その頃、武田道場にて、氏政は佐助と共に「打倒小太郎」に向けての作戦を練っていた。
「うーん、力押しでどうにかなる相手じゃないんで…まあ、まずは風魔の術がわからない事にはね…」
「術…か…。わしも戦場であやつの戦う様は見ておるのじゃが…正直早すぎてまともに見る事ができぬ。」
「ははは、でしょうねえ…。そういや、かすがも目で追うのがやっとだって言ってたなあ。
となると…僅かな挙動からでも、ある程度の想定を立てるしかないな。」
「表情や仕草からあやつの動きを読むのは難しいぞ。なんせ『くうるがい』じゃからのう。」
「く、くうるがい?…もしかしてそれって、南蛮の言葉ですか?…随分詳しいんですね。」
「一人前の『れでぃ』というものは、異国の言葉も多少は嗜まねばならぬそうじゃ。」
「…ええと、それは一体何処の誰から…」
「奥州の伊達じゃ」
「術…か…。わしも戦場であやつの戦う様は見ておるのじゃが…正直早すぎてまともに見る事ができぬ。」
「ははは、でしょうねえ…。そういや、かすがも目で追うのがやっとだって言ってたなあ。
となると…僅かな挙動からでも、ある程度の想定を立てるしかないな。」
「表情や仕草からあやつの動きを読むのは難しいぞ。なんせ『くうるがい』じゃからのう。」
「く、くうるがい?…もしかしてそれって、南蛮の言葉ですか?…随分詳しいんですね。」
「一人前の『れでぃ』というものは、異国の言葉も多少は嗜まねばならぬそうじゃ。」
「…ええと、それは一体何処の誰から…」
「奥州の伊達じゃ」
ああやっぱり。最近あちこちで異国の言葉を聞くんだけど、やっぱり全部あの人の仕業なのかね。
真田の旦那も感化されてきてるんだよな。
「政宗殿から『すいーつ』をいただいたでござる!」なんて嬉しそうに言っちゃってさーってぐああっ何かムカつく!
ただ単に、竜の旦那が何かにつけて持ってくる西洋の菓子に餌付けされてるだけなのは解ってるんだけどさ…
分が悪いじゃん、俺様と竜の旦那とじゃ…身分とか身分とか。
真田の旦那も感化されてきてるんだよな。
「政宗殿から『すいーつ』をいただいたでござる!」なんて嬉しそうに言っちゃってさーってぐああっ何かムカつく!
ただ単に、竜の旦那が何かにつけて持ってくる西洋の菓子に餌付けされてるだけなのは解ってるんだけどさ…
分が悪いじゃん、俺様と竜の旦那とじゃ…身分とか身分とか。
「まあ、でも…最近のあやつは少し感情的な面も出てきておるから、もしかしたらそう難しい話ではないかもしれぬ。
それで少し困ってもいるのじゃが。」
「と、いうと?」
「…何というか、前はもっとこう『どらい』な感じじゃったのに…最近はどうも違う。
何かにやきもきしておるようなのじゃ。…どうしたのじゃろうか…」
「へえ…」
「ここに来てから、夜はまるでわしを見張っておるかのように側から離れぬのじゃ。今日だって、やっと隙を見て部屋を抜け出した
所じゃ。…もしや、ここにくる時に我々を着けて来た者の後ろ盾が気にかかるのじゃろうかのう。」
「いや、ぜんっぜん違うと思うけど」
「え?」
それで少し困ってもいるのじゃが。」
「と、いうと?」
「…何というか、前はもっとこう『どらい』な感じじゃったのに…最近はどうも違う。
何かにやきもきしておるようなのじゃ。…どうしたのじゃろうか…」
「へえ…」
「ここに来てから、夜はまるでわしを見張っておるかのように側から離れぬのじゃ。今日だって、やっと隙を見て部屋を抜け出した
所じゃ。…もしや、ここにくる時に我々を着けて来た者の後ろ盾が気にかかるのじゃろうかのう。」
「いや、ぜんっぜん違うと思うけど」
「え?」
氏政は不思議そうに首を傾げている。
本当に解らないんだろうか。
本当に解らないんだろうか。
「えーとね…伝説の忍殿はヤキモチを焼いてるんじゃないかなあ〜と思うんですけどね」
「ヤキモチ?誰に?」
「いやいや誰にってそりゃ…こうやってコソコソ自分以外の男と逢ってるお姫様にですよ。」
「え……」
「信用していない訳ではないにしても、結構腹にすえかねてるんじゃないすか?俺すっげー殺意こもった視線を浴びたし。」
「……あやつがヤキモチなぞ焼くのかのう。」
「そりゃ焼くでしょ。忍って言ったって生身の人間に変わりないんですから。」
「ヤキモチ?誰に?」
「いやいや誰にってそりゃ…こうやってコソコソ自分以外の男と逢ってるお姫様にですよ。」
「え……」
「信用していない訳ではないにしても、結構腹にすえかねてるんじゃないすか?俺すっげー殺意こもった視線を浴びたし。」
「……あやつがヤキモチなぞ焼くのかのう。」
「そりゃ焼くでしょ。忍って言ったって生身の人間に変わりないんですから。」
佐助の言葉に、氏政がうーんと頭を抱え込んだ。
やはり思い当たる節はあるらしい、…というか確定だろう。
やっぱり「秘密の特訓」は中止した方がいいかもしれない。
このままだと俺様本当に風魔に殺されちゃうかも…
このままだと俺様本当に風魔に殺されちゃうかも…
佐助は身の危険をひしひしと感じていた。
「…そうじゃのう。今日こそは、ちゃんと風魔に話してみる。
なに、あやつはそこまで頭の固い奴ではない。」
なに、あやつはそこまで頭の固い奴ではない。」
そう、氏政はあっけらかんと言ってのけたが、佐助は一抹の不安を禁じ得なかった。




