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HELLOUISE-2 - (2009/06/09 (火) 20:44:04) の1つ前との変更点
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次に『やらかした』のは、ミスタ・グラモンだった。
彼が呼び出したのは、不思議な格好をした女性だった。
その、私から見てもその女性は美しく、いえ、私はミス・ロングビル一筋なのですが、
ですから、ええと、たわわに実った二つの果実が……ああ、何でもありません!
ともかく、彼が呼び出したのも、見た目はただの平民の女性だったのです。
ただし、やはり目に見えるような昏い存在感を放っていましたが。
人間が出てきて一瞬面食らったギーシュ。
だが彼女(正確には彼女の一部)を見て、彼はこれこそが運命に違いないと確信した。
「おお、可憐なマドモアゼル。こんなところに突然呼び出した無礼をお許しください。
そして、よろしければ貴女のお名前をお聞かせ願えませんか?」
「なッ、なッ、、、何なんですかココは!?」
「此処はハルケギニアがトリステイン、優秀なるメイジたちの集まる園、トリステイン魔法学院。
どうやら血に汚れているようだが、事情は聞かないよ。そしてどうか可憐な花よ、安心して欲しい。
無粋な賊とてこの学院にはそうそう入っては来れない。それに、仮にもし何かあっても僕が君を守ろう」
「いや、そうじゃなくてですね……って、ああああぁぁぁああーーーーー!?!?」
突然声を上げる女性。その指の示す先には。
「……ミス・タバサの使い魔?」
そう、タバサの使い魔となった人狼、『大尉』が居た。
彼もまた(やはり喋らないものの)動揺しているようだが、さて。
「……」
「……」
「ええ!?大尉と闘ってたぁ!?」
大尉の通訳をしたタバサの通訳をしたキュルケが素っ頓狂な声をあげる。
テレパシー染みた会話はルーンの力――というわけではない。
キュルケも出来ているのだから何か別なものだろう。
案外、ガリア王家はテレパシー能力者の家系だったりするのかもしれない。
「あんた、何者?」
「ええと、その……吸血鬼デス」
キラーン、と牙が光る。
う、と引く一同。
「日光、平気なの?」
「苦手ですけど、死にはしないですね…イヤ下位の吸血鬼は死ぬんですが。」
「じゃあ、君は吸血鬼の中でも力ある存在だということだね?」
薔薇を咥え、目を輝かせるギーシュ。
強い吸血鬼を召喚して喜ぶのはいいが、食事はどうする気だ。
貧血で済めばいいのだが、と、周りから可哀相な目で見られている。
「イヤ、ワタシなんか大したことないですよホント。」
何せ、マスターから見たら赤子のようなものだろうし。
…そういえば無断だ。マスターやインテグラ様に殺されないだろうか。
ずーん、と、目に見えて落ち込むセラス。
「そんなことは無い、僕には君が必要なんだ!」
「わひゃぁっ!?」
その様子に何か勘違いしたのか、突然、がばっ、とギーシュが抱きついた。
うむ、大きさ、張り、肌、全て合格。体温が低いのがマイナスか。
いや、しかし、それは些細なこと。僕が暖めてあげればいい。うん、彼女に決めた。
「ちょ、ちょっと…って!?」
こっそり『コントラクト・サーヴァント』を唱え、いざ行かん。セラスは引き剥がそうと下を向いている。好都合。
顔を上げ、倒れこむ。さあ、二人の唇が触れ合――
「悪ィがセラスは俺ンだ。出直せボーズ」
う直前、突然『生えた』手に撃墜された。
こに至ってようやくコルベールがやってくる。
彼はタバサが大尉にしたのと同様の説明を行なった。同時に、彼女がどんな存在なのかも聞き出していく。
別な星とか異世界とか言ってるが、まあ東方の奥地出身だとすれば此処は異世界のようなものなのだろう。
「……じゃあ、ここは遠く離れたどこか、ということですか?」
「そういうことになるね。で、どうするかな?」
ムーーーーン……
「…………分かりました。やりましょう」
「ありがとう、ミス・ヴィクトリア」
ふう、とため息をつく。
彼女が話の通じない、凶暴な性格でなくてよかった。
もし召喚と同時に暴れられていたら、どれほどの被害が出たことか。
「様式を変えた方がいいでしょうか…」
今のやり方ではそのうち生徒に死人が出るかもしれない。
大体どんなモノが出ても教師が押さえ込む自信があったからこその今の様式だったのだが。
コルベールすら死を覚悟するような、規格外の存在を召喚する生徒が出るなど想定外だった。
「ぎゃー、ナニスルンデスカー」「これが契約で…」「ええい、だったら俺にしやがれ」「それは僕が断る」
不意に、言い合いが聞こえてくる。
考えたらミス・ヴィクトリアは女性だ。契約とはいえキスはイヤなのだろう。
まだひと悶着ありそうだ、と、コルベールは再度、今度は逆の意味でため息をついた。
余談。
「……」
「『空腹』?」
「どうしました、ミス・タバサ?
……使い魔の方が空腹だ、と?」
「……」
「食べていいか、って。」
示した先には、先ほど野次を飛ばした生徒達。
「……それは困ります」
「…………今は我慢」
「……」
「いえ、ミス・タバサ、今じゃなくても人はダメです」
「……残念」
冷や汗の止まらないコルベールだった。
……実は大尉、野次が飛んでいた時点で既に起きていた。よって彼らは執拗に狙われることになる。
まあ、自業自得だよね。
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次に『やらかした』のは、ミスタ・グラモンだった。
彼が呼び出したのは、不思議な格好をした女性だった。
その、私から見てもその女性は美しく、いえ、私はミス・ロングビル一筋なのですが、
ですから、ええと、たわわに実った二つの果実が……ああ、何でもありません!
ともかく、彼が呼び出したのも、見た目はただの平民の女性だったのです。
ただし、やはり目に見えるような昏い存在感を放っていましたが。
人間が出てきて一瞬面食らったギーシュ。
だが彼女(正確には彼女の一部)を見て、彼はこれこそが運命に違いないと確信した。
「おお、可憐なマドモアゼル。こんなところに突然呼び出した無礼をお許しください。
そして、よろしければ貴女のお名前をお聞かせ願えませんか?」
「なッ、なッ、、、何なんですかココは!?」
「此処はハルケギニアがトリステイン、優秀なるメイジたちの集まる園、トリステイン魔法学院。
どうやら血に汚れているようだが、事情は聞かないよ。そしてどうか可憐な花よ、安心して欲しい。
無粋な賊とてこの学院にはそうそう入っては来れない。それに、仮にもし何かあっても僕が君を守ろう」
「いや、そうじゃなくてですね……って、ああああぁぁぁああーーーーー!?!?」
突然声を上げる女性。その指の示す先には。
「……ミス・タバサの使い魔?」
そう、タバサの使い魔となった人狼、『大尉』が居た。
彼もまた(やはり喋らないものの)動揺しているようだが、さて。
「……」
「……」
「ええ!?大尉と闘ってたぁ!?」
大尉の通訳をしたタバサの通訳をしたキュルケが素っ頓狂な声をあげる。
テレパシー染みた会話はルーンの力――というわけではない。
キュルケも出来ているのだから何か別なものだろう。
案外、ガリア王家はテレパシー能力者の家系だったりするのかもしれない。
「あんた、何者?」
「ええと、その……吸血鬼デス」
キラーン、と牙が光る。
う、と引く一同。
「日光、平気なの?」
「苦手ですけど、死にはしないですね…イヤ下位の吸血鬼は死ぬんですが。」
「じゃあ、君は吸血鬼の中でも力ある存在だということだね?」
薔薇を咥え、目を輝かせるギーシュ。
強い吸血鬼を召喚して喜ぶのはいいが、食事はどうする気だ。
貧血で済めばいいのだが、と、周りから可哀相な目で見られている。
「イヤ、ワタシなんか大したことないですよホント。」
何せ、マスターから見たら赤子のようなものだろうし。
…そういえば無断だ。マスターやインテグラ様に殺されないだろうか。
ずーん、と、目に見えて落ち込むセラス。
「そんなことは無い、僕には君が必要なんだ!」
「わひゃぁっ!?」
その様子に何か勘違いしたのか、突然、がばっ、とギーシュが抱きついた。
うむ、大きさ、張り、肌、全て合格。体温が低いのがマイナスか。
いや、しかし、それは些細なこと。僕が暖めてあげればいい。うん、彼女に決めた。
「ちょ、ちょっと…って!?」
こっそり『コントラクト・[[サーヴァント]]』を唱え、いざ行かん。セラスは引き剥がそうと下を向いている。好都合。
顔を上げ、倒れこむ。さあ、二人の唇が触れ合――
「悪ィがセラスは俺ンだ。出直せボーズ」
う直前、突然『生えた』手に撃墜された。
こに至ってようやくコルベールがやってくる。
彼はタバサが大尉にしたのと同様の説明を行なった。同時に、彼女がどんな存在なのかも聞き出していく。
別な星とか異世界とか言ってるが、まあ東方の奥地出身だとすれば此処は異世界のようなものなのだろう。
「……じゃあ、ここは遠く離れたどこか、ということですか?」
「そういうことになるね。で、どうするかな?」
ムーーーーン……
「…………分かりました。やりましょう」
「ありがとう、ミス・ヴィクトリア」
ふう、とため息をつく。
彼女が話の通じない、凶暴な性格でなくてよかった。
もし召喚と同時に暴れられていたら、どれほどの被害が出たことか。
「様式を変えた方がいいでしょうか…」
今のやり方ではそのうち生徒に死人が出るかもしれない。
大体どんなモノが出ても教師が押さえ込む自信があったからこその今の様式だったのだが。
コルベールすら死を覚悟するような、規格外の存在を召喚する生徒が出るなど想定外だった。
「ぎゃー、ナニスルンデスカー」「これが契約で…」「ええい、だったら俺にしやがれ」「それは僕が断る」
不意に、言い合いが聞こえてくる。
考えたらミス・ヴィクトリアは女性だ。契約とはいえキスはイヤなのだろう。
まだひと悶着ありそうだ、と、コルベールは再度、今度は逆の意味でため息をついた。
余談。
「……」
「『空腹』?」
「どうしました、ミス・タバサ?
……使い魔の方が空腹だ、と?」
「……」
「食べていいか、って。」
示した先には、先ほど野次を飛ばした生徒達。
「……それは困ります」
「…………今は我慢」
「……」
「いえ、ミス・タバサ、今じゃなくても人はダメです」
「……残念」
冷や汗の止まらないコルベールだった。
……実は大尉、野次が飛んでいた時点で既に起きていた。よって彼らは執拗に狙われることになる。
まあ、自業自得だよね。
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