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  • ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
  • anko1839 スパークジャマー(1)

ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー

anko1839 スパークジャマー(1)

最終更新:2011年01月14日 17:45

ankoss

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管理者のみ編集可
作者:納豆ラーメンあき



ある森の中に、ドスまりさの群れがあった。
ドスまりさの群れがあった。今はもうない。
ただドスまりさだけが森の空き地に鎮座していた。
だが、ドスは満足げだった。
この群れにいたゆっくりたちはすべて殺された。人間の手によって。
ドスはゆっくりたちを守らなかった。いや、それどころか進んで人間の手にゆっくりを引き渡した。
それこそがこの群れの目的だったのだ。
もとより通常種はゲスでしかない。どうあがいてもゲス。果てしなく愚かで決して学習せず、目上のものを真に敬うことがない。
ドスはこんなクズどもの面倒に忙殺され、やがては人間さんにゲスどもごと駆除されるような未来はごめんだった。
ドスはゆっくりを集めて、偽りの群れを作った。一応『もりのけんじゃ』ぱちゅりーなどを側近としておだてて、それらしい形を整えたが、すべては一斉駆除のための撒きえさでしかない。
「ドスが奴隷にした人間さんがちびちゃんたちにあまあまをくれるそうだよ! みんな人間さんに連れて行ってもらってゆっくりしていってね!」
あの朝、一斉駆除の日、ドスはそのように言ってゆっくりたちを送り出した。行き着く先は加工所だ。
そこはゲスで役立たずなゆっくりたちが、人間さんの食物に昇華される崇高な場所だという。
美味しい食物に生まれ変わった元ゲスゆっくりたちは、人間さんに「美味しくしてくれてありがとう! ゆっくり味わっていってね!」と感謝する。人間さんの紙芝居というものでそう教わった。
ドスまりさの群れがあった。今はもうない。
だが、ドスは新たな群れを立ち上げるつもりだった。
今度は通常種は一切加えない、希少種だけの群れを作るつもりだった。それはきわめて小規模だが素晴らしいな群れとなるはずだった。
誰も罪を犯すものがいない。誰も嘘をつかない。完璧な群れ。
構成員となる希少種の善良で賢いゆっくりたちはすでに何ゆも見つけている。今は人間さんに預けているが準備が整い次第呼び戻す手はずになっている。
人間さんとも良好な関係を築き、理想のゆっくりプレイスを築き上げるのだ。

あるとき、四人の村人がドスの下にやってきた。
「ゆゆ! 人間さん! ドスの里でゆっくりしていってね!」
「ああ、ゆっくりさせてもらうよ」
村人たちのうち野良着姿の三人は顔見知りだった。いずれもニコニコ笑顔でドスに応対している。
だが、もう一人は見かけない顔で、始終冷たい無表情で通していた。格好も他の三人とは違い、『とかいは』とでも言うのだろうか、なんだかコチコチに硬そうな装いだ。
ドスは少し怪訝に思ったが、人間さんはみんな友達だ。人間さんは賢く、優しく、とてもいい人たちで、ドスのことを認めてくれている。対等な協定を結んでいる。
ドスは警戒せずに四人を側に近づけた。
「ところでドス、ちびちゃんたちを見かけないな」
村人がこんなことを言った。
「ゆゆ、人間さんが連れて行って以来、新しいちびちゃんは来てないよ」
「ほう。あれから随分経つのになぁ……」
「でも問題ないよ。ドスはこれからゆうかやえーきなどの希少種だけしか入れない、ゲスお断りの新しい群れを作るから!」
「ハァ? おまえは何を言っているんだ? そんな群れは必要ないない」

「ゆええ? 人間さんには迷惑をかけないよ! そうだ、群れが出来たらみんなで農作業を手伝ってあげるよ!」
「へえ~~~、そりゃあ~~~~、はぁ……なんともまあ」
「手伝ってあげる……だとォ!?」
村人の一人が突然表情を険しくさせて鋭く叫んだ。ドスはその豹変振りに我が目、我が耳を疑った。
「ゆ、ゆゆ……ど、どうしたの人間さん?」
「こりゃだめだな」
「ああ、だめだな」
ドスの問いかけを無視して、村人たちは三人でなにやら相談しあっている。
「もうこいつは役立たずだな」
「ゆ! 役立たず!? それってドスのこと!? どういう……」
「こいつはもうゲス寄せの効果はなくなったな。何の役にも立たない無価値な粗大ゴミだ」
「ゆゆっ! 人間さんさっきからなにいってるの!? どうしちゃったの!?」
「殺すか!」
「ああ、そうだな!」
「こいつは肥やしだな! 肥やしとしてしか役に立つまい!」
「ゆゆ~~~~!!」
村人たちはドスを殺すと宣告した。優しいはずの、ドスを認めてくれているはずの、協定を結んだはずの村人がなぜ……。
「ちょっとドスをからかうのもいい加減にしてよね! 協定を結んだでしょ! ドスはちゃんとゲスを引き渡したよ! 庇ったりしなかったよ!
だから、人間さんたちもドスに危害を加えたらだめなんだよ!」
そう協定があるはずだ。この村人たちはなぜかわからないが不穏なたくらみを持っているようだが、協定がドスを守ってくれるはずだった。

「協定? なにそれ?」
村人の返事はドスの予想だにしないものだった。
「はぁぁぁぁぁぁぁ! にゃにいっちぇるにょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?」
村人の一人がゲス赤でいびゅの口真似をして言った。ドスを真っ向から嘲り倒すつもりのようだ。
ドスには理解できなかった。人間さんから協定を破るなんてありえない。協定を破るのはゲスゆっくりだけのはずだ。
賢くて善良な人間さんが協定を軽視するなんてありえない。
「『けーやくしょ』があるでしょ! ドスと人間さんたちとで作った『けーやくしょ』があるんだよ!
協定を破ったら犯罪なんでしょ!? 人間さんたちどうしちゃったの!?」
「『けーやくしょ』ってこれのことか?」
村人の一人が、紙切れを取り出した。それこそまさに『けーやくしょ』だった。ドスがおさげで押した印があるから間違いない。
「そうだよ! それだよ! それがあるから人間さんはドスに手を出しちゃだめなんだよ!」
「こんなものはこうだ!」
村人は取り出した『けーやくしょ』をビリビリに引きちぎって紙吹雪に変えてしまった。
「ゆゆっーーーーーー!!! どぼじでぞんなごどずるのおーーーーーーーーー!! 『けーやくしょ』を破ったら犯罪なんだよ! 協定違反なんだよ!」
「だからなに?」
「制裁されるに決まってるでしょ! 人間さんたちおかしくなっちゃったの?」
この人間たちは……ゲスなんだろうか? 賢い生き物である人間さんからゆっくりのようなゲスが出るとは信じられなかった。
だが、協定をまったく遵守しないどころか、大切な『けーやくしょ』を破ってしまった。どう考えても正気の行為とは思えない。
「制裁されるんだってよ?」
「へぇ~、それは怖いね~、ちーちーちびっちゃいそうだね~」
だが人間たちはこんな無道を行いながら平気の平左だ。
「ゆ、ゆゆ……? 制裁が怖くないの?」
「制裁ってなんだよ? 誰が俺たちになにするわけ?」
「そ、それは……」
「ドスのおまわりさんでも来て、俺たちを逮捕しちゃうのかな? ド~ス~のおまわりさん! 困ってしまってゆんゆんゆゆ~ん! ゆんゆんゆゆ~ん!」
「いい加減にしてよね! ドス本気で怒るよ!」
どうやらこの人間たちは、本物のゲス人間のようだった。おそらく、村には無断でこの四人で勝手な行動を取っているのだろう。
ならば……ドス自らが制裁を下してもお咎めはないはずだ。正当な行為のはずだ。
「わぁ、ドスさまが怒ってしまいましたわぁ」
「ドススパーク撃つよ!」
ドススパーク、ドスまりさのみが持つ特殊能力。
厳しい訓練と、魔法きのこの摂取によって身につく、破壊の力であった。
ゆっくりでありながら人間と対等とみなされ、協定を結べるのはこのドススパークがあるからこそだった。
「ドススパークだぁ?」
「撃ってみろよ。どうせ蚊を殺すのが精一杯の線香花火だろ? おまえらゆっくりは決して人間に勝てない永遠の雑魚、絶対の敗北者なんだからな」
「ゆゆ! もう許さないよ!」
とはいえ、ドスはこの人間たちを殺すつもりはなかった。直接は当てずに威嚇射撃をするつもりだった。
そうすれば、ドスが人間と対等であること、他のゆっくりのようには侮れない存在であることを思い出してくれるだろう。
きっと、元のいい人間さんたちに戻ってくれるに違いない。
「ドススパーク!」
「ひゃあああ! お助けぇぇぇぇぇ!!」
「この世の終わりじゃぁぁぁぁ!」
「天狗の仕業じゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
村人たちは大げさに驚いて見せたが……ドススパークは放たれなかった。
ドスは口をあんぐりと大きく開けたまま、信じられない事態に呆然としていた。
「そんな……なんで……」
ドススパークが発動しない!
「おいおいこれじゃ蚊も殺せねえぞ! なにせ何にもでないんだからな!」
「馬鹿には見えないスパークですね。わかります」
「まさかとは思いますが、この『ドススパーク』とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。
もしそうだとすれば、あなた自身が無価値なゴミクズゲスであることにほぼ間違いないと思います」
ここぞとばかりに人間たちはドスを面罵する。ドスは困惑と屈辱と不安で頭がどうにかなりそうだった。

「プライドをズタズタにされた哀れな金髪の雑魚がかわいそうだから種明かししてやるか。先生、こいつに見せてやってくださいよ」
先生と呼ばれたのは、一人だけ無表情で黙り続けている変わった身なりの人間だった。
その人間は、両手になにかを捧げ持っていた。
それは、八角形の物体であった。
「こいつは『スパークジャマー』っつってな、おまえらゲスドスのだせー線香花火を封じる効果があるんだよ。
よくは知らねえが、おまえの魔力の収束を邪魔するらしいな。ジャマーってだけにな!」
村人の一人が、先生の持っている物体を指さしながら得意げに講釈した。
そんな馬鹿な! ドスは信じられなかった。スパークを封じる方法があるだなんて! 今までそんなこと一度も聞いたことがなかった。
人間さんはなぜこんな重要なことを隠していたのか? まったくフェアではない!
「フェアじゃないよ! そんなのおかしいよ! ずるいよ! チートだよ!」
「チートだとォ……ナマいってんじゃねえぞコラァ!!」
嘲笑を浮かべていた村人たちが一変、悪鬼の形相に変わってドスを脅しつけた。スパークの使えなくなったドスは思わず気圧されてしまった。
「なにがチートだゲスクズ! なにがドススパークだ!
ドススパーク、強烈な閃光を放つ。人間は死ぬ。てか?
厨臭くってたまんねえよ! てめえこそがチートだろうが。認められないね。ああ認められないね。こんな存在認められるかよ」
「野山を裸で這いずり回るケダモノ以下の分際で人間様の英知の結晶に難癖つけてんじゃねーぞカスが!」
「無茶苦茶な非難してんじゃねーぞ! 人間最強、ゆっくり最弱、正当なバランスだろうが! なんだてめえは門番か油虫かなんかか?
ネガキャンか? ああッ? この装置は加工所が作ったんだぞ? 営利業務妨害か? アンチの工作か?」
人間たちはわけのわからない言葉でドスを罵る。今まではこんなことはなかった。ドスと話すときはゆっくりにもわかる言葉に言い換えて話してくれた。
今はただ一方的に悪意と凶意だけを浴びせかけるだけだ。
だが、ドスにもわかる単語があった。
──加工所。
加工所がなぜこんなドスに危険なものを作ったのか!? 加工所はゲスゆっくりだけを制裁する場所のはず。正義の加工所がなぜ?
たまにいるというゲスドスに備えてか? いや、それだったら、善良であるはずのこのドスに使うのはおかしい。正しくない。制裁されるはずだ。
「いいか、おまえらゆっくりは例外なくクソなんだよ。人間様には絶対勝てないんだよ。協定? おまえらのようなカスとそんなもん結ぶかよ」
「ゆえぇ!? だって、みんなと……おさげの印だって……」
「あんなもんは遊びだ。ごっこ遊びだ」
「芝居だ芝居。お芝居なんだよ。村ぐるみで演技してたんだよ」
「ゲスゆっくりどもを集めて一網打尽にするためにな!」
ここに来てようやくドスはこの村人たちが独断で暴れているのではないことを悟るしかなかった。
すべて仕組まれていたのだ。あの笑顔も、あの親しげな呼びかけも、あの心込められた贈り物の数々も、すべて悪意秘めた罠だったのだ。
ジャマーの存在がその証拠だった!
ドスに悪意なくてなんでこんなものが作れる?

彼ら村人たちはドスまりさのことを欠片も恐れてはいなかった。なぜならこのスパークジャマーがあるから。
ドスに人間は殺せない。ゆっくりはどう足掻いても人間には勝てない。ドスなど文明の利器持つ人間にとって独活の大木でしかないのだ。
ならばなぜ、対等な振りをして、ドスの強さを認める振りをして協定(偽りのものだが)を結んだのか?
「おまえらゲスドスをおだててやらねえと、ゆっくりどもが集まってこねえだろ? そんだけよ」
「豚もおだてりゃ木に登る。ドスをおだてりゃゲスホイホイ!」
「つよいドスのもとにあつまればにんげんにもかてるよ! ってゲスどもは思い込むからな」
「だまして……ドスをだましていたの?」
信じられなかった。人間たちはドスを騙していたのだ。ドスを騙しておだてて、ゆっくり駆除の道具として使っていただけなのだ。
協定、共生関係、信頼関係、それらはすべてまやかしにすぎなかった。
対等ではなかった。人間はドスを利用していただけだったのだ。裏にはドスをやっつける道具を隠し持っておいて!
「よくもだましたアアアア!! だましてくれたなアアアアア!! ってか?」
「自分がゴミクズにすぎないと思い知ったとき、どう思った?」
「ドス本気で怒ったよ! もう許さないんだからね!」
ドスはスパークを封じられたが、まだこの巨体が残っていた。膂力に溢れる巨体が。ちょうど人間たちは無警戒にドスの側に集まっている。
ゲス人間どもを押しつぶしてやる!
これはゲス行為ではないはずだ! 協定で保証された正当な防衛行為のはずだ!……ドスは心の中で何度もそう叫んだ。
「先生お願いします!」
先生と呼ばれた人物はそう言われる前に、素早く八角形の装置を弄った。彼はずっとドスの挙動を観察していたのだ。
ドスが暴れだす兆しを見せたならすぐさま装置を動かせるように。
「ゆっぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
今まさに飛びかかろうとしたドスは盛大な悲鳴をあげた。
すさまじい激痛がドスの全身を駆け巡った。
激痛なんてものではなかった。これまでの生涯で受けたあらゆるダメージを足して千倍にしてもこの苦痛とは比較対象にさえならなかった。
全身が麻痺してしまってまったく動きがとれない。いや、動くとか動かないとかいった以前の問題だった。
「あー、言い忘れてたけど、スパークジャマーにはドスまりさに激痛を与える機能もついてるんだ。
詳しいことは知らんがおまえらの体内にある魔力に特殊な波をおこすとかなんとか。ねえ聞いてる?」
スパークを封じられただけではなかった。あらゆる反抗すべてを封じられていたのだ。
人間たちはドスをどうにかしようと思ったならいつでも好きなだけできるのだった。
「ゆ゛……あ゛……あ゛……」
ドスはあまりの苦痛に、不様にもうんうんとしーしーを盛大にもらしてしまった。
「うはは! だせー! うんしーぶりばり!」
「ドス本気で怒ったよ! もう許さないんだからねキリッ! だってお!」
「こいつってでいぶ四体配合して生まれたんじゃね?」
そんなドスを見て村人たちは言いたい放題だ。まったく無慈悲だった。ドスを虫けらのように扱うつもりのようだった。
「おまえなんだか不服そうな目をしてるな? またチートとか言いたいわけ? アンフェアだと? じゃあいいことを教えてやるよ。
この装置って一見万能に見えるけど欠点もあるんだ。それは距離! ドスにかなり近づけないと機能しないんだよね。
しかもスパークの発動を妨害するだけで、放たれてしまったスパークをバリヤー!って感じに防ぐことはできないのさ。
ちゃんとバランスとれてるね。良作だ。全然チートじゃない。純粋な読みあい刺しあいを楽しめるね!」
「医術防御は救済措置なんだから使うも使わないもプレイヤー各自の自由なんだよ。どうせこのゆとりドスはネットで攻略見まくって人間対策練ってたんだろ。でも全部無駄でした~」
「おまえは俺たちをまったく警戒せずに至近距離まで近づけた時点で敗北してたんだよ。危機管理能力ゼロ! 群れ長の資格なし!
まあそんな平和ボケドスにするために芝居してたんだがな」
「ゆ゛……ゆ゛……」
壮絶な苦痛と村人たちの心切り裂く呪詛でドスは心身ともどもボロボロになり、あらゆる気力を奪われた。

「不服そうなドスちゃんのためにリターンマッチを組んでやろう!」
「真のドスGPの始まりだぁ!」
三人の村人たちはドスを取り囲み……容赦ない暴行を加え始めた。
「オラオラオラ!」
「ゆっ! ゆげっ! ゆぐっ! やめで! やめでぐだざい!」
「おまえはギガサイズだからノーマルサイズの俺たち三人でちょうど対等だ。完全にフェアだ」
「正々堂々とした名勝負だな。これで負かすことによってこのゲスドスも『にんげんよりつよい』幻想をようやく捨てられるだろう」
「俺たちって紳士すぎじゃね!? 螺旋手裏剣に無策で突っ込んでいくぐらいによ!」
村人たちの暴行も痛かったが、ドスがそれ以上に恐れたのがスパークジャマーだった。
先生は『正々堂々の勝負』には加わらず、少し離れたところから冷ややかな目でドスだけを注視していた。
ドスが抵抗したなら、村人に危害を加える前にジャマーを起動するのだろう。その冷たい目には一片の隙もなかった。
ドスはただ黙ってサンドバッグになるしかなかった。
「やめでぐだざい! だずげでぐだざい! どずがわるがっだでず! ゆるじでくだざい!」
何も悪くないはずの、それどころか人間に貢献してきたはずのドスは村人たちに平謝りに謝った。

「自然界最弱王けってーい!」
「ゆっくりワーストワン!」
「なまいぎいっでずみまぜんでじだ……もうにんげんざまにざがらっだりじまぜん……」
ドスは通常種のゲスが最終的に言わされそうなみじめにへりぐだった謝罪の言葉をぶつぶつ垂れ流している。心を打ち砕かれたのだ。
「しっかし、こいつとんでもないゲスだな。今見たよな? みんなも見たよな? 人間に襲い掛かろうとしたよな?
いいか、おまえらゆっくりの命に価値はないんだから、人間様になにされても馬鹿みてーに黙ってなきゃなんねーんだよ。
たとえ殺されてもな。逆らった即ゲス確定!」
「もちろん、謝ったところで人間様に逆らった罪は消えないよ。たっぷり償ってもらうからな!」
「じゃあ先生、手術始めちゃってください」
「しゅ……じゅ……つ……?」
先生は痺れて動けないドスの後ろ側に回った。
「おっと動くなよ? 中枢餡を傷つけちゃうかもしれないぞ?」
「変な真似したらまたジャマーだぞ」
「ゆっ……ゆ……」
先生はドスの後頭部の髪を円形に剃り、ドスの皮を切り裂いた。
「ゆぐっ! ゆぐぅっ!」
さらに餡を少量掻き出して穴を作ると、その中にあのスパークジャマーを埋め込んだ。
皮を閉じ、溶かした小麦粉とオレンジジュースで傷を塞ぐ。
「先生お疲れ様でした!」
「これで完璧だ。もうおまえは絶対に俺たちに逆らえない。言うまでもなくスパークを封じる機能は常時作動し続けている。
この装置はおまえの魔力を利用するから燃料補給の必要もなく半永久的に動き続ける。
ちなみに無理やり外そうとすると、ジャマーがオーバーロードしておまえの中枢餡と餡神経網を一瞬で焼き尽くし、廃ドス一丁あがりだ。もっとも外しようがないだろうがな」
「はいドスちゃん注目~。これがジャマーのリモコンねぇ。このスイッチを押すと~」
「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
再びあの凄まじい苦痛がドスを襲った。二度目だからといってまったく慣れることはなかった。
例えが思いつかない、独特で耐え難い、耐えようのない特殊な痛覚であった。
痛みも酷いものだったが、これを使われるたびにドスの本質からなにかが失われていくような気がした。
ジャマーを受けるたびにドスそのものが少しずつ劣化していき、二度と完全なドスには戻れないのだ。
「こいつは任意で作動させられる他、定期的にスイッチを押さないと自動的に動くようにもなっている。
俺たちから逃げたりはしないほうがいいよ~。激痛とゆん生付き合い続けることになるからね。短いゆん生になるだろうけど」
「これでおまえらは俺たちのラジコンだ」
残酷極まりない宣告であった。

「さてさて、ようやく本題に入れる」
「ゴミクズゲスドスまりさ。おまえはもう役立たずだ」
「なぜならおまえはもうゆっくりを集められない」
「おまえがゆっくりを人間に売り渡す裏切り者って噂が森中に広がっちまったらしい。もうだーれもおまえのところには来ない。裸の孤独な王様よ!」
村人たちは言いたい放題ドスを貶す。
「だ、だってそれは! ドスは裏切り者なんかじゃ! 人間さんの言うとおりにゲスを……ゆぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「おまえに発言を許可した覚えはないぞうんうん製造機」
「そんなにジャマーが気に入ったか? スイッチ入れっぱなしにしてやろうか? してやろうか?」
「ごべんなざい! ゆるじでぐだざい! じゃばーをどめでぐだざい!!」
人間は実に緩慢な動作でもったいつけながらジャマーを止めた。
「おまえ役立たずだからもう畑の肥やしにするしかないんだよね~」
「ドスは肥やしとしてはそこそこ優秀なんだよな」
つまりは殺されて畑に埋められるということだ。
「こ、こやし! ドスが肥やし! どぼじで! ドスは人間さんたちのために働いてきたんだよ? 迷惑かけたことないよ?
いい関係を築いてきたんだよ? 善良なんだよ? 協定も結んだよ? 農作業も手伝ってあげるんだよ? 役に立つんだよ?」
「ハァァァァァ……」
村人たちは大きなため息をついた。いかにも呆れ果てた言いたげな表情を浮かべている。
「ゆっ……ゆゆ?」
「この馬鹿に一から自分の立場を説明するのはしんどいわ。ドリームワールドの住人だからなこいつ」
「いいか。なにを勘違いしているのか善良であることをさも鬼の首を取ったかのように自慢してるが、
善良ってのはな、最低条件なんだよ。スタートラインなんだよ。おわかり?」
「さい……てい……」
「おまえらクズが迷惑かけない、善良であることはあたりまえなんだよ。全然えらいことじゃない。善良であって初めて考慮の対象になる。
こいつは俺たちにとって何かの役に立つのかどうか、生かす価値があるかどうかをな!
おまえらとの間に良好な対等な関係なんてもんは存在しねえんだよ。ただ利用価値があとどれだけ残っているかどうか、それがすべてだ。
すべての協定群れは始末される前の一時的な存在にすぎない。だいたいおまえらえらそうなこといって全然ゲスどもを抑えられてねえからな。
ドスの群れってのは単に後で報復ができるという役割しかない」
つまり、人間たちは徹頭徹尾ドスを道具としてしか見なしてないのだ。その尊厳など一顧だにしていなかった。
「農作業はやってもらうことになるだろうよ。それがまさに本題だ。おまえはこれから俺たちの農場で働くことになる。牛馬のようにな!
言うまでもなくドスちゃん直々がだぞ? それで初めて労働力として勘定できる。希少種だのなんだのはそれはまた、別の、お話」
「てめーが俺たちのために働くのは当然なんだよカスが。俺たちにこき使われてようやくナンボのもんなんだよおまえらは。
それでかろうじて生かしてやる価値が出てくる。手伝ってあげる、だぁ? 付け上がるのも大概にせえやこのドゲス!」
「ゆひぃぃぃぃ……」
ドスは人間さんのために働いてあげれば喜んでもらえると思っていた。
良好な関係が築け、お互いを信頼し尊敬しあえると思っていた。
だが、人間にとってドスが奉仕するのは当たり前のことらしい。喜ばしいことではまったくないらしい。
当然のことをされていちいち感謝したりはしない。むしろ生かしてもらってることをドスの方が感謝しなければならないのだ。
人間たちはドスの命を握っているのだから。
いつでも殺せるのだから。
壮絶な苦痛によって。

「オラオラ! キリキリ歩け! 日が暮れちまうぞ!」
「ぽっぽっぽーはとぽっぽー、ジャマーが欲しいかそらやるぞ」
「やめでぐだざい! ざがらいまぜん! どずはにんげんざんにぢゅうじづでず! じゃまーはやめでぐだざい!」
「ちっ、これだからぽっぽ政権は……」
「日本オワタ! 日本オワタ! ドゲスもオワタ!」
ドスは小突かれながら森の中を追い立てられるように進み続けた。
やがて森が開け、人間たちの里が見えてきた。
だが、それはドスが知っている畑ではなかった。ドスが交流を持っていた村は別の方向にあった。
「こっちの畑は始めて見るんだったな。当たり前か。まあびっくらこくなよ」
「ゆっ!? ゆゆー!!」
その畑はそれ自体は普通だった。
だが、働いていた者たちが普通ではなかった。
農場で働いているのは、ドスたちだった。
いや、あれらはドスなんだろうか……?
なぜなら、それらの巨大なゆっくりたちには髪も飾りもなかったからだ。
遠目からは黄土色の小山がうごめいているように見えた。
この光景を見たドスはこれからの自分の運命をはっきりと予見した。
「ゆ……あ……ゆ……あ……そんな……」
「さっさと作業場つれていこうぜー。この役立たずを立派な農耕機に変えてやらにゃ」

ドスは鍛冶屋のような場所に連れて行かれた。
そこでまず帽子を奪われ、ビリビリに引き裂かれた上で炉にくべられた。
「こんなもん焚きつけにもなりゃしねーぜ。まったく何もかもが役立たずだなこのゲス」
「まりしゃのぼうち……すてきなおぼうし……おきゃーしゃんからもらったおぼうち……」
ドスはかけがえのない帽子を失ったショックでしばし幼児退行した。
次に断髪が始まった。
村人たちはバリカンでドスの髪の毛をことごとく剃ってしまった。
ドスはハゲ饅頭になったのだ。
ドスはもう何も言えなかった。みじめになった自分の姿を想像すると果てしなく涙がこみ上げてきた。
ドスは泣くしかなかった。
「ゆぇぇぇ……ゆぇぇぇん……」
「おい、ドス種の泣きゆっくりになんて初耳だぜ? 学会に新種として発表できるんじゃないのかあ?」
「あれ泣き虫が~泣いている~チンチロチンチロ」
村人たちはどこまでも容赦がなかった。ドスの心身に責め苦を与えることを心の底から楽しんでいた。
「ゆぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ドスが盛大な悲鳴をあげたのはジャマーを起動されたからではない。烙印を押されたからだ。
「これでおまえは俺たちの家畜。所有物。おまえはモノなんだよ。MOッ! NOッ!」
「まあゆんゆん泣いちゃって情けないドスだな~」
こうしてドスは農耕器具へと生まれ変わった。

休む間もなくドスは畑に出された。畑を耕すための機械を取り付けられて。
ドスが前進すると、後ろについている鍬が地面を引っかいて耕す仕組みになっていた。
ドスにとって相当な重労働だった。森の奥でゆっくり暮らしていたドスにとって、このような過酷な生活環境は夢にも想像できなかった。
「ゆぅぅぅんしょ! ゆぅぅぅぅんしょ! ゆ? ゆゆっ!? ゆうか! えーき! それにめーりんも!」
労働中のドスが見たのは、かつて共に群れを作ろうと誓った希少種たちだった。
だがいずれもハゲまんじゅうに変えられている。ドスだからこそ匂いで識別できたのだ。
呼びかけられた希少種たちは返事をしなかった。警戒心に満ち満ちた目でドスの方をちらちらと伺うだけだ。
その間にも、それぞれの作業を黙々と続けていた。ゆうかたちの役目は小石や雑草を取り除くことのようだった。
「あーそうだった、おまえんとこの群れゆっくりも混ぜてたっけ」
「どぼじで! ゆうかたちは希少種なんですよ! なんでこんな酷い……」
「そりゃ希少種だからだろ」
「ゆぇぇぇぇ!?」
ドスはわけがわからない。通常種のゲスならいざ知らず、賢く善良な希少種がなぜこのような目に合わされているのか?
どうみても劣悪な労働環境のようだった。希少種たちは目もうつろでひたすら働き続け、始終ビクビクとおびえ続けている。
「通常種は馬鹿だからなに教えても覚えねえし、ゲスだからどんだけ痛めつけても逆らい続ける。一応ドスを介せば命令できなくもないが、
ドスは別の用途に使うからな。その点希少種は賢い上に従順だから素晴らしいよね。家畜として」
「仕事教えれば一応覚えるし、ちょっと脅せばへこへこ従うし、人間が直に命令出せるし、まったくいいやつらだよ。道具として」
「で、でも、希少種は貴重……」
「ところが最近ではそうでもないんだなぁこれが」
村人の話によると近年加工所はゆっくりのクローニング技術を確立したという。
特に希少種は大量生産されるようになったらしい。希少種を求めるものは多かったからだ。
最初はペットとして売られていたが、あっという間にブームは下火になってしまった。
結局のところ、希少種は希少だったからこそ価値があったのだ。誰も彼もが持てるならステータスにはならない。
「文明万歳! 今都会じゃあ、ケツを拭くのにゆうかにゃんを使うほどだそうだぜ」
「そんなわけで今では労働用として格安で払い下げられてるのさ。だから希少種って言い方は正確ではないね。元希少種とか?」
ドスの知ってるゆうかたち以外にも通常サイズのハゲまんじゅうたちが何十匹もいた。これらすべてが(元)希少種なのか……。
「よおドス。おまえ希少種だけで群れを作りたいって言ってたよな?」
「はい……」
「いいぜ、ここらにいる希少種たちで群れを作んなよ」
「ゆ、ゆえ? で、でも……」
村人は奇妙な提案をしてきた。それは彼らが示した本性とは随分かけ離れているように思えた。
わずかでも慈悲を持っているのだろうか? あるいは彼らの利益に適う行為なのだろうか?
「おい、いらないのか? 群れいらないのか? 人間様の提案は受け入れられねえってか?」
「い、いえ! そんなことはないです! そ、それではドスはゆうかたちを率いて群れを……」
「ハァァァァァァァァ! だめだこりゃ! こいつまだ自分の立場わかってねえ! てめえなんかに群れがもてるわけねえだろ常識的に考えて。
こいつまだ人間に反抗する気まんまんだよ。優れた希少種集めりゃ人間より強くなれるとか思っちゃってんのかね!
こりゃまだまだジャマーの世話になるな。とりあえず無駄話に対するペナルティも込みで一発いっとくか。ジャマーでお、じゃ、ま!」
「ゆんやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
あまりに理不尽であった。
だが、人間は絶対の正義なのだ。
ドスのすべてを握っているのだから。

ドスは自分に出来る範囲で一生懸命働いたが、村人たちは何かと難癖つけてドスを小突き、罵った。
ドスへのいじめは偏執的と言えるほどに執拗であった。
ついにドスはたまらずにこう言った。
「ドスは人間さんのモノです! ドスは逆らいません! ドスは忠実に働きます! 一生懸命働きます! だからいじめないでください!」
今日の朝、ドスは希望を持っていた。威厳を持っていた。ドスであることを、群れ長であることを誇りに思っていた。
だが、それらはすべて見せかけのものでしかなかった。ドスの運命は人間という途方もない力を持った残酷極まりない真の主人の手に握られていたのだ。
ドスは張子の虎だった。強いと思い込まされているだけにすぎなかった。自分を最強だと思って要求を喚きちらすゲス赤まりしゃと本質的に変わりなかった。
ドスは受け入れるしかなかった。自分は群れ長でもなんでもないことを。
だから従属を宣言した。一切のプライドをかなぐり捨てて、完全に人間に従うことを宣告した。
だが、人間たちの態度は冷ややかだった。
「はぁ……」
「ねぇ、俺たちの言ってること、俺たちの教育、そんなにわかりづらい? 少し頭冷やそうか? ジャマー的な意味で」
「もう一度言おう。おまえが俺たちに全面服従するのは当然なの。おまえが一生懸命身を粉にして働いて最後には畑の肥やしなるのも予定に組まれてるの。
それらを満たしてようやくおまえは生存を許可されるんだよ? おわかり?
なにがいじめないでください、だ! てめえには何を要求する権利もねえんだよ!」
ドスは理解した。今後一切、ゆん生の中で褒められるということはありえないということに。
いじめられないことが最大の最高のご褒美なのだ。むせび泣いて喜ばなければならない大恩赦なのだ。
がんばってがんばってがんばり続ければ、いつの日か手に入るかもしれないご褒美……。
「勘違いしているかもしれんが、俺たちは慈悲深いんだ。仏様のように慈悲深いんだ。
別にどーしてもドスを、ゆっくりを使わなきゃならんということはない。ぶっちゃけ今すぐおまえが死んでも、俺たちゃ全然困らない。
おまえたちになんとか利用価値を見出し、生かしてやってるのは、使ってやってるのはとても慈悲深い行為なんだ。
それだというのにおまえはゲスな増長慢をやめようとせず、俺たちの貴重な時間を浪費させる。
言ってみればおまえは俺たち人間を部分的に殺しているんだ」
「えっ!? ドスが人間を殺しているって!? とんでもないゲスドスだな! 人間の敵だな! 恩知らずのケダモノ以下だな!
でも俺たち地球のチャンピオンは強いだけでなくとても優しいから殺したりはしないよ。ジャマーで勘弁してやるからありがたく思えよクソカスゴミクズゲス」
村人はスパークジャマーのリモコンを取り出した。
ドスは戦慄し、恐怖で頭がいっぱいになったが、同時に周囲の妙な光景に気が付いた。
それはドスの先輩たち、この農場で働くハゲまんじゅうのドスたちだった。
ドスたちはみな一様に、ゆっくりにこんな表情ができるのかと思わず疑ってしまうほどに顔面を引きつらせてジャマーのリモコンに注視していたのだ。
そういえばこのドスたちは無口だった。その上に無表情で、黙々と働き続けていた。
どうやらジャマーを起動されるときだけ、このような歪みきった恐怖の表情を見せるようだった。
ドスは前回は自分の痛みで頭がいっぱいで気が付くゆとりがなかったが、村人が持っているリモコンはすべてのジャマーを同時に起動させるようだった。
つまり連帯責任ということだ。
「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
一際強烈な叫び声が青空一杯に響き渡った。

しばらくして村人たちは食事の時間になったようだった。ゆっくりたちにもつかの間の休息が与えられた。
あの三人と先生以外にも多くの村人が一堂に集まり、和気藹々と食事を楽しんでいる。
みなそれぞれ楽しげに語り合い、子供を可愛がり、老人を親切に世話し、伴侶と仲むつまじくしている。
とても幸せそうな……ゆっくりとした光景だった。
さっきまでドスに残酷な行為を繰り返していた人間たちと同一個体とは信じられない。
ドスは思った。人間はやっぱり善良なんだ。慈悲はあるんだ、と。
だが、その慈悲を人間以外には、とりわけゆっくりには欠片もわけてはくれないのだ。たとえ役に立つ善良なゆっくりでも。
同じ大地に立ち、同じ大気を呼吸しているのに、ドスは別の世界に見えない壁で隔離されているかのような感覚を味わった。
暗い物思いに沈んでいるところに、あの先生と呼ばれている人間が現れた。
「ゆゆ……なにか、御用ですか……」
無慈悲で残酷で手の早く口汚い村人よりも、ドスはこの人間が恐ろしかった。その冷たい目が。ゆっくりの対極にあるかのような存在に思えた。
「なぜ、彼らがああまでおまえに辛くするかわかるか?」
それは感情の篭らない冷たい声だった。
「……」
「おまえらが腰抜けだからだ。優しくしてやるよりも、こうして虐待した方が従順になる。
おまえたちは何をされても反抗しないからだ。おまえたちはここまでみじめな境遇に落とされても、なおその生にしがみつく。
死という最大の恐怖を避けるためにどんな屈辱にも甘んじる。それを見透かされているからどこまでも過酷な待遇が与えられることとなる」
「で、でも……」
「いいか、いじめられたくないなら、機械になれ。他のドスたちがそうなったようにな。
機械になれ。何の感情も持たない。笑うことも泣くこともない機械になれ。ただひたすら働き続ける機械になれ。
操縦者に完全に忠実な機械になれ。それ以外、おまえが苦痛を避ける方法はない。
機械になれ。……機械になるんだ」
ドスはこの人間を恐ろしいと思ったが、実のところある意味では慈悲深い人間だったのだ。
そして、ドスに与えられる慈悲はこれが精一杯なのだ。



続く

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