聖杖アレフガルド

せいじょうアレフガルド

ニヴルヘイムの奥地にある神殿『灯蝕の社』にひっそりと封印されている聖なる杖。
火属性の神代遺物であり、かつて世界を満たしていた光の半分を切り抜き形を与えたモノ。
伝説では、この杖が創られたがために世界の半分(=半日)を宵闇が占める『夜』が生まれたとされている。

全長2メートルの長大な柄は木製とも金属製ともつかない独特の質感の素材で構築されており、
先端にはカンテラをかたどった金の台座と、炎のように揺らめくオレンジ色の宝石があしらわれている。

ヒトの造った器物ではなく、創世神話に登場するれっきとした神代遺物(アーティ・マグナ)である。
ご存じ魔王バロールが極大魔法螺旋廻天レプリケイトアニマを用いて破壊しようとしていた、
大地の支柱『霊仙楔』と同じクラスの代物と言えばスケールが伝わることだろう。

聖杖の名を持ちながら属性は火であり、光の源は『陽』ではなく『灯』。
神々の時代には、太陽と灯火がそれぞれ世界を半分ずつ照らし、大地を光で満たしていた。

アルフヘイムニヴルヘイムが分かたれるきっかけとなった神々の戦争の際、
ニヴルヘイムの神が世界から光の半分を奪い、杖の形に封じて常闇の世界ニヴルヘイムに隠匿することで、
アルフヘイムは昼と夜が交互に入れ替わる現在の姿となった。

……というのが神話におけるこの杖の成り立ちである。
あくまで現代に伝わる限りの逸話に過ぎず、聖杖が実際にそのような経緯で創られたかどうかは定かではない。
とはいえ、その光にまつわる権能は本物であり、資格ある者が手にすれば究極の力をほしいままとする。

ニヴルヘイムの眷属がアルフヘイムに侵略できるのも、この世界に闇の時間である夜が存在するためだとされるが、
神話の時代の話であるため正確なところを知る者はニヴルヘイム側にも居ない。
ただ事実として、夜警局が捕捉する限りニブルヘイムによる侵攻は決まって夜の時間帯に発生しており、
ニヴルヘイム迎撃機関が「夜警局」という組織名を冠したのもこれを由来としている。

ストーリーモードでは、ダンジョンとしての「灯蝕の社」の攻略目標として登場する。
大規模侵攻が予測されるニヴルヘイムに対抗する力を得るため、封印された聖杖を手に入れるのが目的。
ニヴルヘイムで発生するクエストラインのクライマックスにあたるシナリオとなる。

創世神話や戦史の編纂も手掛けるメイレス魔導書庫から霊銀結社経由で依頼を受け、
『禁書の』アシュトラーセと共にニヴルヘイムへ乗り込んで聖杖探索に東奔西走する。

新たにニヴルヘイムエリアとして解禁されるワールドマップや、開拓拠点フリークリートでの防衛戦、
闇の眷属にも関わらずニヴルヘイムに光をもたらそうとした『灯守』の一族の結末や、
神話の裏に隠された聖杖誕生の真実など、派生するサブクエストが多彩でやり応えのあるシナリオとなっている。

これまで単なる敵の巣窟としか描写されてこなかったニヴルヘイムであるが、
今を形づくる過去があり、未来を求める意思があり、何より生命の息づくひとつの世界であることを実感させられる。

幻魔将軍ガザーヴァをはじめニブルヘイム勢力との数々の死闘を乗り越えてきたプレイヤー達は、
アルフヘイムに一方的に加担することが果たして正しいのか?
ニヴルヘイムに生きる者たちの命や幸福を足蹴にする権利はあるのか?
といった正義の在り処を今一度各々の胸に問われることとなる。

アコライト外郭の壊滅で多くの犠牲者が出た後のシナリオであるため、
『敵国』であるニヴルヘイムの内情を知ったとてそれまでの狼藉を赦せるかどうか、
大いに迷い答えを出しあぐねたプレイヤーも多かったことだろう。

また灯蝕の社は、時を同じくして聖杖奪還に現れた『聖灰の』マルグリットとの最後の決戦の舞台でもある。
プレイヤーたちとは異なる正義を貫くため強力な光の力を求めたマルグリットと、
聖杖アレフガルドを巡って対立し、大規模な争奪戦を繰り広げることとなる。

何度も刃を交わしながらなんだかんだと共闘もしてきたマルグリットとのライバル関係の終着点。
お互い譲れないものの為に敵対は避けられず、これまでの集大成のような闘いを展開する。
代名詞である聖灰魔術はレイド級を従えるまでに成長し、同時に高速格闘術で接近戦も仕掛けてくる。
生半可なパーティでは歯牙にもかからず敗北を喫することになるだろう。

さらに、選択肢次第では聖杖アレフガルドを装備した状態のマルグリットと戦うことさえある。
伝説の装備によるステータス補正を受け、専用魔法を解禁したマルグリットの強力さは言うまでもなく、
エンドコンテンツではないにも関わらずレイド戦並みの戦力と戦術が求められる。

ちなみにこの状態のマルグリットを倒すと解除できる実績は全世界でも取得率が非常に低い。
フレンドに自慢できるが、廃人の証明書みたいなものなので尊敬より引かれること請け合いである。
マルグリットの中の人がこれを取得していることが発覚し、やっぱりドン引きされた。

閑話休題。
灯蝕の社での最終決戦を制することができれば、火属性武器:聖杖アレフガルドが手に入る。
武器としてのアレフガルドは、前評判通りに破格の性能を秘めており、
まさに『最強の火属性武器』にして『最強の杖』と言えるだろう。
火パーティおよび魔術師系のキャラにとっては掛け値なしの最終武器となる。

ラストダンジョンでもないシナリオ終盤の半ばで入手できて良いような性能の武器ではなく、
火属性と魔術師キャラは他のキャラよりも早い段階で最上位の戦力を得られる。
そのためこの二種に関してはシナリオ攻略の難易度が格段に低く、
RTAチャレンジなどではレギュレーションで火・魔術師縛りを課していることも多い。

次点が中盤のサブクエで魔剣ロンダルキアを入手できる水属性か。
こちらは武器種が剣で装備できるキャラが多いため、様々なパーティで起用できる。

魔剣ストームコーザーのある風属性も有力ではあるが、
その性能を最大限発揮できるキャラがよりにもよって限定排出の『覇道の』グランダイトであるため、
恒常キャラだけで十分に戦力を整えられる上記2属性に比べると編成難易度が高い。

話を戻すが、とにかくINTの補正値がケタ違いに高く、別次元の強さを手に出来る。
ここまでメキメキにINTが上がっていると、初級魔法でもラスダンの雑魚くらいは余裕でワンパンできる。
まさに「今のはメラゾーマではない…メラだ」をブレモンで再現するような破壊的な火力である。
回復魔法の効果量も非常に伸び、ヒール一発でほぼ全回復するので継戦力も向上する。

さらに、聖杖装備時のみ使用できる専用魔法『始原の炎(プライマルフレア)』は、
単体攻撃の炎弾をランダムに30ヒットさせる多段魔法。
30発の炎弾ともなればランダムでも敵全体に当たるため事実上の全体攻撃であるが、
真価を発揮するのはボス戦などで敵が1体の場合。

30ヒットが全て1体に集中し、さらに一発一発がINT次第でカンスト級のダメージになるため、
カンストダメージ×30という冗談のような威力を叩き出す。
流石にレイド級相手だとダメージ上限を叩くことは簡単ではないが、ガチ勢による研究のもと、
『笑顔で鼓舞する戦乙女』の接吻で超強化したキャラがレイド級をワンターンキルする動画が公開されている。

また、言うまでもなくガチャ排出キャラとしての『聖灰の』マルグリットの最終武器でもある。
ただでさえ高いINTがさらに跳ね上がり、低くないATK補正と合わせてその性能を最大に生かすことができる。

なお、マルグリットに聖杖を持たせると灯蝕の社での戦いに言及した専用セリフを喋る。
彼のアレフガルドにかける想いの裏側が窺い知れるものであり、
一連のシナリオはこの専用セリフをもって初めて完結するのだと強弁するファンも多い。

限定ガチャのキャラでメインシナリオの完結編をやるなよというのはごもっともなお話。
グラフィックのデザインもトネリコの杖の正統派生といった感じでマルグリットのスタイルに調和する。
ある意味では、彼に装備させることを前提に設計された武器なのかもしれない。

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最終更新:2020年10月07日 20:54