遅い夕餉を取って湯浴みを済ませると、小十郎は屋敷の隅にある離れに向かった。
離れといっても、作りは牢獄のようになっている。戸には鍵がついており、縁側には
格子が入っている。格子は太く、幅も腕が通る程度だ。
以前この屋敷に住んでいた伊達の家臣が、誰かを閉じ込めるために作ったもののようだ。
壊すのも面倒なので、物置として使っていた。
離れといっても、作りは牢獄のようになっている。戸には鍵がついており、縁側には
格子が入っている。格子は太く、幅も腕が通る程度だ。
以前この屋敷に住んでいた伊達の家臣が、誰かを閉じ込めるために作ったもののようだ。
壊すのも面倒なので、物置として使っていた。
今、この離れには女が住んでいる。そのことを知っているのは、小十郎が選んだ口の堅い
下働きだけだが、やはりどこかで噂は漏れているらしい。
戸の鍵を開け、小十郎は奥の部屋に向かう。女はそこを閨にしている。
下働きだけだが、やはりどこかで噂は漏れているらしい。
戸の鍵を開け、小十郎は奥の部屋に向かう。女はそこを閨にしている。
もう眠っていると思ったが、女は起きていた。
夜着を纏い褥の傍に正座している姿は夫を待つ妻のようだが、女の周囲には
殺気としか思えない気配が満ちている。
夜着を纏い褥の傍に正座している姿は夫を待つ妻のようだが、女の周囲には
殺気としか思えない気配が満ちている。
闇の中、目が光っていた。刃を思わせる輝きに、小十郎は薄く笑う。
「俺を待っていたのか?」
揶揄すれば、女は眉をひそめて顔を背ける。
小十郎は腰を下ろし、女を後ろから抱きすくめた。女の身体は強張り、嫌悪に耐えている。
髪を前に流させ、現れたうなじに唇を当てる。女は唇をかみ締め、身体を震わせていた。
「……殺せば、よいだろう」
絞り出された声は、憎悪に満ちていた。小十郎は目を細め、白い夜着の懐に手を入れた。
「お前は、生かす。政宗様と、もう一度やり合いてぇんだろ?」
「政宗殿は……俺を、どうしろと」
揶揄すれば、女は眉をひそめて顔を背ける。
小十郎は腰を下ろし、女を後ろから抱きすくめた。女の身体は強張り、嫌悪に耐えている。
髪を前に流させ、現れたうなじに唇を当てる。女は唇をかみ締め、身体を震わせていた。
「……殺せば、よいだろう」
絞り出された声は、憎悪に満ちていた。小十郎は目を細め、白い夜着の懐に手を入れた。
「お前は、生かす。政宗様と、もう一度やり合いてぇんだろ?」
「政宗殿は……俺を、どうしろと」
「どうも? お前は行方知れずということになってるからな。俺の気の済むまで、ここで
生きててもらうぜ。――真田幸村」
生きててもらうぜ。――真田幸村」
女――幸村はぐっと拳を握った。肌をまさぐる小十郎の手を払うことはしないが、身を預けるような真似もしない。
帯を解いて夜着を肩から落とすと、幸村の喉がひゅうっと鳴った。
血色のいい肌をしている。眩いような白さはないが、指でなぞれば吸い付くようだった。
胸を揉めば、がちがちと歯が鳴る。とんと軽く肩を押して褥に押し倒す。うつ伏せに倒れた
幸村は敷布を握り、小十郎を睨んだ。
帯を解いて夜着を肩から落とすと、幸村の喉がひゅうっと鳴った。
血色のいい肌をしている。眩いような白さはないが、指でなぞれば吸い付くようだった。
胸を揉めば、がちがちと歯が鳴る。とんと軽く肩を押して褥に押し倒す。うつ伏せに倒れた
幸村は敷布を握り、小十郎を睨んだ。
「殺せ」
「「真田幸村」は、もう死んだんだよ。屍は丁重に扱うのが、もののふの礼儀ってもんだろう?」
背に圧し掛かり、耳元で囁く。幸村は目を硬く閉じて敷布に顔を埋めた。髪の間から見えるうなじを
甘く噛めば、幸村は息を飲んで刺激をやり過ごす。
小十郎は優しく幸村の身体を愛撫する。最愛の女や生娘に対するような愛撫だった。
甘く濡れたところで、幸村は嬌声や喘ぎ声どころか、声一つ漏らさない。暴れることもしないが、恭順もしない。
腰を持ち上げ貫くと、幸村は敷布に顔を埋めて羞恥と辱めに耐えている。
小十郎は幸村の髪を掴んで持ち上げた。首が反り返り、顔が持ち上がる。無理やり
振り向かせると、涙に濡れた目で睨みつけられる。
「――このような扱いの、どこが丁重だ! 殺し、屍を捨てれば――ああっ!!」
罵倒は突き上げによってかき消される。
幸村は膝を曲げて腹這いになり、顔を敷布に押し付けた。すすり泣くような、呻くような
声が低く漏れる。小十郎は薄く笑いながら幸村の背を愛撫し、時々跡をつけた。
精を放てば、ぴくりと肩が動いた。耳元で孕めと囁けば、幸村は耳を塞いで首を振った。
指に優しく口付けを落とし、男根を引き抜く。
「「真田幸村」は、もう死んだんだよ。屍は丁重に扱うのが、もののふの礼儀ってもんだろう?」
背に圧し掛かり、耳元で囁く。幸村は目を硬く閉じて敷布に顔を埋めた。髪の間から見えるうなじを
甘く噛めば、幸村は息を飲んで刺激をやり過ごす。
小十郎は優しく幸村の身体を愛撫する。最愛の女や生娘に対するような愛撫だった。
甘く濡れたところで、幸村は嬌声や喘ぎ声どころか、声一つ漏らさない。暴れることもしないが、恭順もしない。
腰を持ち上げ貫くと、幸村は敷布に顔を埋めて羞恥と辱めに耐えている。
小十郎は幸村の髪を掴んで持ち上げた。首が反り返り、顔が持ち上がる。無理やり
振り向かせると、涙に濡れた目で睨みつけられる。
「――このような扱いの、どこが丁重だ! 殺し、屍を捨てれば――ああっ!!」
罵倒は突き上げによってかき消される。
幸村は膝を曲げて腹這いになり、顔を敷布に押し付けた。すすり泣くような、呻くような
声が低く漏れる。小十郎は薄く笑いながら幸村の背を愛撫し、時々跡をつけた。
精を放てば、ぴくりと肩が動いた。耳元で孕めと囁けば、幸村は耳を塞いで首を振った。
指に優しく口付けを落とし、男根を引き抜く。
茶を帯びた髪を梳く仕草は、慈しみに似たものを感じさせた。




