開拓拠点フリークリート

開拓拠点フリークリート

ニヴルヘイムの一地方に存在する、アルフヘイム側の拠点都市。
同地方を治める魔族の領邦諸侯"売国卿"エスピオンの庇護の下、
魔族の領域においてヒュームエルフ・亜人を含むいわゆる人類種の生活圏を築いている。

街の大きさは鉱山都市ガンダラの大体半分程度。
都市と言うには小ぢんまりとしているが、異種族の居留地としては大規模な部類に入る。
土地を所有するエスピオンは当地の統治には関知しておらず、人類による事実上の自治領となっている。

統治は街の知識層からなる議会による合議制としており、
ニヴルヘイムに知見を持つアルメリア王国が都市運営に対する技術・財政的な支援を行っている。
対価としてアルメリアはフリークリートの運営権を半数取得しており、
内政において同国の意思が反映されるようになっている。

主な産業はニヴルヘイムに存在する希少な鉱石や植物といった資源のアルフヘイムへの輸出。
またエスピオンとも交易を行っており、アルフヘイムの資源や文化財などを取引している。
加えて、ニヴルヘイムにおける人類種の生存・生活支援も彼らの仕事。
そして、ニヴルヘイム内の人類版図の拡大を図っている。

文字通り魔族の土地を人類のために「開拓」するための都市であり、
「世界間移動」のコストが重くアルフヘイムからは頻繁に行うことができない事情から、
送り込んだアルフヘイム勢力がニヴルヘイムで長期間活動するための「拠点」でもある。

言うまでもなく、アルフヘイムニヴルヘイムは戦争状態にある。
当然ニヴルヘイムから見れば開拓拠点の存在は侵略行為以外の何物でもない。
魔族の内にはこの街の存在を快く思わないものが多数を占める。

いつ滅ぼされてもおかしくない砂上の楼閣であるにも関わらず、
エスピオンの政治力によって他の魔族からの排撃を遠ざけ、今日までこの街は維持されている。

"売国卿"エスピオンは魔族でありながら「親アルフヘイム」、「親人類」とも言うべき奇特な性癖を持ち、
人類の生み出す詩楽や物語といった娯楽や文化を偏執的に愛している。
人類は自ら紡ぎ、時にアルフヘイムから輸入したこれら文化財をエスピオンへ提供する替わりに、
当地における庇護やニヴルヘイムに関する情報などの便宜を図ってもらっている。


ニヴルヘイムアルフヘイムは神代に勃発した神々の争いによって分断されており、
コインの裏表のように一体でありながら地続きではない。
徒歩をはじめ通常の手段では行き来することは不可能とされている。

境界を越えて向こう側へ渡るには、形成位階・門(イェツィラー・トーア)のようなスペルを用いるか、
世界の狭間に位置する忘却の森の通行権を得るほかない。
いずれも一般市民とは縁遠い禁忌に近い手段である。

ただしこれは「意図的に」世界を渡る場合に限った話で、
「意図しない」…ようは事故的に世界を越えてしまう事例はままある。

コインが薄くすり減り、やがて穴が開いて裏側が覗き見えるように。
偶発的かつ不安定ではあるが、両世界の境界が一時的に曖昧になることがある。
また、『門』の解放は、コインを強引に貫通させる行為と言えるのかもしれない。

俗に「神隠し」と呼ばれるような人間の消失現象は、賊や魔物に襲われたのでなくば、
運悪く世界の裏側(=ニヴルヘイム)へ迷い込んでしまったケースが一定数を占める。
魔族たちが『門』で好き勝手開けた穴が閉じられることなく、通りがかったヒトや物がそこに落ちてしまうことや、
ニヴルヘイム側勢力による工作活動としてヒトや財産の拉致略取が行われることもある。

こうした種々様々な事情で異世界へと放り出された者たちは、
常闇の世界で生き残るために身を寄せ合い、やがて寄り合いは相互扶助の組織となった。
そして売国卿との出会いが彼らに寄る辺としての土地をもたらし、
子を産み育み、同じくニヴルヘイムに迷い込んだ者との合流を果たし、
時にアルメリアをはじめアルフヘイム諸国の思惑を一枚二枚と噛ませながら、
小さな街は少しずつ大きくなっていった。

ルーツとする世界は違えども、この土地の人々にとってフリークリートは紛れもなく故郷である。
アルメリアの支援によってアルフヘイムへ帰還する機会を得ながらも、
ニヴルヘイムに生きることを選んだ者たちの街と言えよう。


ストーリーモードでは、シナリオ後半で解禁されるニヴルヘイムエリアにおける、
最初の街として実装されている。
魔王バロールを追ってニヴルヘイムへと乗り込む主人公たちは、
右も左も分からないニヴルヘイムで活動するための拠点としてこの街に逗留することになる。

ニヴルヘイムに人類の街がある』という事実に当初は面食らうが、
考えてみればアルフヘイムには魔族に支配された街なんてのもあったわけで、
その逆パターンがあってもおかしくないと言えばないのかもしれない。

これまでアルフヘイムエリアで戦ってきた魔族たちは皆人類に敵対的な者ばかりだったが、
この街でエスピオンをはじめとする人類に友好的な魔族とはじめて触れ合うことになる。

そうしてプレイヤーは、魔族という存在がただ人類に仇なす強力な化け物であるだけでなく、
人類と同じように泣き笑い娯楽を楽しむ心を持った生き物であることを再認識させられ、
また魔族の中にも争いを好まない者たちが居ることを実感する。

ひとえに魔族と言っても一枚岩ではない。
ふたつの世界は戦争をしているが、それはシンプルな「悪い国に攻められる良い国」という構図ではなく、
歴史や為政者同士の思惑が幾重にも錯綜した事情があると知るのである。

シナリオ後半では、聖杖アレフガルドを巡った大規模な防衛戦が当地を舞台に繰り広げられる。
魔族がなぜ神代遺物を求めるのか、『光』をアルフヘイムが独占することに正義はあるのか、
なかなかに重いテーマで物語が進行し、プレイヤーからの評価も高い。

またエスピオンはアルフヘイムで二束三文で買い叩かれるようなアイテムにも喜びを示し、
希少価値の高いアイテムを返礼として渡してくれる。
インベントリの肥やしになるだけのゴミアイテムを金策アイテムに変換してくれる素晴らしいお方であり、
一部のプレイヤーからは神のごとくあがめられ、この街に居座る者も多い。

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最終更新:2022年05月16日 21:21