【ジュネーブ=藤田剛】国際労働機関(ILO)は世界的な金融・経済危機で派遣労働者の雇用が最も甚大な影響を受けたとする報告書をまとめた。派遣労働者は正社員の雇用を守るための「調整弁」に使われ、真っ先に失業していると指摘。派遣などの民間職業紹介事業を規定するILOの181号条約に従い、各国に派遣労働者の権利保護を徹底するよう呼び掛けた。
報告書によると、米国では2007年12月から09年4月に毎月5万2000人の派遣労働者が失業。ドイツでも08年10月から4~6カ月間で最大15万人が失業したほか、日本でも08年4月からの1年間で計8万5000人の派遣労働者が職を失ったと見積もった。
一方、派遣事業の市場規模は07年までは右肩上がりに成長し、同年に世界全体で3410億ドル(約31兆円)に達したと分析。各企業の08年の売上高でみると、世界各国で事業を展開するアデコ(スイス)が310億ドルで首位だった。