北条御一行が上田城に到着したのは、夕暮れだった。
意外にも、風魔の姿はない。
何でも、尾行している者がいたらしく、風魔自ら抹殺に向かったらしい。
お供の忍達も、俺様がお出迎えに来た途端、散り散りになって何処かへ行った。
風魔の後を追ったのだろう。
意外にも、風魔の姿はない。
何でも、尾行している者がいたらしく、風魔自ら抹殺に向かったらしい。
お供の忍達も、俺様がお出迎えに来た途端、散り散りになって何処かへ行った。
風魔の後を追ったのだろう。
そこに取り残されたのは、日除け代わりなのか重々しい兜と甲冑を纏った白くて綺麗なお姫様。
本当に可憐で弱々しげ…と思ったけど、でっかい槍を軽々と持ち歩いている所を見ると、そうでもないのかもしれない。
本当に可憐で弱々しげ…と思ったけど、でっかい槍を軽々と持ち歩いている所を見ると、そうでもないのかもしれない。
氏政とは、武田からの使いとして、何度か顔を合わせている。
初めて顔を見た時よりも、幾分生気を取り戻したような、明るい表情をしていた。
「ははー、さてはいい恋してるのかねー」なんて、内心ほくそえみながら、どっかの末っ子みたいな事を思った。
初めて顔を見た時よりも、幾分生気を取り戻したような、明るい表情をしていた。
「ははー、さてはいい恋してるのかねー」なんて、内心ほくそえみながら、どっかの末っ子みたいな事を思った。
…それにしても、いいのかね。俺様を信じちゃって。
「あ。そなたが案内役か?」
そんな俺様の心配を他所に、お姫様は首を傾げて尋ねて来る。
「ええ。今夜は主二人とも起きられなさそうなんで、休んでてもらえますか。部屋を用意してるんで、そっちに案内します。」
白いお姫様は、俺様の後をひょこひょことついてくる。
見た目だけじゃなく、動作も可愛らしい。
見た目だけじゃなく、動作も可愛らしい。
こんなおぼこいお姫様があの風魔に…と思うと、下世話な質問のひとつもしてみたくなる。
あ、やらしい意味じゃなくて、好奇心でね。風魔の房中術ってどんなんだろーとか。
…誰もいないし、聞くなら今のうちかも。
あ、やらしい意味じゃなくて、好奇心でね。風魔の房中術ってどんなんだろーとか。
…誰もいないし、聞くなら今のうちかも。
「伝説の忍殿とは、上手くやってるみたいっすね~」
「え?ま、まあ…よう働いてくれておるの…」
「…でさ、どうなの?あっちの方は。」
「あ…あっち…とは…」
「え?ま、まあ…よう働いてくれておるの…」
「…でさ、どうなの?あっちの方は。」
「あ…あっち…とは…」
ははは、しどろもどろになってら。かーわいいの。
こりゃ間違いなくクロだね。
こりゃ間違いなくクロだね。
「そりゃ決まってるでしょ。ま・ぐ・わ・い。」
「ひいいっ!」
「ひいいっ!」
氏政の真っ白な顔が、真っ赤になる。
穴があったら入りたいとばかりに、両手で顔を隠して、しゃがみこんだ。
穴があったら入りたいとばかりに、両手で顔を隠して、しゃがみこんだ。
「うう…も、もうだめじゃ…武田の忍にまでバレとるぅ…」
氏政はそのまましくしくと泣き始めた。




