戦国BASARA/エロパロ保管庫

通草2

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nozomi

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「種はすっげぇ苦いから噛まないように実だけ口の中で舐め取るの。
 慣れない内はちょっとずつ食べなよ」
言われた通り娘は果実を小さく口に含む。飛び切りの甘さが種のごろついた感触と混ざった。
だが種を除け切れずに殆ど果肉を付けたまま吐き出してしまう。
半分も食べ切れていない様子を見て、佐助は笑いながら最初は皆そんなもんだ、と言い、
また口から種を飛ばした。
「あー、やれやれ…」
果実を食べた後木陰でゴロンと仰向けに寝転んだ佐助を見て、不思議な人だなと娘は思う。
佐助は娘と同じ甲賀の技を使うが、甲賀のどの家にも仕えて居ない。
越後の国境に近い家の二男に仕えているそうだが、それも娘は不思議だと思った。
佐助ほど腕がありながら何故武田家でなく家臣の、しかも二男などに仕えているのだろう。
この男が何くれと自分を気に掛けてくれるのも不思議だった。
わざわざこんな所に連れ出されたのは何故なんだろう。
遠くに山々を望む何の変哲もない、何処にでもありそうな場所。
「どうした?」
急に声を掛けられ慌てて娘は目を逸らし膝を抱えた。
「別に」
「顔にでーっかく『何故』って書いてあるぜ」
そんな馬鹿な、と思いつつ頬に手をやった娘を見て、また佐助は笑った。
新しい疑問が娘の中に湧く。
どうしてこの人はいつも笑っているのだろう。
苦悩や葛藤と無縁なのだろうか。
そうでなければ、こんなに朗らかに笑う事など出来ない。


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