戦国BASARA/エロパロ保管庫

かんなびのさと9

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いつきは、抱きすくめた腕のなか信玄を見ているようだった。
「いつき。主というのは、上に立つ人間だ。下にいるものの夢すべてを背負う責務がある。
オレは確かに負けてお前の夢を裏切った、だから、オレに復讐してもいい。だが、オレだけにだ。
……そうだろう、いつき」
 己の背中で圧迫を跳ね返す。
オレが信玄に真向かう事はもう許されない話だ。だから背でかばい受け止めるしかない。
「政宗よ、その働きよっく見ていた。報告をせい!」
 抱きすくめた腕の力を緩め、少し体を離していつきの顔を見据える。
ああ、前と変わらず覚悟決めたいい顔だ。Coolだよ。
色めき立つ親衛隊を眼差しで黙らせ、信玄に向き直って膝をつき頭を垂れた。
見ていないつき。これが信玄公だ、甲斐の虎だ。
オレが膝を屈して構わないと見た人物だ。お前の夢、信玄公に預けられるか?
見ていないつき。

裏切った代償は払う。

「お館様。この娘が大将、名は、いつき」
 いつき、お前は大将だ、ビビんなよ?
「うむ、そう呼んでおったな。知己か」
 一層に頭を垂れる。
「天下を取り、安寧をやると約束していた。後は聞き届けた通り、オレが負け約束を破った。
これはお館様への反乱ではなく一揆でもない。オレへの、正当な復讐だ」
「違うべ!おめさん謝ってくれたべ、謝ってくれたなら、おらそれで良かったんだ。
忘れられてても思い出してくれたべ!?だから、おら……」
 膝をついたその背中を、小さな拳が打つ。暖かいな、お前の拳は。
「だからおら、おめさんが負けたって聞いたから、おらは……
姉ちゃんが、悪いおさむらいに捕まったって聞いたから、今度はおら達が姉ちゃんを助ける番だって」
 何だよ。最初から、怒ってなんかいなかったのか。
ただ、拗ねていたのか。優しいないつきは。優しくて、子供だ。
「……儂が憎いか」
 伏せた頭の後ろに、重々しく信玄の言葉がかかる。
いつきに向けたものだろう。いつき。小さくいつきにだけ届くような声で囁く。落ち着け、いつき。
いつきが息を吸い込む。怖いか、信玄が。全身から放たれるこの圧力が。
「──憎いべ!悪いおさむらいさんは、みんな憎いべ!」
 やけになったような叫び。
「悪い!?お館様に対して、なんたる!」
 右手から憤慨しきった幸村の声。ああ、そうだろうな、お前は怒る。
「そもそも一揆を起こすこと自体、不届き千万!」
「何言うだ!おめさんなんかにゃ米はわたさねえ!大体、姉ちゃんはどうしてこんなに窶れちまっただ!
おめさんたちのせいだべ!?おさむらいさんは、農民虐めるだけでねえ、おさむらいさん同士でも虐めるだか!?」
「なななな、虐めたわけでは!佐助何とか言え!」
 許しなく政宗は顔を上げた。眼帯ごしに幸村を見据え黙らせ、いつきを呼ぶ。
上田城の虜65/かんなびのさと10

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