戦国BASARA/エロパロ保管庫

右目と左目6

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「視察?」
「そうだ。お前にもいい加減、ある程度奥州の地理に明るくなって貰わ
ねぇと」

ある日。
政宗に呼び止められた元親は、彼女の部屋で今日の予定をなし崩しに決
められていた。
曰く、今後戦などが起こった時にも、即座に行動を起こせるよう、領地
周辺の視察を命ぜられたのである。
特にやる事もなく暇を持て余していたので、何か目的を与えて貰うのは
悪くないが、地形や周辺を記した地図と、数人の供を連れただけのもの
だと判るや否や、元親は、思わず不満の声を上げた。

「一緒に行ってくれないのかよ?」
「いつまでも、俺がいなけりゃ何も判んねぇってのは、考えモンだろ?
まあ、お前がどうしてもって言うんなら、小十郎のヤツに道案内を頼ん
でもいいが……」
「冗談!アイツと一緒じゃ、道中ネチネチネチネチ嫌味言われまくるに
決まってるじゃねぇか!」

判り易いまでの拒絶反応に、政宗は苦笑しながらも、内心で安堵する。
厩舎から、二番目に良い馬を元親に貸し与えた政宗は、屋敷の門前まで
見送りに出た。
「そんなに複雑な地形じゃないから心配すんなよ。…おめぇらも、ち
ゃんと案内してやれよ」
「へ、へい。筆頭」
政宗自らの命令に、伊達の精鋭達は、不本意ながらも首肯する。
「じゃ、行って来るぜ政宗!」
「おう、気を付けてな」
変わらぬ笑顔を向けてくる元親に、仄かな心の疚しさを覚えながらも、
政宗は手を振って応えた。
やがて、彼女の姿が完全に見えなくなった後で、再び門をくぐると屋敷
への道を引き返す。
「政宗様」
するとそこへ、畑での作業を済ませた小十郎が、こちらに向かって歩い
てきた。
「小十郎。今日も精が出るじゃねぇか」
「恐れ入ります。…ところで政宗様、あいつが何処にいるかご存知です
か?」
何気なく投げ掛けられた質問に、政宗は一瞬だけ口元を引き結んだが、

「…さあ」
「そうですか。ったく、何処ほっつき歩いてやがる、あのドブス」
「たまには気分転換くらいさせてやれよ。いっつもお前に苛められまく
ってるんだから」
「な…べ、別に小十郎はただ……」
「それとも何か?『好きな子ほど苛めたくなる』ってヤツか?」
ちくちくと痛み出した心とは裏腹に、政宗は軽口を叩いてみせる。
「……そういう戯れ言は、冗談でもやめて下さい。誰があんな見た目も
中身も大雑把なブサイクなどに…」
───ウソだ。
この頃の小十郎は、口を開けば元親の事ばかりだ。
彼の性格上、元親の事が本当に気に入らなければ、はじめから如何な
る形での接触も持たない筈だ。
たしかに、元親を客将に迎えたのは、自分だ。
そして小十郎は、自分の頼もしい『右目』だ。
それなのに、近頃はその大切なふたりが、どんどん自分から遠ざかって
しまっているような気がする。

(元親は、俺の客将なんだぞ?そして小十郎。お前の主は俺だろう?)

何だか自分だけが蚊帳の外で、のけ者にされているような気がしてなら
なかったのだ。

「なあ、久しぶりに付き合えよ。丁度今、ずんだ餅を拵えた所なんだ」
今にも口を付いて出てしまいそうな本音を飲み込みながら、政宗は出来
るだけ穏やかな声で、元親の不在に渋面を刻む小十郎に向かって呼びか
けた。

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