- 小十郎×さすこ 昔話ねつ造
- 佐助は偽名を名乗っていますが、それ佐助です。
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誰にでも、忘れられない相手がいる。
小十郎は、雑務を追え、筆をおいた。
いつもはそんな事に心を惑わすことはない。
だが、こんな春の日には。
いつもはそんな事に心を惑わすことはない。
だが、こんな春の日には。
奥州の短い春の日だけは別だった。
もう10年以上前の出来事だ。
相手はまだ13歳ぐらいだったように記憶している。
いや、もっと若かったかもしれない。
相手はまだ13歳ぐらいだったように記憶している。
いや、もっと若かったかもしれない。
一度だけ身を重ねただけのその女を、小十郎は忘れられずにいた。
片倉小十郎は現在、竜の右目として、伊達政宗に仕えている。
だが、その前は政宗の父 輝宗に小姓として仕えていた。
だが、その前は政宗の父 輝宗に小姓として仕えていた。
そのときもこんな春の日だった。
輝宗の命で近隣の大名に書簡を渡すため、
小十郎は単身大名のもとに向かっていた。
輝宗の命で近隣の大名に書簡を渡すため、
小十郎は単身大名のもとに向かっていた。
街道の宿場町で女、いや少女が無頼者たちに不埒なまねをされかかっていた。
小十郎はそういった輩を見過ごすたちではないので
止めに入って、無頼者を追い払った。
小十郎はそういった輩を見過ごすたちではないので
止めに入って、無頼者を追い払った。
聞けば少女はこの宿場町で働く娘だという。
桜色の着物をきた色白の女だった。
目と髪が赤みがかっていたのをはっきりと覚えている。
「ありがとうございました」
深々と礼をする少女はまじまじと小十郎を見上げた。
桜色の着物をきた色白の女だった。
目と髪が赤みがかっていたのをはっきりと覚えている。
「ありがとうございました」
深々と礼をする少女はまじまじと小十郎を見上げた。