「…しろうまる…っ!」
叱咤のつもりが、思いのほか甘えたような声が出た。
身をよじらせ振り払おうとするが、
その甘い声に褒められたと思いこんだ四郎丸が、よりその奥を探ろうとする。
倒れこんだまつの着物の裾が割れ、白い脚が宵闇の縁側にふわりと浮かび上がった。
「や…!は…っ、はしたのう…ございますよ、しろ…っ!」
はしたないのはどっちだ、こんなところでこんな声を上げて。
思いがまつの頭を駆ける。
ふと、自分の秘部をとろりと伝う生ぬるい感触があった。
外気に晒された一筋のそれは、途端に熱を奪って冷えていく。
いや、まさか、こんなことで―…?
考えたくもなかったが、脚に伝った確かな感覚。
懐いた犬に組み伏せられ、探られ、感じて―
まつめは、なんと節操のない女子なのでござりましょう…!
叱咤のつもりが、思いのほか甘えたような声が出た。
身をよじらせ振り払おうとするが、
その甘い声に褒められたと思いこんだ四郎丸が、よりその奥を探ろうとする。
倒れこんだまつの着物の裾が割れ、白い脚が宵闇の縁側にふわりと浮かび上がった。
「や…!は…っ、はしたのう…ございますよ、しろ…っ!」
はしたないのはどっちだ、こんなところでこんな声を上げて。
思いがまつの頭を駆ける。
ふと、自分の秘部をとろりと伝う生ぬるい感触があった。
外気に晒された一筋のそれは、途端に熱を奪って冷えていく。
いや、まさか、こんなことで―…?
考えたくもなかったが、脚に伝った確かな感覚。
懐いた犬に組み伏せられ、探られ、感じて―
まつめは、なんと節操のない女子なのでござりましょう…!
「いぬ…ち、よ、さまぁあああっ!」
吐息交じりの、情事の最中のような声が出て
思わずまつは口を塞いだ。
まもなく、どたどたと大きな足音が屋敷中に響き渡る。
大きな握り飯を片手に、利家が現れた。
犬に組み敷かれた己の妻の姿を確認するや否や、
まつうううぅううう!!!!と、ものすごい勢いで縁側を駆け、彼女を抱きしめた。
「まつ、平気か、まつうう!!!怪我はないかぁああ!!!」
「犬千代さま…大丈夫、でござりまする」
「よかった…まつの身に何かあったら、それがし、それがし…」
ぎゅう、とまつを抱きしめ、安心しきった様子でにっこり微笑んだ。
「こら、四郎丸!まつをいじめてはいけないぞー!!」
まつもいつもの優しい夫の声に、平静を取り戻した。
「申しわけござりませぬ…お代わりを損じてしまいまして」
「いらぬ!!まつが無事ならそれで…それに、まつが作ってくれたこの握り飯が…」
そこまで言い、あーっと利家が叫ぶ。
見ると、片手に持っていたはずのおにぎりが地面に落ち、
それを四郎丸がはぐはぐとおいしそうに食べている。
夢中で向かってきたため、落としてしまったのだ。
思わずまつは口を塞いだ。
まもなく、どたどたと大きな足音が屋敷中に響き渡る。
大きな握り飯を片手に、利家が現れた。
犬に組み敷かれた己の妻の姿を確認するや否や、
まつうううぅううう!!!!と、ものすごい勢いで縁側を駆け、彼女を抱きしめた。
「まつ、平気か、まつうう!!!怪我はないかぁああ!!!」
「犬千代さま…大丈夫、でござりまする」
「よかった…まつの身に何かあったら、それがし、それがし…」
ぎゅう、とまつを抱きしめ、安心しきった様子でにっこり微笑んだ。
「こら、四郎丸!まつをいじめてはいけないぞー!!」
まつもいつもの優しい夫の声に、平静を取り戻した。
「申しわけござりませぬ…お代わりを損じてしまいまして」
「いらぬ!!まつが無事ならそれで…それに、まつが作ってくれたこの握り飯が…」
そこまで言い、あーっと利家が叫ぶ。
見ると、片手に持っていたはずのおにぎりが地面に落ち、
それを四郎丸がはぐはぐとおいしそうに食べている。
夢中で向かってきたため、落としてしまったのだ。