愛はありません。
- 強姦で緊縛。酷くないように書いたつもりだけど、結構酷いと思われる。
- しかも回数が無駄に多い。
- 幸村がストックホルム症候群です。小十郎もリマ症候群です。
- あいかわらずテンション低い。熱血? 何ですかそれは
- タイトルはあからさまに映画のパロディですが、内容はまったく関係ありません
―――――――――――――――――――
米沢城下の市は、活気がある。
野菜や魚、肉に米といったものから、わらじ、蓑、桶、反物、小間物、ないものを
探すほうが難しいくらい、ものに溢れ、活気に溢れている。
「ま、俺の実力だな」
政宗は城下に出ると、決まってそういう。そのときの主の顔は、嬉しさと誇りが
混ざり合った実に素晴らしい笑顔になる。
小十郎は小間物に目をとめた。櫛や紐、簪などの髪飾りが雑然と並んでいるが、
高価なものはない。木を掘り出したものばかりで、金や銀はおろか、真珠も珊瑚も
ついていない。一番高そうな櫛でも、薄く漆が塗られているだけだ。
政宗が使う櫛は、幾重にも漆が塗られ、螺鈿で龍の模様が描かれている。「独眼竜に
ふさわしいだろう」と言って笑っていた。
「……主人。これを」
「はい、はい。15文になります」
小十郎が選んだのは、赤い紐だった。そこらの娘がとりあえず髪を括るようなもので、
政宗の髪を結い上げるには安すぎるし、第一伊達の女大名、伊達政宗の髪は短い。
「政宗様にでしたら、もっと格の高い小間物屋がございましょうに」
「政宗様は、こういうのはあまりお好きじゃねぇよ」
「はぁ……」
小十郎は財布から小銭を取り出して主人に渡す。主人はぺこぺこと頭を下げ、
大事そうに小銭を受け取った。小十郎は紐を袂にしまって立ち上がり、辺りを見回した。
行き交う人の何人かが、軽く頭を下げる。
政宗から頼まれていたものの値段を検分して帳面に書きとめ、小十郎は城に戻った。
野菜や魚、肉に米といったものから、わらじ、蓑、桶、反物、小間物、ないものを
探すほうが難しいくらい、ものに溢れ、活気に溢れている。
「ま、俺の実力だな」
政宗は城下に出ると、決まってそういう。そのときの主の顔は、嬉しさと誇りが
混ざり合った実に素晴らしい笑顔になる。
小十郎は小間物に目をとめた。櫛や紐、簪などの髪飾りが雑然と並んでいるが、
高価なものはない。木を掘り出したものばかりで、金や銀はおろか、真珠も珊瑚も
ついていない。一番高そうな櫛でも、薄く漆が塗られているだけだ。
政宗が使う櫛は、幾重にも漆が塗られ、螺鈿で龍の模様が描かれている。「独眼竜に
ふさわしいだろう」と言って笑っていた。
「……主人。これを」
「はい、はい。15文になります」
小十郎が選んだのは、赤い紐だった。そこらの娘がとりあえず髪を括るようなもので、
政宗の髪を結い上げるには安すぎるし、第一伊達の女大名、伊達政宗の髪は短い。
「政宗様にでしたら、もっと格の高い小間物屋がございましょうに」
「政宗様は、こういうのはあまりお好きじゃねぇよ」
「はぁ……」
小十郎は財布から小銭を取り出して主人に渡す。主人はぺこぺこと頭を下げ、
大事そうに小銭を受け取った。小十郎は紐を袂にしまって立ち上がり、辺りを見回した。
行き交う人の何人かが、軽く頭を下げる。
政宗から頼まれていたものの値段を検分して帳面に書きとめ、小十郎は城に戻った。
政宗の使う書斎にまっすぐ向かい、執務をとっていた政宗の後ろに座った。
「政宗様。仰られていた鯨の値段ですが」
「おう、どうだった」
「値が上がっております。やはり、物が不足しているのではないかと思われます」
「まぁ、ここらじゃ鯨なんか取れねぇしな。――直接、tradしろってか?」
「長曾我部ならば、値段を吊り上げることもないでしょう。……それを材料に、政宗様を
嫁に、と言い出すかもしれませんが」
政宗は渋い顔になって小十郎に向き直った。胡坐を組み、ため息をつく。
「だから、俺は嫁になんかいかねぇっつってるだろ」
「向こうは待ち望んでいるようですよ。……とにかく、鯨は役に立つ魚ですから、
今一度ご考慮いただきたく存じます」
帳面を一枚破り、政宗の前に出す。政宗は乱暴に紙を受けとり、机に置いた。
「では、俺はこれで下がらせてもらいます」
「ああ、いいぞ。もう遅いし。――なぁ、小十郎」
「はい」
「政宗様。仰られていた鯨の値段ですが」
「おう、どうだった」
「値が上がっております。やはり、物が不足しているのではないかと思われます」
「まぁ、ここらじゃ鯨なんか取れねぇしな。――直接、tradしろってか?」
「長曾我部ならば、値段を吊り上げることもないでしょう。……それを材料に、政宗様を
嫁に、と言い出すかもしれませんが」
政宗は渋い顔になって小十郎に向き直った。胡坐を組み、ため息をつく。
「だから、俺は嫁になんかいかねぇっつってるだろ」
「向こうは待ち望んでいるようですよ。……とにかく、鯨は役に立つ魚ですから、
今一度ご考慮いただきたく存じます」
帳面を一枚破り、政宗の前に出す。政宗は乱暴に紙を受けとり、机に置いた。
「では、俺はこれで下がらせてもらいます」
「ああ、いいぞ。もう遅いし。――なぁ、小十郎」
「はい」
「お前、妻を迎えたって本当か?」
小十郎は目を瞬かせた。政宗は好奇心に満ちた目を小十郎に向け、答えを待つ。
小十郎は笑った。肩を竦め、ただの噂です、と否定した。
「身寄りのない女を拾っただけですよ。いずれ、身の振り方を考えるでしょう」
「その女、妾にでもするのか?」
「正妻もいない男が、女を囲ってどうするんですか。順番が逆でしょう。――あの女は、
俺の妻にはなりそうにありません」
「ち、つまんねぇこと言ってんじゃねぇぜ小十郎。男なら何人でも女作って、子を産ませて
家を栄えさせるもんだろ?」
「片倉の家は、俺で絶えても構わないと思っております。その方が、政宗様に存分にお仕えすることができる」
「HA! 言うねぇ」
政宗は笑うと、ひらひらと手を振った。
小十郎は頭を下げて書斎から下がった。城を下がり、屋敷に帰る。
小十郎は目を瞬かせた。政宗は好奇心に満ちた目を小十郎に向け、答えを待つ。
小十郎は笑った。肩を竦め、ただの噂です、と否定した。
「身寄りのない女を拾っただけですよ。いずれ、身の振り方を考えるでしょう」
「その女、妾にでもするのか?」
「正妻もいない男が、女を囲ってどうするんですか。順番が逆でしょう。――あの女は、
俺の妻にはなりそうにありません」
「ち、つまんねぇこと言ってんじゃねぇぜ小十郎。男なら何人でも女作って、子を産ませて
家を栄えさせるもんだろ?」
「片倉の家は、俺で絶えても構わないと思っております。その方が、政宗様に存分にお仕えすることができる」
「HA! 言うねぇ」
政宗は笑うと、ひらひらと手を振った。
小十郎は頭を下げて書斎から下がった。城を下がり、屋敷に帰る。