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  • Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia-23

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia-23

最終更新:2015年02月02日 00:49

匿名ユーザー

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  • Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia


「きゅい………」

夕方にはまだ少し早いくらいの時間帯の、トリステインからゲルマニアへと向かう人気のない峠道。
がたごとと揺られる馬車の荷台で、タバサの召喚した使い魔である風韻竜のイルククゥは、悲しげに呻いていた。

今朝主人に本の買出しを命じられてトリスタニアという人間の街へ初めて行った彼女は、ふらふらと道草を繰り返すうちにすっかり道に迷ってしまった。
そして食欲の赴くままに入り込んだ食堂で、預かっていたお金を使い込んでしまった(お金は使ったら無くなるということを知らなかったのだ)。
主人からの罰を怖れて、お金くださいなのねーとか往来でわめいていたが、当然もらえるわけもなく通行人に可哀想な目で見られ……。
挙句の果てには、人攫いに甘言で騙されてホイホイついていき、御覧の有様というわけである。

自分が騙されて捕まり、これから物のように売買されるのだと理解した彼女は、激昂して変身を解こうとした。
しかしロープには魔法が掛かっていて容易には切れず、膨れ上がる体に食い込んで激痛が走ったために断念せざるを得なかったのだった。

今の彼女は若い人間の女性の姿に変身したままの状態で縛り上げられ、馬車の荷台に詰め込まれている。
周りには、同じように縛られて嘆きや諦めの表情を浮かべた女の子が何人もいた。

それに、マスケット銃と酒瓶を握りしめた、見張りの男が一人。

男は時折少女らの体をじろじろと眺めては下卑た笑いを漏らしたりしているが、手は出さなかった。
高値で売る予定の大切な商品に下手に手を出して、値打ちを落としたら損だからだ。
それに、軽率な事をして仲間のメイジどもの怒りを買うのも御免だった。

平民の自分に回ってくる分け前は少ないが、それでも上等なゲルマニア女と幾晩かたっぷりと楽しむくらいの贅沢はできる額になるはずだ。
何も今、こんなしみったれたガキどもに手を出す必要はない。お楽しみは一仕事した後だ。
それにうまい酒と飯も、たらふく腹に詰め込みたい。
ゲルマニアに着いたら、まずはこんなしけた酒とは段違いの上等なエールを、大角牛の焼肉で飲み明かすとしよう。

男はうきうきと皮算用を立てて満足感に浸りながら、酔い潰れない程度にちびちびと安酒を煽っていた。

他人の人生を犠牲にして自分の欲望を満たすことを何とも思わない、そんなろくでなしの見張りを睨みつけながら。
イルククゥは、この状況をどうにかできないものかと一生懸命に考えていた。

だが、何もいい方法は思いつかない。

先住の魔法は杖を要しないが、口語と身振りによる精霊への呼びかけは必要で、このように縛り上げられていては使うことができない。
それに今は高度な“変身”の呪文を維持しているので、たとえ動けても他の魔法はまともに使えない。
となると変身を解くしかないのだが、丈夫な魔法のロープで縛り上げられていてそれもできないときている。

しかも人攫いは一人ではなく集団で、今自分が乗っている荷馬車と、後続のさらに大きな馬車とに分かれて乗っている。
その中には幾人かのメイジが含まれている上に、目の前の見張りのような武装した兵隊もいるようだ。
人間は弱いが、系統の魔法を使うメイジだけは油断ならないと両親から聞かされている。
たとえ自分がなんとかして元の姿に戻っても、勝ち目は薄いかもしれない。

イルククゥは自分が何も知らない、無知で無力な存在にすぎなかったことを痛感した。

「ああ、とんでもないことになったのね……」

外の世界を見てみたい好奇心から召喚に応じてみれば、主人はいけ好かないちびすけだわ、こんな目に会うわ、もうさんざんである。
人間の召喚なんかに答えないで、故郷の“竜の巣”で大人しく暮らしていればよかった。

両親が助けに来てくれないだろうかとも思ったが、ここは故郷から何千里も離れた場所である。

到底叶う話ではないと諦めて大きな溜息を吐いた、その時。
突然馬が嘶いて、馬車が大きく揺れた。

それに続いて、御者台に座っていた人攫いたちが次々に悲鳴を上げる。

「ぐわあぁあぁ!?」
「ひぃぃ! な、なんだあぁ!?」

馬車はしばしがたがたと揺れながら進んだ後に、どしん! と何かにぶつかったような衝撃があって、動きが止まった。
見張りの男はしばらく狼狽えていたが、ハッと我に返ると何があっても動くなと少女たちに凄んでから、銃を構えて荷台の外に飛び出して行った。

「な、何……」
「まさか、誰かが助けに来てくれた?」

にわかに少女たちがざわめき始める。

もしや、本当に両親が助けに来てくれたのだろうか?
イルククゥは興奮して、ぐるぐる巻きに縛り上げられて自由が効かない全身を一生懸命に捩って外の様子を伺った。

自分たちの乗った馬車は、どうやら路肩の樹木にぶつかって止まっているようだ。
馬と馬車を繋ぐくびきが何者かによって断ち切られたらしく、馬たちが嘶いて逃げ去っていくのが見える。
そして、御者台にいた連中はどこからともなく現れた大きな竜巻状の風に巻き上げられて宙を舞っていた。

ちがう、両親じゃない。
あれは精霊の起こした風じゃない。

だけど凄い竜巻だ、いったい誰がやったのだろう。
イルククゥは一生懸命に首を動かして、術者の姿を探した。

そうこうしているうちに、竜巻が収まった。

人攫いたちは竜巻が消えると同時に宙に放り出され、馬車の傍の立ち木に衝突して地面へと崩れ落ちる。
激しい砂埃の舞うその奥から、ゆらりと小さな影が現れた。

「ち、ちびすけ………?」

それは遠く離れた魔法学院にいるはずの自分の主人、タバサであった。

タバサは相変わらず無表情で、ぼんやりした眠そうな目をしている。
だが、その体から立ち上る雰囲気というか、発するオーラが並々ならぬものであることにイルククゥは気が付いた。
これまでは頭から見下していたのもあってさっぱり感じ取れていなかったが、仮にも韻竜。臨戦態勢に入った今のタバサの強さは、流石に察知できた。

(――――こ、このちびすけ、只者じゃないのね!)

その時、後ろの馬車からゆらりと一人のメイジが降り立った。
道中で人攫いたちが“頭”と呼んでいた人物だろう。

イルククゥはそいつを見た瞬間、震えが走った。

そいつはまだ若い女性だった、おそらく年の頃は二十を過ぎたばかりだろう。
だが、長い銀髪の下には鋭い目を光らせており、全身から発されるオーラもタバサに劣らぬ雰囲気を醸し出している。

杖を構える仕草も堂に入っており、相当に強そうだ。
元は名のある貴族だったのかもしれない。

「あ、あねご!」

地面に倒れていたメイジの一人が、彼女を見て哀願するような声を上げる。
彼女は肩を竦めて、冷たい目でそいつを睨んだ。

「まったくだらしがないねえ。油断するなといつも言ってるだろうに」

それからタバサの方に目を向けると、唇の端を持ち上げて冷笑を浮かべる。

「おやおや、あんたは正真正銘の貴族のようだね。
 こりゃあ好都合ってもんだね」

タバサは表情を変えるでもなく、無言でその女頭目と対峙する。
すると女頭目は、頼まれもしないのにぺらぺらと自分の身の上話などをし始めた。
どうやらタバサの視線を、どうして貴族が人攫いなどに身を堕としたのか、という無言の問いかけだと解釈したらしい。

要約すると、自分は三度の飯より“騎士試合”が大好きで、伝説となった女隊長のように都に出て騎士になりたかった。
しかし親に猛反対されたため、やむなく家を出て、好きなように試合ができる傭兵を始めたのだ、という。

もちろんタバサには、誇張だらけか嘘八百と相場が決まっている犯罪者の身の上話などに関心はない。
それに例え本当だとしたところで、結局のところこの連中のやっていることは。

「ただの人攫い」
「ははは、そりゃあ食うためには仕方がないさ。
 あんたみたいなお嬢ちゃんにはまだわからない話かもしれないけどね」

女頭目が嗤ってそう言うのを、タバサはそっけなく聞き流す。

それよりもタバサは、この女頭目が話で時間を稼ぎながら、まだ倒されていなかった見張りの部下に横目で合図した事の方に注意を払っていた。
それを受けた部下はマスケット銃を構えたまま、気取られぬようにそろそろと馬車の荷台の方へ戻っていく。
おそらく、攫われた少女たちやイルククゥを人質に取るつもりであろう。

普通なら即座に話を打ち切って、問答無用であの男へ呪文を飛ばし足を止めるべきところだが………。
しかし今回は、その必要はないはずだ。

タバサは小さく口を動かして、ほとんど聞き取れないほどの小声で何事かをぼそぼそと呟くと、微かに笑みを浮かべた。
女頭目はそんな事には気付かず、にやついた笑みを浮かべたまま言葉を続ける。

「……さて、騎士同士の決闘には順序と作法ってもんがあるだろう?
 正々堂々といこうじゃないか」
「私は騎士じゃない」

ましてあなたは尚更、とは心の内だけで続けて、タバサは杖を構える。

女頭目はそれを見ると首を振って、指で馬車の方を示した。
馬車の傍に立った見張りの男が下卑た笑みを浮かべながら、マスケット銃を荷台に向けている。

「この騎士試合に付き合わないっていうんなら、あいつが女たちを殺すよ」

女頭目はそう言ってじろりとタバサの顔を睨む。

タバサは少し考えると、小さく頷いて了承の意を伝えた。
それを確認した女頭目が満足そうににやりと笑って、杖を構えると優雅に一礼する。
タバサはまた小さく口を動かしてぼそぼそと何事か呟くと、どうでもよさげに杖を構えて、それに合わせて礼を返した。

(――――今だ!)

その瞬間、女頭目は素早く杖を振るうと、まだ礼を終えていないタバサめがけて呪文を放った。

先程の竜巻から見て魔法の実力はおそらく自分と同程度、見た目に似合わず手強い相手と踏んで、隙をついて確実に勝とうとしたのだ。
騎士試合云々などというのは、とどのつまりはそのための方便に過ぎない。

先手を打つのは戦いの常識だ。
ただ漫然と杖を構えて敵が来るまで白痴のように待つなど、所詮は本当の殺し合いというものを知らぬ木偶のすること。
自分はお行儀のいい騎士様などではなく、傭兵なのだ。
正々堂々の勝負などに無駄に拘わることはないし、子供相手だからと舐めてかかって不覚をとるような愚かな真似もしない。

……だが結局、彼女は、自分が目の前の少女をそれでもなお過小評価していたことを思い知らされることになった。

放たれた風の刃がまさにタバサの胸を襲おうかとした瞬間、彼女は驚くべき反応速度で横に飛んで、その攻撃をかわしたのだ。
必殺を確信していた女頭目の目が、驚きに見開かれる。
体をかわしながら素早く呪文を完成させたタバサは、次の瞬間には隙だらけの女頭目に魔法の矢を放っていた。

「ひっ!?」

魔力によって実体化した矢が狙い過たず女頭目の杖を切り裂き、その服を地面に縫い付ける。
勝負はついた。

一瞬にして打ち負かされた女頭目は、信じられないと言った顔でタバサを見上げた。
体捌きの速さ、呪文詠唱の素早さ、そしてコントロールの正確さ、そのいずれもが驚嘆に値する。
自分が互角だったのはただ魔力の強さだけで、それを扱う腕前には天と地ほどもの大差があった。

「あ、あんた、一体何者……」
「ただの学生」

タバサはまるでいつもと変わらない様子で、淡々と答えた。
女頭目は悔しげに歯ぎしりをしていたが、やがてまた幾分か余裕を取り戻して先程と同じように笑みを浮かべた。

「……はっ、とんでもない学生がいたもんだ!
 まったくあたしもツキがなかったね。わかったよ、誰を助けに来たのか知らないけど、そいつは返してやるよ。
 だけどあたしたちはこのまま見逃してもらうよ、でないと―――」

そう言いながら先程、人質を取るために向かわせた部下の方に目を向け……、

「………は?」

次の瞬間、その笑みが凍りついた。

「オオ、タバサはやっぱりすごいみたいだね。
 どう? ディーキンの言ったとおりになったでしょ?」
「ほ、本当にすごいのね………」

そこに立っていたのは、見張りから奪い取ったマスケット銃を弄びながら、タバサの戦いを見て喜んでいるディーキン。
それと、彼の手によって戒めから解放され、荷台から顔を出してぽかんとした顔で主人の戦いを見守るイルククゥであった。
先程の部下は、いつの間にか2人の足元で伸びていた。

「……あ、あの亜人は……、あんたの使い魔かい?」

がっくりと項垂れる女頭目の問いに、タバサは今度は心なしか、少し嬉しそうな声で答えた。

「私の仲間」







人攫いたちが襲撃を受ける、少し前のこと。

タバサは関所までもう間もなく到着できるというあたりで時間にまだ大幅な余裕があることを確認すると、当初の待ち伏せ作戦を変更した。
救出は早いに越したことはないし、関所で騒ぎを起こせば役人を巻き込むことになり敵が増え、後の始末や事情の説明も面倒になる。
予想外に早く着けそうだし、これならば道を辿ってさっさと馬車を奇襲する方がよい、と判断したのだ。
賄賂を受け取って人身売買を見逃していた役人の名前は、後で聞き出してしかるべきところへ報告しておけばいいだろう。

そうして人攫いの馬車を発見すると、ディーキンは慌てて襲いかかったりはせず、まずは襲撃の算段と役割分担を決めよう、とタバサに提案した。

ディーキンのその功を焦らない、落ち着きのある場馴れした対応に、タバサは彼が実戦でもあてにできる人材であることを確信した。
とはいえまだ彼に具体的に何ができるのかはよく分かっていないし、攫われたのは自分の使い魔。
やはり最も危険な役目は自分が勤めるべきだ、という思いもあった。

そこでタバサは、自分が敵に奇襲をかけた後正面からの掃討を担当するという作戦を提案した。
ディーキンの役目はタバサに敵の注意が向いた隙に人質の元に辿り着いて彼女らを護り、状況に応じてタバサを援護することだ。

今回のような状況では人質を取られるのが最も厄介である。
傭兵崩れの人攫いなど一人でも掃討できる自信はあるが、それだけは警戒せねばならない。
丁度、小さくて素早いドラゴンの姿に変身しているディーキンは、その役目にうってつけである。

ディーキンは別に不満な様子もなく、すんなりとその提案を受け入れた。
そもそも自分はタバサの活躍を見届けたいのであって、別に彼女の見せ場を奪って大暴れしたいのではない。
彼女が主役で自分が脇役、というのはむしろ望むところだ。

そうして案が纏まると、2人は一旦別れてめいめい襲撃に適した適した位置につき、仕掛けるタイミングを見計らった。
事前の感覚共有で、攫われた子らが前の馬車に乗っていることと、御者台に乗っている2人がメイジで、荷台には見張りが一人いることが分かっていた。

荷台の見張りはディーキンに任せるとして、まずは厄介なメイジを優先的に片付けねばならない。

タバサはまず、人攫いたちに見られない死角から風の刃を放って、馬のくびきを断ち切ることで襲撃の口火を切った。
突然の事に御者台のメイジ2人の体勢が崩れたところへ、続けて巨大な竜巻を放つ。
馬の制御に気を取られていた彼らは、攻撃に気付いて対応する暇もなく打ちのめされた。

その様子を見て、ディーキンは改めて感心した。

攫われた子たちに害を与えないよう馬車を止めつつ敵の数を速やかに減らす手並み、呪文の威力、狙いの正確さ、遅滞のない的確な行動。
そのいずれもが、まだ幼いと言ってもいいくらいの年齢の少女としては並外れている。
まあ幼いと言っても人間としてはの事で、実際のところ自分より年下なのかどうかとかはよくわからないが。
なんにせよ、同じ学生でもあのギーシュという少年とは比較にならない。厳しい戦いを随分と潜り抜けて来たのに違いないだろう。

そう感心しながらも、ディーキンは自分の役目を果たすために遅滞なく行動にとりかかった。
茂みに隠れつつ、まずは変身を解除する。
続いて《不可視化(インヴィジビリティ)》の効果を身に纏うと、素早く馬車の傍へと移動して様子を伺った。
タバサとしては変身したまま体の小ささと素早さを利用して馬車に潜り込む事を想定していたのだろうが、透明になっておく方がより確実だろう。

そうして見張りが去ったのを確認すると、入れ替わりに素早く荷台の中に入り込む。

あとは、女頭目とタバサが話していた間に、イルククゥらに声を上げないよう注意しながら事情を手短に説明して。
何も知らずにのこのこ戻ってきた見張りを隙を見て後ろから締め上げて昏倒させ、銃を奪ったというわけだ。

もちろん襲撃に先だって、ディーキンはタバサに先の授業中にも使った《伝言(メッセージ)》の呪文を掛けていた。
彼らはそれを解して襲撃の間中お互いの状況の進展を小声で知らせ合っており、敵の動向や事態の推移はすべて把握していたのだ。
タバサが手出しは無用といったので、騎士試合とやらの間はディーキンは彼女を信頼して、解放したイルククゥと一緒に見学していたのである。







タバサはディーキンと協力して人攫いを全員捕縛すると、彼らを手短に訊問する。
その結果、彼らはやはり以前から関所の役人に賄賂を渡して人攫いを黙認してもらっていたことが判明した。
所詮欲得だけの関係ゆえに義理立てして隠し通そうとするはずもなく、名前も簡単に吐いたので、彼らを引き渡す時一緒に報告すればよいだろう。

解放した少女たちは女頭目の使っていた馬車に乗せ、厳重に縛った人攫いたちを荷物用のスペースに詰めて、乗馬経験があるという少女に手綱を任せる。
それが済んだタバサは、人目のないところで元の姿に戻った自分の使い魔に跨って、馬車と並んでトリステインへと向かうように言った。
イルククゥも今度は文句を言わず、素直にそれを受け入れた。
タバサとしては内心ディーキンの出してくれた幽体馬にまた乗りたい気持ちもあったが、今はまあ、自分の使い魔の方に乗るべきだろう。

ディーキンは念のため人攫いたちを見張るのと、少女たちの受けたショックを和らげる役に立ちたいからと言って、彼女らと一緒に馬車に乗っている。
最初は命の恩人とはいえ見た事もない異様な姿の亜人に怯え気味だった少女たちも、じきに彼の人懐っこさに馴染んだようだ。
少女たちは今ではもう酷い目に会った事など忘れたかのように、彼の弾き語りにうっとりと聞きいっている。

タバサもまた、普段のように本を開くこともなく、馬車と並走する使い魔の上で密かに耳を傾けていた。
内容は旅と恋に関する詩のようで、聞いたことのない内容だが美しい調べだった。



♪

 砂漠のあの子に会いたけりゃ
 4つの砦の真ん中に

 海のあの子に会いたけりゃ
 ふたつの月の輝く海に

 ………

♪



ともあれ、後はトリスタニアで官憲に人攫いと少女たちを引き渡して、事情を説明すれば一段落だ。
後はルイズに事情を説明して(すべてを正直に伝えるべきかはともかく)詫びなければならないが……、まあそれは、後で考えてもよかろう。
今しばらくは余計な事を考えずに、彼の歌でも聞いてリラックスしよう。

そう考えていたところへ、使い魔が声を掛けてきた。

「きゅ、きゅい、きゅい…、」

イルククゥはそう鳴きながら、何かを訴えるようにタバサの方を見たり、馬車の方をちらちらと見たりしている。
どうやらタバサとディーキンに助けられた礼を言いたいらしい。
が、口を聞いてはいけないと言われているのでどうしようかと迷っているのだろう。

「……………」

タバサは無言で杖をくいくいと上の方に向けた。
イルククゥはきょとんとした顔をしたが、すぐにその意図するところを悟って急上昇していく。
そうして今朝話をしてもいいと言われた高度に達すると、早速口を開いた。

「あ、あの……、タバサさま。どうもありがとう、助かったのね。
 それにあの子……、ええと、ディーキンさんにも」
「彼とはちゃんと話をつけておいた。
 お礼は後で、一緒に話しながらすればいい」

タバサがそう言ってやると、イルククゥは自分を助けに来てくれた上に、ちゃんと朝の約束も守ってくれていたことに驚き感激した様子だった。

さらにどうして自分の場所が分かったのかとか、何であの子も一緒にきたのかとか、色々質問してくる。
タバサはそれらの質問にひとつひとつ、簡潔に答えてやった。
イルククゥはしきりに主人の賢明さに感心したり、新しい友だちがまだろくな面識もない自分を助けに来てくれたことに感動したり、していた。

それから本を買うのを失敗したことについて謝罪もされたが、タバサはそれについて特に罰を与える気はなかった。
確かに勝手にお金を使い込んで買い食いされたのには腹も立ったが、まあ使い魔の知能や知識の程度を把握していなかった自分にも問題がある。
仮にも韻竜だからそのくらいできようと思っていたが、どうやら思っていた以上に精神が幼く、人間社会に関する常識も皆無だったらしい。
いつまでも愚痴っていてどうなるものでもないし、自分から謝ったのだから咎めはすまい。

それに人攫いを捕えて被害者を助け出したのだから、多少は役所から礼金も出るだろうし。
使い込まれた金貨一枚分くらいは、埋め合わせて余りあるはずだ。
何よりも今回の一件でディーキンと協力できたのはタバサにとっては喜ばしい、得難い経験であった。結果オーライというやつである。

さて話を打ち切って下に戻ろうかとしたところで、タバサはひとつ、彼女に伝えておかなくてはいけないことがあったのを思い出した。

「シルフィード」
「……え? それ、なんなのね?」
「あなたの名前。“風の妖精”という意味。ここでは先住の名前は目立つ」

「…………!!」

イルククゥはもう、あれだけ反抗的で失礼な態度を取った上仕事にも失敗した自分に名前まで考えてくれていたと知って、感極まった様子だ。

「素敵な名前なのね! きゅい、きゅいきゅい!!」

タバサも。自分の使い魔の予想以上の喜びようにこちらまで嬉しくなり、照れたのを誤魔化すように本を開いた。
主人の頬に差す微かな赤みに気付いて、ますますイルククゥ、改めシルフィードは心をくすぐられる。

「可愛いのね! 私も嬉しいのね! なまえ、なまえ、あたらしいなーまえー!
 きゅいきゅい、るーるるるー♪ ……」

陽気にはしゃぎ、歌とも言えないような珍妙なメロディーを口ずさみ始める自分の使い魔を見てタバサは微かに苦笑めいた笑みを浮かべた。
歌も下手とは、本当に何から何まで、あの亜人の子とは大違いだ。

けれど陽気で素直で、こちらまで暖かい気持ちにさせてくれるところだけは似ているかもしれない。
この子が使い魔でよかったと、タバサは召喚して初めて、心からそう思えた。

「ねえねえ、タバサさま!
 わたし、タバサさまのことをお姉さまって呼んでいいかしら?
 私の方が体は大きいけど、なんだかそう呼ぶのが相応しいような気がするのね!」

タバサはその唐突な申し出に少し首を傾げたが、じきにこくりと頷いた。
シルフィードは興奮して、きゅいきゅいとはしゃぎ続ける。

「あ! それに、ディーキンさんのこともお兄さまって呼ぶのね!
 あの方も小さいけど、さっきはすっごく格好よかったわ!」

ディーキンはタバサのような明らかな強さや凄さを見せてくれたわけではない。

けれど先程助けに来てくれた時に、突然声を掛けられて事情が掴めず騒ぎ出しそうだった自分を止めて、焦らず落ち着いて説明してくれたり。
戻ってきた見張りを手早く昏倒させて、強そうな女頭目と対峙するタバサを信じ切った態度で見守っていたり。
戦いが終わった今も、攫われた子たちの事を気遣って、素敵な音楽を演奏してあげていたり……。

そんな彼の姿にシルフィードは頼もしさを感じ、憧れを抱いたのだ。
自分もあんな風に落ち着いた素敵な竜に、そしてこの素敵な主人のお役に立てる使い魔になりたい、と。

タバサはまた少し首を傾げて考え込んだ後、小さく頷く。

「彼が、嫌がらなければ」

そうしてあれこれ話し込んでいるうちに、そろそろトリスタニアの街が見えてきた。
赤みがかった日の光に照らされて目を細めながら、タバサは興奮冷めやらぬシルフィードを促して、高度を下げさせた。

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