庭を高みから眺める。
甲斐は山が近い、と改めて思った。
緑が濃い。空が山に縁取られ小さい。その代わりに高い。
──庭で、幸村と話をする小十郎の姿を眺める。
生きて動いている姿は遠くに何度かみかけた。
だが、言葉を交わすことはない。声を聞く代償に、疑われ小十郎の命を奪われるのだけは嫌だった。
甲斐は山が近い、と改めて思った。
緑が濃い。空が山に縁取られ小さい。その代わりに高い。
──庭で、幸村と話をする小十郎の姿を眺める。
生きて動いている姿は遠くに何度かみかけた。
だが、言葉を交わすことはない。声を聞く代償に、疑われ小十郎の命を奪われるのだけは嫌だった。
庭先の幸村が、ふとこちらを見上げた。全く、いいカンだよ。
好意を抱こうと努力する。確かに確執に拘り恨みに染まるのはCoolじゃないさ。
今では結構成功してきている気がする。
手をふって笑うと、表情など解らないほど遠い姿が、それでも勢い込んだように喜ぶのがよく解った。
何だって惚れられたんだろうな。
政宗にはまだ解らない。
片眼でも痘痕でもない、気位が高くもなく生意気でもないイイ女なんざ、他にいくらでもいるだろうが。
まあこうなった以上、拒みやしねえがな。むしろ他のオンナに目がいかねーようにしてやるぜ、覚悟しな。
小十郎が姿勢良く頭を下げて控える。
幸村は、犬のように大喜びで駆けてくる。
やがて足音が聞こえてきた。
「よう、そんなに急いでどうした?幸村サマ」
姿が見えないうちに声を出すくらいでちょうど良い。
言い終わる前に、あっという間に幸村が飛びついてくる。
「政宗ぇぇぇぇぇっ」
当たるを幸いなぎ倒す勢い。
もう慣れて受け身を取る。ばん、と押し倒すようにして幸村は首筋に顔を埋めた。
「あのな幸村サマ。昼間だぞてめえ、執務はどうした」
「ぬっ!確かに残っているが、とまらぬぅぅぅあ!」
止めようとも思ってないだろが幸村サマよ。また閨に仕事持ち帰って手伝わすつもりかよ。
真面目な割りにいい加減なとこも結構あるよな。
まあいいか、と夢中になって首筋を吸い上げ匂いを嗅ぐその背中にぽん、と腕を回し撫でてやる。
「あんま女遊びが過ぎるとこっちの立場も悪くなるぜ」
「遊びではない!」
目を燃え上がらせて、ぐいと襟を両脇に広げる。胸がほろりとこぼれ、幸村は待ちかねたように顔を埋めた。
「遊びっぽく見えんだよ、こら……匂い嗅ぐなよ、んー……んぅ、は……」
抑えた声が漏れる。
もう、何度も噛み跡を付けられた乳房。歯ごたえを楽しむような甘噛み。
慣れさせられて、軽い痛みでも快感めいた信号を体に送り込む。
眉をしかめゆっくりとした息を繰り返そうとしても、幸村は乳房に歯を立て舐めしゃぶるのを止めようとはしない。
気分は殆ど授乳だ。
上田城の虜54/愛の勝利者2
好意を抱こうと努力する。確かに確執に拘り恨みに染まるのはCoolじゃないさ。
今では結構成功してきている気がする。
手をふって笑うと、表情など解らないほど遠い姿が、それでも勢い込んだように喜ぶのがよく解った。
何だって惚れられたんだろうな。
政宗にはまだ解らない。
片眼でも痘痕でもない、気位が高くもなく生意気でもないイイ女なんざ、他にいくらでもいるだろうが。
まあこうなった以上、拒みやしねえがな。むしろ他のオンナに目がいかねーようにしてやるぜ、覚悟しな。
小十郎が姿勢良く頭を下げて控える。
幸村は、犬のように大喜びで駆けてくる。
やがて足音が聞こえてきた。
「よう、そんなに急いでどうした?幸村サマ」
姿が見えないうちに声を出すくらいでちょうど良い。
言い終わる前に、あっという間に幸村が飛びついてくる。
「政宗ぇぇぇぇぇっ」
当たるを幸いなぎ倒す勢い。
もう慣れて受け身を取る。ばん、と押し倒すようにして幸村は首筋に顔を埋めた。
「あのな幸村サマ。昼間だぞてめえ、執務はどうした」
「ぬっ!確かに残っているが、とまらぬぅぅぅあ!」
止めようとも思ってないだろが幸村サマよ。また閨に仕事持ち帰って手伝わすつもりかよ。
真面目な割りにいい加減なとこも結構あるよな。
まあいいか、と夢中になって首筋を吸い上げ匂いを嗅ぐその背中にぽん、と腕を回し撫でてやる。
「あんま女遊びが過ぎるとこっちの立場も悪くなるぜ」
「遊びではない!」
目を燃え上がらせて、ぐいと襟を両脇に広げる。胸がほろりとこぼれ、幸村は待ちかねたように顔を埋めた。
「遊びっぽく見えんだよ、こら……匂い嗅ぐなよ、んー……んぅ、は……」
抑えた声が漏れる。
もう、何度も噛み跡を付けられた乳房。歯ごたえを楽しむような甘噛み。
慣れさせられて、軽い痛みでも快感めいた信号を体に送り込む。
眉をしかめゆっくりとした息を繰り返そうとしても、幸村は乳房に歯を立て舐めしゃぶるのを止めようとはしない。
気分は殆ど授乳だ。
上田城の虜54/愛の勝利者2




