「あらら。マジだったの?俺様カマかけてみただけなのに~」
しくしく泣いていた氏政は、佐助の言葉を聞くや、両手で隠していた顔をキッと上げて睨みつけてきた。
…でも、全然怖くない。むしろもっといじめたくなっちゃうね、こんな顔みたら。
「そ、そなた…、たばかったな!」
「ははは、白いお姫様って、嘘がつけないお人なんすねぇ~。
あ、心配しなくても誰にも言いませんよ。俺様、これでも口は堅いんで。」
「ま、誠であろうな。…ほ、本当に誰にも言うでないぞ…。こ、こんな事が回りに知れたら…」
「ははは、白いお姫様って、嘘がつけないお人なんすねぇ~。
あ、心配しなくても誰にも言いませんよ。俺様、これでも口は堅いんで。」
「ま、誠であろうな。…ほ、本当に誰にも言うでないぞ…。こ、こんな事が回りに知れたら…」
氏政は、縋る様な目でウルウルと佐助を見つめている。
余りに必死な氏政の様子に、佐助は首を傾げた。
余りに必死な氏政の様子に、佐助は首を傾げた。
うーん…。別に風魔とデキてるって事が周りにバレても、北条には損する事なんて、今更何もないと思うけど。
内縁状態が世間体悪いって言うなら、風魔に責任とらせて結婚でもしてもらえばいいのに。
どうせ風魔は北条に入り込むつもりだろうから、拒否しないだろう。
ていうか、白いお姫様のお願いなら、風魔は何でもすると思う。いやー愛されてるよねー。
でも、そーなると風魔が北条の婿養子になっちゃうのかな?うわーそれなんかヤダ。
内縁状態が世間体悪いって言うなら、風魔に責任とらせて結婚でもしてもらえばいいのに。
どうせ風魔は北条に入り込むつもりだろうから、拒否しないだろう。
ていうか、白いお姫様のお願いなら、風魔は何でもすると思う。いやー愛されてるよねー。
でも、そーなると風魔が北条の婿養子になっちゃうのかな?うわーそれなんかヤダ。
「武田の忍?」
「え?あ、はいな。言いません、言いませんよ、誰にも。」
「そうか!よかった、信じておるぞ」
「え?あ、はいな。言いません、言いませんよ、誰にも。」
「そうか!よかった、信じておるぞ」
佐助が口外しないと約束した途端、氏政の顔はぱあっと明るくなった。
…佐助は、何故か無性に気になった。何故、氏政は小太郎との事をひた隠しにしたがるのだろう。
…佐助は、何故か無性に気になった。何故、氏政は小太郎との事をひた隠しにしたがるのだろう。
「ひとつ聞いてもいいですか?」
「なんじゃ?」
「どうして、知られたくないんですか?風魔との事。」
「なんじゃ?」
「どうして、知られたくないんですか?風魔との事。」
氏政は眼をしばたかせた後、うーん…と少しくぐもった声を出した。
「何故…といわれると…わからぬ。何故じゃろう…とにかく嫌なんじゃ。
風魔とその様な関係にあると周囲に思われるのは。……あやつは忍じゃし」
風魔とその様な関係にあると周囲に思われるのは。……あやつは忍じゃし」
何だか、いきなり頭を殴られたような衝撃を受けた。
やっぱり忍風情が相手とあっちゃ「名門北条家」のお姫様の矜恃ってモンに傷が付くから…って事なのかな。
やっぱり忍風情が相手とあっちゃ「名門北条家」のお姫様の矜恃ってモンに傷が付くから…って事なのかな。
「……そっすか。」
「あ、そうじゃ。こんな話をした事も、風魔には言ってくれるでないぞ。…ええと、そなた、名は…」
「猿飛佐助。佐助でいいっすよ、みんなそう呼んでるし。」
「…さようか。ならば佐助、よろしくな。
あ、そうそう。…そなた、少し風魔に似ておるの。風魔よりは気さくな感じじゃが。」
「あ、そうじゃ。こんな話をした事も、風魔には言ってくれるでないぞ。…ええと、そなた、名は…」
「猿飛佐助。佐助でいいっすよ、みんなそう呼んでるし。」
「…さようか。ならば佐助、よろしくな。
あ、そうそう。…そなた、少し風魔に似ておるの。風魔よりは気さくな感じじゃが。」
近くにいるはずの氏政の笑顔が、佐助には遠く感じた。
「えーと、この石段の先にあるお屋敷になるんですけど…。ここから足場が悪くなるんで、気をつけてくださいね。」
佐助は「どうぞお姫様」と、おどけながら、手の平を上にして手を差し出した。
氏政は、少し笑いながら、差し出された手の平に手を乗せた。
氏政は、少し笑いながら、差し出された手の平に手を乗せた。
佐助はぐいと、氏政の手をひっぱって、急な坂を上るのを手伝ってやった。
そんな二人の様子を、小太郎が、彼らより少し離れた木の上から見ていた。




