今日はとってもいい天気。
お洗濯物が、よく乾きそうでござりまする。
「犬千代さま、お布団を干そうと思うのですが」
縁側に寝転んでいる夫の顔をさかさまに覗き込むと、生返事が返ってきた。
「―…ああ、」
頼む。
と。
春の陽気に誘われて、
あいかわらずうとうとしている利家に言葉を投げかける。
あいかわらずうとうとしている利家に言葉を投げかける。
「ついでに手にされていらっしゃる毛布、洗ってもよろしいでしょうか?」
利家がいきなりがばっと起き上がったので、こちらがびっくりしてしまった。
大きな体を縮ませ、うつむいて、もじもじしている。
大きな体を縮ませ、うつむいて、もじもじしている。
「こ、これは、ダメなんだ。今度にしてくれ」
「なにをおっしゃいます、ここのところ花曇ばかりでしたでしょう。
晴れているうちに済ませてしまわねば」
晴れているうちに済ませてしまわねば」
「まつ、悪い!!今度な」
毛布を抱え込むと、そっぽを向いてしまった。
大きな成りして、中身は手のかかる子供のよう…。
大きな成りして、中身は手のかかる子供のよう…。
「いーぬーちーよーさまー!」
「だーめーだー!!!!」
結局、毛布の引っ張り合いになる。