良く見知った二人が快楽に溺れる声は、想い人を描く妄想などよりずっと慶次の
欲を駆り立てた。夢ではない。現実の、本物の。
大好きな二人が、二人である前に男と女である事を思い知らされる。
欲を駆り立てた。夢ではない。現実の、本物の。
大好きな二人が、二人である前に男と女である事を思い知らされる。
指先で己の性器が既に涎を垂らしているのを知って、慶次は背徳的な興奮に呑まれ
きっている自分を酷く恥じた。
きっている自分を酷く恥じた。
「犬千代様、犬…ちよ、さま…ぁあッ…!」
「まつ……好きだ、まつ」
「ッは、ひぁっ、あ、あぁ…――!」
「まつ……好きだ、まつ」
「ッは、ひぁっ、あ、あぁ…――!」
まつが絶頂に達する悲鳴染みた喘ぎと共に思わず全身に力籠った一瞬後、掌に
感じる温かさに慶次は真っ赤になって、その場を離れた。
断続的に続いていた軋んだ音が途切れて静かになった室内に気付かれないよう
出来る限り足を忍ばせて、それでも出来る限り早く。
二人には聞こえないであろう距離まで抜け切ると後は裏の井戸まで掛けていって
羞恥と後悔ごと洗い流すように汚れた手を流した。それから、屋敷をぐるりと
大周りして自室に戻る。
部屋の内ではもう目を覚ました子猿が暇そうにしていたが、その彼をも道連れに
布団の中に逃げ込む様に身体を収めた。
感じる温かさに慶次は真っ赤になって、その場を離れた。
断続的に続いていた軋んだ音が途切れて静かになった室内に気付かれないよう
出来る限り足を忍ばせて、それでも出来る限り早く。
二人には聞こえないであろう距離まで抜け切ると後は裏の井戸まで掛けていって
羞恥と後悔ごと洗い流すように汚れた手を流した。それから、屋敷をぐるりと
大周りして自室に戻る。
部屋の内ではもう目を覚ました子猿が暇そうにしていたが、その彼をも道連れに
布団の中に逃げ込む様に身体を収めた。
もう半刻もしたらまつ姉ちゃんが来るだろう。
慶次、まだ寝ているんですか!なんてきっと怒るから、笑ってごまかして、
いつもみたいに屋敷を抜けだそう。
慶次、まだ寝ているんですか!なんてきっと怒るから、笑ってごまかして、
いつもみたいに屋敷を抜けだそう。
先まで身体を覆っていた興奮が冷えた布団に吸い取られてしまうと後に残るのは
居心地の悪さと申し訳なさばかりで、慶次は布団を頭まで被ってぎゅっと目を
閉じた。
居心地の悪さと申し訳なさばかりで、慶次は布団を頭まで被ってぎゅっと目を
閉じた。
何にも無かった振りをしよう。何にも知らない振りをしよう。
胸に抱いた小さな相棒が己の頬を不安げに撫でるのに布団の暗がりの中で眉を
顰めた下手糞な笑いを作ってから、慶次は赤ん坊のように身を丸めた。
顰めた下手糞な笑いを作ってから、慶次は赤ん坊のように身を丸めた。
外は、柔らかな日差しに満ちている。




