「ほらっ、ついたよ」
うんざりしながら地上に足をつけた。
佐助が主を呼ぼうとする前に、めざとく見つけて喜色満面の幸村が走ってくる。
さながら主人を歓迎する犬のようだが、途中で妻に対して怒っていたことに気づいて顔をしかめながらゆっくり近づいてきた。
「ただいま、幸村」
にや、と口角を上げて政宗が言う。
それに笑顔を返しそうになるが幸村は踏みとどまった。
「政宗殿、某は怒っているのですぞ」
すると今度は神妙な顔で政宗が言う。
「I know.・・・うまく行くと思ったンだよ。次はばっちりやってみせ・・・」
しかし幸村は険しい顔で怒鳴った。
「なりませぬ!将が闇討ちなど卑怯千万!しかも大将の許可も得ず勝手な振る舞い・・・本来ならば軍議にかけて処罰せねばならぬところを某がとりなして事なきを得た所なのでござる!!もうあのような愚かな真似はおよし下され!」
ただでさえ地声が大きいのに、この大声。キンキンと耳鳴りがする。
すると我慢の限界が来たのか政宗が神妙な態度を翻して怒鳴り返す。
「Holy shit!んだよ、向こうが策を仕掛けてきてるんだ、こっちも少々小狡い手を使ったっていいだろ!勝てば官軍だ。俺ァてめえのためを思ってやったんだぜ!こんの分からず屋ッ!」
売り言葉に買い言葉である。
「分からず屋はどちらだ!戦に狡い手などありえぬ!某のためと言って真田の名を汚すのはやめていただこう!」
「汚すっ・・・!?」
独眼を見開いて呆然と呟き、政宗は立ちすくんだ。
見るに見かねて脇で控えていた佐助が間に入った。
「旦那、言い過ぎだよ。確かに奥方はやりすぎたけど・・・」
「うるさい、佐助!お主が昨夜止めなかったのも原因の一端だ。しばらく減給でござる!」
「なっ、そんなぁ!」
とんだ藪蛇に佐助は悲鳴を上げるが幸村はそのまま足音高く去ってしまった。
「・・・ったく、まあ、しばらくすれば忘れてくれるでしょ。大丈夫だよ、奥方。旦那はあんまり怒りが長続きする類の人じゃないから・・・っ!?」
がくんっとくずおれる政宗に驚いて佐助が抱き留める。
うんざりしながら地上に足をつけた。
佐助が主を呼ぼうとする前に、めざとく見つけて喜色満面の幸村が走ってくる。
さながら主人を歓迎する犬のようだが、途中で妻に対して怒っていたことに気づいて顔をしかめながらゆっくり近づいてきた。
「ただいま、幸村」
にや、と口角を上げて政宗が言う。
それに笑顔を返しそうになるが幸村は踏みとどまった。
「政宗殿、某は怒っているのですぞ」
すると今度は神妙な顔で政宗が言う。
「I know.・・・うまく行くと思ったンだよ。次はばっちりやってみせ・・・」
しかし幸村は険しい顔で怒鳴った。
「なりませぬ!将が闇討ちなど卑怯千万!しかも大将の許可も得ず勝手な振る舞い・・・本来ならば軍議にかけて処罰せねばならぬところを某がとりなして事なきを得た所なのでござる!!もうあのような愚かな真似はおよし下され!」
ただでさえ地声が大きいのに、この大声。キンキンと耳鳴りがする。
すると我慢の限界が来たのか政宗が神妙な態度を翻して怒鳴り返す。
「Holy shit!んだよ、向こうが策を仕掛けてきてるんだ、こっちも少々小狡い手を使ったっていいだろ!勝てば官軍だ。俺ァてめえのためを思ってやったんだぜ!こんの分からず屋ッ!」
売り言葉に買い言葉である。
「分からず屋はどちらだ!戦に狡い手などありえぬ!某のためと言って真田の名を汚すのはやめていただこう!」
「汚すっ・・・!?」
独眼を見開いて呆然と呟き、政宗は立ちすくんだ。
見るに見かねて脇で控えていた佐助が間に入った。
「旦那、言い過ぎだよ。確かに奥方はやりすぎたけど・・・」
「うるさい、佐助!お主が昨夜止めなかったのも原因の一端だ。しばらく減給でござる!」
「なっ、そんなぁ!」
とんだ藪蛇に佐助は悲鳴を上げるが幸村はそのまま足音高く去ってしまった。
「・・・ったく、まあ、しばらくすれば忘れてくれるでしょ。大丈夫だよ、奥方。旦那はあんまり怒りが長続きする類の人じゃないから・・・っ!?」
がくんっとくずおれる政宗に驚いて佐助が抱き留める。




