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anko2276 ~都会のゆっくりとその顛末~「街れみりゃ親子」
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~都会のゆっくりとその顛末~「街れみりゃ親子」 12KB
観察 不運 自業自得 日常模様 駆除 子ゆ 捕食種 都会 現代 独自設定 最近れみりゃモノを見かけないように感じます
~都会のゆっくりとその顛末~「街れみりゃ親子」
羽付きあき
・れみりゃが登場します
・設定がはっきりしない部分は通常のゆっくりと設定を重ねてありますご注意を
・独自設定注意
X月X日 PM 7:22 通りにて
夏も終わりに向かい、朝や夕方には夏が終わったと否応にも感じさせる涼しいとも冷たいともとれる風が吹く季節。
私はシャッターの多く締まった通りを歩いていた。
夕方ともなれば、当然だろう。
元々そんなにひと通りの多い所とは言えないこの場所は、ゆっくりにとっては結構住みやすい場所だったりする。
近くには大きな池のある公園があるし、雨風をしのげる場所も「おうち」を作る材料も事足りるこの場所は、夕方近くにもなれば多くのゆっくりが蠢きだすのだ。
本来ゆっくりとは日が高く上った頃に活動を開始し、日没とともに「おうち」に戻る習性を持つ。
だが、街ゆっくりでは場所によってそのサイクルが大きく違うのだ。厳密にいえば「街ゆっくり」と言うゆっくりの亜種が、僅かな環境によって様々な亜種に枝分かれしていると言ってもいいだろう。
この場所もそう言った街ゆっくりのいる場所である。
例えば、夜はれみりゃやふらん等が飛来し、「おうち」に日没までに戻りきれなかったゆっくりを捕まえるのが普通だが、街という環境がそれを変えてしまった。
そう、ここは(ゆっくりにとっては)大きく入り組んだ一種の迷路なのである。
例えばある一体のゆっくりを追っていくと、そこには大量のゆっくりが待ち構えていたり、路地に迷ったまま右往左往した揚句に地域ゆっくりに取り押さえられると言った事もある。
それならばその飛行能力を使って街ではなく近くの林等でゆっくりを捕まえた方が早いし、「おうち」に運んで僅かな食糧を与えて餡子を増やして長く吸った方が得なのである。
ゆっくりも街に居る様に、れみりゃもまた街にいる。
いわゆる「街れみりゃ」と言う物が存在する。
「街れみりゃ」の多くは捨てゆっくりである。
さくや種やふらん種と抱き合わせでついてきたれみりゃがあまりにも手に余るので捨てられると言った事が多いのだ。
確かにれみりゃ種、それに胴付きにもなると、胴付きゆっくりとは思えないほど手間がかかると言われている。
本来はそれを抑える為にさくや種等とセットでいる事が多かったのだが、現在では全くハケないれみりゃ種をいわば厄介払いの様にくっつけて押し付けているだけと言う事が非常に多い。
もちろん金バッジのれみりゃもいるし、中にはプラチナバッジのれみりゃも多いが、上と下で落差が激しいのがれみりゃ種の特徴である。
地域ゆっくりの中にも胴付きれみりゃが確認されている。往々にして地域れみりゃ達は、飼いゆっくりの警護や通常のゆっくりに出来ないような細かい作業などを担当している。
そこには捕食種として恐れられると言った事も無く、また捕食種だからと言って通常種をそう言った目で見る事も無いと言う一風変わった光景を私も目にした事がある。
さて、街灯がぽつぽつとともりだしたその下に、何やらもそもそと動く二つの影があった。
私が遠くから眺めていると、それがれみりゃである事がわかった。
街れみりゃ・・・それは一体如何様なものなのか?私の興味は尽きない・・・
PM 7:43 街れみりゃ親子
「う~☆まんま~、れみりゃ、くっきーをみつけたんだど~!」
・・・通常より二回りほど小さい胴付きれみりゃがドタドタとした足取りで親れみりゃであろうれみりゃに向かっている。
クッキーと言っても殆どカスと言っても差し支えのない欠片で、子れみりゃですら片手で持てるほどの量だ。
それを大事そうに両手で持って、笑顔で走り回る様子を見て、大体の事情を察知する事が出来た。
「おちびちゃんすごいど!・・・ままはぷっでぃ~んをみつけたんだど~!」
親れみりゃは腐りかけていた容器四分の一程残っていたプリンを両手で抱えながら、子れみりゃに見せていた。
「う~!まんま~、すごいんだど!かりすまあふるでなーなんだど!」
恐らくまともな食糧にありつけたのは久しぶりなのだろう。ドタドタとした動きで小踊りを踊って喜んでいる様に見える。
「これだけあつまったらでなーにもこまらないんだど!ままはくっきーをたべるからおちびちゃんはぷっでぃ~んをたべるんだど!」
「わかったど~☆」
その場にぺたりと座りこんで口に食べかすを大量に付けながらもプリンを啜り、クッキーを貪るれみりゃ親子。
風貌はボロボロその物で、薄汚く所々茶色いシミの付いた帽子や生ごみの様な異臭が結構離れた場所からでも微かに匂うぐらいにくさい。
食料の量は元々すくなかったからだろうか?すぐに食べ終えるとれみりゃが立ち上がり子れみりゃに向けてこう言った。
「じゃあ、こーまかんにかえるんだど!」
「わかったど~!」
・・・そして路地裏へとモタモタとした足取りで歩いて行くれみりゃ親子。
私は違和感を感じた。れみりゃ種とは思えない程の行動の違和感さに
通常れみりゃは飛んで移動する。胴付きれみりゃとてその例外ではない。小回りが利く様に目標近くに降り立って歩いて移動するのだ。
だがこのれみりゃ達は常に歩いていた。それにゆっくりを捕まえるわけでなく、街ゆっくりと同じように餌場を徘徊して「狩り」をしていた。
そして最後は「しょくごのだんす」を踊らなかった事にある。
れみりゃ種は空を飛ぶため、食後は出来るだけ体を動かし、うんうんを早く排出して身を軽くしておく必要があるのだ。
その為に「おどり」である。しかしそれもしなかった。
以上の事から考えられる事は一つ。街れみりゃは飛べないのでなく飛ばないのである。
れみりゃがゆっくりを捕食するのは、常にエネルギーのあるゆっくりの餡子を取らなければならないほど飛行にエネルギーを使うからである。
しかし街では空を飛んでも大したメリットがなく、消耗も激しい、なので街ゆっくりの様なスタイルに落ち付いてしまうのであろう。
路地裏を覗けばそこには雑多なガラクタが置かれているその中に、ボロボロのダンボール箱に古タオルをしいただけの「こーまかん」(おうち)とも呼べぬ粗末な代物があった。
そこには寄り添うように眠っているれみりゃ親子の姿を見て取れることが出来た。
涼しさを感じさせる秋の風が街に吹いているのを感じる。
私はバッグの中から、砂糖菓子を片手一杯に掴むと、れみりゃ親子のダンボール箱の前に置く。
・・・懸命に生きるれみりゃ親子に敬意を評して。
そして振り返ると、その場を後にした。
れみりゃ親子を再び私が見つけるたのは、その二日後である。
二日後 PM13:26 破壊の跡に
あれから二日が経った。今日、私がれみりゃ親子の「こーまかん」とやらを見に行った時、既にれみりゃ親子の姿は無かった。
ダンボール箱ごと消えていたのだ。
一体どこへ行ったのだろうか・・・そう考えつつも近くの公園を通りかかると、以外にもそこで見つける事が出来た。
「・・・!!」
私はれみりゃ親子を見て絶句した。厳密にいえばその周りにいる数人の人間たちと、その状況にだ。
ダンボール箱がグシャグシャに踏みにじられていた。
そしてその中央には、たがいに身を寄せ合ってカタカタと震えるれみりゃ親子の姿。
「ご、ごわいど・・・ざぐやぁぁ・・・」
「だいじょうぶだど・・・!おちびちゃんはれみりゃがまもるんだど・・・!」
「しゃがみガード」を取る子れみりゃを守る様にれみりゃが両手を大きく上げて威嚇を取る。
「が~お~!た~べ~ちゃ~う~ぞ~!」
そんな言葉とは裏腹に、足がカタカタと震えていた。肉汁の汗が下膨れの顔全体にダラダラと流れている。
一人の男がその言葉を聞いた途端に拳を握りしめて震え始めた。
あれは笑っているのではない。怒っているのだ。少なくとも私にはそう見える。
私がそう考えた刹那、男がれみりゃを蹴りあげた。
ドコッっと言う音が結構離れたここからでも聞こえたのだ。
「っぶげぇ!」
れみりゃが吹っ飛んだ。
地面にぐしゃりと落ちた後は、小麦粉の体の中心部・・・つまり腹を押さえてバタバタと手足をもんどりうたせ、体を「く」の字にまげてもがき苦しんでいた。
「っげぇ”ぇ”え”え”!う”げ”っ”!あぐっ・・・!いだいどぉぉ・・・!」
男がれみりゃの右足を片手で握った。そのまま勢いよく降りあげると地面に叩きつける。
「ゴッ」とも「ゴツッ」とも聞こえる音が聞こえた。
もう一度持ち上げられた時には、砂糖細工の歯が衝撃でヘシ折れ、口腔に突き刺さったのかジューシーな肉汁と餡がダラダラと口の端から流れ出ている。
「・・・!!!・・・!!・・・!」
口をパクパクとさせながら、肉汁の涙と涎をまき散らし、手足をバタつかせていたれみりゃであったが、男はその手を決して緩めない。
今度は手を離して舌に叩き付けた。
再び「ゴッ!」と言う音が響く。その直後に、れみりゃが叫び声を上げた。
「あぎゃあ”あ”あ”あ”!!でびりゃの!でびりゃのぶりぢーなおででがっ!いだいどおおおおおお!ぐっ!ぎぃぃいいいいいいい!!」
小麦粉の右手から地面に落ちたのだろう。小麦粉の皮一枚で右手がぶら下がっている状態になってしまっている。
手足をばたつかせてのた打ち回るれみりゃに男の足がのしかかった。・・・厳密に言えば「踏み蹴られた」のだ。
「ぐぇ”え”え”っ!!げぼっ!ごぼっ!いだいどお”お”お”お”!!あ”ぐぁ”あ”あ”あ”!!でびりゃのぶりぢーなあんよがあああ!」
一撃目は小麦粉の体の中心部に入った。ゴボリとジューシーな餡が口から勢いよく吐き出され、もがき苦しんだその直後にもう一撃。
今度はれみりゃの小麦粉の両足を完全に押しつぶしたのだ。歪な方向に足が曲がってしまっている。
「・・・何が"ぶりぢー"だ!」
男が初めて口を開いた。何度も何度も何かを叫びながら、れみりゃの下膨れの顔を踏みつける。
「よくも!俺の!ゆっくりを!この!この!」
「あぐぇぇっ!じ、じらないどっぐげっ!でびりゃはゆっぐりはぁぶぅっ!!でびゃっ!」
どうやらあの男の飼いゆっくりがれみりゃか何かに襲われてゆっくりできなくなったようだ。
その正体をれみりゃ親子と勘違いしているのだろうか?
・・・違うと私は確信できる。あのれみりゃ親子にそんな事が出来るはずがない。
違うと飛び出して止めればよかった。だが私はそれが出来なかった。確かな裏付けがないと言うのもあるが、もっと別な所に理由があるのだろう。
男が足の動きを止めた頃には、うつ伏せになってピクピクと僅かに手足を動かすだけとなったれみりゃの姿があった。
今度は別の男が「しゃがみガード」をしている子れみりゃの砂糖細工の髪の毛を引っ掴んで持ち上げる。
「ごわいどおおおお!ざぐやあああああ!ばなじでぼじいんだどおおおおおお!いだいっ!いだいどおおおおお!」
クネクネと手足を動かすが一向に効果はない。男は先ほどれみりゃを踏みつけていた方の男の方を向くと、話し始める。
「こいつはどうするんだ?」
「・・・子ゆっくりだってやられたんだ!この糞れみりゃもやらないと気がすまねぇ!」
「じゃあ、どうする?ゆ叩き棒ならあるぞ」
「とりあえずそいつを離せ」
手から子れみりゃが離れた。腰が砕け、涙目になってカタカタと震える子れみりゃが、腰砕けになってバタバタと背をむいて親れみりゃの方へと向かった。
「まんまぁ~!にげるんだど・・・!う~・・・!う~っ!」
ピクピクと震えるだけの親れみりゃを引っ張りながら逃げようとする子れみりゃ、当然スピードはかなり遅い。
男たちがゆ叩き棒を振るい始める。
子れみりゃの真上に振り下ろされたゆ叩き棒がめり込んだ。
子れみりゃがもんどりうってうつ伏せに倒れると、頭を押さえて手足をバタバタと投げ出しながらもがき苦しみ始める。
「あ”ぎぇ”え”え”え”っ!!いだいどおおおお!!」
それからは、あまりにも単純過ぎた。
男たちがゆ叩き棒で子れみりゃの小麦粉の体といわず小麦粉の頭と言わずに滅多撃ちにし始めたのだ。
「でびりゃのおででがっぐぇぉっ!?あぐううう!!かはっ!うげっ!うげえええええ!!あびっ!ま”ん”ま”あ”あ”あ”あ”!!だずげでえええおぼっ!!」
小麦粉の手足が明後日の方向に向いた、下膨れの顔が中の餡が不規則に移動して腫れあがり始める。
ゆ叩き棒で打ちすえられるたびに餡がビチャリと飛び散った。
やがてがっくりと項垂れると、僅かに体をよじるだけで全く動かなくなってしまった。
・・・男たちは不満足な様子で引き上げていったようだ。
通常種ならとっくに潰れ饅頭になってしまっているだろう。
しかしれみりゃには回復力が極端に高いと言う特性がある。
子れみりゃがボコボコに腫らした下膨れの顔を上げながら、ずりずりとナメクジが這うようにれみりゃの所へ這って行った。
「まんまぁ~・・・!まんまぁ~・・・!」
「あぐっ・・・!でびりゃ・・・は・・・だいじょう・・・ぶ・・・だ・・・ど・・・がはっ!げぼっ!」
ボロボロになったれみりゃ親子が互いに心配しあいながら公園の端へと移動を始めた。
速度はかなり遅い
「どにが・・・ぐ・・・ごーまが・・・ん・・・をざがざない・・・ど・・・!も・・・う・・・あぎ・・・なんだ・・・ど・・・!」
「まんまぁぁ・・・!むりしちゃだべだどぉぉ・・・!」
「でびりゃ・・・はべいぎ・・・だど・・・!うぐっ・・・!」
そのまま草むらの陰へと消えていくれみりゃ親子を見届けると、私は公園を去った。
いかに回復力が高かろうとも、"おうち"を失い、食料すらままならぬ状況ではどうしようも無いだろう。
れみりゃ親子の張った後には、ナメクジの様にジューシーな肉汁が線の様につついていた・・・
二日後 AM 9:34 ある道端
あれから再び、二日が経った。
公園周辺を歩いている私の目に映ったのは、道端でボロタオルを握りしめたままうつ伏せに突っ伏して動かなくなっているれみりゃ種らしきゆっくりである。
ボロボロの風貌で、帽子すらなかった。
地域ゆっくりに追われたのか、背中や頭に木の枝が刺さっている。
このれみりゃはいつかみたれみりゃ親子の親れみりゃなのだろうか?
子れみりゃらしき姿は見えない。
逃げおおせたのか、はぐれたのか・・・それとも先に動かぬ饅頭となったのかは定かではない。
ボロタオルが風でめくれると、そこにはもう一つのれみりゃ種の帽子があった。
ボロタオルに隠れた手で、しっかりと握りしめていたのだ。
・・・遥か遠く、ベンチの向こうでは、街れみりゃらしきゆっくりが前に空き缶を置いて、くねくねと動いていた。
「れみ☆りゃ☆う~☆」
街れみりゃの数は、そんなには多くは無い。
しかし、山野にも行けず、街でしか生きる事の出来ないれみりゃと言うのは本当に環境に適応したと言えるのだろうか?
疑問に尽きない。
私の遥か遠くで、地域ゆっくり達の怒号が聞こえた。
微かに漏れる様に聞こえたのは、街れみりゃの悲鳴だったのかもしれない。
観察 不運 自業自得 日常模様 駆除 子ゆ 捕食種 都会 現代 独自設定 最近れみりゃモノを見かけないように感じます
~都会のゆっくりとその顛末~「街れみりゃ親子」
羽付きあき
・れみりゃが登場します
・設定がはっきりしない部分は通常のゆっくりと設定を重ねてありますご注意を
・独自設定注意
X月X日 PM 7:22 通りにて
夏も終わりに向かい、朝や夕方には夏が終わったと否応にも感じさせる涼しいとも冷たいともとれる風が吹く季節。
私はシャッターの多く締まった通りを歩いていた。
夕方ともなれば、当然だろう。
元々そんなにひと通りの多い所とは言えないこの場所は、ゆっくりにとっては結構住みやすい場所だったりする。
近くには大きな池のある公園があるし、雨風をしのげる場所も「おうち」を作る材料も事足りるこの場所は、夕方近くにもなれば多くのゆっくりが蠢きだすのだ。
本来ゆっくりとは日が高く上った頃に活動を開始し、日没とともに「おうち」に戻る習性を持つ。
だが、街ゆっくりでは場所によってそのサイクルが大きく違うのだ。厳密にいえば「街ゆっくり」と言うゆっくりの亜種が、僅かな環境によって様々な亜種に枝分かれしていると言ってもいいだろう。
この場所もそう言った街ゆっくりのいる場所である。
例えば、夜はれみりゃやふらん等が飛来し、「おうち」に日没までに戻りきれなかったゆっくりを捕まえるのが普通だが、街という環境がそれを変えてしまった。
そう、ここは(ゆっくりにとっては)大きく入り組んだ一種の迷路なのである。
例えばある一体のゆっくりを追っていくと、そこには大量のゆっくりが待ち構えていたり、路地に迷ったまま右往左往した揚句に地域ゆっくりに取り押さえられると言った事もある。
それならばその飛行能力を使って街ではなく近くの林等でゆっくりを捕まえた方が早いし、「おうち」に運んで僅かな食糧を与えて餡子を増やして長く吸った方が得なのである。
ゆっくりも街に居る様に、れみりゃもまた街にいる。
いわゆる「街れみりゃ」と言う物が存在する。
「街れみりゃ」の多くは捨てゆっくりである。
さくや種やふらん種と抱き合わせでついてきたれみりゃがあまりにも手に余るので捨てられると言った事が多いのだ。
確かにれみりゃ種、それに胴付きにもなると、胴付きゆっくりとは思えないほど手間がかかると言われている。
本来はそれを抑える為にさくや種等とセットでいる事が多かったのだが、現在では全くハケないれみりゃ種をいわば厄介払いの様にくっつけて押し付けているだけと言う事が非常に多い。
もちろん金バッジのれみりゃもいるし、中にはプラチナバッジのれみりゃも多いが、上と下で落差が激しいのがれみりゃ種の特徴である。
地域ゆっくりの中にも胴付きれみりゃが確認されている。往々にして地域れみりゃ達は、飼いゆっくりの警護や通常のゆっくりに出来ないような細かい作業などを担当している。
そこには捕食種として恐れられると言った事も無く、また捕食種だからと言って通常種をそう言った目で見る事も無いと言う一風変わった光景を私も目にした事がある。
さて、街灯がぽつぽつとともりだしたその下に、何やらもそもそと動く二つの影があった。
私が遠くから眺めていると、それがれみりゃである事がわかった。
街れみりゃ・・・それは一体如何様なものなのか?私の興味は尽きない・・・
PM 7:43 街れみりゃ親子
「う~☆まんま~、れみりゃ、くっきーをみつけたんだど~!」
・・・通常より二回りほど小さい胴付きれみりゃがドタドタとした足取りで親れみりゃであろうれみりゃに向かっている。
クッキーと言っても殆どカスと言っても差し支えのない欠片で、子れみりゃですら片手で持てるほどの量だ。
それを大事そうに両手で持って、笑顔で走り回る様子を見て、大体の事情を察知する事が出来た。
「おちびちゃんすごいど!・・・ままはぷっでぃ~んをみつけたんだど~!」
親れみりゃは腐りかけていた容器四分の一程残っていたプリンを両手で抱えながら、子れみりゃに見せていた。
「う~!まんま~、すごいんだど!かりすまあふるでなーなんだど!」
恐らくまともな食糧にありつけたのは久しぶりなのだろう。ドタドタとした動きで小踊りを踊って喜んでいる様に見える。
「これだけあつまったらでなーにもこまらないんだど!ままはくっきーをたべるからおちびちゃんはぷっでぃ~んをたべるんだど!」
「わかったど~☆」
その場にぺたりと座りこんで口に食べかすを大量に付けながらもプリンを啜り、クッキーを貪るれみりゃ親子。
風貌はボロボロその物で、薄汚く所々茶色いシミの付いた帽子や生ごみの様な異臭が結構離れた場所からでも微かに匂うぐらいにくさい。
食料の量は元々すくなかったからだろうか?すぐに食べ終えるとれみりゃが立ち上がり子れみりゃに向けてこう言った。
「じゃあ、こーまかんにかえるんだど!」
「わかったど~!」
・・・そして路地裏へとモタモタとした足取りで歩いて行くれみりゃ親子。
私は違和感を感じた。れみりゃ種とは思えない程の行動の違和感さに
通常れみりゃは飛んで移動する。胴付きれみりゃとてその例外ではない。小回りが利く様に目標近くに降り立って歩いて移動するのだ。
だがこのれみりゃ達は常に歩いていた。それにゆっくりを捕まえるわけでなく、街ゆっくりと同じように餌場を徘徊して「狩り」をしていた。
そして最後は「しょくごのだんす」を踊らなかった事にある。
れみりゃ種は空を飛ぶため、食後は出来るだけ体を動かし、うんうんを早く排出して身を軽くしておく必要があるのだ。
その為に「おどり」である。しかしそれもしなかった。
以上の事から考えられる事は一つ。街れみりゃは飛べないのでなく飛ばないのである。
れみりゃがゆっくりを捕食するのは、常にエネルギーのあるゆっくりの餡子を取らなければならないほど飛行にエネルギーを使うからである。
しかし街では空を飛んでも大したメリットがなく、消耗も激しい、なので街ゆっくりの様なスタイルに落ち付いてしまうのであろう。
路地裏を覗けばそこには雑多なガラクタが置かれているその中に、ボロボロのダンボール箱に古タオルをしいただけの「こーまかん」(おうち)とも呼べぬ粗末な代物があった。
そこには寄り添うように眠っているれみりゃ親子の姿を見て取れることが出来た。
涼しさを感じさせる秋の風が街に吹いているのを感じる。
私はバッグの中から、砂糖菓子を片手一杯に掴むと、れみりゃ親子のダンボール箱の前に置く。
・・・懸命に生きるれみりゃ親子に敬意を評して。
そして振り返ると、その場を後にした。
れみりゃ親子を再び私が見つけるたのは、その二日後である。
二日後 PM13:26 破壊の跡に
あれから二日が経った。今日、私がれみりゃ親子の「こーまかん」とやらを見に行った時、既にれみりゃ親子の姿は無かった。
ダンボール箱ごと消えていたのだ。
一体どこへ行ったのだろうか・・・そう考えつつも近くの公園を通りかかると、以外にもそこで見つける事が出来た。
「・・・!!」
私はれみりゃ親子を見て絶句した。厳密にいえばその周りにいる数人の人間たちと、その状況にだ。
ダンボール箱がグシャグシャに踏みにじられていた。
そしてその中央には、たがいに身を寄せ合ってカタカタと震えるれみりゃ親子の姿。
「ご、ごわいど・・・ざぐやぁぁ・・・」
「だいじょうぶだど・・・!おちびちゃんはれみりゃがまもるんだど・・・!」
「しゃがみガード」を取る子れみりゃを守る様にれみりゃが両手を大きく上げて威嚇を取る。
「が~お~!た~べ~ちゃ~う~ぞ~!」
そんな言葉とは裏腹に、足がカタカタと震えていた。肉汁の汗が下膨れの顔全体にダラダラと流れている。
一人の男がその言葉を聞いた途端に拳を握りしめて震え始めた。
あれは笑っているのではない。怒っているのだ。少なくとも私にはそう見える。
私がそう考えた刹那、男がれみりゃを蹴りあげた。
ドコッっと言う音が結構離れたここからでも聞こえたのだ。
「っぶげぇ!」
れみりゃが吹っ飛んだ。
地面にぐしゃりと落ちた後は、小麦粉の体の中心部・・・つまり腹を押さえてバタバタと手足をもんどりうたせ、体を「く」の字にまげてもがき苦しんでいた。
「っげぇ”ぇ”え”え”!う”げ”っ”!あぐっ・・・!いだいどぉぉ・・・!」
男がれみりゃの右足を片手で握った。そのまま勢いよく降りあげると地面に叩きつける。
「ゴッ」とも「ゴツッ」とも聞こえる音が聞こえた。
もう一度持ち上げられた時には、砂糖細工の歯が衝撃でヘシ折れ、口腔に突き刺さったのかジューシーな肉汁と餡がダラダラと口の端から流れ出ている。
「・・・!!!・・・!!・・・!」
口をパクパクとさせながら、肉汁の涙と涎をまき散らし、手足をバタつかせていたれみりゃであったが、男はその手を決して緩めない。
今度は手を離して舌に叩き付けた。
再び「ゴッ!」と言う音が響く。その直後に、れみりゃが叫び声を上げた。
「あぎゃあ”あ”あ”あ”!!でびりゃの!でびりゃのぶりぢーなおででがっ!いだいどおおおおおお!ぐっ!ぎぃぃいいいいいいい!!」
小麦粉の右手から地面に落ちたのだろう。小麦粉の皮一枚で右手がぶら下がっている状態になってしまっている。
手足をばたつかせてのた打ち回るれみりゃに男の足がのしかかった。・・・厳密に言えば「踏み蹴られた」のだ。
「ぐぇ”え”え”っ!!げぼっ!ごぼっ!いだいどお”お”お”お”!!あ”ぐぁ”あ”あ”あ”!!でびりゃのぶりぢーなあんよがあああ!」
一撃目は小麦粉の体の中心部に入った。ゴボリとジューシーな餡が口から勢いよく吐き出され、もがき苦しんだその直後にもう一撃。
今度はれみりゃの小麦粉の両足を完全に押しつぶしたのだ。歪な方向に足が曲がってしまっている。
「・・・何が"ぶりぢー"だ!」
男が初めて口を開いた。何度も何度も何かを叫びながら、れみりゃの下膨れの顔を踏みつける。
「よくも!俺の!ゆっくりを!この!この!」
「あぐぇぇっ!じ、じらないどっぐげっ!でびりゃはゆっぐりはぁぶぅっ!!でびゃっ!」
どうやらあの男の飼いゆっくりがれみりゃか何かに襲われてゆっくりできなくなったようだ。
その正体をれみりゃ親子と勘違いしているのだろうか?
・・・違うと私は確信できる。あのれみりゃ親子にそんな事が出来るはずがない。
違うと飛び出して止めればよかった。だが私はそれが出来なかった。確かな裏付けがないと言うのもあるが、もっと別な所に理由があるのだろう。
男が足の動きを止めた頃には、うつ伏せになってピクピクと僅かに手足を動かすだけとなったれみりゃの姿があった。
今度は別の男が「しゃがみガード」をしている子れみりゃの砂糖細工の髪の毛を引っ掴んで持ち上げる。
「ごわいどおおおお!ざぐやあああああ!ばなじでぼじいんだどおおおおおお!いだいっ!いだいどおおおおお!」
クネクネと手足を動かすが一向に効果はない。男は先ほどれみりゃを踏みつけていた方の男の方を向くと、話し始める。
「こいつはどうするんだ?」
「・・・子ゆっくりだってやられたんだ!この糞れみりゃもやらないと気がすまねぇ!」
「じゃあ、どうする?ゆ叩き棒ならあるぞ」
「とりあえずそいつを離せ」
手から子れみりゃが離れた。腰が砕け、涙目になってカタカタと震える子れみりゃが、腰砕けになってバタバタと背をむいて親れみりゃの方へと向かった。
「まんまぁ~!にげるんだど・・・!う~・・・!う~っ!」
ピクピクと震えるだけの親れみりゃを引っ張りながら逃げようとする子れみりゃ、当然スピードはかなり遅い。
男たちがゆ叩き棒を振るい始める。
子れみりゃの真上に振り下ろされたゆ叩き棒がめり込んだ。
子れみりゃがもんどりうってうつ伏せに倒れると、頭を押さえて手足をバタバタと投げ出しながらもがき苦しみ始める。
「あ”ぎぇ”え”え”え”っ!!いだいどおおおお!!」
それからは、あまりにも単純過ぎた。
男たちがゆ叩き棒で子れみりゃの小麦粉の体といわず小麦粉の頭と言わずに滅多撃ちにし始めたのだ。
「でびりゃのおででがっぐぇぉっ!?あぐううう!!かはっ!うげっ!うげえええええ!!あびっ!ま”ん”ま”あ”あ”あ”あ”!!だずげでえええおぼっ!!」
小麦粉の手足が明後日の方向に向いた、下膨れの顔が中の餡が不規則に移動して腫れあがり始める。
ゆ叩き棒で打ちすえられるたびに餡がビチャリと飛び散った。
やがてがっくりと項垂れると、僅かに体をよじるだけで全く動かなくなってしまった。
・・・男たちは不満足な様子で引き上げていったようだ。
通常種ならとっくに潰れ饅頭になってしまっているだろう。
しかしれみりゃには回復力が極端に高いと言う特性がある。
子れみりゃがボコボコに腫らした下膨れの顔を上げながら、ずりずりとナメクジが這うようにれみりゃの所へ這って行った。
「まんまぁ~・・・!まんまぁ~・・・!」
「あぐっ・・・!でびりゃ・・・は・・・だいじょう・・・ぶ・・・だ・・・ど・・・がはっ!げぼっ!」
ボロボロになったれみりゃ親子が互いに心配しあいながら公園の端へと移動を始めた。
速度はかなり遅い
「どにが・・・ぐ・・・ごーまが・・・ん・・・をざがざない・・・ど・・・!も・・・う・・・あぎ・・・なんだ・・・ど・・・!」
「まんまぁぁ・・・!むりしちゃだべだどぉぉ・・・!」
「でびりゃ・・・はべいぎ・・・だど・・・!うぐっ・・・!」
そのまま草むらの陰へと消えていくれみりゃ親子を見届けると、私は公園を去った。
いかに回復力が高かろうとも、"おうち"を失い、食料すらままならぬ状況ではどうしようも無いだろう。
れみりゃ親子の張った後には、ナメクジの様にジューシーな肉汁が線の様につついていた・・・
二日後 AM 9:34 ある道端
あれから再び、二日が経った。
公園周辺を歩いている私の目に映ったのは、道端でボロタオルを握りしめたままうつ伏せに突っ伏して動かなくなっているれみりゃ種らしきゆっくりである。
ボロボロの風貌で、帽子すらなかった。
地域ゆっくりに追われたのか、背中や頭に木の枝が刺さっている。
このれみりゃはいつかみたれみりゃ親子の親れみりゃなのだろうか?
子れみりゃらしき姿は見えない。
逃げおおせたのか、はぐれたのか・・・それとも先に動かぬ饅頭となったのかは定かではない。
ボロタオルが風でめくれると、そこにはもう一つのれみりゃ種の帽子があった。
ボロタオルに隠れた手で、しっかりと握りしめていたのだ。
・・・遥か遠く、ベンチの向こうでは、街れみりゃらしきゆっくりが前に空き缶を置いて、くねくねと動いていた。
「れみ☆りゃ☆う~☆」
街れみりゃの数は、そんなには多くは無い。
しかし、山野にも行けず、街でしか生きる事の出来ないれみりゃと言うのは本当に環境に適応したと言えるのだろうか?
疑問に尽きない。
私の遥か遠くで、地域ゆっくり達の怒号が聞こえた。
微かに漏れる様に聞こえたのは、街れみりゃの悲鳴だったのかもしれない。