戦国BASARA/エロパロ保管庫

ふぁっきんぐましーん2

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現実というものは常に斜め上からやってくる。
ここは北九州、元親は怪しげな南蛮の教団の築いた城にいた。
オタカラがあると聞いたからで、特にそれ以外の理由はなく、
ほんの軽い気持ちで南蛮のからくりを頂戴しに来たのだった。
城の奥深くで、怪しげな風体の教祖(?)の肖像画に祈りを捧げている
元就の姿を目撃したのはほんの数分前の事で、
あまりに想定外の出来事に思考停止しているうちにぼっこぼこにされて、
今丁度取り押さえられてしまった所なのである。
毛利元就、もとい、サンデー毛利は難しい顔をして見下ろしていた。
「……………」
「……………」
二人は押し黙ったまま、時が流れていく。
サンデー毛利は溜息をついた。
元親はといえば、こいつの顔をこんなに間近で見るのは初めてだな、
などと呑気な事を考えていた。
綺麗な顔だ、と、思う。
男にしておくのには、勿体ない。
もしも女だったなら、浚って、俺が着ても似合わないような
あれやこれやの綺麗な衣で飾り立てて遊ぶのに。
そう、思った。
「貴様は馬鹿か。何をしにここに来た」
「オタカラ奪いに来たに決まってんだろ、それ以外になにかあるってのかよ」
「貴様が奪える宝なぞここには無い。ここに在るのはザビー様の愛だけぞ」
「寝ぼけた事言ってんじゃねえよ馬鹿、たんまりあるんだろ、南蛮のからくりがよ」
「…………………」
サンデー毛利は元親を冷たい目で見下ろして、何やら考えている風情で顎に手を当てた。
「貴様は女だったな」
「…………それがどうしたってんだ」
検分するような目で見られ、元親は渋面を作ってみせる。
女だからとて男に劣らぬ働きを今までしてきたとの自負があった。
「だから、めそめそ泣いてでもみせろってのか?
 は、似合う訳ねえだろそんなの。ひょろっこいあんただったらお似合いかもしれねえが。
 いっそ女の格好でもしちゃあどうだ?」
せいいっぱいの、軽口を叩いてみせる。
この、もやしのようにひょろりとした男に、弱味を見せるのだけは嫌だった。
その軽口のせいで、たとえ首を切られることになったとしても。
だが、返ってきたのは呆れたような呟きだった。
「…………相も変わらず、気の強いおなごよ」
「………おい。どうしたんだ?」
「何がだ」
「いつもと雰囲気が違うじゃねえか」
「そうやもしれぬ。今の我の名はサンデー毛利…
 ザビー様の愛を説くため、我は生まれ変わったのだ」
サンデー毛利はそう言って、口の端に涼やかな微笑みを浮かべる。
きもい。
元親は反射的にそう思ってしまった。
なんだろう、この、違和感。
「おい」
「そう、愛。愛なのだ。我に足りなかったのは愛だったのだ」
ああ、駄目だ、目が死んでいる。
狂信者の目だ。
しかし幸せそうではある。


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