2009年09月23日
◇29日から講習会/「創職」めざす
失職した人に職場をつくってもらおうと、新たな起業の試みが県内で動き出す。働く人が出資した組織を共同で経営する「ワーカーズコープ」(労働者協同組合)の事業を立ち上げるため、29日から、県内で初めて失業者を対象に開く起業支援講習会だ。厳しい雇用情勢が続くなか、共同の出資・経営から新たなニーズを見つけ出し、事業を開発することが期待されている。
ワーカーズコープは、日本労働者協同組合連合会センター事業団(東京)が運営し、福祉、配送などの事業を全国で展開。県内20市町22事業所は総事業収入が年約9億円で、約420人が働いている。うち共同の出資・経営者は約300人で、ここ数年、増加する傾向にあるという。
同コープ事業所の「とうふ工房」(深谷市大谷)。地元の主婦らが豆腐を手作りし、口コミで広がった顧客らに配達。原料の大豆は熊谷市の農家と契約で栽培。1日100~300丁を販売、年間の売り上げは約1500万円。
主婦らは95年、長野県北御牧村(現・東御市)の豆腐作りによる村おこしに着目。一から製造技術を学んで営業を始めた。共同で出資・経営する組合員は新商品開発、設備導入などの事業計画のほか、給料も話し合って決める。所長の中西千恵子さん(54)は「自分たちでやりたいことが主体的にできる。常に経営面を考えなければならず大変だが、その分やりがいもあります」。
講習会はさいたま市内のコミュニティセンターなどで開かれ、同事業団が参加する「『協同労働の協同組合』法制化をめざす市民会議・埼玉」が主催。雇用情勢の悪化を受け、就労を希望する生活保護受給者らを対象に起業を目指してもらうことにした。受講は無料で、期間は約4カ月間の予定。
修了後、受講者は共同で事業を立ち上げる。市民が気軽に集うサロンのような「コミュニティー喫茶」事業の開設を想定しているが、出資者の意見次第では介護など別分野で起業する場合も。出資金(5万円以上)を出せない人は、起業後に受け取る給料からの支払いも可能。設備費用などの初期投資は同事業団が立て替えるという。
講習は最初の1カ月間を生活習慣やコミュニケーション能力の再構築に充てる。講師は介護ヘルパーやフードコーディネーターら。長期間、失業状態の人も応募すると見込み、事業所を立ち上げた人の経験談を聴いて起業意欲を高める。残り3カ月で具体的な事業計画や予算を作り、営業に必要な知識も学ぶ予定。
同コープによるこれまでの主な事業は、通所・訪問介護のほか、弁当配達サービス、病院内の清掃など地域に密着した仕事。公共施設の指定管理者も手がけている。
「市民会議・埼玉」の守本洋二事務局長(31)は「失業者には企業に一方的にクビを切られた人もいる。就職ではなく、仕事をつくる“創職”という選択肢を広めたい」。
「市民会議・埼玉」の守本洋二事務局長(31)は「失業者には企業に一方的にクビを切られた人もいる。就職ではなく、仕事をつくる“創職”という選択肢を広めたい」。
定員は10人程度。すでに男性6人が受講する予定。受講を希望する場合は28日までに同事業団東関東事業本部で事前説明を受ける。問い合わせは電話(048・***・****)へ。