戦国BASARA/エロパロ保管庫

オクラ様は赤面性

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毛利元就が前田領に攻め入ったのは、さかのぼること二月前。
毛利軍は計算以上の前田軍の結束の固さに惨敗し、
当主である元就は深手を負った上にこの場所に捕らえられていた。
どこともわからぬ屋形である。
否、前田領だということだけは分かっている。
日の当たる縁側に腰掛け、元就は思った。
…………我は何をしているのだ。
ちゅんちゅんと、雀が鳴いていた。
見張りはいない。
借り物の単衣の上から、胸に受けた傷に手を当てる。
傷自体はすっかり塞がって痛みは無い。
二月前の戦で、前田慶次から受けた傷だ。
装備ごと肉を切り裂いた次の瞬間の事を、元就は忘れることが出来ずにいる。

「あんた…まさか、女!?」

これまで必死に隠してきた事を、あの男は。
よりにもよって戦場中に響き渡るような大きな声で。
顔が赤く火照るのが分かった。
思い出すだけで身もだえするような恥ずかしい過去だ。
今まで生きてきた中で受けたどの屈辱を思い返してみても、
怒りや悔しさに捕らわれる事はあっても、
このように顔が火照ることなど無かったというのに。
さらけ出された小さな乳房を見られた事を恥と思っているのではない。
あの場には、まだ駒が居て。
そう、駒共にも隠してきたことを。
あの男は。

「朝からどうしたんだい、そんな顔してると、福の神が逃げてっちまうよ」

忌々しい陽気な声に、びくりと元就は振り向いた。
そこには男が立っていた。
大きな背も、厚い胸板も、広い肩幅も、艶やかに伸びた長い髪も、呑気な笑顔も、
何もかもがしゃくにさわる。

別に、自分の小さな背や、薄い胸や、頼りない肩と比較して
自らの貧相さに苛ついている訳ではない。
それは、女だから、仕方がない。

湿気の多い所ではすそが広がってしまう、
己のぱさついた短い髪と、美しく伸ばされた黒髪を比較して苛々している訳でもない。

断じて違う。


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