレンを聞き、駐在警官に撃たれ川に転落し、
意識を失った直後からの参戦です。 従って幻視能力は目覚めていません。
※ランタンを破損、放棄しました。




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最終更新:2010年02月20日 17:14
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