大学3年生を対象としたリクルート主催の大型会社説明会が3日、大阪市住之江区のインテックス大阪で行われ、2012年春の卒業予定者の就職戦線が本格化してきた。政府や大学側から就職活動の早期始動に対する批判が高まり、一部業界で採用活動を遅らせる動きが出る中で、学生約3万人が集まった今回の説明会。参加企業からは「全社が一致しなければ、採用活動短縮は難しい」との声が大勢を占め、企業の動きに合わせざるを得ない学生たちも複雑な表情を見せた。
会場には、午前9時の受け付け開始前から長い行列ができた。会場から徒歩5分の最寄り駅に止まる電車が満員で乗れず、離れた駅から約15分かけて歩く学生も多かった。同志社大の家村歩さん(21)は「就職氷河期の再来と言われ焦っている。人だかりを見て、少しおじけづいた」と不安な表情を浮かべていた。
参加企業は約240社。商社各社が加盟する日本貿易会は13年春の卒業生から採用活動開始を4か月程度遅らせる方針を決めており、大手商社で唯一、説明会に参加した双日の担当者は「就活の時間が減り学業に専念できる。産業界全体を巻き込んで『後ろ倒し』を実現させたい」と意気込む。
しかし、企業の間では、「全社がそろって遅らせる仕組みを作らなければ、水面下で他社が抜け駆けするという不安はぬぐえない」(日本ハム)などと、採用活動の繰り下げに否定的な声が圧倒的だ。
貿易会加盟の中堅商社でさえ、「貿易会の方針は、黙っていても人材を確保できる大手商社の横暴。我が社は他の業界の動向を見ながら採用活動をせざるを得ない」と明かす。
「大学3年生の貴重な時期を就活に使うのはもったいないが、人材確保のためには採用活動繰り下げは難しい」(鹿島)などと、理想と現実とのジレンマに悩む企業もある。
大学側には、採用活動の早期化に対し、学業に支障が出るとして反対意見が根強い。高木文部科学相が先月4日、早期化に歯止めをかけるよう日本経団連の米倉弘昌会長らに要請し、日本私立大学連盟も早期化を是正すべきだとの見解を表明している。
ただ、学生の受け止め方は様々だ。
神戸女学院大の高山智絵さん(21)は「出遅れるわけにはいかないので参加したが、語学留学などやりたいことがあり、本当は就活は4年生からにしたい」と、早期始動に反対する。
一方、摂南大の上原健さん(20)は「就活も一つの勉強で、刺激となって楽しい」といい、関西大の男子学生(20)も「企業を詳しく知れば、就職か大学院進学かを早く決めることができて助かる」と、早期始動のメリットを強調する。
(2010年11月4日 読売新聞)
(2010年11月4日 読売新聞)
ソース:YOMIURI ONLINE http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20101104-OYO1T00222.htm?from=top