とうとうばれたのか、とかすがは思った。いや、これでも見つかるのが遅かった位だ。
佐助は細心の注意を払いながらかすがを匿っていた。まるで、大切な宝物を隠すよ
うに厳重にかすがを守っていたのだ。
「……お前は本当に馬鹿な男だ」
呆れたようにかすがは言うと、手を使って佐助の後ろに寄る。羽織を脱ぎ、それを佐
助の頭にかけて、その佐助に寄りかかりながら立ち上がった。
「いいんだよ、それで」
手にしていた苦無を手近な木に向かって放る。狙いが外れて木をかすって後ろの草
むらへと消えていき、そのわずかな衝撃に葉が数枚落ちた。
それを見届けてから、頭に被っていた羽織に腕を通すと、残っていたかすがの温かさ
が体全体を包んだ。
佐助は細心の注意を払いながらかすがを匿っていた。まるで、大切な宝物を隠すよ
うに厳重にかすがを守っていたのだ。
「……お前は本当に馬鹿な男だ」
呆れたようにかすがは言うと、手を使って佐助の後ろに寄る。羽織を脱ぎ、それを佐
助の頭にかけて、その佐助に寄りかかりながら立ち上がった。
「いいんだよ、それで」
手にしていた苦無を手近な木に向かって放る。狙いが外れて木をかすって後ろの草
むらへと消えていき、そのわずかな衝撃に葉が数枚落ちた。
それを見届けてから、頭に被っていた羽織に腕を通すと、残っていたかすがの温かさ
が体全体を包んだ。
いつもそうだ。肝心なところで、いつも駄目になる。いや、違う。いつも逃げているから
こうなるのだ。だからツケが回ってくる。そして、そのツケからも逃げようとしているのだ。
こうなるのだ。だからツケが回ってくる。そして、そのツケからも逃げようとしているのだ。
鬱屈とした気持ちを抑えながら、佐助は苦無の消えた草むらをじっと見ていた。後ろ
でかすがの動く気配がする。まだ完治したわけではなく、足は思うように動かないらしい。
佐助の見立てでは、もう忍びとしては働けない位の傷を負っている。足も元のようには
動かないだろう。かすがも感づいてはいるだろうが、佐助は何も言わなかった。
ことり、と湯呑みが佐助の脇に置かれた。
こんなことになるのならば、わざと生かさずに自らの手で殺してしまえばよかったのだ。
後悔しても、もう遅い。
佐助は、湯呑みに手を伸ばした。
水を飲む直前に、かすがが小さく何か言ったような気がしたが、そんなことをかすがが
言うはずが無いとすぐさま否定した。それに、佐助こそかすがに言わなければいけない
事が沢山あった。
結局、肝心な事は何一つ言えなかった。もう一生言う事は無いかもしれない。
でかすがの動く気配がする。まだ完治したわけではなく、足は思うように動かないらしい。
佐助の見立てでは、もう忍びとしては働けない位の傷を負っている。足も元のようには
動かないだろう。かすがも感づいてはいるだろうが、佐助は何も言わなかった。
ことり、と湯呑みが佐助の脇に置かれた。
こんなことになるのならば、わざと生かさずに自らの手で殺してしまえばよかったのだ。
後悔しても、もう遅い。
佐助は、湯呑みに手を伸ばした。
水を飲む直前に、かすがが小さく何か言ったような気がしたが、そんなことをかすがが
言うはずが無いとすぐさま否定した。それに、佐助こそかすがに言わなければいけない
事が沢山あった。
結局、肝心な事は何一つ言えなかった。もう一生言う事は無いかもしれない。




