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戦国BASARA/エロパロ保管庫
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戦国BASARA/エロパロ保管庫

迷宮情死18

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bsr_e

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酷い雨が、幸村を叩く。雨具をつけずに愛馬を駆って山に入った。
馬では通れそうにない道に出、馬を下りて手綱を引いた。
「――旦那。人の跡はない。こっちに来てないよ」
深く入る前に、佐助が木から下りてきた。
「……政宗殿は、甲斐を深くご存じない。……この山でなければ、どこに……」
政宗を迎えに奥州の家臣が到着する前日、政宗は姿を消した。
夜着のまま、何一つ持たずに警備の厳重な躑躅が崎の屋敷から姿を消したのだ。
事前に何かを準備した気配はなく、発作的な出奔だと思われる。
だが、それならばすぐに見つかってもよさそうなものだ。
家臣と幸村と佐助、そして信玄は政宗を探した。側室の理由なき出奔は恥、と
事は奥州側には秘されている。病篤く、動くこともままならないことになっていた。
幸村は馬で気ままに駆ける振りをして、政宗を探した。
どこかを頼った形跡はなく、かといってむくろも見つからない。
――そして、もう三日になる。
この雨の中を歩き回ったら、丈夫な人間でも体調を崩すだろう。ましてや政宗は、具合がよくない。
「奥州に逃げたんじゃないの? で、来年くらいに叛旗翻すとか?」
「それはない。佐助、政宗殿が手ぶらで奥州に帰ると思うか?」
「……旦那か大将の首を持ち帰る姿しか、想像できない。――とにかく、こっちには来てないよ。
とりあえず、一旦上田に帰ろう。みんなが心配してる」
「だが、政宗殿が……」
佐助は髪をかき上げた。ばしゃばしゃと水が跳ねる。
体がひどく冷えた。春はまだ遠い。
「旦那。人を出そうって言ってるの」
「――ああ……」
幸村と佐助の二人だけで探すのは限界がある。
甲府にも幸村の部下はいるが、人探しに割けるほどの人数はいない。
「……上田……」
政宗が一度乗り込んできたことがある。街道に出れば、上田への道は分かるだろう。
「――まさか」
幸村は馬に飛び乗った。馬首を返し、山を下りて街道に出る。
――三日あれば、たどり着ける。
だが、政宗は夜着のままだ。草履や足袋はなくなっていない。辿り着けるとは思えない。
しかしほかに思いつかない。
馬を潰さないよう注意しながらも、道を急いだ。佐助の気配はついてきている。
その気になれば、馬より早く駆ける佐助だ。馬についてくることくらい、大した労ではない。
雨は一日降り続いた。時々弱くなったが、雪を溶かす勢いは保たれていた。
馬も幸村も体力の限界を感じた頃、幸村は城に戻り、馬を替えるために馬屋に入った
「旦那。なんでそんなに急いでるの?」
息一つ乱さず馬についてきた佐助が、肩にかけた緑の衣を絞りながら問うた。
幸村は髪の雫を払い、戦装束の上着を脱いだ。下につけた衣も、雨と汗でぐしょぐしょだった。
これも、と幸村は佐助に着物を渡す。
「……政宗殿は、上田にいる」
「なんで?」
衣を広げ、佐助はまた身に着けた。幸村の装束は幸村の頭に落とす。
「他に、思いつかぬ。――俺が政宗殿なら、お館様の首を土産に奥州に帰る」
藁に腰を下ろし、幸村は考えを口にした。
「……まぁ、敵だった訳だし。普通はそうしない? 大将も、奥州に人をやってるよ」
佐助は水を馬に与えながら反論する。幸村は首を振った。
「命が永くないとなると、そのようなことは無駄だ。奥州と甲斐が混乱するだけだ。
恐らく、あらゆる大名が混乱に乗じて攻めてくる」
「だから、上田? ――なんで」
「他に、死ねる場所がない」
自分ならどうするだろうと考えた。
まず、馴染んだ場所に帰ろうとする。だが、そこには帰れない。
そうなれば、一番親しい人の所に向かう。
そしてそこで死ぬだろう。
「……佐助。寺を探れ。どこかの寺に、政宗殿がいるかも知れぬ」
「――了解。朝には戻る」
佐助は雨の中に飛び出した。気配はすぐに消える。
幸村は目を閉じた。
雨は冷たく、日も冬至の頃よりは伸びたとはいえ、まだまだ短い。
「……政宗殿……」
両手で拳を作り、額に当てた。
病で痩せた体。許されるなら、息を吹きかけ温めてやりたかった。
「どうか……生きて……」
戦場では、いくつも訃報を聞いた。城が落ちる報も聞いた。城に詰めていた家臣や
身内が死んだこともある。思いがけぬ報せなら何度も受けた。
戦場で聞く思わぬ報せに似たものを感じてならない。
怖いと思った。
政宗が人知れず亡くなることが怖い。
今まで聞いたどのような報せよりも、政宗が死んだことを知る方が怖い。


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