戦国BASARA/エロパロ保管庫

松永×慶次子(→秀吉)

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お友達を、助けたいのだろう?

まるで目の笑っていない、冷えた微笑に見据えられて慶次は超刀の柄を
きつく握りしめた。お前は待っていろと優しく笑った友人を追い掛けて
女一人で軍に乗り込み暴れた後だ、既に満身創痍といっても過言ではない。
全身を覆う疲労感に重ねて身体中に作った擦り傷と痣がじくじくと痛む。
幾ら楽観主義の慶次でもこの状態で目の前の男と満足に渡り合えると思い
込む事は出来なかった。

「秀吉を返せ……!」
「やれやれ、困った子供だ」

足音のしない静かな歩みで正確な拍を乱す事なく近付いてくる松永に、身が
竦む。慶次の、見たことのない人種だった。乱暴だとか、悪漢であるとか
そんな簡単な事ではない。
全く自分を偽らぬ人間。

「卿が訪ねてきたのだろう、挨拶をしたまえ」

松永にほんの一歩前まで距離を詰められても、慶次は微動だにしなかった。
むしろ、動けなかったというのが正しい。全身を覆っているものは恐怖に
違いなかった。どんなに分が悪い喧嘩でも笑っていられる、それが慶次の
強みだったが、その強さがどんなに朧で危ういものであったかを対峙する
だけで思い知らされてしまった。ただ唯一、大事な友人の存在ばかりが
睨み付ける視線を逸らす事だけは阻んでくれた。

暫し慶次が黙ってねめつけているのを声無く笑って、松永は優雅な仕草で
後ろ手に組んでいた指を解いた。
流れる様に指先が浮いたかと思えば次の瞬間頬を張られて、慶次は目を剥く。
突然の事に反応が追い付かず、打たれた頬に熱が溜まり出して漸くずれた
視線を睨みに戻す。娘の精いっぱいのそれも余裕を寸分足りとも崩さぬ男の
目には小動物の他愛無い威嚇行動に映る事も知らずに。

「挨拶だ」

調子を崩さぬ声は冷たい柔らかさを纏って慶次を追いつめる。じんと腫れて
痛む頬を口元ごと手の甲で拭ってから、慶次は身構えを直した。腰を低く
落して、自分の背よりも長い刀を確り掴み直す。
何が何でもこの男を倒していかなくては、頑なに思いこむ慶次を嘲笑う様に
男は腰から両刃の剣を引き抜いた。

「躾のない子供は嫌いでね」
「ッ……うるさい!」

まるで崩れぬ語調を聞きたくないと、慶次は自慢の怪力で刀身に風を纏わせ
横薙ぎに振り抜いた。怒りで余計に分かり易い軌道を姿勢を崩す事もなく軽い
後退で避け切って、次ぐ一手が掛かる前に松永の剣が振り下ろされる。
刀先が地面に付いた所で柄の直ぐ下を強く打ち据えられ、既に疲労によって
硬さを増していた指先から跳ねる様にして刀が逃げる。
反射で音を立てて転がる愛刀へ腕を伸ばし掛けた慶次の喉前ぎりぎりを返った
松永の剣先が切り裂いて、慶次は動きを止めた。

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