多胡羊太夫

【元ネタ】民間伝承(日本)
【CLASS】ライダー
【マスター】
【真名】多胡羊太夫
【性別】男性
【身長・体重】198cm・80kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具B
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:A+
 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。
 ただし、竜種は該当しない。

【固有スキル】
道具作成:B
 魔力を帯びた器具を作成できる。
 秦氏の技術者であると伝えられ、銅の錬成技術や養蚕技術に優れる。
 「和同開珎」等の銅銭や、銅製または絹製の概念武装を作成可能。

洗礼詠唱:C
 景教(ネストリウス派キリスト教)における“神の教え”を基盤とする魔術。
 その特性上、霊的・魔的なモノに対しては絶大な威力を持つ。
 ザビエル来日以前の日本人では本来持ち得ないスキルだが、羊太夫が景教徒だという説が有名になり過ぎたことから得たイレギュラースキル。

【宝具】
『八束小脛(やつかのこはぎ)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:50人
 生前、羊太夫に仕えていた従者の八束小脛の伝承が宝具となったもの。
 土蜘蛛と呼ばれる化生が天狗となったものであるとされる。
 気配遮断スキルBランクと修験道スキル及び神通力スキルAランクを持つ使い魔として召喚され、普段は隠密行動でマスターと羊太夫をサポートする。
 真名解放とともに羊太夫と融合。羽が両脇の下から生えて飛行能力をはじめとしたAランク相当の神通力を得る。
 更に権田栗毛に騎乗している場合、時速700Kmという超高速で天空を駆け抜け、物理攻撃に転換することができる。

【Weapon】
権田栗毛
 羊太夫の所有する栗毛の駿馬。
 権田という村の長者が、羊太夫の仁徳を聞いて献上したもの。

【解説】
 7世紀末から8世紀初頭にかけて上野の地で活躍したとされる伝説上の人物。
 多胡碑と呼ばれる古碑のひとつに刻まれた「羊」という名の人物がモデルであるとされている。
 伝承によると、羊太夫は711年(和銅4年)多胡郡司を命ぜられ、神通力を使う八束小脛という従者に駿馬の権田栗毛を引かせ、高速で空を飛ぶ力を用いて朝廷に参内していた。
ある日のこと、朝廷に向かう途中の休息の折、羊太夫は小脛の両脇下に羽が生えているのを確認する。ものめずらしさから一本ずつ抜いてみたところ、小脛は神通力を失ってしまい、頻繁に朝廷へと参内できなくなる。
これが原因で羊太夫が朝廷に謀反を企て、攻撃の準備をしているといううわさが流れ、朝廷は多胡に大軍を送り込み、朝敵として羊太夫を討伐した。落城間近となった羊太夫と小脛は金の蝶(あるいは鳶)の姿に変貌し山の方に向かって飛び去ったと言われる。
 触媒は碑の下から発見された十字架。多胡碑のかたわらの石槨に「JNRI(Jesus Nazarenus, Rex Iudaeorum、ユダヤ人の王ナザレのイエスの意)」という文字が見られ、ネストリウス派キリスト教と関連があるという。

【コメント】
 実在している人物を説話のかたちで脚色された英霊で、優れた相棒がいることや最終的な末路などアーサー王と似たタイプのサーヴァント。聖杯に願うことは八束小脛の羽を抜いたという過ちを取り消すこと。
 なまじ実在している痕跡があるばかりに秦氏説や景教徒説などオカルトめいた説に溢れている。考案する際にその説も吸収したためアンバランスな感じになったかもしれない。また、羊太夫が小脛と融合するのは英霊として分かりやすくするために設定したオリジナル。
 おそらく高い神通力をもっている小脛のほうが羊太夫よりも強いかもしれない。
最終更新:2016年10月01日 18:36