「………やっぱりお前は酷い奴じゃ」
腰がたたなくなった氏政は、布団に横になったまま、小太郎に恨み言をぶつけた。
小太郎は、相変わらず無言で、何かしらの準備をしている。
小太郎は、相変わらず無言で、何かしらの準備をしている。
用が済んだら、捨てられるんだろうな。
氏政は、小太郎に抱かれている最中、頭の中で何となくそう思っていた。
「…次は何処に雇われるつもりじゃ?」
小太郎は相変わらず答えない。
何をしているのかと、匍匐全身で傍に近づいてみると、小太郎は地図を広げて山崎への経路に印を付けていた。
ああ、今度は山崎に行くのか…ん?山崎?
ああ、今度は山崎に行くのか…ん?山崎?
「お前まさか…豊臣を討つ気なのか?」
小太郎は静かに頷いた。
小太郎は氏政を手放すつもりなど毛頭ない。
このまま、誰にも雇われていない気ままな状態で彼女を連れて行こうとも思ったが
彼女は北条がなくなってしまっては生きていけないと嘆く。
このまま、誰にも雇われていない気ままな状態で彼女を連れて行こうとも思ったが
彼女は北条がなくなってしまっては生きていけないと嘆く。
ならば、北条家を再興させればいい。
北条家の血筋は恐らく、氏政一人しか生き残ってはいまい。
他家に嫁いだり、養子に行ったり、小田原城以外に住んでいる眷属は知らないが。
しかし、当主たる氏政さえ健在なら、豊臣を討ち、小田原城を取り戻し、莫大な資金を手に入れて
新たに軍事整備する事も可能だと考えた。
天下統一には興味はないが、彼女が望むなら、北条に天下を取らせてもいいと思っている。
他家に嫁いだり、養子に行ったり、小田原城以外に住んでいる眷属は知らないが。
しかし、当主たる氏政さえ健在なら、豊臣を討ち、小田原城を取り戻し、莫大な資金を手に入れて
新たに軍事整備する事も可能だと考えた。
天下統一には興味はないが、彼女が望むなら、北条に天下を取らせてもいいと思っている。
何せ、今は戦国時代。力こそが全て。力ある者が望む事は、全て叶う時代なのだ。
そして、小太郎は自分の力をちゃんと知っていた。
そして、小太郎は自分の力をちゃんと知っていた。
豊臣が潰え小田原城が北条の手に戻るのは、それから間もなくの事である。
おわり