戦国BASARA/エロパロ保管庫

上田城の虜35

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匿名ユーザー

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「独眼竜の言うとおりにしてみようかなあって、ね。癪だけどしょうがないかな」
 なんだか不安そうだった旦那は、余計に不安そうになった。
なんでまた捨てワンコ目なのさ。
「政宗の言ったとおりとは何だ」
「いやいや、俺は旦那の忍びですよ、離反なんかしませんよ当然。いやあの、惚れてもいません確実に。
独眼竜を大将のトコ連れて行きます。これじゃおしかり頂くだろうけど……」
 ちょっと肩をすくめてみせる。
元々覇気を叩き折ったらお館様の采配に任せる手はずだった。
独眼竜の言葉。
俺の手には負えるわけ無いって、そういう意味だよねあれ。
旦那の手にも負えないって、言い切ったよね。
独眼竜、あんたよりでかい物差し持っててあんたの事計れる人間って、つまりお館様だよね。
了解だ、一人前の敵として、お館様に差しだしたげる。
側室の一人にされるかもしれないし、首斬られるかもしれないし、出家程度で済ませてくれるかもしれない。
そんなの俺じゃ分かんないし、もう正直なとこ独眼竜、あんたに関わりたくないよ。
この城にいて欲しくないよ。
旦那が泣きそうな顔するし、ていうか泣くし。
お館様のされたことなら、旦那だって諦め付くでしょ。
最悪の状況が来ても、俺が何とか守るから、きっとどうにかするから、旦那。

旦那は、食い入るように独眼竜を見ていた。
回復すれば、手元を離れる女を。




体中から放たれる覇気が、全身を打つ。
戦神覇王、武田信玄。そう呼ばれるのもよく、解る。

政宗はただ頭を垂れた。今更敗軍とはいえ、総大将としての扱いを受けているのが滑稽な気がした。
熱が下がり、旅に耐えられるようになったばかりの政宗は、さぞ弱弱しく見えるだろう。
うなじに視線が注がれているのを感じた。
「構わぬ、面をあげい」
 びいんと張り詰めた、強い、重い威厳の漂う声音。
「……」
 従う。
年を重ね鎧のような肉を纏った体。
肩のつよい盛り上がり、猪首、濃い、しかし整えられた髭、巌をも貫くような目の光。
互いの間に柵も檻もない。気構えを鎧として、この圧迫感から自分の魂を守るより他はない。
だが、今の政宗には根付く場所を喪った自尊心しかない。気構えなど、どこから。

ただ姿勢を正し視線を受け止める以外に何も出来ないのだと、無言で威圧する空気。
肉食の獣が政宗を見据える。
上田城の虜36

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