戦国BASARA/エロパロ保管庫

氏政公がみてる3

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bsr_e

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「――!?」
小太郎が得物を構える前に、ぽかんとした表情を浮かべた氏政の背後に男が忍び寄っていた。
氏政の喉元には刃物の切っ先が突きつけられている。
「はいはーい、どちらさんも動かないでちょうだいね、っと。とくにアンタ。雇い主が
死んじまったら、困るだろ?」
「…………」
「しええ~っ、ご、ご、ご、ご先祖様ぁーっ!」
動揺したそぶりさえ見せない小太郎とうって変わって、氏政はひどく取り乱している。その場に
尻餅をついて悲鳴を上げた。
「あーもう、動かないでって言ってるでしょうがっ!」
男は小太郎を目で牽制しながら懐から荒縄を取り出すと、床に倒れたままの氏政を近くの
柱まで引きずって縛り始めた。
かすがは声を上げた。
「佐助っ!」
なぜこんなところに、この男がいるのだ。そういう驚きを込めて呼んだ名に、猿飛佐助は
なにを勘違いしたのか妙に嬉しげな顔をすると、相変わらずの飄々としたしぐさで片手を
上げた。
「よう、かすが。いーいカッコしてんじゃない」
「なぜお前がここにいる!?」
「なぜって。まぁ、細かいところはどうでもいいでしょ。それより……よいしょっと」
「ぐえっ、げほっぐぇほっ! こんな老骨になんたる仕打ちをするんじゃ!」
思い切り縛り上げられ悲鳴を上げた氏政に構わず、佐助は小太郎の方へ向き直った。
「三河では、どーも。ま、今回はやり合うつもりはないから仲良くしようぜ」
言いながら、笑顔で氏政に刃を突きつけている。
「…………」
小太郎は一歩後ろに下がると、手に持った手裏剣を床に転がせた。
「うん、話が分かるじゃないの。さてと――」
さらに口を開こうとする佐助を、かすがは遮った。
「待て、お前『三河では』と言ったか。お前も徳川を探っていたというのか?」
「まあね。ってか、話の腰を折るなよなー。この場の主導権、誰が握ってると思ってんの、
かすがちゃん?」
「くっ」
ひどく屈辱的だった。
かすがが唇を噛み締めると、今度は氏政が青ざめた表情を浮かべながら佐助に問いかける。
「お主まさか――た、武田の忍びか? 目的はなんじゃ、ワシか、ワシの命か!?」
ほとんど助命を乞うような口調に、佐助は肩をすくめた。
「まさかー。暗殺するならもっとうまくやりますっての。俺はね、ただ情報が欲しいだけ。
じいさんが武田を裏切る気満々だってことはよーっく分かったから、あとは黙ってこの場の
人質をしてくれりゃいいんですよ……ってね」
氏政に向かってというより、かすがに語りかけるような言い方だった。
知っている情報を吐け、と。
全員が黙り込むと、佐助は愉快そうに言った。
「ねー、かすが。徳川について、知ってることを教えてくんないかな? 全部吐いてくれたら、
縄を解いてやるからさ」
すべての主導権を佐助が握っている。
観念したかすがは、言葉を選んで真相を語った……。

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