重力に従い落下してくる液体。
抵抗はするものの、息苦しさに耐えかねてついに嚥下してしまう。
酸素欲しさに咳き込むと同時に身体の芯が燃えるような感覚に陥った。
「は…ぁああ!!こ……れは……」
「里に伝わる媚薬にございます。お身体に害はありません故」
どうぞご安心くださいと彼女は続ける。
抵抗はするものの、息苦しさに耐えかねてついに嚥下してしまう。
酸素欲しさに咳き込むと同時に身体の芯が燃えるような感覚に陥った。
「は…ぁああ!!こ……れは……」
「里に伝わる媚薬にございます。お身体に害はありません故」
どうぞご安心くださいと彼女は続ける。
聞く話によると、彼女は里から抜け出した、云わば「抜け忍」である。
集団・忠誠を重んじる拠から抜け出し
敵側の配下についた裏切り者の彼女が歓迎されるとはとても思えない。
盗みに入ったのか、同郷の仲間だった者から強奪したのか、それはわからない。
だが危険な行為であったことに変わりない。何故そうまでするのか。
ここから後は何もわからない。
それから思考が霧散し、ただ喘いでいた。
集団・忠誠を重んじる拠から抜け出し
敵側の配下についた裏切り者の彼女が歓迎されるとはとても思えない。
盗みに入ったのか、同郷の仲間だった者から強奪したのか、それはわからない。
だが危険な行為であったことに変わりない。何故そうまでするのか。
ここから後は何もわからない。
それから思考が霧散し、ただ喘いでいた。
ついに秘所を護る布に手を掛けられる。
「これが……謙信様の秘事」
現れたのは、男性。
「男性と女性は、決して同時にひとつの身体に存在することはありません」
「………」
「ですが、謙信様には存在する。これは」
「おやめ、なさい」
普通ではないと、そう彼女の口が動く前に言葉を遮る。
彼女は愛おしそうにそれを撫ぜた。
「このことを知るのはかすがのみ。あぁ…謙信様……」
女性が息吹きはじめてから誰にも晒すことはなかった己の身体。
共有の秘事を得たことに満足したのか、それに慈愛に満ちた眼差しを向ける。
「これが……謙信様の秘事」
現れたのは、男性。
「男性と女性は、決して同時にひとつの身体に存在することはありません」
「………」
「ですが、謙信様には存在する。これは」
「おやめ、なさい」
普通ではないと、そう彼女の口が動く前に言葉を遮る。
彼女は愛おしそうにそれを撫ぜた。
「このことを知るのはかすがのみ。あぁ…謙信様……」
女性が息吹きはじめてから誰にも晒すことはなかった己の身体。
共有の秘事を得たことに満足したのか、それに慈愛に満ちた眼差しを向ける。